JPH03450Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、洗濯機用排水器の改良に関し、家庭
用及び業務用を含めて主に電気洗濯機類の製造産
業分野、或は排水器全般の製造産業分野で利用さ
れるものである。

（従来技術） 洗濯機から排水器に流捨される排水中には洗剤
の泡が多量に発生しているため、この泡が排水器
上方の目皿の集水孔から外部に溢れ出て、目皿の
外部周辺を溢出泡で汚損し易い問題がある。

上記の問題に対処するために、本考案の出願人
は、さきに、排水器本体と、該排水器本体の一側
壁下部に連通させた防臭管及び排水管から成る排
水口と、上記排水器本体の上方開口部に着脱可能
に嵌着させた多数の集水孔を有する目皿と、該目
皿の略中央部に装着した排水導入パイプとから成
り、上記排水導入パイプの上端部を上記目皿に対
して着脱可能に止着させると共に、その下端側の
上方に屈曲した屈曲先端部を上記防臭管内に嵌入
させて構成した排水器を開発して、前記の問題を
一応解決できた。

然るに、この排水器の場合は、排水器本体の内
部に防臭構造物を装備することなく、排水器本体
とは別体の排水管に防臭構造物を組込んで構成さ
れているため、嵩高となつて余分の設備スペース
を要するばかりでなく、設備施工上からも種々不
便であつて簡便に施設できない欠点がある。

そこで、本考案の出願人は、上記の欠点を除去
するために、側壁面に排水口を備えた排水器本体
内に、上方を開放した所要高さの封水槽を形成
し、該封水槽内に、上部に目皿を備えた防臭筒を
嵌挿して、封水槽と防臭筒との両部材により封水
防臭部を形成すると共に、該両部材の間に排水口
に連通する排水流路を形成し、更に、該防臭筒内
に、下部に側方に延びる排水ガイド管を備えた排
水器を嵌挿して、防臭筒と排水管との間に目皿で
の集水流路を形成すると共に、該排水ガイド管を
防臭筒の下端と封水槽の底部との間に形成された
スペース部分に挿入して上記排水流路に連通させ
て構成した洗濯機用排水器（実願昭58−157574
号）を開発して、上記の欠点を完全に解消し得た
のであるが、この場合、排水器本体の排水口は本
体の側壁面に設けられていて、横に延びる横型排
水口管専用の洗濯機用排水器であるため、狭いス
ペースで施設できる縦型排水口管には使用し難い
欠点があると共に、一般に洗濯機の排水ホースは
長目の寸法で付設されているため、排水器本体に
縦方向に真直ぐ嵌挿されている排水管の上端部に
排水ホースの先端を接続する操作を円滑に行ない
難く、且つ余分の屈曲した排水ホースが真直ぐに
伸びようとする復元力により、洗濯機の稼働振動
も加わつて排水ホースが排水管から抜脱し易いと
言う欠点のあることが判明した。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、洗濯機から排水器に流捨される排水
中の洗剤の泡が目皿の集水孔から外部に溢流する
のを確実に防止し得ると共に、防臭構造物を排水
器の本体内に設けることにより、全体をコンパク
トに構成して設備スペースを縮小でき、且つ縦型
排水口管への接続が容易であると共に、洗濯機の
排水ホースの接続を簡便確実に行い得る洗濯機用
排水器を提供することを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係る洗濯機用排水器は、底部に排水口
を備えた排水器本体内に、上方を開放すると共に
上方部に溢流口を設けた所要高さの封水槽を装設
して該溢流口と上記本体の排水口とを排水流路を
介して連通し、該封水槽内に、上部に目皿を配置
した防臭筒を嵌挿して、封水槽と防臭筒との間に
両部材により封水防臭部を形成すると共に、該防
臭筒内に、下部に側方に延びる排水ガイド管を備
えた排水管を嵌挿して、防臭筒と排水管との間に
目皿での集水流路を形成して該排水ガイド管を上
記封水防臭部の下部に連通すると共に、該集水流
路と封水防臭部とを適宜に連通し、且つ上記排水
管の上端にエルボを回動自在に嵌挿して構成され
ている。

（作用） 上記のように構成した本考案に係る洗濯機用排
水器は、その目皿部分を洗濯機用防水パンの内底
面と同一面に保つて装設すると共に、排水管の上
部に回動自在に設けたエルボに洗濯機の排水ホー
スを側方から差込んで使用するものである。而し
て、洗濯機から流捨された排水は、排水管から排
水ガイド管、封水防臭部、排水流路のみを経て排
水器口側に排出され、また、目皿部分に集水され
た防水パン上の洩流出水は、目皿での集水流路、
封水防臭部、排水流路を経て縦型の排水口側に排
出されるものである。

