JPH0470683B2 - - Google Patents

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JPH0470683B2
JPH0470683B2 JP56174283A JP17428381A JPH0470683B2 JP H0470683 B2 JPH0470683 B2 JP H0470683B2 JP 56174283 A JP56174283 A JP 56174283A JP 17428381 A JP17428381 A JP 17428381A JP H0470683 B2 JPH0470683 B2 JP H0470683B2
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JP
Japan
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cobalt
alloy
magnetic
film
oxygen
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JP56174283A
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JPS5877032A (ja
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Masatoshi Takao
Takashi Fujita
Koichi Shinohara
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/62Record carriers characterised by the selection of the material
    • G11B5/72Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction
    • G11B5/722Protective coatings, e.g. anti-static or antifriction containing an anticorrosive material

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  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は磁気記録媒体に関し、特定の有機物質
を磁性層上に吸着させることにより、磁性層表面
の改質を行い、特性的には表面の濡れ性変化を
得、さらに撥水性を大幅に付与して、磁性層の耐
食性を良くし、さらには磁気記録媒体の走行時の
摩擦抵抗を低下させようとするものである。 真空蒸着またはメツキ法で作製した薄膜型の金
属磁気記録媒体は高密度性に優れているといわれ
ている。特に近年はオーデイオ録音用やビデオ録
画用としての用途が期待されており、小型録音テ
ープ用として、プラスチツク基板上に真空蒸着に
よつて、コバルト主成分合金の薄膜を形成したも
のは実用化の域に入り、市販されるようになつ
た。しかし、一般的には強磁性金属は腐食し易
く、これを避けるために磁性体自体の合金化の方
法や磁性層上に高分子の皮膜を形成するか、ある
いは金属の皮膜、SiO2等のガラス状の皮膜を形
成する等の方法が採用されている。しかし、これ
らの方法においては、まず磁性層の合金化の場
合、磁気特性の観点からは、耐食性の良い合金が
必らずしも良いとは言えないのが普通である。一
方、腐食防止という点では磁性層上に耐食性のあ
る皮膜を形成することは効果があるが、しかし電
磁変換特性の観点から、耐食性皮膜があまり厚い
と出力の低下を招き、好ましいとは言えない。皮
膜層の厚さの許容範囲は高々500Åであり、好ま
しくは200Å程度である。この程度の膜厚を持つ
耐食性皮膜を安定にしかも量産性良く形成するこ
とは、非常な困難を伴う。また、膜が形成された
としても、この程度の厚みでは完全に水分の侵入
を防ぐことは困難である。本発明では従来の困難
さを避ける目的で、磁性膜中に酸素を含むコバル
トおよびコバルト合金を主成分とする金属薄膜型
磁気記録媒体上にパーフルオロアルキルカルボン
酸(CnF2n+1COOH)もしくはパーフルオロアル
キルスルホン酸(CnF2n+1SO3H)のアンモニウ
