JP5153166B2 - エチレン共重合体を含有する架橋物及び架橋発泡物並びにそれらを含む積層体 - Google Patents

エチレン共重合体を含有する架橋物及び架橋発泡物並びにそれらを含む積層体 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン共重合体を含有する架橋物及び架橋発泡物並びにそれらを含む積層体に関する。なお、本明細書において、前記エチレン共重合体は、エチレンをモノマー成分として含む共重合体を意味する。また、前記架橋発泡物は、前記架橋物であって、発泡したものを意味する。更に、前記積層体は、前記架橋物又は架橋発泡物からなる層を含む積層体を意味する。
室内装飾用フィルム又はシート、自動車内装用フィルム又はシート、電化製品外装用フィルム又はシート、粘着テープ、電池封止材用シート、緩衝材、電線被覆コード等には、樹脂成分として、従来エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が多く用いられている。上記EVAは、フィルムやシートに加工して用いられる場合が多く、それらは架橋物又は架橋発泡物の状態でも用いられる。
EVAは、可塑剤を用いなくても柔軟であり、しかも低温特性や耐光性に優れており、更に加工安定性も良好であるため、フィルム、シート、袋等の素材として好ましい。また、人体に対して無害である点でも好ましい。
また、EVAの架橋物は、耐熱性、耐湿性、耐水性が高く、しかも加工安定性が比較的良好であるため、特に室内装飾用フィルム又はシート、自動車内装用フィルム又はシート、電化製品外装用フィルム又はシートの表皮材として好適に用いられる。
更に、EVAの架橋発泡物は、軽量、柔軟に加えて良好な弾性特性を有し、しかも圧縮永久歪みが少ないため、特に室内装飾用フィルム又はシート、自動車内装用フィルム又はシート、電化製品外装用フィルム又はシート又はその内層材として適している。例えば、上記架橋発泡物を内層材とし、上記表皮材と組み合わせることにより弾力のある積層体が得られる。EVAは他の樹脂との接着性が高いため、積層体を作製し易い。
EVAを用いた具体例としては、例えば、特許文献1には、酢酸ビニル(VA)含有量が多いEVAを主成分とする本体層とVA含有量が少ないEVAを主成分とする封止層とからなる架橋性積層シートを太陽電池の封止材として用いることが開示されている。
また、特許文献2には、EVA、架橋剤、発泡剤及び発泡助剤を混練後に成形し、更に発泡、硬化させた発泡成形体について開示されている。
特開2005−129926号公報 特開2004−026990号公報
しかしながら、上記EVA、その架橋物、架橋発泡物は、ある程度の耐磨耗性や耐スクラッチ性を有するとは言え、その性能はまだ不十分である。特にフィルムやシートとして用いる場合には、表面美観を長期持続させる観点から、耐磨耗性や耐スクラッチ性を更に改善することが求められている。
従って、本発明は、従来、EVA、その架橋物、架橋発泡物が用いられているフィルム、シート等の耐磨耗性や耐スクラッチ性を改善することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、EVAに替えて特定のエチレン共重合体を使用し、前記エチレン共重合体を架橋した場合には、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のエチレン共重合体を含有する架橋発泡物及び積層体に関する
. エチレン共重合体又はそれに架橋剤を配合した組成物に、前記エチレン共重合体100質量部に対して0.5〜10質量部の発泡剤を配合したエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物であって、
(1)前記エチレン共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の一種以上、又はエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の一種以上及びエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の一種以上の混合物であり、
(2)前記エチレン共重合体は、(メタ)アクリル酸単位含量が4〜20質量%、(メタ)アクリル酸エステル単位含量が25質量%以下であり、且つ、メルトフローレートが10〜100g/10分である、
ことを特徴とするエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
. 前記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体と前記エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の配合比が、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体=3:7〜10:0(質量比)である、上記項に記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
. 前記架橋剤は、前記エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜2質量部配合されている、上記項又はに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
