JP3671320B2 - ゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は均一微細な気泡、リサイクル性を有し、かつゴム状発泡体に関し、特にヘタリの改善されたオレフィン系軟質樹脂架橋発泡体とその発泡性組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
自動車部品としてのリサイクル性の高まり、例えば射出成形で骨材樹脂と一体成形されるシール材であっても、複合材料としてのリサイクル性が求められている。
耐熱性、柔軟性に優れるとともに、熱成形加工性に優れる発泡材料として、例えば特開平2−255738号公報、或いは特開平3−47849号公報に提案されているが、これらの発泡体材料は柔軟性、熱成形加工性、リサイクル性には優れるが、耐圧縮永久歪性は優れて良いとは言い難く、低荷重圧縮に限定した狭い範囲での用途では可能であるが、高荷重圧縮下での使用は、いわゆるヘタリが大きくなり、荷重圧縮の広範囲での使用ができ難い。
したがって、高分子材料部品のリサイクル性や耐圧縮永久歪性を満足し得るより高性能で高機能な発泡体の出現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、リサイクル性、耐圧縮永久歪性を満足し得るゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体と、該発泡体を構成する発泡性組成物、及び該発泡体の製造方法を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体は
ゴム状オレフィン系軟質樹脂からなり、かつ
(i)平均気泡径が50μm〜150μmであり
(ii)ゲル分率が40〜99%であり
(iii)発泡体の結晶化度が3〜30%である
(iv)柔軟性指数が4以上である
ことを特徴とし、その発泡性組成物として、
150℃加温時の体積膨張が25℃における体積との比をとった体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)で1.05以上であるゴム状オレフィン系軟質樹脂(A)、熱分解型発泡剤(B)、過酸化物架橋剤(C)からなる成分を混練りしてなる発泡性組成物で、この発泡性組成物の配合重量比(B)/(A)、(C)/(A)がそれぞれ0.5〜15.0/100,0.3〜2.5/100であることを特徴とし、その製造方法として、
150℃加温時の体積膨張が0℃における体積との比をとった体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)で1.05以上であるゴム状オレフィン系軟質樹脂(A)、熱分解型発泡剤(B)、過酸化物架橋剤(C)を配合重量比(B)/(A)、(C)/(A)がそれぞれ0.5〜15.0/100,0.3〜2.5/100の割合で配合した配合物を混練りして得た発泡性組成物を130℃以上,40kgf/cm2以上の加熱加圧成形工程を経て発泡することを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体について具体的に説明する。
1.ゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体の発泡性組成物
この架橋発泡体を形成するゴム状オレフィン系軟質樹脂としては、オレフィン系共重合体ゴム、または結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合物が用いられる。
本発明で用いられるオレフィン系共重合体ゴムは、結晶化度30%以下の無定形ランダムも含めた弾性共重合体であって、2種類以上のα−オレフィンからなる非結晶性および結晶化度30%以下の結晶性α−オレフィン、これら2種類以上のα−オレフィンと非共役ジエン共重合体等が上げられる。
【0006】
このようなオレフィン系共重合体ゴムの具体的な例としては、以下のようなゴムが挙げられる。
(1)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム
[エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(2)エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム
[エチレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(3)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム
[プロピレン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
(4)ブテン・α−オレフィン共重合体ゴム
[ブテン/α−オレフィン(モル比)=約90/10〜50/50]
