JPH0472277B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は入金された硬貨を選別して一時貯留し
出金硬貨として再利用するようにした硬貨自動入
出金機に関するものである。

「従来の技術」 従来、入金された硬貨を自動的に金種判別して
正常な硬貨を受け入れ、その計数を行なう機能を
有する装置としては、実開昭51−163998号公報に
示す如き硬貨計数機が提案され、また、正常な硬
貨を硬貨収納筒に貯留しておいて、硬貨収納筒の
下部から１枚ずつ繰り出す機能を有する装置とし
ては、実開昭53−153994号公報に示す如き硬貨払
い出し機が提案されている。

「発明が考案しようとする問題点」 しかしながら、これらはそれぞれ専用機として
独立した機能を有しているものの、硬貨の回転効
果を高める点について配慮がなされていないもの
である。この点について補足説明すると、例え
ば、金融期間などのように、カウンター越しに顧
客との間で金銭の授受が行なわれ、かつ取引の中
に硬貨が含まれる場合は、硬貨が釣銭や端数金額
の清算用として繰り返し使用され、その回転率が
非常に高くなるものである。

このように硬貨の回転率が高い取引が行なわれ
る場合は、前述した硬貨計数機や硬貨払い出し機
をそれぞれ配設したとしても、これら両機の間を
人手により硬貨を移し替える操作がたびたび必要
であり、さらに硬貨がこれら両機にそれぞれ貯留
される分だけ余分に必要となり、また、両機の設
置スペースが大きくなるほどの欠点が生じるもの
である。

本発明に係る硬貨自動入出金機は、前記従来技
術の背景を考慮して、 入金硬貨の判別機能と、硬貨の払い出し機能
との両機能を備えること。

入金硬貨の選別、不適性硬貨の返却、適性硬
貨の金種別貯留、硬貨払い出し等の自動化によ
り、硬貨の回転率を高めること。

金融機関等の窓口機としての機能及び仕様を
満足させること。

等の課題を解決するため硬貨自動入出金機の提供
を目的とするものである。

「問題点を解決するための手段」 本発明に係る硬貨自動入出金機は、 機体の上方位置の投入口に投入された硬貨を１
枚ずつ送り出す回転円盤と、 該回転円盤に接続され硬貨を搬送する入金硬貨
搬送路と、 該入金硬貨搬送路に配され搬送される硬貨の金
種及び真偽を鑑別する第１判別装置と、 入金硬貨搬送路の先端に接続され第１判別装置
によつて適性であると判別された硬貨を一時貯留
する垂直筒と、 この垂直筒の下部に設けられ一時貯留した硬貨
の落下方向を切り換える第１シヤツタおよび第２
シヤツタと、 第１シヤツタに接続され垂直筒内に一時貯留さ
れている硬貨の入金を取り止めるときにその硬貨
を落下させる第１シユートと、 第２シヤツタに接続され垂直筒内に一時貯留さ
れている硬貨を入金するときにその硬貨が落とさ
れかつ落とされた硬貨を１枚ずつ送りだす回転円
盤と、 この回転円盤に接続され硬貨を水平移動する水
平搬送ベルトと、 この水平搬送ベルトの途中に配され硬貨の金種
判別をする第２判別装置と、 この第２判別装置による金種判別に対応して作
動させられ金種毎に硬貨を落下させるゲート機構
と、このゲート機構に接続され各金種毎に硬貨を
受け入れて貯留する複数の硬貨収納筒と、 各硬貨収納筒の下部に配され硬貨の払い出し時
にその指定金種の硬貨収納筒から貯留硬貨を１枚
ずつ繰り出すための投出機構と、 前記第１シユート及び投出機構の下部に配され
落とされたすべの硬貨を受け取り前記投入口の近
傍位置の受取口まで硬貨を搬送して放出させるた
めのリフトベルトと、 前記入金硬貨搬送路の途中と第１シユートとの
間に配された第１判別装置によつて不適性硬貨が
検出された際にこの不適性硬貨を第１シユートに
落とし込む判別不能硬貨排除機構とを備えた構成
としている。

「作用」 硬貨が機体の上方位置の投入口に投入される
と、回転円盤の作動によつて硬貨が１枚ずつ入金
硬貨搬送路に送り込まれ、搬送途中で第１判別装
置により硬貨が鑑別がなされる。この第１判別装
置によつて適性であると判別された硬貨は、垂直
筒に一時貯留される。

判別時において硬貨に不適性硬貨が混入してい
るときには、判別不能硬貨機構の作動によつて、
不適性硬貨が入金硬貨搬送路の途中から第１シユ
ートを経由してリフトベルトに落とされ、受取口
まで搬送されて戻される。

