JPH0472380A - 蓄熱材 - Google Patents

蓄熱材

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JPH0472380A
JPH0472380A JP2186678A JP18667890A JPH0472380A JP H0472380 A JPH0472380 A JP H0472380A JP 2186678 A JP2186678 A JP 2186678A JP 18667890 A JP18667890 A JP 18667890A JP H0472380 A JPH0472380 A JP H0472380A
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中河原 清
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は蓄熱材に関し、更に詳しくはパラフィン類を主
成分として用いた蓄熱材に関する。
〔従来の技術〕
従来蓄熱材はその原理から物質の顕熱を利用するもの、
物質の相変化潜熱を利用するもの、物質の化学反応熱を
利用するもの等がある。現在実用的な面より物質の相変
化潜熱を利用する蓄熱材が旺目を集めており、蓄熱式空
調機器、蓄軌弐建材、各種保温器具や装置等に利用され
つつある。
この相変化潜熱を利用する蓄熱材の一つとしてパラフィ
ン等の有機物質を用いた所謂有機蓄熱材があり、この有
機蓄熱材は長期寿命に優れているので最近特に注目され
ている。
元来、潜熱型蓄熱材は無機系、有機系を含め固体から液
体への相変化時に蓄熱し、液体から固体への相変化時に
放熱する。このためこれ等潜熱型蓄熱材を利用するため
には液化時に流動して漏れないような形態を保つような
配慮が要求さる。このための密閉容器や袋に収納する方
法では、充分なる強度を有する容器等を使用すればコス
トが高く実用的ではなく、また簡易的なものにすれば容
易に破損して液が漏れたり溢れたりする恐れがあり長期
間使用する点では問題が生しる。
従って容器に収納する手段に代わって(イ)多孔質物質
内に収納する、(ロ)マイクロカプセル化する等の方法
が提案され、またこれ等を組合わせた方法が使用されつ
つある。更にはまた(ハ)ポリオレフィン、通常は架橋
ポリオレフィンに収納させてカプセル中に閉じ込める方
法も提案されている。
しかしながら上記各方法によってもパラフィン等の滲み
出しが完全には防止出来ずに大きな問題となっており、
その他製造上の工程が複雑でコスト高となる問題が生じ
る。またその他の従来方法として結晶性ポリエチレン等
の結晶状ポリオレフィンに練り込む方法も知られている
が、その成形品は高温でパラフィン等が相分離して滲み
出す問題、あるいは機械的強度が低くて自重で容易に変
形する問題等がある。たとえば深夜電力を利用する蓄熱
式床暖房にこの種の蓄熱材を適用しようとする場合、機
械的強度が低いと限られた空間内に能率良くしかも所望
の形状あるいは配置状態に設置することが困難であり、
また蓄熱のための外部からのエネルギー供給、蓄熱後の
高温度における初期形状の維持等にも困難が生して正常
な長期運転が不可となり易い。また蓄熱材を建材として
使用する場合にも充分な機械的強度が要求される。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明が解決しようとする課題は、パラフィン練り込み
タイプの従来有機蓄熱材の上記難点を解消することであ
り、更に詳しくは用いたパラフィン類の相分離やブリー
ドが生じ難く、しかも機械的強度が改善された蓄熱材を
開発することである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題は、蓄熱成分としてのパラフィン類と該パラフ
ィン類100重量部あたり5〜30重量部のバインダー
成分としての炭化水素系有機高分子、及び補強材とから
なることを特徴とする蓄熱材、就中該炭化水素系有機高
分子が、(5)熱可塑性エラストマー、(bl低結晶性