上記、α−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1ーブテン、1ーペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、1ヘキセン、1ーオクテン、1ーノネン、1ーデセン、1ーウンデセン、1ードデセン、1ートリデセン、1ーテトラデセン、1ーペンタデセン、1ーヘキサデセン、1ーヘプタデセン、1ーノナデセン、1ーエイコセン、3ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーペンテン、3ーエチルー1ーペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、4ーメチルー1ーヘキセン、4,4ージメチルー1ーヘキセン、4,4ジメチルー1ーペンテン、4ーエチルー1ーヘキセン、3ーエチルー1ヘキセン、9ーメチルー1デセン、11ーメチルー1ードセン、12ーエチルー1ーテトラデセン、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0007】
また、上記非共役ジエンとしては、具体的には、ジシクロペンタジエン、1,4/ヘキサジエン、シクロオクタジエン、メチレンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどが挙げられる。
これらの共重合体ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100℃)]は10〜250、特に40〜150が好ましい。
また、上記(2)のエチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴムは、ヨウ素価が25以下であることが好ましい。
本発明で用いられる上記オレフィン系共重合体ゴムのほかに、オレフィン系共重合体ゴム以外、たとえばスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、天然ゴム(NR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴム、SEBS、ポリイソブチレンなどのゴムを部分的に用いることもできる。
【0008】
本発明においては、ゴム状オレフィン系軟質樹脂として結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合物を使用することができる。即ち、この混合物はゴム弾性に富み、ゴム状オレフィン系軟質樹脂として用いると、各種成形においてゴム弾性による優れた復元性を発現する事ができるゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体が得られる。
結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合物からなる未発泡のゴム状オレフィン系軟質樹脂中において、オレフィン系共重合体ゴムは、未架橋、部分架橋、全体架橋など、すべての状態で存在することができる。
【0009】
本発明で用いられる結晶性ポリオレフィン樹脂としては、炭素原子数2〜20のα−オレフィンの単独重合体または共重合体が挙げられる。
上記結晶性ポリオレフィン樹脂の具体的な例としては、以下のような(共)重合体が挙げられる。
(1)エチレン単独重合体
[製法は、低圧法、高圧法のいずれでも良い]
(2)エチレンと10モル%以下の他のα−オレフィンまたは酢酸ビニル、エチルアクリレートなどのビニルモノマーとの共重合体
(3)プロピレン単独重合体
(4)プロピレンと10モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体(5)プロピレンと30モル%以下の他のα−オレフィンとのブロック共重合体(6)1ーブテン単独重合体
(7)1ーブテン単独重合体10モル%以下の他のα−オレフィンとのランダム共重合体
(8)4ーメチルー1ーペンテン単独重合体
(9)4ーメチルー1ーペンテンと20モル%以下のα−オレフィンとのランダム共重合体
【0010】
上記α−オレフィンとしては、具体的には、上述したオレフィン共重合体ゴムを構成するα−オレフィンの具体例と同様のα−オレフィンが挙げられる。
本発明で用いられる、結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合物において、結晶性ポリオレフィン樹脂はオレフィン系共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂との合計量100重量部に対して、好ましくは70重量部未満、さらに好ましくは50重量未満、特に好ましくは5〜35重量部の割合で用いられ、従って、オレフィン系共重合体ゴムは、両者の合計100重量部に対して、好ましくは30重量部以上100重量部未満、特に好ましくは、65〜95重量部の割合で用いられる。
【0011】
上記のような結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系重合体ゴムとの混合物の改質材として、スチレン・ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、塩素化ポリエチレン等を、オレフィン系重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂との合計量100重量%に対して、10重量%以下の量で添加してもよい。
【0012】
本発明において、架橋発泡体を形成するオレフィン系共重合体ゴム又は結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合物に軟化材として、パラフィン系、ナフテン系、あるいはアロマチック系の軟化剤またはエステル系可塑剤等をオレフィン系共重合体ゴム又は結晶性ポリオレフィン樹脂とオレフィン系共重合体ゴムとの混合物の合計量100重量%に対して、10重量%以下の量で添加してもよい。