ム塩または金属塩を化学吸着させて、十分な耐食
性および潤滑性を得るものである。 以下に本発明の磁気記録媒体について詳述す
る。 本発明においては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリアミドなどの高分子フイルム上に形成し
た酸素を含むコバルトもしくはコバルトを主成分
とする合金、いわゆるCo−合金、およびCo−
Ni−合金、Co−Ni−Cr−合金、Co−Ni−
Cu−合金、Co−Fe−合金、Co−Ni−Fe−
O合金、Co−Cr−合金、Co−Fe−Cr−合
金、Cr−Ti−合金、Co−Ni−V−合金、Co
−Ni−Mn−合金、Co−Pd−合金、Co−Rh
−O合金、Co−W−合金、Co−Mo−O合金、
Co−Nb−O合金Co−R−合金(R=La,Ce,
Gd,Sm等の希土類元素)などのコバルトを主成
分とし、副成分としてNi,Fe,Cr,Ti,V,
Mn,Cu,Pd,Rh,W,Nb,Mo、希土類元素、
Al,Si,B,Pなどを含み、さらに、薄膜形成
工程中で蒸着膜中に取込まれる酸素を含む合金よ
り形成されている強磁性薄膜で、しかも結晶構造
が六方稠密構造または六方稠密構造に幾分かの体
心立方構造、面心立方構造など六方稠密構造とは
全く形態の異なる構造が混じつているものの、表
面上にパーフルオロアルキルカルボン酸、もしく
はパーフルオロアルキルスルホン酸のアンモニウ
ム塩かあるいは金属塩を化学吸着させる。 金属薄膜型磁気記録媒体の特性は残留磁束密度
と抗磁力で記述できる。残留磁束密度Brを大き
くするためにはまず、飽和磁束密度Bsの大きな
材料を選択し、更に角形比(Br/Bs)を大きく
する工夫が必要である。抗磁力を大きくするため
には磁気異方性エネルギーを大きくすることが求
められる。これらの問題点を克服するために、
種々の強磁性薄膜形成技術が開発されている。た
とえば、真空蒸着法、スパツタリング法、イオン
プレーテイング法、電気化学的メツキ法などであ
る。その中でも工業的に大面積の媒体を容易に形
成できるのは真空蒸着法である。真空蒸着法でも
種々の実施態様があるが、前記の問題点を克服す
るのに有望なのは斜方入射蒸着法と酸素導入効果
である。真空蒸着で酸素導入効果を調べると、磁
性膜中に自動的に酸素が取込まれる。同様なこと
はスパツタリング法やイオンプレーテイング法で
も期待されるが、メツキ法では自然に酸化される
ことを除いて、酸素を膜中に取込むのにはなんら
かの特別な工夫が必要となる。したがつて、本発
明においては工業的な生産性を考慮して、主に真
空蒸着法で作製した磁性膜を処理した場合につい
て述べるが、他の成膜方法による磁気記録媒体に
対して処理を行つた場合にも、膜の性質が類似で
あれば、当然同様の結果が得られるものである。 斜方入射蒸着法は蒸発原子の基板への入射方向
を制御することによつて蒸着膜の結晶成長を制御
する方式であり、一方、酸素ガス蒸着は蒸発原子
と酸素ガスの化学反応を用いて、蒸着膜の結晶成
長を制御する方式である。これらの方法を用いれ
ば、磁気異方性エネルギーを大きくすることがで
きるが、方法的には薄膜の構造によるもので外因
的である。磁気異方性エネルギーを大きくするも
うひとつの方法は、結晶自体が保持する結晶磁気
異方性エネルギーを有効に利用することである。
そのためには結晶磁気異方性定数の大きな材料を
選択することが重要である。結晶磁気異方性の大
きな金属磁性材料としては、六方格子を持つ一軸
異方性を有するものが知られている。代表的なも
のとしては六方稠密構造のコバルト、および同じ
結晶構造を有するコバルト合金がある。副成分の
種類にもよるが、一般的には、コバルトに対する
副成分の割合が約20%以下の時に六方稠密構造を
形成する。副成分の割合が大きくなると遷移領域
があり、さらに体心立方格子や面心立方格子に転
移する。体心立方格子や面心立方格子のコバルト
合金は、六方稠密構造を有するものに比べて、結
晶磁気異方性がおおよそ1桁小さく、大きな異方
性、すなわち高い磁束力を得ることはできない。 一方、酸素が磁性層中に含まれていることの意
味は以下に述べる耐腐食性改善ということにあ
る。金属薄膜型磁気記録媒体は酸化物塗布系の磁
気記録媒体と異なり、本質的には腐食するという
点がある。腐食の種類にも種々のものが考えられ
るがその中でも最も顕著なものが酸化によるもの