ポリオレフィン系熱可塑性プラスチックス、(C1炭化
水素系ゴム1〜20重量部と結晶性ポリオレフィン1〜
20重量部の混合物、(d+炭化水素系ゴムと該ゴムの
架橋剤からなる架橋される組成物、(21炭化水素系ポ
リマー、加水分解しうるシラン系化合物及び有機過酸化
物を主成分としてなる水架橋性組成物の(al〜te1
群から選ばれた少なくとも1種類である蓄熱材により解
決される。
上記した炭化水素系有機高分子バインダ成分はパラフィ
ンをうまく包み込んだ状態で担持するのでパラフィン類
の相分離やブリードを生し難く、後述するT、□以下の
温度では柔軟で取扱いが容易であり、また、T、□以上
の高温度において形状保持能があってしかも成形加工性
に優れ、且つ補強材により補強されているので蓄熱前も
みならず蓄熱後の高温度においても充分な機械的強度を
保持する。
〔発明の作用並びに構成〕
本発明に於いて使用されるパラフィン類としては、JI
S K 712Nプラスチツクの転移温度測定方法)に
従って測定したT□、が使用温度、即ち室温以上使用す
る有機高分子性バインダ成分の変形温度未満の温度域に
ある有機化合物が使用される。
たとえば室温〜100℃、好ましくは室温〜80℃前後
の温度域のものである。但しこの際の室温とは本発明の
蓄熱材がその稼働中に遭遇する最低温度を意味する。
パラフィン類の好ましい具体例としては、各種パラフィ
ン、ロウ、ワックスをはしめ、ステアリン酸、バルミチ
ン酸等の脂肪酸やポリエチレングリコール等のアルコー
ル類を例示することが出来、これ等1種が単独で、また
は2種以上の混合物として使用される。
上記した使用温度において、パラフィン類のあるものは
唯1つの結晶転移温度を有しくこの場合はその温度がT
□8となる。)、またあるものは2以上の多数の結晶転
移温度を有する。2種以上のパラフィン類の混合物も2
以上の多数の結晶転移温度を有する場合が多い。それら
の場合においては、最高の結晶転移温度がT□、に該当
する。
本発明で使用するパラフィン類は、必ずしも明確な融点
(全体が固体から液体に相変化する温度)を示すものに
限定しないが、多くのパラフィン類については、一般に
T amヨが融点に該当する。使用温度において、2以
上の多数の結晶転移温度を有するパラフィン類の場合、
それら全ての結晶転移温度を蓄熱に利用することが出来
る。
本発明において用いられる炭化水素系有機高分子バイン
ダ成分としては、主鎖が基本的に炭化水素であり、主鎖
中における他の成分(例えばOlN、Si、ハロゲン等
)の含を量は10重量%以下、好ましくは5重量%以下
である炭化水素系有機高分子の1種または2種以上が用
いられる。就中好ましくは以下に示すものである。
(8)熱可塑性エラストマー類:ゴム並びにプラスチッ
クスの分野で「熱可塑性エラストマー」として知られて
いるものが例示できる。特に、少なくとも前記した意味
での室温以上で且つ使用したパラフィン類のTIIII
K ”10℃の温度域では、好ましくは少なくとも室温
以上で且つTllaw +20°Cの温度域では、ゴム
弾性を有するものが使用される。
勿論、T m a。+20℃より高温度でもゴム弾性を
持続するものも好ましい。具体的にはスチレン系、オレ
フィン系、ウレタン系、エステル系等の各種の従来公知
の熱可塑性エラストマーのなかから上記条件に適合した
ものが適宜に選択して使用される。
好ましい具体例としては、スチレン系ブロック共重合体
エラストマー及びオレフィン系エラストマーである。こ
の際のスチレン系ブロック共重合体エラストマーとして
は、たとえばA−B−A(但しAはポリスチレン、Bは
ポリブタジェン、ポリイソプレン、またはこれ等に水素
を付加したエチレン・ブチレン等を示す)を例示出来る
。またオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、た
とえばエチレン−プロピレン共重合体やエチレンプロピ
レン−ジエン三元共重合体にポリエチレンまたはポリプ
ロピレンが混合された混合物、エチレン−プロビレ0共