【0013】
また、本発明に係る発泡体を形成するゴム状オレフィン系軟質樹脂は、150℃加温時の体積膨張が0℃における体積との比をとった体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)で1.05以上であるものを用いる。
体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)がこの範囲のものであれば、この体積膨張率を発泡成形時に効果的に応用することで発泡体の気泡径を微細にコントロールすることができる。
【0014】
本発明に係る発泡体は、上述したように、ゴム状オレフィン系軟質樹脂の架橋発泡体であるので、この軟質樹脂中には、通常、発泡剤、架橋剤が配合される。ただし、樹脂の架橋を電子線、中性子線、α線、β線、γ線、X線、紫外線等の電離性放射線の照射により行う場合は架橋剤を配合しなくともよいが、電離性放射線の照射による架橋処理に際し架橋助剤として、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ベンゾイルキノンジオキシム、N−メチルーNー4ージニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパンN,N’−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシド架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アクリルメタクリレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
この架橋助剤の配合により発泡体の気泡径、ゲル分率、密度の調整を行うことができる。
【0015】
本発明で好ましく用いられる発泡剤としては、熱分解してガスを発生する熱分解型発泡剤があり、具体的には、ジエチルアゾカルボキレート、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、4,4ーオキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、3,3ージスルホンヒドラジドフェニルスルホン酸、N,Nージニトロソペンタメチレンテトラミンなどが挙げられる。
発泡剤は、未発泡のゴム状オレフィン系軟質樹脂マトリックス(母材)全体100重量部に対して、通常0.5〜15重量部、好ましくは0.5〜13重量部の割合で用いられる。
またこれらの発泡剤は単独または複数の組合せ、およびいわゆる分解助剤を併用して用いることができる。
また樹脂の発泡については、発泡剤による発泡に代えて、揮発性溶剤や水等の蒸気圧によって樹脂を発泡させることもできる。
【0016】
本発明における架橋は、従来公知の架橋方法で行うことができ、架橋剤を使用する熱架橋の代表的な例としては、硫黄加療、過酸化物架橋が挙げられる。
また電離性放射線架橋についても従来公知の方法で行うことができる。
過酸化物架橋剤で好ましく用いられる架橋剤は、有機ペルオキシドであり、その具体例としては、ジクミルペルオキシド、ジーtert−ブチルペルオキシド、2,5ージメチルー2,5ージ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5ージメチルー2,5ージ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシンー3、1,3ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1ービス(tert−ブチルペルオキシ)ー3,3,5ートリメチルシクロヘキサン、n−ブチルー4,4ービス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシ、Pークロロベンゾイルペルオキシド、2,4ージクロロベンゼゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウオイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキド等が挙げられる。
これらの内では、臭気性、スコーチ安定性の点で、2,5ージメチルー2,5ージ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5ージメチルー2,5ージ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシンー3、1,3ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1ービス(tert−ブチルペルオキシ)ー3,3,5ートリメチルシクロヘキサン、n−ブチルー4,4ービス(tert−ブチルペルオキシ)バレレートが好ましく、なかでも1,3ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
有機ペルオキシドは、未架橋のゴム状オレフィン系軟質樹脂マトリックス(母材)全体100重量部に対して、通常0.3〜2.5重量部程度の配合が好ましく、実際的な配合量は発泡体の気泡径、ゲル分率、密度等のバランスを考慮して調整される。
【0017】