である。耐腐食性を向上させる方法としては不働
態を形成しやすいような金属を合金にすることが
有効な場合が多いが、一般的に言つて強固な不働
態を形成する領域まで合金元素を添加していくと
磁気特性の劣化を伴うことがしばしばである。ま
た、強固な不働態層はその膜厚がミクロンのオー
ダーになるといわれており、磁気記録媒体自体の
膜厚が、本発明のような金属薄膜の場合高々0.3μ
m程度であるので、強固な不働態層の膜厚が、磁
性膜の膜厚以上になつてしまわないとも限らない
ので、不都合である。 さて磁気特性と不働態形成という点を考えて見
ると、多くの場合、本発明に関係するコバルトま
たはコバルト合金薄膜に不働態を形成する元素を
添加していくと、コバルトの六方稠密構造から他
の面心立方格子や体心立方格子へ相変態するのが
常である。変態後は前述の如く結晶磁気異方性が
低下するので、良好な磁気特性が得られなくな
る。そこで、コバルトまたはコバルト主体合金の
場合、金属または合金薄膜の六方晶格子を破壊し
ないで耐酸化性を改良する必要がある。そのため
には金属薄膜の表面付近にきわめて安定でかつ緻
密な不働態の役目をする酸化物層を形成すること
が有効である。具体的にはまず、真空蒸着など前
述の薄膜形成手段を用いて金属磁性層を形成した
あと、さらに酸素中で同じ組成の層を真空蒸着や
スパツタリングなどの方法で形成すれば良い。ま
た、プラズマ酸化法なども有効な手段である。し
かし、これらの方法は実施の手順が繁雑であり、
でき得れば、一度に酸化皮膜が形成されれば良
い。このアイデアを実現するためには、酸素分圧
が蒸着始めから終り近ずくにつれて大きくなるよ
うに、装置の制御システムをプログラムして真空
蒸着すれば良い。こうすれば、膜厚方向に酸素濃
度を変化させることが可能である。 一方、前記のような酸素濃度勾配をつけなくて
一様に酸素が分布するようにしても、幾分かは表
面に酸化物が形成されて効果的なわけである。も
つともコバルトおよびコバルト合金では、その酸
化物が非強磁性となるので、膜中に酸化物が一様
に分布すれば、磁気特性的には好ましくないこと
になる。しかし、磁性膜内の酸化に対するポテン
シアルの変化するという効果も考えられるので、
耐食性の観点からは一概に悪いとも言えない。 また、特開昭53−58206号公報に開示されてい
るような場合も考えられる。すなわち、前記公開
公報によれば、磁性膜が柱状結晶の集合体であ
り、かつその柱状結晶の表面が、磁性体金属また
は合金の酸化物で覆われていることを特徴として
いる。このような場合においても、平均的には酸
素が磁性膜中に取り込まれた状態であり、本発明
の対象としている酸素を含むコバルトおよびコバ
ルト合金薄膜と同一と考えられる。また、本発明
の実施例中で示される磁性膜は前記公開公報記載
の磁性薄膜とほぼ同等のものである。 以上のように、酸素を含むコバルトまたはコバ
ルト合金磁性薄膜は酸素を含まない磁性薄膜より
も耐食性に優れていることが期待される。 実験的にもこのことは確認されており、酸素導
入真空蒸着膜と、無酸素の通常の真空蒸着膜とで
は、第1表に示すような差が生じている。
【表】 第1表からわかるように酸素中で作製された磁
性膜も、実用的な環境では耐食性の点でかならず
しも満足できるものではない。そこで本発明では
酸素中で蒸着されたコバルト上やコバルト合金上
にさらに耐食性に有効な材料であるところのパー
フルオロアルキルカルボン酸の金属塩、またはパ
ーフルオロアルキルスルホン酸のアンモニウム塩
もしくは金属塩を吸着させて、さらに高度な耐食
性を得んとするものであり、かつ前記フツ素化し
た化合物の特徴である低表面エネルギー性を利用
して、磁気記録媒体の走行時の摩擦力の低減を行
おうとするものである。 パーフルオロアルキルカルボン酸は通常の脂肪
酸CnH2n+1COOHのアルキル基の水素を全てフ
ツ素で置換したものでCnF2n+1COOHで表わされ
る。同様にパーアルキルスルホン酸は
CnF2n+1SO3Hで表わされる。化学的性質は通常
の炭化水素鎖カルボン酸およびスルホン酸と良く
似ているが、フツ素化されているので、フツ素の
特徴である、電気陰性度が大きいことと、原子半
径が水素より少し大きいことにより、溶媒への可
溶性などに多少の変化が生じる。 金属塩となる金属はフルオロカルボン酸あるい
はフルオロスルホン酸と反応して塩を形成するも
のであるならば特に制約はないが、特に吸着させ