重合体やエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体に
エチレンまたはプロピレンがグラフト重合されたもの等
を例示することが出来る。かかる熱可塑性エラストマー
類は、T am。以下の温度ではゴム弾性を有するが故
に、パラフィン類をうまく包み込むことが出来る。更に
上記エラストマーは、T m s Xより高温度におい
てもゴム弾性を持続するために、そのような高温度にお
いても溶融したり滴下することもなく、まタハラフィン
類の相分離もなくブリードを生じることもない蓄熱材の
を得ることが出来る。
fbl  低結晶性のポリオレフィン系熱可塑性プラス
チックス類:αオレフィン、たとえばエチレン、プロピ
レン、ブテン−1のコポリマー類、ハロゲン、カルボン
酸又はその誘導体を化学的に含むαオレフィンのホモポ
リマー類、コポリマー類、あるいはカルボン酸又はその
誘導体とαオレフィンとのコポリマー類であり、−船釣
にオレフィン含有量40〜100重量%、好ましくは6
0〜100重量%、且つX線回折法で測定した結晶化度
が50重量%以下、好ましくは5〜40重量%の低結晶
性ポリオレフィンである。たとえばエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−ヘキ
セン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、塩素化ポ
リエチレン等であり、JIS K6760で測定される
MFR(190℃)が0.01〜20g/10分、好ま
しくは0.1〜5g/10分のものである。これ等1種
または2種以上で使用されるが、就中JISK7121
  (プラスチックスの転移温度測定方法)によって測
定される。最高結晶転移温度(通常は融点に該当する)
が使用したパラフィン類のTmaxより少なくとも10
℃高いもの、好ましくはTvaxより少なくとも20℃
高いものが使用される。かかるポリオレフィン類は、そ
の低結晶性の故に一般に熱変形温度が高くなく、従って
使用温度に限界はあるものの、パラフィン類との混合性
が良好であって前記した種々の長所を有する。
ic)  炭化水素ゴムと結晶性ポリオレフィンとの混
合物:特に結晶性ポリオレフィン100重量部に対して
炭化水素ゴム5〜2000重量部、特に20〜500N
置部から成る組成物である。
結晶性ポリオレフィンとしては、その成分としてポリメ
チレン、ポリエチレン、ポリスチレンなどのホモポリマ
ー、メチレンを主体としてエチレン、プロピレン等が共
重合したもの、エチレンを主体としてメチレン、プロピ
レン、ブテン等が共重合したもの、プロピレンを主体と
して他のオレフィンが共重合したものなどオレフィン同
τのコポリマー、エチレン、プロピレン、ブテンなどの
オレフィンと他のモノマー、たとえば酢酸ビニル、アク
リル酸、メタクリル酸等とのコポリマー等であるが、就
中JIS K 7121(プラスチックの転移温度測定
方法)によって測定される最高結晶転移温度(通常は融
点に該当する。)が使用したパラフィン類のT、□より
少なくとも10℃高いもの、好ましくはT、□より少な
くとも20℃高いものが使用される。特にこれ等結晶性
ポリオレフィンの転移温度は、蓄熱材を床暖房装置等の
熱源を設けてなる蓄熱装置や器具等に温調装置を取付け
て使用する場合には、用いるパラフィン類のT s s
 xよりも充分に高いことが好ましい。たとえばパラフ
ィン類のT。、、が46℃の場合には、結晶性ポリオレ
フィンの当該転移温度は60℃以上、好ましくは80℃
以上、より好ましくは100℃以上である。
炭化水素ゴムとしては天然ゴム、SBR,BRlI R
,I IR,EPM、E’PDM、及びエチレン酢酸ビ
ニル共重合体ゴム等が例示される。これ等各炭化水素ゴ
ムは、それ自体は夫々良く知られたものであり、夫々の
ゴムとしては従来から知られたものがいずれも使用され
る。この炭化水素ゴムの使用により本例示組成物にゴム
的特性が賦与され、パラフィン類に対する相溶性が向上
する。
一方結晶性ポリオレフィンの使用により変形温度が高温
度に保持される。