本発明においては、上記ペルオキシドによる架橋処理に際し架橋助剤として、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p’−ベンゾイルキノンジオキシム、N−メチルーNー4ージニトロソアニリン、ニトロソベンゼン、ジフェニルグアニジン、トリメチロールプロパンN,N’−m−フェニレンジマレイミドのようなペルオキシド架橋用助剤、あるいはジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アクリルメタクリレートのような多官能性ビニルモノマーを配合することができる。
この架橋助剤の配合により発泡体の気泡径、ゲル分率、密度の調整を行うことができる。
【0018】
本発明で用いられる、ゴム状オレフィン系軟質樹脂中にその他必要に応じて各種架橋剤、架橋促進剤、発泡助剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、可塑剤、難燃剤、増粘剤、滑剤、着色剤、など、オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物に通常用いられる添加剤を本発明の目的を損なわない範囲において、添加することができる。
また、この他上記ゴム状オレフィン系軟質樹脂中に充填剤を配合することもできる。充填剤としては、具体的には、カーボンブラック、ニトロソ顔料、ベンガラ、フタロシアニン顔料、パルプ、繊維状チップ、カンテン等の有機充填材料、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ヴェントナイト、シラスバルーン、ゼオライト、珪酸白土、セメント、シリカフューム等の無機充填剤が挙げられる。
体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)がこの範囲のものであれば、混練り工程で結晶成分の融解にともなった良好な作業性が得られ、またこの体積膨張率を発泡成形時に効果的に応用することで、発泡体の発泡倍率の向上、および発泡体の気泡径を微細なものにすることができる。
【0019】
2.ゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体
本発明に係る発泡パッド材は、上記のような各成分からなるゴム状オレフィン系軟質樹脂の架橋発泡体であり、気泡径が好ましくは、50μm〜150μm、さらに好ましくは、50μm〜135μmである。
この気泡径が50μm〜150μm、さらに好ましくは、50μm〜135μmの発泡体を用いると、発泡体の、特に高荷重の圧縮に対してヘタリが小さい。
気泡径は、発泡体を形成する樹脂が同一の組成であっても、発泡体のゲル分率により異なり耐圧縮永久歪に大きな影響与え、気泡径が5μm〜250μmであっても、発泡体のゲル分率が低すぎる(40%以下)と、この発泡体の高荷重の圧縮によるヘタリが悪く、使用できない。
なお、気泡径の求め方は、実施例の項で後述する。
【0020】
本発明に係る発泡体は、架橋の度合いの指標である130℃熱キシレンによるゲル分率が好ましくは、40〜99%、さらに好ましくは、50〜90%、特に好ましくは、60%〜85%の範囲にある。ゲル分率が上記のような範囲にある発泡体は、各種高荷重の圧縮を伴う成形に充分な復元性を示し、ヘタリが小さく、成形後の発泡体は柔軟性に富んだ耐圧縮永久歪性に富んだクッション性を発現させることができる。
また、ゲル分率が上記のような範囲にある発泡体と複合化する他の同種材料との熱接着性に優れた複合部品材料が得られる。なお、ゲル分率の詳細な求め方は、実施例の項で後述する。
上記のように調整された、本発明に係る発泡体を形成する結晶性ポリオレフィン樹脂とゴムとの混合物は、X線回折法により測定した結晶化度が、3〜30%、好ましくは3〜25%、さらに好ましくは3〜20%の範囲にあることが望ましい。
【0021】
結晶化度が上記のような範囲にある場合は、発泡体は充分な復元性を示し、ヘタリが小さく、賦形成に優れ、しかも柔軟性に富んだクッション性を発現させることができる。
また、結晶化度が上記のような、範囲にある発泡体と他の複合材料、例えば芯材形成用樹脂との熱接着を行うと、発泡体と芯材形成用樹脂との接着性に優れた複合材部品が得られる。
【0022】
また、本発明に係る発泡体は、柔軟性指数(N)が、4以上、好ましくは発泡体の発泡倍率が2倍〜25倍で4〜10以下、さらに好ましくは、発泡倍率が2倍〜25倍で4〜9の範囲にあることが望ましい。
柔軟性指数(N)が、上記のような範囲にある場合は、発泡体は充分な復元性を示し、ヘタリが小さく、賦形成に優れ、しかも柔軟性に富んだクッション性を発現させることができる。
【0023】
3.ゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体の製造方法
本発明に係る、ゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体は、以下のような方法で調整することができる。
まず、上述した各成分を均一に混練し、未発泡未架橋のゴム状オレフィン系軟質樹脂を調整し、その樹脂を所定の形状に成形する。
未発泡未架橋のゴム状オレフィン系軟質樹脂の調整方法としては、たとえば、まずオレフィン系共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂とからなる混合物(マトリックス(母材))またはオレフィン系共重合体ゴム(マトリックス)に、熱分解型発泡剤、架橋剤、およびその他の添加剤を個別に溶融混練する方法がある。
【0024】