る相手の磁性層がコバルトなどの遷移金属である
ので塩を形成する金属は性質の似かよつた遷移金
属が良い。耐食性の優れたクロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニツケル、銅などはその中でも好
ましい金属である。 パーフルオロアルキルカルボン酸もしくはスル
ホン酸のアンモニウム塩あるいは金属塩は水ある
いは有機溶媒中に溶かすか、あるいは分散させて
おき、磁性薄膜上に塗布するか、液中に浸漬する
ことによつて吸着反応を行わせる。アルキル基の
数が多くなると徐々に水に対する溶解度が低下す
るが、磁性膜と反応して吸着する分子の数はそれ
程多くないので、有効成分は微量含まれていれば
十分である。反応後溶媒は熱風乾燥して取り除
く。上記処理を施すことにより磁性膜の表面は改
質されるが、その一番顕著なものは、水に対する
接触角の増大である。処理を施さない薄膜の接触
角は40゜〜60゜であるが、本発明による処理を行う
と、アルキル基の炭素数が少ないもので60゜以上、
炭素数が多いものでは90゜以上になつて、著しい
撥水性の発現が可能である。本効果が生じる原因
として考えられることは、カルボン酸のカルボキ
シル基あるいはスルホン酸基が薄膜と反応し、分
子鎖の反対側のアルキル基(−CnF2n+1)が外向
きに配向するために疎水性が生じると考えられ
る。注目すべきことはアルキル基の水素がフツ素
で置換されていることであり、これはポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)の例で見られる如く
反応性が少ないことから疎水性が通常の−
CnH2n+1基より大きくなつている。またPTFEで
はその疎水性のゆえ潤滑性が優れているが、本発
明において用いるパーフルオロアルキルカルボン
酸あるいはパーフルオロアルキルスルホン酸にお
いてもアルキル基の炭素数が多くなるにつれて摩
擦係数の減少が見られた。ここでさらに注目すべ
きことはアルキル基が水素からフツ素に置換され
ているために、アルキル基の炭素数が8個程度で
も通常の水素を持つステアリン酸
(C17H35COOH)と同等の撥水性と潤滑性が得ら
れる。また炭素数が少ないために金属塩が水に可
溶であつて、水素を持つステアリン酸の金属塩の
ように金属石鹸となつて水に不溶ではないので、
水溶液として磁性薄膜と反応させられるという重
要な特徴がある。以下に実施例を示し、本発明に
よる処理の効果を記す。 実施例 1 12μm厚のポリエチレンテレフタレートフイル
ム上にコバルト膜を酸素中真空蒸着法で形成し、
その磁性膜上にパーフルオロアルキルカルボン酸
(炭素数8:ペンタデカフルオロオクタン酸)の
コバルト塩、ニツケル塩、アンモニウム塩を吸着
させた。 磁性膜の作製条件 (1) 組 成 コバルト(100%) (2) 基 板 12μm厚ポリエチレンテレフ
タレート (3) 蒸着スピード 1000Å/秒 (4) 蒸気入射角 65゜ (5) 雰囲気 バツクグラウンド真空度
5×10-6Torr 酸素導入量 1×10-5Torr (6) 膜 厚 1500Å 吸着層の処理条件 (1) 組成A ペンタデカフルオロオクタン酸コバ
ルト塩 濃度 (a) 1ミリモル/(水) (b) 0.5ミリモル/(水) (c) 0.1ミリモル/(水) (2) 組成B ペンタデカフルオロオクタン酸ニツ
ケル塩 濃度 (a) 1ミリモル/(水) (b) 0.5ミリモル/(水) (c) 0.1ミリモル/(水) (3) 組成C ペンタデカフルオロオクタン酸アン
モニウム塩 濃度 (a) 1ミリモル/(水) (b) 0.5ミリモル/(水) (c) 0.1ミリモル/(水) ここで、濃度を表わすミリモル/という値は
パーフルオロアルキルカルボン酸またはパーフル
オロアルキルスルホン酸に換算しての値を示して
おり、塩に対するモル数を示していない。 上記実施例中で用いられる蒸着膜中の酸素濃度
は平均的には5原子%程度であるが、表面付近に
平均値より酸素濃度が大きくなつている。 以下に環境試験の結果と、ステンレス鋼
(SUS304)に対する動摩擦係数の大きさを示す。
環境試験は、温度60℃、相対湿度90%の雰囲気中
で、被検サンプルをスライドガラス上に両面接着
テープで接着し、さらに、恒温恒湿層中の熱風が
直接検体に当らないような工夫をして行なつた。
第2表にその結果を示す。同表の評価の欄は、各
