JPH0470384B2 - - Google Patents

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JPH0470384B2
JPH0470384B2 JP58137301A JP13730183A JPH0470384B2 JP H0470384 B2 JPH0470384 B2 JP H0470384B2 JP 58137301 A JP58137301 A JP 58137301A JP 13730183 A JP13730183 A JP 13730183A JP H0470384 B2 JPH0470384 B2 JP H0470384B2
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JP
Japan
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outer layer
less
cast iron
strength
liner
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JP58137301A
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JPS6029445A (ja
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Masahiro Fukuda
Akitoshi Okabayashi
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は強靱複合シリンダライナの提供に関す
る。 内燃機関に使用されているシリンダライナは、
ピストンリングと同時摺動し気密性を保持しなけ
ればならないことから、基本的に耐摩耗性と耐焼
付性が必要とされる。この目的のため、従来シリ
ンダライナの用途には、A型黒鉛を有し、Cr,
B,P,V,Mo,Nb等の耐摩耗性向上元素を含
有する各種シリンダライナ用特殊鋳鉄鋳物が専ら
用いられてきている。 しかし乍ら、最近の内燃機関の大型化、またそ
の軽量化、低燃費化の要求に伴い、上記従来材質
では強度的に不足を来たしており、強度面での向
上が要望されている。 強度の向上の目的のためには、ライナ材質によ
り高強度のものを選ぶことも考えられるが、シリ
ンダライナ本来の必要特性である耐摩耗性、耐焼
付性を損うおそれがあり、実際上限界がある。ま
たライナ肉厚を厚肉化することも有効であるが、
この場合には軽量化という目的には逆行する。 ところで、シリンダライナの使用状況と破損原
因について分析すると、 (1) 耐摩耗性、耐焼付性を必要とする部分は、ピ
ストンリングとの接触部、即ちライナ内表面の
みである。 (2) シリンダライナの破損は、その外表面を起点
とする。 (3) 破損原因は、熱応力、内圧、外部冷却水によ
る腐蝕の3原因である。 本発明はかかる点に着目して、シリンダライナ
に従来例をみない複合化技術を適用し、叙上の目
的を達成せんとするものであるが、本出願人は該
複合化技術を適用した新規なシリンダライナを特
願昭57−134049、同57−134050、同57−146649と
してすでに提案したところである。すなわちこれ
らの発明は、その内層(内表面近傍)は従来と同
じく耐摩耗性、耐焼付性に優れるA型黒鉛を有す
るシリンダライナ用特殊鋳鉄材質で形成する一
方、外層(外表面近傍)は強靱性に優れる特定の
球状黒鉛鋳鉄、擬球状黒鉛鋳鉄、黒鉛鋼材質で形
成し、かつ両者を溶着接合せしめたもので、全体
として必要な耐摩耗性、耐焼付性の使用特性を損
なわず、所期目的とする強度の向上を計ることに
成功したものである。本発明は前記提案した特定
の外層材である球状黒鉛鋳鉄耐腐食性を向上させ
たものであり、つまり冷却水と接触する外層材の
耐腐蝕性を向上させることにより、外面からのク
ラツクの防止に寄与させ、提案した既発明のシリ
ンダライナより更に優れたものを提供することが
出来たのである。 以下本発明について詳述する。 本発明の複合シリンダライナは、第1図に示す
ような構造を具備してなる。すなわち、その外層
aは後に詳述される強靱性に優れる球状黒鉛鋳鉄
からなり、一方その内層(b)は耐焼付性、耐摩耗性
に優れる従来通りのA型黒鉛を有するシリンダラ
イナ用特殊鋳鉄材質からなり、かつ両者を冶金的
に溶着一体化して構成されている。 なお、外層aと内層bとの溶着一体化によつ