このような方法では、たとえば、オレフィン系共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂とを、一旦V型ブラベンダー、タンブルブラベンダー、リボンブラベンダー、ヘンシェルブラベンダーなどの公知の混練機を用いて混練、必要であれば、この混練に続いてさらに、押出機、ミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサーなどで混練する。
この混練は熱分解型発泡剤の分解温度未満の温度で行うのが望ましい。
また、発泡助剤、湿潤剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、老化防止剤、着色剤などの添加剤および充填剤は、上記溶融混練のいずれかの段階において配合することができる。
【0025】
次いで、上記混練により得られた混練物に、架橋剤および必要に応じて架橋助剤、加硫促進剤等を加えて、V型ブラベンダー、タンブルブラベンダー、リボンブラベンダー、ヘンシェルブラベンダーなどの公知の混練機を用いて、好ましくは架橋剤の分解反応温度よりも50℃以下の温度で均一に混練した後、この混練物を、開放型のミキシングロールあるいは非開放型のバンバリーミキサー、押出し機、ニーダー、連続ミキサーなどの公知の混練機で架橋剤等を混練分散させる。
この混練は、熱分解型発泡剤および架橋剤の分解温度未満の温度、好ましくは架橋剤の1分間半減期温度よりも20〜50℃低い温度で行うのが望ましい。
【0026】
また、未発泡未架橋のゴム状オレフィン系軟質樹脂の他の調整方法としては、オレフィン系共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂に熱分解型発泡剤と架橋剤およびその他添加剤を同時に添加して溶融混練する方法がある。
このような方法では、たとえば2軸混練押出機を用いて、熱分解型発泡剤および架橋剤の分解温度未満の温度で、オレフィン系共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂のペレットと熱分解型発泡剤および架橋剤等の添加剤とを連続的に混練する。
【0027】
次に、上記のように溶融混練して得られる未発泡未架橋のゴム状オレフィン系軟質樹脂を、熱分解型発泡剤および架橋剤が分解しない温度でシート状に成形し、未架橋、未発泡の成形体を得る。
上記成形は、熱プレス、カレンダーロールなどの従来公知の成形機を用いて行うことができる。
また、本発明において、オレフィン系共重合体ゴムと結晶性ポリオレフィン樹脂との溶融混練、この混合物と熱分解型発泡剤および架橋剤などの溶融混練、さらにこの溶融混練によって得られる未架橋未発泡の軟質樹脂の成形に至る工程を単軸押出機、2軸押出機などの混練成押出し成形機を用いて一段階で行うことができる。
なお、電子線照射架橋による架橋で行う場合は、化学架橋剤を入れなくてよい。
【0028】
次に上記工程により得られた未発泡の軟質樹脂成形体を、常圧発泡法および加圧発泡法で発泡成形することができる。
常圧発泡する場合は熱風循環加熱、ソルト浴加熱、高周波加熱、赤外線加熱、熱プレスによる加熱などの従来公知の方法で、未発泡の成形体中に含まれる架橋剤および熱分解型発泡剤を加熱分解して架橋発泡させることにより、本発明に係るゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体を得る。
【0029】
上記の調整方法の内、最も好ましい方法例とし、熱プレス発泡法で、加熱加圧成形工程で型内に発泡性組成物を充填率95〜103%(好ましくは97〜100%)で詰込み、100℃以上(好ましくは150℃〜230℃),40kgf/cm2以上(好ましくは100kgf/cm2〜150kgf/cm2)の加熱加圧処理を特定時間行い、その後加圧を開放して発泡体を直接得るか、または加熱加圧処理後、未発泡または1次発泡した未完全発泡体を常圧2次発泡することで本発明に係るゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体を得る方法である。
【0030】
【実施例及び比較例】
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、発泡パッド材の密度[g/cm3]、ゲル分率[%]、平均気泡径[mm]、圧縮永久歪[%]はそれぞれ次の測定方法によって求めた。
〈測定方法〉
(1)密度[g/cm3]
厚さt[cm]のシート状発泡体から10cm×10cm角の発泡体を切出した後、その重量(W[g])を精秤して、次式で密度[g/cm3]を求める。
密度[g/cm3]=W/(t×10×10)
(2)ゲル分率[%]
発泡パッド材試料を1mm角に裁断し、ソックスレー抽出器でクロロホルムによる試料中のオイル分の抽出を行う。抽出後の発泡パッド材試料を真空乾燥し、乾燥した試料から約0.2g精秤(W0[g])する。精秤した試料を130℃の500ccの熱キシレン中に6時間浸漬して、試料から熱キシレン溶解分を溶出させた後、不溶分を取り出してアセトンで洗浄する。この不溶分を100℃の真空乾燥器中で1時間乾燥し、その不溶分の重量(W1[g])を精秤して、次式ゲル分率[%]を求める。
ゲル分率[%]=(W1/W0)100
(3)平均気泡径
60倍のマイクロスコープにて3.3mm角当りの気泡数(n個)を計測し、次式平均気泡径[mm]を求める。
平均気泡径[mm]=√{(3.3)2/π・n}
(4)永久歪[%]