（本考案の実施例） 以下、本考案の実施例を添附図面に基いて説明
すれば、１は底部に排水口２を備えたプラスチツ
ク製の洗濯機用排水器本体、３は本体１に螺着し
た取着け用フランジ４に着脱自在に係着して本体
内に吊設した、上方を開放すると共に上方部の数
個所に溢流口５を開設した所要高さの封水槽で、
該封水槽３と本体１との間には溢流口５から排水
口２に通じる排水流路６が設けてある。７は上記
フランジ４に上周縁を螺着して封水槽３内に嵌挿
した上、下を開放した防臭筒であつて、その周側
及び下側において封水槽３との間に所要の間隔
l₁，l₂が設けてあり、その周側の間隔l₁により封
水防臭部８が形成されている。９は防臭筒７の上
部においてフランジ４に螺着した目皿、１０は防
臭筒７内に目皿９を貫通して嵌挿した正面形状が
逆Ｔ字形の排水管であつて、その円筒部分１１の
上部を目皿から若干突出させると共に、下部に形
成した両側方に延びる底面形状が近似鼓形状の偏
平な排水ガイド管１２，１２を上記下側の間隔l₂
の部分に夫々挿入して、排水管１０を封水防臭部
８に直接連通させると共に、防臭筒７と排水管１
０との間に目皿での集水流路１３を形成し、該集
水流路１３を前記下側の間隔l₂を介し排水ガイド
管１２，１２の弯曲側面１４，１４の個所におい
て封水防臭筒部８に連通させてあり、且つ排水管
１０の上方突出部に直角に屈曲したＬ形のエルボ
１５を回動自在に、且着脱自在に嵌挿して洗濯機
用排水器を構成したものであり、図において、１
６はエルボに設けた排水ホースとの連結部材、１
７は排水管１０の円筒部分１１の外壁に放射状に
突設した複数の突片で、排水管を安定配置させる
もの、１８は洗濯機用防水パン、１９は洗濯機の
排水ホースである。

なお、上記実施例で述べた洗濯機用排水器の各
構成部材は、全て着脱自在に構成されていて、組
立て、解体を自由に行ない得るものであるから、
その蔵置、運搬に便利であり、内部の清掃も容易
である。

（考案の効果） 本考案は前記のように構成されているので、第
１図に示す状態で洗濯機用防水パンに装着すると
共に、排水管の上部に洗濯機の排水ホースを差込
んで使用した際に、洗濯機より流捨された排水
は、その全てが排水管のガイド管のみを経て封水
防臭部に直接流入し、次いで封水槽の溢流口から
排水流路に溢流して排水口側に排出されるので、
洗濯機からの流捨排水に多量の洗剤泡が生じてい
ても、防臭筒によりこの泡が目皿側に逆流して目
皿の集水孔から溢出するのを確実に阻止し得て、
目皿の外部周辺が溢出泡で汚損されるのを完全に
防止し得ると共に、目皿部分に集水された防水パ
ン上の洩流出水も確実に排水口側に排出できる利
点がある。

さらに、排水管の上端にはエルボが回動自在に
嵌挿されており、洗濯機の排水ホースは該エルボ
を介して排水管に接続されるように構成されてい
るので、排水ホースが長い場合でも容易確実に接
続できる多大な利点があると共に、排水器の排水
口を底部に設けたので、縦型排水口への接続に至
便であつて、狭いスペースで施設できる利点があ
り、且つコンパクトな排水器により防臭効果を確
実に達成できるので、設備スペースの点において
も既述した従来品より優利であつて簡便に施設で
きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
半部分縦断正面図、第２図は平面図、第３図は排
水管の斜視図である。 １……排水器本体、２……排水口、３……封水
槽、５……溢流口、６……排水流路、７……防臭
筒、８……封水防臭部、９……目皿、１０……排
水管、１２……排水ガイド管、１３……集水流
路、１５……エルボ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部に排水口を備えた排水器本体内に、上方を
   開放すると共に上方部に溢流口を設けた所要高さ
   の封水槽を装設して該溢流口と上記本体の排水口
   とを排水流路を介して連通し、該封水槽内に、上
   部に目皿を配置した防臭筒を嵌挿して、封水槽と
   防臭筒との間に両部材により封水防臭部を形成す
   ると共に、該防臭筒内に、下部に側方に延びる排
   水ガイド管を備えた排水管を嵌挿して、防臭筒と
   排水管との間に目皿での集水流路を形成して該排
   水ガイド管を上記封水防臭部の下部に連通すると
   共に、該集水流路と封水防臭部とを適宜に連通
   し、且つ上記排水管の上端にエルボを回動自在に
   嵌挿して構成した洗濯機用排水器。