(d)  炭化水素ゴムと炭化水素ゴムの架橋剤からな
る架橋される組成物:該組成物は充分なゴム的特性を有
し、また架橋することにより変形温度が高温度に保持さ
れる。
ここで使用される炭化水素ゴムとしては、前記(C)で
記載したものと同種のものがあげられ、炭化水素ゴムの
架橋剤としては該ゴムを架橋させうるちのであれば広く
使用出来る。天然ゴム、5BR1BR1夏R1IIR,
EPM%EPDMでは硫黄系加硫剤が好ましく、また天
然ゴム、5BR111Rではp−キシレンジオキシム等
のオキシム類も使用出来る。また天然ゴム、EPMSE
PDM、エチレン酢酸ビニル共重合体ゴムではジクミル
パーオキサイド等の有機過酸化物架橋剤も用いることが
出来る。架橋剤の使用量は、炭化水素ゴム100重量部
に対し0.5〜20重量部程置部好ましい。
またこの組成物には、必要に応し硫黄系架橋剤を用いる
場合に加硫促進剤を使用することも出来る。この加硫促
進剤としては、たとえばジフェニルグアニジン等のグア
ニジン系促進剤、2−メルカプトベンゾチアゾール等の
チアゾール系促進剤、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド等のチウラム系促進剤を例示出来、その他アルデヒド
ーアミン系化合物、アルデヒド−アンモニア系化合物、
ジチオカルバメート系化合物等も使用することが出来る
。更には酸化亜鉛等の金属酸化物、トリエタノールアミ
ン等のアミン類も使用出来る。オキシム類を架橋剤とし
て使用した場合には、硫黄、上記加硫促進剤の他に酸化
鉛を助剤として使用することが好ましい。
有機過酸化物を架橋剤として用いた場合には、硫黄、オ
キシム類、上記加硫促進剤の他にビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン等のシラン系カンプリング剤、
アクリルエステル系化合物等を架橋助剤として使用する
こともできる。この架橋助剤の使用量は、適度の架橋度
を得るに適した量で適宜に使用されれば良く、通常炭化
水素ゴム100重量部に対し0〜30重量部程置部ある
le)  炭化水素系ポリマー、加水分解しうるシラン
系化合物、及び有機過酸化物、を主成分として成る水架
橋性組成物:咳組成物は水や湿気の存在下で架橋する性
X<水架橋性)を有し、水架橋した状態においてはゴム
的特性を示す。
ここで使用される炭化水素系ポリマーとしては天然ゴム
、SBR,BR,IR等の汎用ゴム類をはしめ、その他
ポリメチレン、ポリエチレン、ポリエチレンンなどのホ
モポリマー、メチレンを主体としてエチレン、プロピレ
ン等が共重合したもの、エチレンを主体としてメチレン
、プロピレン、ブテン等が共重合したもの、プロピレン
を主体として他のオレフィンが共重合したもの、などの
オレフィン同志のコポリマー、エチレン、プロピレン、
ブテンなどのオレフィンと他の七ツマ−1たとえば酢酸
ビニル、アクリル酸、メタクリル酸等とのコポリマー等
が挙げられる。
シラン系化合物としては、一般式RR’  S i Y
z(但し、Rは1価のオレフィン性不飽和を含む炭化水
素基又はハイドロカーボンオキシ基、Yは加水分解しう
る有機基、R゛は基Rまたは基Yを表す)で表される化
合物が使用され、更に具体例としてはこの種シラン化合
物として既知のもの、たとえばビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキ
シシランなどがあげられる。シラン系化合物は、後記す
る有機過酸化物の作用により炭化水素系ポリマーにグラ
フトされ、且つ水により炭化水素系ポリマー間に架橋点
を形成する作用をなす。シラン系化合物は、炭化水素系
ポリマー100重量部に対して一般に0.05〜10重
量部、特に0.5〜5重量部で使用される。
有機過酸化物としては、その分解温度以上、特に100
℃以上の温度に於いて前記炭化水素系ポリマーに遊離ラ
ジカルを発生させ得る化合物が使用され、具体例してた
とえばジクミルパーオキサイド、2.5−ジメチル2,
5.−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3等があ