JIS−K−6767−1995の測定方法に準じ、25℃および50℃において25%および50%の圧縮永久歪を求める。
(5)柔軟性
発泡体の柔軟性は、柔軟性指数(N)で評価する。
N=(25%圧縮強さ)×(発泡倍率)
ここで、25%圧縮強さは、JIS−K−6767−−1995に規定されている測定方法に準じて測定し、また発泡倍率は発泡体の見かけ密度の逆数をもって表す。
(6)結晶化度
発泡体の結晶化度は、広角X線回折測定(信号強度(CPS)VS2θ(3゜<2θ<40゜))を行い、結晶に帰属する信号面積の総和を、結晶および非晶に帰属する信号面積の総和で除し、百分率で表した値を結晶化度として求める。
【0031】
実施例1
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム[EPT;エチレン含量38モル%、ヨウ素価12、MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]60重量部と、ポリエチレン[PE;エチレン含有量100モル%、MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.6/10分)]20重量部とポリプロピレン[PP;プロピレン含有量100%、MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)5.0/10分)]10量部とから構成される混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、2,5−ジメチルー2,5ージ(tert−ジブチルパーオキシ)ヘキシンー3[過酸化物架橋剤]1.2重量部、およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]O.3重量部を、120℃で2軸混練押出機にて3mm厚でシート出し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。次いで、この発泡性組成物を3mm厚の金型に入れ、210℃、60kgf/cm2で加熱加圧し架橋発泡させて、密度が0.048g/cm3で、ゲル分率が71.0%で、平均気泡径が105μm、発泡体の結晶化度が8%、厚さが9.0mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡シートについて、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ3.8%および10.8%であった。
また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ15.8%および27.5%であった。
【0032】
実施例2
実施例1のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム[EPT]60重量部と、ポリエチレン[PE]20重量部とポリプロピレン[PP]10量部とから構成される混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、2,5−ジメチルー2,5ージ(tert−ジブチルパーオキシ)ヘキシンー3[過酸化物架橋剤]1.2重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]O.3重量部を、120℃でロール混練し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を3mm厚の金型に入れ、210℃、100kgf/cm2で加圧架橋発泡させて、密度が0.058g/cm3、ゲル分率が77.0%、平均気泡径が80μm、発泡体の結晶化度が8%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ3.3%および14.4%であった。50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ14.8%および26.5%であった。
【0033】
実施例3
実施例1のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム[EPT]60重量部と、ポリエチレン[PE]20重量部とポリプロピレン[PP]10量部とから構成されるの混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、2,5−ジメチルー2,5ージ(tert−ジブチルパーオキシ)ヘキシンー3[過酸化物架橋剤]0.7重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]0.3重量部を、120℃でロール混練し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を3mm厚の金型に入れ、165℃、100kgf/cm2で加圧架橋発泡させて、密度が0.047g/cm3、ゲル分率が60.0%、平均気泡径が58μm、発泡体の結晶化度が8%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ8.7%および16.4%であった。また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ19.8%および33.2%であった。
【0034】
実施例4