. 前記エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜5質量部の多価アルコール及びその多量体の少なくとも1種を更に含む、上記項のいずれかに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
. 更に無機化合物を前記エチレン共重合体100質量部に対して5〜200質量部含む、上記項のいずれかに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
. 前記無機化合物は、炭酸カルシウム及び酸化チタンの少なくとも1種である、上記項に記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
. 上記項のいずれかに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物を架橋、発泡させてなる架橋発泡物。
. 前記架橋は、電子線架橋又は前記エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜2質量部配合された架橋剤による架橋であり、前記架橋物のゲル分率が20〜90%である、上記項に記載の架橋発泡物。
. 上記項7又は8に記載の架橋発泡物の層の少なくとも1層を含む積層体。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のエチレン共重合体を含有する架橋物は、エチレン共重合体又はそれに架橋剤を配合した組成物を架橋してなる架橋物であって、
(1)前記エチレン共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれた少なくとも1種であり、
(2)前記エチレン共重合体は、(メタ)アクリル酸単位含量が4〜20質量%、(メタ)アクリル酸エステル単位含量が0〜25質量%であり、且つ、メルトフローレートが10〜100g/10分である、ことを特徴とする。
上記架橋物は、その表面の耐磨耗性及び耐スクラッチ性が良好である。そのため、上記架橋物からなるシートやフィルムは、従来のEVAを用いたシートやフィルムと比較して表面特性(特に耐磨耗性や耐スクラッチ性)が優れている。なお、架橋物としては、更に発泡させた架橋発泡物の状態で用いることもできる。
以下、1)上記架橋物及び架橋発泡物を製造するための原料、2)当該架橋物及び架橋発泡物、3)積層体について説明する。
1.架橋物を製造するための原料
上記架橋物を製造するための原料(以下「原料」と略記する)としては、エチレン共重合体又はそれに架橋剤を配合した組成物であって、
(1)前記エチレン共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体から選ばれた少なくとも1種であり、
(2)前記エチレン共重合体は、(メタ)アクリル酸単位含量が4〜20質量%、(メタ)アクリル酸エステル単位含量が0〜25質量%であり、且つ、メルトフローレート(JISK7210−1999 190℃ 2160g荷重)が10〜100g/10分であるものを用いる。
(エチレン共重合体)
上記エチレン共重合体としては、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体及びエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の共重合体を用いる。
上記(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。つまり、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸−メタクリル酸共重合のいずれかが含まれる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステルは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。つまり、(メタ)アクリル酸エステルをモノマー成分とする場合には、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの一方又は両方をモノマー成分として含む場合が含まれる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜8の脂肪族アルコールとのエステルが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸i−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチルが挙げられる。
本発明では、エチレン共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(二元共重合体と称する)及びエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(三元共重合体と称する)の少なくとも1種を含有すれば良い。本発明においては二種以上のエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(二元共重合体)同士、又はエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(三元共重合体)同士、あるいは二元共重合体の一種以上と三元共重合体の一種以上を混合して上記エチレン共重合体としてもよい。この中でも、三元共重合体を必須成分とすることが好ましく、特に二元共重合体と三元共重合体の両方を含有することが好ましい。三元共重合体を必須成分とする場合には、架橋物又は架橋発泡物をシートやフィルムとして用いる場合に、それらを貼り付ける面の形状に追従させ易い。また、二元共重合体と三元共重合体とを併用する場合には、架橋物や架橋発泡物の粘弾性等を用途に応じて微調整し易くなるという利点もある。