げられる。有機過酸化物は、前記炭化水素系ポリマー1
00重量部に対して一般に0.005〜2重量部、特に
0.05〜0.5重量部で使用される。該有機過酸化物
は、前記炭化水素系ポリマーに遊離ラジカルを発生させ
、前記シラン系化合物を炭化水素系ポリマーにグラフト
させる作用をなす。
本組成物例においては、必要に応しシラン系化合物の縮
合触媒を使用することも出来る。この際の縮合触媒とし
ては、通常シラノール縮合触媒として知られているもの
が使用され、たとえばジブチル錫ジラウレート、酢酸第
一錫、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛の如きカルボン酸
塩、チタン酸エステル、キレート化合物の如き有機金属
化合物等が挙げられる。この種縮合触媒の使用量は前記
炭化水素系ポリマー100重量部に対し、0.1重量部
以下程度であり、該縮合触媒は水による架橋反応を促進
する効果を有する。
本組成物は、パラフィン類と共に有機過酸化合物の分解
温度以上、通常140℃以上に設定された密閉混合機内
で少なくとも30秒以上充分に混合される。この工程で
有機過酸化物が炭化水素系ポリマーにラジカルを発生さ
せ、シラン系化合物が該炭化水素系ポリマーにグラフト
され、而して炭化水素系ポリマーが水架橋性となる。本
組成物とパラフィン類とからなる蓄熱材の水架橋後の架
橋度は、1重量%以上、特に2重量%以上とするのが好
ましい。
上記した有機高分子性バインダ成分とパラフィン類とか
ら主として成る組成物はJTS C3005に従って測
定したゲル分率にして1重量%以上(有機高分子性バイ
ンダ成分が架橋の対象となるが、パラフィン類あるいは
その他の成分を含む組成物についての値。)、好ましく
は2重量%以上に架橋されることが好ましい。架橋度が
1%以上、好ましくは2%以上とすることより、蓄熱材
の温度が使用したパラフィン類のT□8以上となっても
溶融や滴下することなく形状保持を可能とする。
本発明においては、パラフィン類100重量部に対して
有機高分子性バインダ成分は5〜30重量部である65
重量部未満では、パラフィン類のT□8以下の温度Gこ
於いて柔軟性がなく取扱い性に難があり、また下、□以
上の高温度において蓄熱材を所望の形状に保持し難くな
り、一方30重量部を超える過大量ではパラフィン類の
配合量が少なくなって蓄熱量もそれに比例して少なくな
る。
本発明においては、上記したパラフィン類と有機高分子
性バインダ成分とからなる組成物は、補強材により補強
された状態で使用される。補強材としては、ガラス繊維
、セラミック繊維、ロノクウール、カーボン繊維、金属
繊維、金属線等の無機繊維・線類、ポリアミド、ポリエ
ステル、フェノール樹脂、麻、木綿、バルブ、ジュート
等の合成または天然の有機繊維等が例示される。それら
繊維は、たとえば外径1〜1000μ砺程度であり、ア
スペクト比(長さ:外径の比)にして10〜1000程
度に細断して組成物に混合してもよく、あるいは紐、ワ
イヤ、不織布、織布、網等の状態で用いてもよい。一般
に本発明蓄熱材が板やシート状である場合、不織布、織
布、網等の補強材を1枚以上内蔵積層する状態で使用す
るのが好ましく、本発明蓄熱材が細いあるいは太い長尺
体である場合は中心に紐、ワイヤ等の補強材を1本人れ
る状態で使用するのが好ましい。またパラフィン類と有
機高分子性バインダ成分とからなる組成物の板の片面、
好ましくは両面に金網を配して補強するも好ましい。本
発明蓄熱材を構成する組成物は、成形加工性に優れてい
るので、シート状、棒状、管状等種々の形態に成形、あ
るいは成形架橋することが出来る。而して上記の細断補
強材の混合は、本発明蓄熱材のあらゆる形態に対して有
効、且つ好ましく、必要により紐、ワイヤ、不織布、織
布、網等による補強と併用するもよい。
本発明に於いては、パラフィン類と有機高分子性バイン
ダ成分の他に必要に応して各種の添加剤を配合すること
ができる。たとえば、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤
、顔料、帯電防止側の他、用途に応じて防黴剤、難燃剤
、防凧荊等である。
本発明蓄熱材はその使用に際しては、原則的には従来の
この種蓄熱材の使用態様がすべて採用出来るが、特にシ
ート状の本発明蓄熱材を防護フィルム、たとえばポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリエステル等のフィルムで
被覆し、この上から更にアルミニウムの如き金属箔を用
いて均熱化層を設けるのが好ましい、また前記フィルム
とアルミニウム等の金属箔をはり合わせたラミネートフ
ィルムで被覆しても良い。
本発明蓄熱材は、必要成分を適当な方法、たとえばパラ
フィン類を膨化水素系有機高分子バインダ成分に浸透含
浸する方法、パラフィン類と炭化水素系有機高分子バイ
ンダ成分とを機械的手段にて混合する方法等により製造
することができるが後者の機械的混合による方法が特に
好ましい。その理由は、浸透含浸する方法で製造した蓄
熱材は含浸パラフィンが徐々に移行して蓄熱材の表面が
比較的短期間内にべと付くという問題が生しる場合があ
る。これに対して炭化水素系有機高分子バインダ成分と
パラフィン類とを機械的手段にて混合して一様な組成物
とした場合、たとえ該パラフィン類の使用量が上記の如
く大量(この量はバインダ成分100重量部あたりのパ
ラフィン類量に換算すると、333〜2000重量部に
なる。)であっても、驚くべきことに得られた組成物は
成形加工性に冨み、しかもパラフィン類の成形体表面へ
の移行問題が高度に改善される。尚、この際の機械的手
段にての混合とは、パラフィン類と炭化水素系有機高分
子の双方中の少なくとも1成分の溶融物に残余の成分が
少なくとも膨潤好ましくは溶解することにより、あるい
は高温度により、混合対象となる何れの成分も外力にて
流動変形し得る状態において撹拌、混合、あるいは混練
する行為を意味する。たとえば100〜200℃に保持
されたパラフィン類の溶融物に炭化水素系有機高分子を
溶解し、得られる高温度の溶液を攪拌混合するllLi
様、混合各成分が軟化する温度、たとえば50〜100
℃で2本ロール、バンバリーミキサ、押出機、2軸混練
押出機等の通常のfA練機を使用して混練混合する態様
等が例示される。混合の程度は、可及的に充分であるこ
とが好ましいが、一般には1〜30分程度の混合を行っ
て目視にて一様に混合されたと判断される程度で目的は
達成される。上記の2成分以外の成分を配合する場合は
、それらの成分も一緒に機械的手段にて混合するとよい
。蓄熱材が架橋される場合は、機械的手段にて混合され
、必要に応して所望形状に成形された後に行えばよい。
〔実施例〕
以下に実施例並びに比較例を示して本発明の詳細な説明
する。
実施例1〜5、比較例1〜2 第1表に示す組成(割合は全て重量部)について、まず
パラフィン類とを機高分子性バインダ成分を混合し、8
枚のガラスクロス間に積層成型して厚さ]、5nの板状
蓄熱材を得た。この際、実施例1〜3及び比較例1〜2
は、130℃〜180℃に加温した容器で充分攪拌混練
して型に流し込み積層成型し、実施例4は2本ロール混
合機にて混合して得た組成物シートとガラスクロスを積
層させて165℃×30分プレス成型し、実施例5はシ
リンダー温度200℃の2軸混練押出機を用いて混合し
た後、型に流し込み積層成型し、さらに温水中に浸漬さ
せて水架橋させた。
各実施例及び比較例につき、第1表に示す特性を以下の
方法で測定した。
最大蓄熱温度:本発明蓄熱材は、使用したパラフィン類
の示す結晶転移温度特性が反映した蓄熱特性を示す。最
大蓄熱温度とは、最も大きな蓄熱あるいは吸熱を示す温
度であって、多くの場合パラフィン類のT It a 
Xまたは融点おいて、あるいはその近傍温度で現れる。
この温度をJIS K 7121に準じてDSC装置で
測定した。
蓄熱量: JIS K 7122に準してDSC装置に
より融解熱(kJ/kg)を測定し、kcal/kgに
換算して表示した。
柔軟性:蓄熱材を20fl巾の短冊状に切り取り、両端
を把持して90度に曲げ、破損するかどうかを調べて破