て、外層aと内層bとの間には両者の中間的な組
成の溶着層(中間層(a+b))を不可避に生じ
ることになる。すなわち、内層bを外層aに溶着
せしめることによつて、外層材質の内層bへのあ
る程度の溶け込みは避けられない。 このさい、もしその溶着層(a+b)に使用目
的によつては問題を生ずる場合では、第2図に示
すように、予め別途中間層材質を用意しておき、
外層aと内層bとの間に中間層cを介在させて対
応することもできる。すなわち必要に応じては、
ライナ構造を三層以上ものに形成することもでき
る。 このような多層構造を有する複合シリンダライ
ナは遠心力鋳造法により容易に製造できる。すな
わち、まず外層を鋳込んだ後、適宜タイミングで
内層材質を鋳込み、両者を溶着一体化する。三層
以上のものについても、同様に外層から順に適宜
タイミングで各層を鋳込めばよい。なお、遠心力
鋳造法には、横型、傾斜型、竪型のいずれも適用
可能である。 以下に、本発明の外層材として用いられる球状
黒鉛鋳鉄について記載する。なお化学組成%は全
て重量パーセントである。 () 化学成分 C:2.8〜4.0% 外層の球状黒鉛鋳鉄材質は、球状黒鉛と基地か
らなり(ただし少量のセメンタイトの晶出は問題
ない)、特に強靱性を重要視するものである。し
かしてC2.8%未満では、鋳造性が悪くなると共に
セメンタイトの晶出量が増加し、材質が脆くな
り、一方4.0%を越えると鋳造欠陥を発生し易く
なるためである。 Si:1.5〜3.5% Siは黒鉛化を促進する作用があり、黒鉛球状化
剤としてMgを添加する本材質の場合、1.5%未満
ではセメンタイトの晶出量が多くなり、脆くなる
ためである。しかし3.5%を越えると、基地がフ
エライト化し耐力が劣化すると共に、フエライト
中に溶け込んだSiがフエライトを脆くする。 Mn:0.2〜1.0% Mnは、通常Sと結合してSの悪影響を除去す
ると共に、基地のバーライトを安定化し強度を増
す。Mn0.2%未満では、この効果は期待できず、
一方1.0%を越えるとかえつて脆くなる。 P:0.3%以下 Pは溶湯の流動性を高めるが、材質中にリン共
晶物を生成し材質を脆くする。この作用はP含有
量の増加につれて大きくなるが、実害のない範囲
として0.3%を上限とする。なおP含有量は低い
ほど強靱性の面で有利であるが、実際面では
P0.01%以下にすることはコスト上困難である。 S:0.04%以下 SはPと同様に、一般に不純物元素として理解
されており、機械的性質を劣化させる。また黒鉛
の球状化を阻害する作用があるため、0.04%以下
とする。 Ni: 2.5%以下 Niは黒鉛化と基地の強化に有効に作用するが、
2.5%を越えると、経済性の面で不利となるばか
りでなく、焼入れ組織(ベーナイト、マルテンサ
イト)、未変態組織を発生し易くなり、外層材質
の目的に合致しなくなるためである。 Cr:0.8%以下 Crは基地の強化作用と共に、セメンタイトの
安定作用が大きい。すなわち、Cr0.8%を越える
と、C,Siの調整によつてもセメンタイトが晶出
して脆くなり、外層材質の目的に合致しなくなる
ためである。 Mo:0.6%以下 Moは基地の強化に有効であるが、余りその含
有量を増加しても効果が飽和し経済的でなく、ま
た材質を硬く、脆くする作用も現われるため0.6
%以下とする。 Mg:0.03〜0.1% Mgは勿論黒鉛の球状化のために含有させるも
のであるが、0.03%未満ではその効果が不足し一
方0.1%を越えると、Mgのチル化作用およびドロ
ス等の鋳造欠陥を発生し易くなる点から好ましく
ないためである。 Cu:1.1〜4.0% Cuを含有させる目的は耐腐食性を向上させる
ことであり、冷却水と接触する外層材の耐腐食性
向上により、外面からのクラツクの防止に効果が
ある。0.3%未満では上記効果は期待できず、十
分な効果を出すため、下限を1.1%とする。一方
4.0%を越えると、材質強度が劣化するため好ま
しくない。 シリンダライナの外層を形成する球状黒鉛鋳鉄
材質は、以上の各成分を含み、基本的には残部
Feおよび通常の不純物からなる。 なお、外層の球状黒鉛鋳鉄材質には、更にその
材質特性を向上するためFeに代えて、次の希土
類元素、Snを必要に応じ添加することができる。 希土類元素:0.05%以下 希土類元素をMgと併用添加すれば、黒鉛の球
状化がより良好なものとなる。このさい、その添
加量はその作用効果が飽和する0.05重量%を上限
とする。 Sn:0.3%以下 上記外層材質はその鋳造条件によつては、基地
中にフエライトが過多となつて、耐力、疲労強度