上記エチレン共重合体は、(メタ)アクリル酸単位含量が4〜20質量%(好ましくは9〜18質量%)、(メタ)アクリル酸エステル単位含量が0〜25質量%(好ましくは4〜20質量%)であり、且つ、メルトフローレート(MFR)が10〜100g/10分(好ましくは20〜80g/10分)であるものを用いる。
なお、本明細書におけるMFRは、「JISK7210−1999 190℃ 2160g荷重」に準拠して測定した値である。
エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体としては、(メタ)アクリル酸単位含量が4〜20質量%、好ましくは9〜18質量%、MFRが10〜100g/10分、好ましくは20〜80g/10分であるものを用いる。
エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸単位含量が4〜20質量%、好ましくは9〜18質量%、(メタ)アクリル酸エステル単位含量が25質量%以下、好ましくは4〜20質量%、MFRが10〜100g/10分、好ましくは20〜80g/10分であるものを用いる。
また本発明において二元共重合体同士、又は三元共重合体同士、あるいは三元共重合体の一種以上と二元共重合体の一種以上とを併用する場合、配合物として上記(メタ)アクリル酸単位含量、(メタ)アクリル酸エステル単位含量及びMFRが得られる限りにおいて配合前の各共重合体の(メタ)アクリル酸単位含量、(メタ)アクリル酸エステル単位含量及びMFRは限定されないが、配合後のエチレン共重合体のMFRは上記の通り10〜100g/10分であり、配合前の各成分のMFRは1〜600g/10分が好ましい。三元共重合体と二元共重合体とを併用する場合の配合比は、エチレン共重合体として、三元共重合体:二元共重合体(質量比)=3:7〜10:0が好ましく、5:5〜10:0がより好ましく、7:3〜9:1が特に好ましい。
(架橋剤及び架橋助剤)
上記原料は、架橋剤及び架橋助剤を更に含有する組成物であってもよい。例えば、熱処理により樹脂架橋させる場合には、架橋剤及び架橋助剤を配合することが好ましい。電子線照射により架橋させる場合には、架橋剤はなくてもよいが、併用することもできる。
架橋剤としては、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生して分子間又は分子内に架橋結合を形成させる公知のラジカル発生剤が使用できる。例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1,3−ビス(タ−シャリ−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物が挙げられる。これらの架橋剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
架橋剤の配合量は限定されないが、エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜2質量部が好ましく、0.1〜1.5質量部がより好ましい。
架橋剤に加えて、架橋助剤を配合することもできる。架橋助剤としては、ポリアリル化合物やポリ(メタ)アクリロキシ化合物のような多不飽和化合物が例示できる。例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエートのようなポリアリル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートのようなポリ(メタ)アクリロキシ化合物、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
架橋助剤の配合量は限定されないが、エチレン共重合体100質量部に対して10質量部以下が好ましく、0.1〜3質量部がより好ましい。
(発泡剤及び発泡助剤)
上記原料は、架橋発泡物を得るために更に発泡剤を含有してもよい。
発泡剤としては、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤が用いられる。公知の中から、前記エチレン共重合体の軟化温度以上で熱分解するものを選択して使用する。
無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類等が挙げられる。
有機系発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミドなどのアゾ系化合物、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド、トリニトロトリメチルトリアミンなどのニトロソ系化合物、例えば、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、アリルビス(スルホニルヒドラジド)などのヒドラジド系化合物、例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)などのセミカルバジド系化合物、例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなどのフッ化アルカン、例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなどのトリアゾール系化合物等が挙げられる。