実施例1のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム[EPT]60重量部と、ポリエチレン[PE]10重量部とポリプロピレン[PP]20量部とから構成される混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、1,3ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン[過酸化物架橋剤]1.4重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]0.3重量部、、ステアリン酸[滑剤]0.5重量部、酸化亜鉛[発泡助剤]1.0重量部を、120℃でニーダー混練した後、ロールシート出し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を3mm厚の金型に入れ、165℃、100kgf/cm2で加圧架橋発泡させて、密度が0.049g/cm3、ゲル分率が83.0%、平均気泡径が64μm、発泡体の結晶化度が16%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ3.6%および9.0%であった。また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ13.7%および26.5%であった。
【0035】
実施例5
実施例1のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム[EPT]60重量部と、ポリプロピレン[PP]30量部とから構成される混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、1,3ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン[過酸化物架橋剤]0.8重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]0.8重量部、、ステアリン酸[滑剤]0.5重量部、酸化亜鉛[発泡助剤]1.0重量部を、120℃でニーダー混練した後、ロールでシート出し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を3mm厚の金型に入れ、210℃、100kgf/cm2で加圧架橋発泡させて、密度が0.045g/cm3、ゲル分率が64.0%、平均気泡径が130μm、発泡体の結晶化度が16%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ9.6%および21.8%であった。また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ20.1%および34.3%であった。
【0036】
比較例1
実施例1のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム[EPT]60重量部と、ポリエチレン[PE]20重量部とポリプロピレン[PP]10量部とから構成される混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、2,5−ジメチルー2,5ージ(tert−ジブチルパーオキシ)ヘキシンー3[過酸化物架橋剤]1.2重量部[過酸化物架橋剤]1.2重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]0.3重量部、120℃で2軸混練押出機でシート出し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を、220℃の熱風循環炉にて発泡させて、密度が0.047g/cm3、ゲル分率が65.0%、平均気泡径が250μm、発泡体の結晶化度が8%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ21.8%および42.8%であった。また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ24.5%および48.9%であった。
【0037】
比較例2
実施例1のポリエチレン[PE]からなる混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、2,5−ジメチルー2,5ージ(tert−ジブチルパーオキシ)ヘキシンー3[過酸化物架橋剤]1.2重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]0.3重量部、酸化亜鉛[発泡助剤]1.0重量部を、120℃でロール混練次いでロールでシート出し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を3mm厚の金型に入れ、165℃、100kgf/cm2で加圧架橋発泡させて、密度が0.045g/cm3、ゲル分率が78.0%、平均気泡径が110μm、発泡体の結晶化度が58%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ24.9%および47.4%であった。また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ24.9%および49.8%であった。
【0038】
比較例3