損のないものを良とした。
形状保持性+1QcIIXIQciの蓄熱材を金網の上
に置き、最大蓄熱温度よりも20°C高い雰囲気温度に
昇温させ、目視観察し、形状的に見て、大略、原形を保
っているものを良とした。不良は溶融、滴下が見られた
ものである。
滲み出し:形状保持性が良であった蓄熱材についてポリ
エチレンフィルム袋中に封入し、所定温度に24時間放
置してパラフィン類が分離しているかどうかを目視観察
した。はとんど異常のないものを良とした。明らかに分
離が認められるものが不良である。
測定結果を第1表に示すが、本発明の実施例1〜5の蓄
熱材はいずれも35kcal/kg以上の蓄熱量を有し
、実用的に必要な他の特性も満足するものであった。一
方比較例は柔軟性、形状保持性が実施例のそれらより劣
っているか、蓄熱量不足である。
実施例6〜7、比較例3 第1表に示す組成について、まずパラフィン類だけを容
器中に130℃〜180℃に加熱して溶融しておき、実
施例の場合は有機高分子性バインダ成分と細断補強材と
を、一方比較例場合は有機高分子性バインダ成分のみを
加え約60〜120分間攪拌し均一に溶融混合した溶融
混合物を型に流し込んで厚さ15mの蓄熱材を得た。
各実施例及び比較例につき、第1表に示す特性を前記の
方法で測定し、結果を第1表に示した。
ただし、形状保持性は、巾20鶴、長さ20国の短冊状
の蓄熱材を実用上想定される最高温度域である80℃の
オーブン中に吊し、原形保持性を調べた。
異常のないものを良、垂れ下がりが著しいものを不良と
した。各実施例は満足する特性であったのに対し、比較
例は垂れ下がり約1時間後に落下し、形状保持性が不足
であった。
実施例8、比較例4 第1表に示す組成について、実施例5と同し方法で混合
し、1fIφのSUSワイヤーを補強心材として5fl
φの棒状の実施例8の蓄熱材を得た。
比較例は補強心材のない同しサイズの棒状蓄熱材である
。実施例、比較例の蓄払材共に温水浸漬して架橋させた
後、実施例1と同し方法で特性を測定し、第1表に示し
た。
ただし、形状保持性は、最大蓄熱温度よりも20℃高温
のオーブン中で蓄熱材の両端を支持して、変形状況、垂
れ下がり状態を目視観察し、殆ど変形のない場合を良と
した。
実施例は形状保持性が良いので蓄熱槽等の蓄熱材として
有効であるのに対し、比較例は変形するため、かかる用
途には不充分である。
〔発明の効果〕
本発明の蓄熱材は、パラフィン類の相分離やブリードを
生し難く、最大蓄熱温度以上の高温度においても充分な
機械的強度を有していて而して形状保持能がある。した
がってたとえば深夜電力を利用する蓄熱式床暖房、蓄熱
槽等に適用して施工が容易であり、しかも長期安全運転
上Gこ頗る有f11である。また蓄熱用建材としても有
用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)蓄熱成分としてのパラフィン類と、該パラフィン
    類100重量部あたり5〜30重量部の炭化水素系有機
    高分子、及び補強材とからなることを特徴とする蓄熱材
  2. (2)炭化水素系有機高分子が、 (a)熱可塑性エラストマー、 (b)低結晶性ポリオレフィン系熱可塑性プラスチック
    ス、 (c)炭化水素系ゴム1〜20重量部と結晶性ポリオレ
    フィン1〜20重量部の混合物、(d)炭化水素系ゴム
    と該ゴムの架橋剤からなる架橋される組成物、 (e)炭化水素系ポリマー、加水分解しうるシラン系化
    合物及び有機過酸化物を主成分としてなる水架橋性組成
    物の(a)〜(e)群から選ばれた少なくとも1種類で
    ある第1請求項に記載の蓄熱材。
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JP2008523204A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 温度管理用相変化物質(pcm)組成物
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