これらの発泡剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
発泡剤の含有量は限定されないが、好ましくは発泡倍率が2〜20倍(好ましくは3〜10倍程度)となり、実質的に独立気泡が得られるように設定する。例えば、エチレン共重合体100質量部に対して0.5〜10質量部(特に1〜5質量部)から選択する。
上記原料は、発泡助剤を更に含有してもよい。
発泡助剤としては、例えば、尿素を主成分とする尿素系化合物、酸化亜鉛、酸化鉛等の金属酸化物、サリチル酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸又はその金属塩が挙げられる。上記の中でも、特に高級脂肪酸金属塩が好ましい。これらの発泡助剤は、単独又は2種以上を混合して使用できる。
発泡助剤の配合割合は、特に限定されないが、エチレン共重合体100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
(無機化合物)
上記原料は、無機化合物を更に含有してもよい。無機化合物は、例えば、充填材や着色隠蔽(下地の着色を隠蔽する用途)のために用いる。
無機化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ等の充填材や酸化チタン(TiO)等の顔料等が挙げられる。炭酸カルシウム、チタンは汎用性があり安価である。また、酸化チタンは白色であるため、隠蔽性を付与し易い。これらの中でも、炭酸カルシウム及び/又は酸化チタンが好ましい。
無機化合物の含有量は限定的ではないが、エチレン共重合体100質量部に対して5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましい。
(多価アルコール及び/又はその多量体)
上記原料は、多価アルコール及び/又はその多量体を更に含有しても良い。これにより、発泡を促進することができる。また、発泡時の変色(黄変)を抑制することができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。また、多量体としては、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの中でも、グリセリンなどの3価以上の多価アルコールやその多量体が好ましい。
多価アルコール及び/又はその多量体の含有量は限定されないが、エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、1〜4質量部がより好ましい。
(その他)
上記原料は、本発明の効果に影響を与えない範囲で上記以外の成分を含んでも良い。例えば、樹脂成分(水添石油樹脂など)、着色剤、抗酸化剤、安定化剤、UV吸収剤、難燃剤、加工助剤等が挙げられる。
(上記原料の調製及び成形)
上記原料は、例えば、各成分を混合し、加熱しながら混練することにより得る。混練手段としては、例えば、バンバリー、強力ミキサ、ロールミル、押出機等が挙げられる。上記原料は、公知の手段により成形する。例えば、圧縮成形、射出成形、押出成形等の成形法を用いることができる。なお、原料の段階で必ずしも形成する必要はなく、後記する架橋後に成形してもよい。
成形の形状としては、例えば、シート又はフィルム状がある。この場合には、押出機によって容易に成形できる。シート又はフィルム状とする場合の厚さは限定的ではないが、5μm〜10mm程度が好ましい。
2.架橋物及び架橋発泡物
架橋物を得る手段としては、例えば、電子線照射による架橋がある。以下、シート又はフィルムに成形した場合を例示して説明する。この場合には、前記シートやフィルムに対して、電線照射装置から電子線を照射することにより、エチレン共重合体を架橋させる。
電子線照射条件は、シートやフィルムの厚さに応じて、加速電圧や照射量を調節する。
加速電圧は、100〜1000kV程度が一般的であり、架橋物の柔軟性、強度及び加工性を総合的に考慮すると、100〜600kV程度が好ましい。
照射量は、10〜500キログレイ(KGy)程度が一般的であり、架橋物の柔軟性、強度及び加工性を総合的に考慮すると、10〜100キログレイ程度が好ましい。かかる照射量であれば、架橋物の柔軟性を損なわずにエチレン共重合体を十分に架橋でき、耐磨耗性や耐スクラッチ性を発揮する。また、かかる照射量があれば、例えば、架橋物を沸騰水に浸漬した場合でも、実質的に収縮しない程度となる。
架橋物を得る手段としては、その他、熱処理による熱架橋がある。その場合には、架橋剤を含有するシート、フィルムに対して、熱処理することにより架橋させることができる。熱処理条件は限定的ではないが、通常は130〜240℃程度が好ましく、140〜180℃程度がより好ましい。