そして、垂直筒に一時貯留されていた硬貨は、
投入口への投入者の入金か入金取り止めかの選択
によつて、第１シヤツタおよび第２シヤツタが選
択的に作動されて硬貨の落下方向が切り換えられ
る。

垂直筒に貯留された適性硬貨の入金を取り止め
るときは、第１シヤツタを開くことによつて、硬
貨が第１シユートを経由してリフトベルトに落と
され、受取口まで搬送され、不適性硬貨を戻す場
合と同様に戻される。

一時貯留されている硬貨の入金を選択した場合
には、第２シヤツタを開くことによつて硬貨が回
転円盤に落とされる。この回転円盤は、落とされ
た硬貨を１枚ずつ水平搬送ベルトに送り出し、以
下、硬貨が水平搬送ベルトによつて水平方向に搬
送され、搬送途中で第２判別装置によつて硬貨の
金種判別がなされる。この第２判別装置の金種判
別結果によつてゲート機構が作動させられ、硬貨
は金種毎に硬貨収納筒に落とされて収納される。

硬貨の支払いの場合は、払い出し金種の硬貨収
納筒の下部から投出機構の作動によつて硬貨が１
枚ずつリフトベルトに繰り出され、リフトベルト
により機体の上部位置における受入口まで搬送さ
れる放出される。

「実施例」 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図において、符号１は機体である。この機
体１の上部には入金用硬貨のための投入口２が設
けられ、また、機体１の前側面には出金または返
却される硬貨のための受取口３が設けられる。こ
の受取口３には受台４が備えられて、この上にカ
ルトン（受皿）５を載置して出金される硬貨を受
け取る如くなされている。

また、前記機体１内には、前記投入口２から投
入された入金用硬貨を受け、かつ円盤に形成され
たポケツトもしくはピンにより硬貨をすくい上げ
て１枚ずつ分離送出するための回転円盤６が傾斜
状態で設けられ、その回転円盤６の硬貨出口に連
通した位置に入金硬貨搬送路７が下方に傾斜して
設けられている。

この硬貨搬送路７の途中には第１判別装置８が
配設され、この第１判別装置３は、硬貨の外径を
検出して金種判別をする機能と、硬貨の材質を検
出して金種判別をする機能とを少なくとも備え
て、両機能の判別結果が一致するかどうかで、硬
貨の金種および入金硬貨として適性か否か（真
偽）を決定する（以下、これを鑑別と称する）。

なお、第１判別装置８には、入金しようとする
硬貨の中で適性であると判別された硬貨の計数を
行なう計数手段が接続されるが、この計数手段と
して、例えば本出願人による実願昭56−45942号
が準用される。しかし、以下の説明では直接的な
関連がないので省略している。

また、入金硬貨搬送路７の先端には、鑑別後の
硬貨を下方に導くための垂直筒９が設けられ、こ
の垂直筒９には硬貨の落下方向を切り換えるため
の第１シヤツタ１０および第２シヤツタ１１が突
き合わせ状態で設けられる。第１シヤツタ１０の
下方には第１判別装置８において不適性と判定さ
れた硬貨や入金を取り止める適性硬貨を落下させ
るための第１シユート１２が設けられ、第２シヤ
ツタ１１の下方には第１判別装置８において適性
と鑑別され、かつ入金を希望した硬貨を導くため
の滑り板１３が設けられる。

前記滑り板１３の前方には、硬貨を１枚ずつす
くい上げて分離送出するための回転円盤１４が設
けられ、この回転円盤１４の硬貨出口にはガイド
１５と、各ローラ１６ａ，１６ａ，……に張架さ
れた水平搬送ベルト１６とで構成される水平搬送
路が設けられ、これらガイド１５および水平搬送
ベルト１６に取りつけられたピンにより硬貨を１
枚ずつ分離状態で挟持しながら水平方向に搬送さ
せる如くなされている。これらガイド１５および
水平搬送ベルト１６によつて構成される搬送路の
途中（入口付近など）には硬貨の外径などにより
金種判別を行なうための第２の判別装置１７が設
けられ、この第２判別装置１７の先方の前記搬送
路には、第２判別装置１７の判別結果により水平
搬送ベルト１６と同期して、金種毎にソレノイド
によりゲート１８ａを切り換えて、前記ガイド１
５に形成した孔などから硬貨を落下させるゲート
機構１８が設けられる。

また、ゲート機構１８の下方には、各金種毎に
ゲート１８ａによつて誘導された硬貨を受け取り
重積させるための各硬貨収納筒１９が設けられ、
この硬貨収納筒１９の上部には、硬貨が満杯とな
つたことを検出するためのフオトセンサなどを利
用したオーバーフロー検出装置２０が設けられ、
かつ硬貨収納筒１９の下部には、最下方の硬貨を
筒外に１枚ずつ繰り出し落下させる投出機構２１
が設けられる。