処理液を用いて形成された吸着層の実用性に関す
る、環境試験結果に基づく判定結果を示す。〇は
環境試験で変化が無く、最も理想的であつたも
の、△は環境試験で変化は生じたものの、実用上
許容できる程度であつたものを示す。×は早期に
変化を生じ、実用にならないものを示す。第2表
には表面エネルギーの変化を知る目的で、水に対
する接触角の値もあわせて示している。
【表】 第2表から明らかなように、本実施例に示す処
理を行うことによりコバルト薄膜の耐食性が改良
されていることがわかる。しかし、フルオロカル
ボン酸塩の対イオンによつて耐食性に幾分かの差
が生じていることも理解できる。また潤滑性の付
与も可能であつて効果があることがわかる。 実施例 2 12μm厚のポリエチレンテレフタレートフイル
ム上にコバルト膜を酸素中真空蒸着法で形成し、
その磁性膜上にヘプタデカフルオロアルキルスル
ホン酸(C8F17SO3H)のコバルト塩、ニツケル
塩およびアンモニウム塩を吸着させた。蒸着膜の
作製条件は以下のとおりである。 (1) 組 成 コバルト(100%) (2) 基 板 12μmポリエチレンテレフタ
レート (3) 蒸着スピード 1000Å/秒 (4) 蒸気入射角 65゜ (5) 雰囲気 バツクグラウンド真空度
5×10-6Torr 酸素導入量 1×10-5Torr (6) 膜 厚 1500Å 蒸着膜については実施例1で用いたのと同一ロ
ツトより選んだ。 吸着層の処理条件 (1) 組成A ペンタデカフルオロアルキルスルホ
ン酸コバルト塩 濃度 (a) 1ミリモル/(水) (b) 0.5ミリモル/(水) (c) 0.1ミリモル/(水) (2) 組成B ペンタデカフルオロアルキルスルホ
ン酸ニツケル塩 濃度 (a) 1ミリモル/(水) (b) 0.5ミリモル/(水) (c) 0.1ミリモル/(水) (3) 組成C ヘプタデカフルオロアルキルスルホ
ン酸アンモニウム塩 濃度 (a) 1ミリモル/(水) (b) 0.5ミリモル/(水) (c) 0.1ミリモル/(水) 実施例1と同様の摩擦係数の測定と、温度60
℃、相対湿度90%における環境試験の結果を第3
表に示す。同表の評価の欄の記号は、第2表の場
合と同様のことを意味する。
【表】 第3表から明らかなように、ヘプタデカフルオ
ロスルホン酸の金属塩とアンモニウム塩の酸素含
有コバルト薄膜への耐食性付与効果があることが
わかるが、対イオンの種類によつて効果が異な
り、金属イオンの方が著しい効果を示す。 実施例 3 12μm厚のポリエチレンテレフタレートフイル
ム上にコバルト(85%)−ニツケル(15%)の薄
膜を酸素中真空蒸着法で形成し、その磁性膜上に
パーフルオロアルキルカルボン酸(炭素数8:ペ
ンタデカフルオロオクタン酸、ならびに炭素数
10:ノナデカフルオロデカン酸)のコバルト塩、
ニツケル塩ならびにアンモニウム塩、パーフルオ
ロアルキルスルホン酸(炭素数8、ヘプタデカフ
ルオロスルホン酸ならびにエイコサフルオロスル
ホン酸)のコバルト塩、ニツケル塩ならびにアン
モニウム塩を吸着させた。 本実施例ではパーフルオロアルキルカルボン酸
およびパーフルオロアルキルスルホン酸の濃度を
0.5ミリモル/(水)に固定した。 組成を第4表に示す。
【表】 蒸着膜としては次の条件で作製したものを用い
た。 (1) 組 成 コバルト(85%)−ニツケル
(15%) (2) 基 板 12μm厚ポリエチレンテレフ
タレート (3) 蒸着スピード 1000Å/秒 (4) 蒸気入射角 70゜ (5) 雰囲気 バツクグラウンド真空度
5×10-6Torr 酸素導入量 1×10-5Torr (6) 膜 厚 1800Å 上記処理液によつてコバルト、ニツケル酸素合
金磁性薄膜を処理し、実施例1と同様の環境試験
と摩擦係数の測定を行なつた。本実施例では環境
試験に温度40℃、相対湿度90%の項目も追加して
効果を調べたが、処理による効果は十分確認でき
た。結果を第5表に示す。同表の評価の欄の記号
は、第2表の場合と同様のことを意味する。本発
明によれば十分実用性のある媒体を作製すること
ができる。
【表】
【表】 実施例 4 25μm厚のポリイミドフイルム上にコバルト
(90%)−クロム(10%)の合金薄膜を酸素中真空
蒸着法で形成し、その磁性膜上にパーフルオロア
ルキルカルボン酸(炭素数8:ペンタデカフルオ
ロオクタン酸、および炭素数10:ノナデカフルオ
ロデカン酸)のコバルト(50%)−クロム(50%)