架橋の程度は、例えば、ゲル分率によって表される。本発明では、架橋物のゲル分率は、20〜90%程度が好ましく、50〜90%程度がより好ましい。ゲル分率が20%未満では架橋の程度が不十分となり易い。また、90%を超えるとフィルム、シートとしての柔軟性が失われ、脆く、加工性に欠け易くなる。なお、本明細書におけるゲル分率は、架橋物(試料)1gをキシレン80ml中で110℃×24時間浸漬後、未溶解試料を取り出して120℃×24時間乾燥後の質量を測定し、下記式から算出した値である。
ゲル分率(%)=未溶解試料質量(g)/試料質量(1g)×100
上記架橋物を更に発泡させる場合には、発泡剤を含む架橋物を熱処理する。熱処理条件は限定的ではなく、発泡剤の種類に応じて適宜設定できるが、通常は160〜240℃程度が好ましく、180〜240℃程度がより好ましい。熱処理時間は限定されず、熱処理温度に応じて適宜設定できるが、通常は0.5〜3分程度が好ましい。熱処理には、例えば、公知の発泡炉が利用できる。
上記以外に、熱処理によって架橋と発泡とを同時に行わせる方法もある。例えば、樹脂組成物(原料)が架橋剤と発泡剤とを含有する場合には、熱処理によって架橋と発泡とを同時に行わせることができる。この場合の熱処理条件も限定されないが、通常は160〜240℃程度が好ましく、180〜240℃程度がより好ましい。熱処理時間は限定されず、熱処理温度に応じて適宜設定できるが、通常は1〜20分時間程度が好ましい。
3.積層体
上記架橋物シート又はフィルムは、従来のEVA架橋物シート又はフィルムと比較して、表面が傷つき難く耐摩耗性、耐スクラッチ性に優れ、高強度であり、施工性も優れている。
即ち、上記架橋物(架橋発泡物も含む)シート又はフィルムは、例えば、室内装飾用フィルム,シート、自動車内装用フィルム、シート、電化製品外装用フィルム、シート等に好適に使用できる。
本発明の架橋物や架橋発泡物からなるフィルム状やシート状の成形体は、必要に応じて表面模様を施す等により、それぞれ単独で室内装飾用、自動車内装用、電化製品外装用等のフィルム、シートとして用いることができるが、例えば、ポリエチレン、OPP等のポリオレフィン系樹脂やPET、ナイロン、カーボネート等の他の熱可塑性樹脂基材、不織布、布、紙等の基材、アルミ箔、錫箔等の金属箔基材等に積層して積層体表皮層としても使用できる。
また、積層態様として、上記架橋物層、架橋発泡物層の何れかと上記基材との積層の他に、例えば架橋物層を表皮層に、架橋発泡物層を中間層に組合せ、これを基材層に積層したものも好適に用いられる。
本発明の架橋物(架橋発泡物も含む)は、従来のEVAからなる架橋物又は架橋発泡物フィルム、シート等に比べて表面が傷つき難く耐摩耗性、耐スクラッチ性に顕著に優れ、強度的にも強く且つ積層等の加工性にも、施工性にも優れる。
更に、従来品と同様、押出成形等により容易にフィルム状又はシート状に成形できる等数々の利点を有する。
このため、室内装飾用フィルム、シート、自動車内装用フィルム、シート、電化製品外装用フィルム、シートとして単独で又は積層シート等の表皮層、内部層として好適に用いられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。
なお、シートの引張破断強度、伸び、ゲル分率の測定方法は、下記の通りとした。
1)引張強度・伸び試験:JIS3号(K6301)に準拠した。但し、引張試験速度を200mm/分とした。
2)ゲル分率測定:試料1gをキシレン80ml中で110℃×24時間浸漬後、未溶解試料を取り出し、120℃×24時間乾燥後の質量を測定し、下記式よりゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=未溶解試料質量(g)/試料質量(1g)×100
実施例1(二元共重合体)
エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:15質量%、MFR:25g/10分、密度:940kg/m)を0.5mm×150mm×150mmのプレスシートに加工した。
次に、電子線照射装置「EPS−800、(株)NHVコーポレーション製」を用いてプレスシートに電子線を照射することにより、樹脂架橋させた。電子線照射条件は、加速電圧:600kV、電子流:4.2mA、速度:2m/分、照射幅:540mm、照射雰囲気:空気中、照射線量:10Mrad(50KGy×2パス)とした。
得られた架橋物シートのゲル分率、引張破断強度及び伸びを測定した。
測定結果を下記表1に示す。
比較例1(EVA)
EVA(VA含量:10質量%、MFR:9g/10分、密度:930kg/m)を0.5mm×150mm×150mmのプレスシートに加工した。
次に、電子線照射装置を用いて、プレスシートに電子線を照射することにより、樹脂架橋させた。電子線照射条件は、実施例1と同じとした。
得られた架橋物シートのゲル分率、引張破断強度及び伸びを測定した。
測定結果を下記表1に示す。
比較例2(EVA)
EVA(VA含量:19質量%、MFR:2.5g/10分、密度:930kg/m)を0.5mm×150mm×150mmのプレスシートに加工した。
次に、電子線照射装置を用いて、プレスシートに電子線を照射することにより、樹脂架橋させた。電子線照射条件は、実施例1と同じとした。
得られた架橋物シートのゲル分率、引張破断強度及び伸びを測定した。
測定結果を下記表1に示す。
Figure 0005153166
表1から明らかなように、本発明の架橋物シートは、従来品のシートと比べて強度特性が優れていることが分かる。
実施例2(二元共重合体)
エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:100g/10分、密度:940kg/m)80質量部、水添石油樹脂(「アルコンP100」、荒川化学工業製)20質量部、架橋剤(「パークミルD」、日本油脂(株)製、ジクミルパーオキサイド)0.5質量部、炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)30質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、発泡剤(「AC3K−2」、永和化成製、アゾジカルボンアミド)5質量部を配合した。
上記配合物をラボプラストミルにより4分間混合した。混合時の設定温度は110℃、回転数は100回転/分とした。
混合後の樹脂組成物を150℃で6分間プレス成形することにより、厚さ200μmのシートを作製した。
次に、このシートを、240℃で2分間加熱し、樹脂架橋及び発泡させた。
得られた架橋発泡シートの耐スクラッチ性とYI(黄色度指数)とを測定した。耐スクラッチ性は、学振式磨耗試験(JISA6921 6.3.2に規定の方法において、摩擦子を400往復させる条件とした)により測定した。評価基準は、磨耗試験後の表面状態を観察し、最良(5級):◎、良(4級以上5級未満):○、やや悪い(3級以上4級未満):△、悪い(3級未満):×とした。また、YIは、黄色度指数(JISK7105)に準拠して測定した。以下、耐スクラッチ性及びYIの説明について同様である。
測定結果を下記表2に示す。
実施例3(二元共重合体)
更にジエチレングリコール1質量部を加えた以外は、実施例2と同様にして架橋発泡シートを作製した。
得られた架橋発泡シートの耐スクラッチ性とYI(黄色度指数)とを測定した。
測定結果を下記表2に示す。
実施例4(二元共重合体)
ジエチレングリコールをグリセリン1質量部に替えた以外は、実施例3と同様にして架橋発泡シートを作製した。
得られた架橋発泡シートの耐スクラッチ性とYI(黄色度指数)とを測定した。
測定結果を下記表2に示す。
比較例3(EVA)
EVA(VA含量:20質量%、MFR:20g/10分、密度:930kg/m)90質量部、水添石油樹脂(「アルコンP100」、荒川化学工業製)10質量部、架橋剤(「パークミルD」、日本油脂(株)製、ジクミルパーオキサイド)0.5質量部、炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)30質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、発泡剤(「AC3K−2」、永和化成製、アゾジカルボンアミド)4質量部及びステアリン酸亜鉛(発泡助剤)4質量部を配合した。
上記配合物をラボプラストミルにより4分間混合した。混合時の設定温度は110℃、回転数は100回転/分とした。
混合後の樹脂組成物を150℃で6分間プレス成形することにより、厚さ200μmのシートを作製した。
次に、このシートを、240℃で2分間加熱し、架橋及び発泡させた。
得られた架橋発泡シートの耐スクラッチ性とYI(黄色度指数)とを測定した。
測定結果を下記表2に示す。
Figure 0005153166
表面状態:最良◎(5級)、良○(4級以上5級未満)、やや悪い△(3級以上4級未満)、悪い×(3級未満)
表2から明らかなように、本発明の架橋発泡シートは従来品発泡シートに比べ表面摩耗耐性や耐スクラッチ性に優れることが分かる。また、多価アルコールを配合した場合に色相が改良され(黄色度低下)、特に3価アルコールであるグリセリンを配合した場合に効果が高いことが分かる。
実施例5(表層に二元共重合体)
裏打紙(110μm)上に、内層(100μm)及び表層(10μm)を積層した。
表層は、エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:15質量%、MFR:25g/10分、密度:940kg/m)により形成した。
内層は、EVA(VA含量:20質量%、MFR:20g/10分、密度:930g/m)90質量部と水添石油樹脂(「アルコンP100」、荒川化学工業製)10質量部との混合物に、該混合物100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、アゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物により形成した。なお、表層及び内層はともに同時押出し成形により形成した。
次に、上記積層体に175kvの電子線を3Mrad照射して表層を架橋させた後、220℃で35秒間熱処理を行って内層を発泡させた。
得られた架橋発泡積層体の耐スクラッチ性を測定し、表面状態を観察した。
測定結果を下記表3に示す。
実施例6(表層及び内層に二元共重合体)
裏打紙(110μm)上に、内層(100μm)及び表層(10μm)を積層した。
表層は、エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:15質量%、MFR:25g/10分、密度:940kg/m)により形成した。
内層は、エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:100g/10分、密度:940g/m)80質量部と水添石油樹脂(「アルコンP100」、荒川化学工業製)20質量部との混合物に、該混合物100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、アゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物により形成した。なお、表層及び内層はともに同時押出し成形により形成した。