さらに、前記第１シユート１２ならびに投出機
構２１の下方には、各ローラ２２ａ，２２ａ，…
…に張架されたリフトベルト２２が設けられて、
落とされた硬貨を機体１の前面の受取口３付近ま
で搬送する如くなされ、その上部でベルトが下方
にターンする付近に、前記受取口３に連通させる
ための落下口２３が設けられている。

一方、前記ガイド１５および水平搬送ベルト１
６の前方端部（ゲート機構１８よりも搬送方向に
突入した位置）には、各硬貨収納筒１９に収納し
ない硬貨を集めるための第２シユート２４が設け
られ、この第２シユート２４の下方に、硬貨を貯
留する金庫２５が機体１から引き出し可能に装填
されている。

また、第１判別装置８と垂直筒９との間の入金
硬貨搬送路７には、判別不能硬貨排除機構２６が
設けられ、第１判別装置８の不適性硬貨信号と同
期させてソレノイドを駆動して入金硬貨搬送路７
を一時閉塞状態になし、不適性硬貨の判別がなさ
れるたびに、不適性硬貨を入金硬貨搬送路７から
離脱させるとともに、この不適性硬貨を第３シユ
ート２７を経由して第１シユート１２内に送り込
む如く構成したものである。

このように構成された硬貨自動入出金機におい
て、第１図矢印イで示すように硬貨を投入口２に
投入すると、矢印ロ方向に回転円盤６が回転し
て、硬貨を入金硬貨搬送路７に１枚ずつ送り込
む。搬送路７の硬貨は矢印ハのように送られて第
１判別装置８で直径および材質などが鑑別され、
矢印ニで示すように垂直筒９内に一時貯留され
る。

投入硬貨の中に不適性硬貨が混入していた場合
には、判別不能硬貨機構２６の作動によつて、不
適性硬貨を１枚ずつ入金硬貨搬送路７の途中から
離脱させて第１シユート１２を経由してリフトベ
ルト２２に落し、不適性硬貨をリフトベルト２２
の作動によつて受取口３まで搬送して戻すこと
と、垂直筒９に一時貯留した適性硬貨の処置をど
うするかの選択が行なわれる。

垂直筒９に一時貯留されていた硬貨、投入口２
への投入社が、適性硬貨の分だけ入金するか、あ
るいは入金を取り止めるかの選択をして、その指
示をすることによつて、第１シヤツタ１０および
第２シヤツタ１１が選択的に作動されて、一時貯
留硬貨の落下方向が切り換えられる。

垂直筒９に貯留された適性硬貨の入金を取り止
めるときには、第１シヤツタ１０が矢印ホで示す
ように鎖線の位置まで開放されて、貯留硬貨が第
１シユート１２を経由して矢印ヘで示すように、
リフトベルト２２に落とされ、リフトベルト２２
により矢印ト，チ，リの如く搬送されて落下口２
３を介して受取口３に返却される。このように硬
貨が返却された場合は、その中の異常硬貨をチエ
ツクして再入金するなどの処理がなされるもので
ある。

垂直筒９に一時貯留されていた硬貨の入金を希
望する場合、あるいは、投入されたすべての硬貨
が適性である場合は、第２シヤツタ１１が矢印ヌ
で示すように鎖線の位置まで開放されて、滑り板
１３を介して回転円盤１４に落とし込まれ、回転
円盤１４が矢印ルの方向に回転することにより、
硬貨を１枚ずつガイド１５と水平搬送ベルト１６
との間に送り込む。次いで、矢印ヲの方向に水平
搬送される初期に、硬貨は第２判別装置１７によ
り金種判別がなされ、その金種に対応したゲート
１８ａが鎖線で示す如く切り換えられ、硬貨が矢
印ワで示すように収納筒１９の中に落とされ重積
せしめられるものである。

この際に金種に対応した硬貨収納筒１９が満杯
であることがオーバーフロー検出装置２０により
検出されると、満杯である金種に対応したゲート
１８ａは作動せず、その金種の硬貨は矢印カで示
すように第２シユート２４に送り出されて、さら
に矢印ヨで示すように金庫２５に落とされ適正な
硬貨として収納保管されるものである。

次いで、硬貨を払い出す場合（出金する場合）
について説明する。払い出すべき硬貨の金種およ
び枚数などを指定すると、対応した金種の硬貨収
納筒１９から投出機構２１が硬貨を１枚ずつ設定
枚数分繰り出して、リフトベルト２２に矢印タで
示すように落とす。この払い出された硬貨は前述
したようにリフトベルト２２により矢印ト，チ，
リで示す如く搬送され、受台４上のカルトン５に
払い出されることになる。