の低下を招来することがある。その場合、バーラ
イト安定作用のあるSnをその効果が飽和する0.3
重量%の範囲内で添加するのが有効である。 () 外層材質の接種 次に外層材質の接種について述べる。一般に接
種は鋳造組織の微細化、黒鉛化の助長のために有
効である。そして上記外層材質についても接種技
術を応用すれば、より微細かつ均一に黒鉛の分布
した材質が得られる。このさい、接種量はSi分と
して0.05〜1.0%が適当である。すなわち、0.05%
未満では接種効果が期待できず、一方1.0%を越
えても相応の効果が得られないためである。接種
剤としては、CaSi,FeSiが好適である。なお、
接種後におけるSi含有量は、やはり上記1.5〜3.5
%の範囲に調整される。 () 外層材質の顕微鏡組織 上記球状黒鉛鋳鉄材質の顕微鏡組織は、主とし
て球状黒鉛とバーライト基地とからなる。組織中
に少量のセメンタイトを晶出する場合もあるが、
セメンタイトは脆いため、本発明の目的からは極
力低く抑える必要がある。基地は耐力、疲労強度
の面からバーライトが望ましく、フエライトはで
きるだけ少ない方がよい。なお、ベーナイトやマ
ルテンサイトが一部析出しても多少脆くなるがむ
しろ強度上昇のメリツトを得る場合がある。しか
し乍ら、ベーナイト、マルテンサイトを析出させ
るためには、高合金化又は特殊な熱処理を施す手
段をとらねばならず、コスト面で不利を伴う。 以上、外層材質について詳述したが、一方耐摩
耗性、耐焼付性が必要とされるライナ内層材質に
ついては、鉄鋼材料関係の便覧やデータブツク等
に掲載されているA型黒鉛を有する各種シリンダ
ライナ用特殊鋳鉄材質を用いればよく別段特色は
ない。 次に実施例を揚げて説明する。 〈実施例〉 次のような鋳造条件で第1表の化学組成の複合
シリンダライナを製造した。 ○鋳造金型内径:720Φ ○外層鋳込厚:75mm ○内層鋳込厚:40mm ○化学組成:別表の通り
【表】 下記第2表に上記外層材の機械的性質を示す。
【表】 なお、従来の単層シリンダライナの一般的な機
械的性質は、引張強さ18〜25Kg/mm2、伸び0.2〜
0.8%の範囲にある。 次に耐腐食性を調べるため、外層から試験片を
採取し、海水中における疲れ強さ(回転曲げ繰り
返し数:107回)を調べた。その結果、特開昭57
−134050号に開示の球状黒鉛鋳鉄では16.0Kg/mm2
であつたが、実施例2では20.9Kg/mm2であり、本
発明外層材の球状黒鉛鋳鉄は耐腐食性に優れるこ
とが分かる。 以上のように、本発明の複合シリンダライナは
その外層をCuを1.1〜4.0%含有した特定組成の球
状黒鉛鋳鉄で形成する一方、その内層は従来と同
じく耐摩耗性、耐焼付性に優れるA型黒鉛を有す
るシリンダライナ用特殊鋳鉄材質で形成し、両者
を溶着接合したものであるから、ライナー内面に
おける本来の使用特性を損なうことなく、その高
強度化を図ることができ、更に外層及び内層が共
に黒鉛組織を有するため熱伝導性が良好で、しか
も冷却水と接触する外層の耐腐食性が良好なこと
から、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図と第2図は本発明に係る複合シリンダラ
イナの構造例を現わす横断面図を示す。 a……外層、b……内層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 化学組成が重量%で、 C:2.8〜4.0%、 Si:1.5〜3.5%、 Mn:0.2〜1.0%、 P:0.3%以下、 S:0.04%以下、 Ni:2.5%以下、 Cr:0.8%以下、 Mo:0.6%以下、 Mg:0.03〜0.1%、 Cu:1.1〜4.0%、 残部Feおよび不純物 からなる球状黒鉛鋳鉄で形成された外層の内周面
    に、A型黒鉛を有するシリンダライナ用特殊鋳鉄
    材質で形成された内層が溶着接合されていること
    を特徴とする耐食性に優れる複合シリンダライ
    ナ。
JP13730183A 1983-07-26 1983-07-26 耐食性に優れる複合シリンダライナ Granted JPS6029445A (ja)

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JPH0235021A (ja) * 1988-07-25 1990-02-05 Iseki & Co Ltd ハーベスタの袋受装置

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