次に、上記積層体に175kvの電子線を3Mrad照射して表層を架橋させた後、220℃で35秒間熱処理を行って内層を発泡させた。
得られた架橋発泡積層体の耐スクラッチ性を測定し、表面状態を観察した。
測定結果を下記表3に示す。
実施例7(表層に二元、内層に三元共重合体)
裏打紙(110μm)上に、内層(100μm)及び表層(10μm)を積層した。
表層は、エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:15質量%、MFR:60g/10分、密度:940kg/m)により形成した。
内層は、エチレン−メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:35g/10分、密度:940kg/m)70質量部とエチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:500g/10分、密度:930kg/m)30質量部との混合物に、該混合物100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、アゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物により形成した。なお、表層及び内層はともに同時押出し成形により形成した。
次に、上記積層体に175kvの電子線を3Mrad照射して表層を架橋させた後、220℃で35秒間熱処理を行って内層を発泡させた。
得られた架橋発泡積層体の耐スクラッチ性を測定し、表面状態を観察した。
測定結果を下記表3に示す。
比較例4(EVA)
裏打紙(110μm)上に、内層(100μm)及び表層(10μm)を積層した。
表層は、EVA(VA含量:20質量%、MFR:70g/10分、密度:0.94kg/m)により形成した。
内層は、上記と同じEVA100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、アゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物により形成した。なお、表層及び内層はともに同時押出し成形により形成した。
次に、上記積層体に175kvの電子線を3Mrad照射して表層を架橋させた後、220℃で35秒間熱処理を行って内層を発泡させた。
得られた架橋発泡積層体の耐スクラッチ性を測定し、表面状態を観察した。
測定結果を下記表3に示す。
Figure 0005153166
表面状態:最良◎(5級)、良○(4級以上5級未満)、やや悪い△(3級以上4級未満)、悪い×(3級未満)
表3から明らかなように、本発明の架橋発泡シートは従来品シートに比べ表面摩耗耐性や耐スクラッチ性に優れることが分かる。
参考例1〜4(発泡壁紙の施工性)
(参考例1:二元共重合体)
エチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:100g/10分、密度:940g/m)80質量部と水添石油樹脂(「アルコンP100」、荒川化学工業製)20質量部との混合物に、該混合物100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部及びアゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物を押出し成形することにより、裏打紙(65g/m)上に発泡剤含有樹脂層を形成した。次に、発泡剤含有樹脂層に175kvの電子線を3Mrad照射して架橋させた後、220℃で熱処理を行って発泡樹脂層(100μm)を形成した。
(参考例2:三元共重合体)
エチレン−メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:35g/10分、密度:940kg/m)100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部及びアゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物を押出し成形することにより、裏打紙(65g/m)上に発泡剤含有樹脂層を形成した。次に、発泡剤含有樹脂層に175kvの電子線を3Mrad照射して架橋させた後、220℃で熱処理を行って発泡樹脂層(100μm)を形成した。
(参考例3:三元:二元=8:2)
エチレン−メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:35g/10分、密度:940kg/m)80質量部とエチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:500g/10分、密度:930kg/m)20質量部との混合物に、該混合物100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、アゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物を押出し成形することにより、裏打紙(65g/m)上に発泡剤含有樹脂層を形成した。次に、発泡剤含有樹脂層に175kvの電子線を3Mrad照射して架橋させた後、220℃で熱処理を行って発泡樹脂層(100μm)を形成した。