「発明の効果」 本発明に係る硬貨自動入出金機によれば、以下
のような効果を奏する。

(1) 入金硬貨搬送路の途中に判別不能硬貨排除機
構が配され、適正硬貨を一時貯留する垂直筒と
判別不能硬貨排除機構とがリフトベルトによつ
て受取口まで接続されるので、投入硬貨の入金
処理に際して、不適性硬貨が鑑別されるたび
に、これを入金硬貨搬送路から離脱させて、直
ちに１枚ずつ受取口に戻す処理を行うことがで
きるのに加えて、垂直筒に一時貯留されている
適性硬貨について、入金処理と返却処理とを選
択し得て、入金金額が不足した場合や入金取り
消し希望時における返却処理を速みやかに円滑
に行ない、入金操作時のトラブル発生を低減す
ることができる。

(2) 水平搬送ベルトの途中に、適性硬貨について
金種判別のみを行なう第２判別装置を配してい
るので、硬貨の金種及び真偽を鑑別する第１判
別装置と比較して第２判別装置の構造を簡素化
し、かつ、硬貨収納筒への適性硬貨の搬送路の
単純化によつて、適性硬貨の収納時間を短縮
し、経済性を向上させることができる。

(3) 硬貨収納筒が、入金硬貨搬送路とリフトベル
トに対して接続されて、投入硬貨中の適性硬貨
を収納して出金硬貨として再利用されるので、
入金処理と出金処理との両方を行なう金融機関
等の窓口機としての適用性に優れ、硬貨の回転
率を高め、かつ、硬貨の収納スペースを小さく
して小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る硬貨自動入出金機の一実
施例を示す側面図である。 １……機体、２……投入口、３……受取口、６
……回転円盤、７……入金硬貨搬送路、８……第
１判別装置、９……垂直筒、１０……第１シヤツ
タ、１１……第２シヤツタ、１２……第１シユー
ト、１４……回転円盤、１５……ガイド、１６…
…水平搬送ベルト、１６ａ……ローラ、１７……
第２判別装置、１８……ゲート機構、１８ａ……
ゲート、１９……硬貨収納筒、２０……オーバー
フロー検出装置、２１……投出機構、２２……リ
フトベルト、２２ａ……ローラ、２３……落下
口、２４……第２シユート、２５……金庫、２６
……判別不能硬貨排除機構、２７……第３シユー
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 機体１の上方位置の投入口２に投入された硬
   貨を１枚ずつ送り出す回転円盤６と、 該回転円盤に接続され硬貨を搬送する入金硬貨
   搬送路７と、 該入金硬貨搬送路に配され搬送される硬貨の金
   種及び真偽を鑑別する第１判別装置８と、 入金硬貨搬送路の先端に接続され第１判別装置
   によつて適性であると判別された硬貨を一時貯留
   する垂直筒９と、 この垂直筒の下部に設けられた一時貯留した硬
   貨の落下方向を切り換える第１シヤツタ１０およ
   び第２シヤツタ１１と、 第１シヤツタに接続され垂直筒内に一時貯留さ
   れている硬貨の入金を取り止めるときにその硬貨
   を落下させる第１シユート１２と、 第２シヤツタに接続され垂直筒内に一時貯留さ
   れている硬貨を入金するときにその硬貨が落とさ
   れかつ落とされた硬貨を１枚ずつ送りだす回転円
   盤１４と、 この回転円盤に接続され硬貨を水平移動する水
   平搬送ベルト１６と、 この水平搬送ベルトの途中に配され硬貨の金種
   判別をする第２判別装置１７と、 この第２判別装置による金種判別に対応して作
   動させられ金種毎に硬貨を落下させるゲート機構
   １８と、 このゲート機構に接続され各金種毎に硬貨を受
   け入れて貯留する複数の硬貨収納筒１９と、 各硬貨収納筒の下部に配され硬貨の払い出し時
   にその指定金種の硬貨収納筒から貯留硬貨を１枚
   ずつ繰り出すための投出機構２１と、 前記第１シユート及び投出機構の下部に配され
   落とされたすべての硬貨を受け取り前記投入口の
   近傍位置の受取口３まで硬貨を搬送して放出させ
   るためのリフトベルト２２と、 前記入金硬貨搬送路の途中と第１シユートとの
   間に配された第１判別装置によつて不適性硬貨が
   検出された際にこの不適性硬貨を第１シユートに
   落とし込む判別不能硬貨排除機構２６とを備えた
   硬貨自動入金機。