エチレン・酢酸ビニル・橋重合体[EVA;酢酸ビニル含有量14%、MFR(JIS K-6703、190℃、2.16kg荷重)1.3/10分)]からなる混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、2,5−ジメチルー2,5ージ(tert−ジブチルパーオキシ)ヘキシンー3[過酸化物架橋剤]1.2重量部およびトリメチロールプロパントリメタクリレート[TMPT;架橋助剤]0.3重量部、120℃でロール混練次いでロールでシート出し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物を3mm厚の金型に入れ、210℃、100kgf/cm2で加圧架橋発泡させて、密度が0.047g/cm3、ゲル分率が78.0%、平均気泡径が105μm、発泡体の結晶化度が40%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ27.7%および44.4%であった。また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ24.8%および49.8%であった。
【0039】
比較例4
実施例1のポリエチレン[PE]20重量部とポリプロピレン[PP]80量部とから構成される混合物100重量部に対して、アゾジカルボンアミド[ADCA;発泡剤]10重量部、1.2重量部およびジビニルベンゼン[DVB;架橋助剤]5.0重量部、120℃で2軸混練押出機でシート出し、未架橋未発泡の発泡性組成物を得た。
次いで、この樹脂組成物シートに6Mradの電子線を照射し、220℃で常圧架橋発泡させて、密度が0.07g/cm3、ゲル分率が64.0%、平均気泡径が120μm、発泡体の結晶化度が65%、厚さが8.7mmである架橋発泡シートを得た。この架橋発泡体シートは、常温において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ12.6%および27.8%であった。また、50℃において22時間、25%および50%の圧縮永久歪はそれぞれ24.5%および48.8%であった。
以上、実施例及び比較例における発泡性組成物の配合、発泡手段及び得られた発泡体の特性について表1及び表2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明におけるオレフィン系軟質樹脂架橋発泡体は、結晶化度3〜30%を有するので復元性及び低歪性に優れたで、及びで、150℃加温時の体積膨張が0℃における体積との比をとった体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)で1.05以上であるゴム状オレフィン系軟質樹脂(A)、熱分解型発泡剤(B)、過酸化物架橋剤(C)からなる成分を配合重量比が(B)/(A)、(C)/(A)がそれぞれ0.5〜15.0/100,0.3〜2.5/100の割合で配合、混練りしてなる発泡性組成物を130℃以上、40kgf/cm2以上の加熱加圧成形工程を経て発泡することにより得られた発泡体は、表1及び表2より明らかなように、復元性に優れ柔軟性に富むゴム弾性のある架橋発泡体であり、特に本発明にかかる発泡体はオレフィン系軟質樹脂により構成され、平均気泡径50〜150μmという微細構造を有する発泡体であるので柔軟性に富み、且つ、ゲル分率が40〜99%であり、結晶化度3〜30%を有するので復元性及び低歪性に優れ、耐圧縮永久性に復元性及び低歪性に優れ耐圧縮永久歪性に富んだクッション性と同時に結晶化度3〜30%を有することで柔軟な素材のリサイクル性が容易で、射出成形等の一体成形性に優れた熱成形加工性を発現することができる。
Claims (3)
- ゴム状オレフィン系軟質樹脂からなり、かつ
(i)平均気泡径が50μm〜150μmであり
(ii)ゲル分率が40〜99%であり
(iii)発泡体の結晶化度が3〜30%である
(iv)柔軟性指数が4以上である
ことを特徴とするゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体。 - 150℃加温時の体積膨張が0℃における体積との比をとった体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)で1.05以上であるゴム状オレフィン系軟質樹脂(A)、熱分解型発泡剤(B)、過酸化物架橋剤(C)からなる成分を混練りしてなる発泡性組成物で、この発泡性組成物の配合重量比(B)/(A)、(C)/(A)がそれぞれ0.5〜15.0/100,0.3〜2.5/100であることを特徴とする請求項1のゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体の発泡性組成物。
- 150℃加温時の体積膨張が0℃における体積との比をとった体積膨張率(V150 ℃/V0 ℃)で1.05以上であるゴム状オレフィン系軟質樹脂(A)、熱分解型発泡剤(B)、過酸化物架橋剤(C)を配合重量比(B)/(A)、(C)/(A)がそれぞれ0.5〜15.0/100,0.3〜2.5/100の割合で配合した配合物を混練りして得た発泡性組成物を130℃以上,40kgf/cm2以上の加熱加圧成形工程を経て発泡することを特徴とする請求項1のゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡体の製造方法。
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