塩およびアンモニウム塩を吸着させた。蒸着膜の
作製条件は以下のようである。 (1) 組 成 コバルト(90%)−クロム
(10%) (2) 基 板 25μm厚ポリイミド (3) 蒸着スピード 1000Å/秒 (4) 蒸気入射角 65゜ (5) 雰囲気 バツクグラウンド真空度
5×10-6Torr 酸素導入量 1×10-5Torr (6) 膜 厚 1500Å 吸着層の処理条件 (1) 組成A ペンタデカフルオロオクタン酸・コ
バルト・クロム塩 コバルト:クロム=1:1 濃度 0.5ミリモル/(水) (2) 組成B ノナデカフルオロデカン酸コバル
ト・クロム塩 コバルト:クロム=1:1 濃度 0.5ミリモル/(水) (3) 組成C ペンタデカフルオロオクタン酸アン
モニウム塩 濃度 0.5ミリモル/(水) 前記実施例と同様の摩擦係数の測定と、温度60
℃、相対湿度90%における環境試験の結果を第6
表に示す。同表の評価の欄の記号は、第2表の場
合と同様のことを意味する。
【表】 コバルト、クロム合金はもともと耐食性が良好
な合金であるが、それでも十分な耐食性を有して
いるとは言い難い。本発明による処理をすると、
実用に十分な耐食性が得られる。 実施例 5 12μm厚のポリエチレンテレフタレートフイル
ム上にコバルト(80%)−ニツケル(20%)膜を
酸素中真空蒸着法で形成し、その磁性膜上にパー
フルオロアルキルカルボン酸の金属塩もしくはア
ンモニウム塩の炭素数の異なるものを2種以上の
混合物を吸着させた。本実施例では溶媒として水
以外に、磁性面への濡れ性を改善する目的で極性
の有機溶剤を添加した。磁性膜としては実施例3
で用いたものと同一条件で作製したものである。
処理液の組成を第7表に示す。
【表】 処理液中のトリフルオロ酢酸(CF3COOH)や
ヘプタフルオロ酪酸(C3F7COOH)の金属塩や
アンモニウム塩の働きは磁性面上への炭素数の多
いフルオロカーボンの吸着を助けることである。
撥水性には主に炭素数の多い分子が寄与するもの
と考えられる。第8表に前記実施例と同様の評価
結果を示す。同表の評価の欄の記号は、第2表の
場合と同様のことを意味する。
【表】
【表】 以上のように本発明による処理を酸素雰囲気中
で真空蒸着したコバルトまたはコバルトを主成分
とする合金の強磁性薄膜に処理すると耐食性の向
上および摩擦力低減に効果があることがわかる。
真空蒸着法で得られる磁性薄膜はビデオテープ用
としては非常に大きな用途をもち、本発明も磁気
テープの信頼性向上に有効である。なお実施例中
では合金薄膜材料として、酸素中真空蒸着で作製
したコバルト、コバルト・ニツケル合金、コバル
ト・クロム合金について述べたが、Co−Ni−Cr
−合金、Co−Ni−Cu−合金、Co−Fe−O
合金、Co−Ni−Fe−合金、Co−Fe−Cr−O
合金、Co−Ni−V−合金、Co−Ni−Mn−O
合金、Co−Pd−合金、、Co−Rh−O合金、Co
−W−合金、Co−Mo−O合金、Co−Nb−O
合金、Co−R−合金(R=希土類元素La,
Ce,Gd,Sn等)などのコバルトを主成分とし
て、従成分とし、Ni,Fe,Cr,V,Mn,Cu,
Pd,Rh,W,Nb,Mo、希土類元素、Al,Si,
B,Pなどを含む合金薄膜でも同様の効果を確認
している。またこれ以外のコバルトを主成分とす
る酸素含有合金薄膜でも同様の効果を得ることが
できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 非磁性基板上に形成された酸素を含むコバル
    ト金属またはコバルトを主成分とし酸素を含む合
    金から形成された強磁性薄膜の表面に、クロム、
    マンガン、鉄、コバルト、ニツケルもしくは銅か
    ら選ばれた金属によるパーフルオロアルキルカル
    ボン酸の金属塩、またはパーフルオロアルキルス
    ルホン酸のアンモニウム塩、または前記金属によ
    るパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩を吸
    着させたことを特徴とする磁気記録媒体。
JP56174283A 1981-10-29 1981-10-29 磁気記録媒体 Granted JPS5877032A (ja)

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