(参考例4:三元:二元=7:3)
エチレン−メタクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:35g/10分、密度:940kg/m)70質量部とエチレン−メタクリル酸共重合体(メタクリル酸含量:10質量%、MFR:500g/10分、密度:930kg/m)30質量部との混合物に、該混合物100質量部に対して炭酸カルシウム粉(「ホワイトンH」、白石カルシウム(株)製)35質量部、酸化チタン粉(「R108」、デュポン製)25質量部、アゾジカルボンアミド(発泡剤)4質量部を配合した樹脂組成物を押出し成形することにより、裏打紙(65g/m)上に発泡剤含有樹脂層を形成した。次に、発泡剤含有樹脂層に175kvの電子線を3Mrad照射して架橋させた後、220℃で熱処理を行って発泡樹脂層(100μm)を形成した。
(施工性評価)
参考例1〜4で作製した発泡壁紙の裏面にでん粉系接着剤(「ルーアマイルド」ヤヨイ化学工業(株)製)を固形分60g/mとなるように塗工後、5℃の環境下でi)石膏ボード面、ii)石膏ボードで作製された90°角の出隅部、iii)石膏ボードで作製された90°角の入隅部に貼り付け、24時間放置後の外観を観察した。なお、i)では、石膏ボード面に発泡壁紙を2枚(同一の発泡壁紙)突き付けて貼り付けた。
観察結果を下記表4に示す。
Figure 0005153166
○:角部及び突き付け部に浮きが認められない
△:角部及び突き付け部に浮きが認められる
表4から明らかなように、二元共重合体のみを用いる場合よりも、三元共重合体単独や二元共重合体と三元共重合体との混合物を用いる場合の方が、シート(発泡壁紙)の柔軟性が高く、施工面の形状への追従性が良いことが分かる。

Claims (9)

  1. エチレン共重合体又はそれに架橋剤を配合した組成物に、前記エチレン共重合体100質量部に対して0.5〜10質量部の発泡剤を配合したエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物であって、
    (1)前記エチレン共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の一種以上、又はエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の一種以上及びエチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の一種以上の混合物であり、
    (2)前記エチレン共重合体は、(メタ)アクリル酸単位含量が4〜20質量%、(メタ)アクリル酸エステル単位含量が25質量%以下であり、且つ、メルトフローレートが10〜100g/10分である、
    ことを特徴とするエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
  2. 前記エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体と前記エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体の配合比が、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体:エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体=3:7〜10:0(質量比)である、請求項に記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
  3. 前記架橋剤は、前記エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜2質量部配合されている、請求項又はに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
  4. 前記エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜5質量部の多価アルコール及びその多量体の少なくとも1種を更に含む、請求項のいずれかに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
  5. 更に無機化合物を前記エチレン共重合体100質量部に対して5〜200質量部含む、請求項のいずれかに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
  6. 前記無機化合物は、炭酸カルシウム及び酸化チタンの少なくとも1種である、請求項に記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物。
  7. 請求項のいずれかに記載のエチレン共重合体架橋発泡物製造用組成物を架橋、発泡させてなる架橋発泡物。
  8. 前記架橋は、電子線架橋又は前記エチレン共重合体100質量部に対して0.1〜2質量部配合された架橋剤による架橋であり、前記架橋物のゲル分率が20〜90%である、請求項に記載の架橋発泡物。
  9. 求項7又は8に記載の架橋発泡物の層の少なくとも1層を含む積層体。
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