JPH1096041A - 高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法 - Google Patents

高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法

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JPH1096041A
JPH1096041A JP25068796A JP25068796A JPH1096041A JP H1096041 A JPH1096041 A JP H1096041A JP 25068796 A JP25068796 A JP 25068796A JP 25068796 A JP25068796 A JP 25068796A JP H1096041 A JPH1096041 A JP H1096041A
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graphite
cast iron
fatigue strength
rigidity
spheroidal graphite
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JP25068796A
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Inventor
Junichi Nishida
淳一 西田
Harumi Ueno
治己 上野
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】黒鉛量(黒鉛面積率)とともに黒鉛形状(球状
化率、粒径)を特定して、高剛性化及び高疲労強度化を
十分に図る。 【解決手段】重量%で、C:1.5〜3.3%、Si:
1.5〜2.5%、Mn:0.25〜1.00%、P:
0.05%以下、S:0.1%以下、Mg:0.02〜
0.07%、Cu:0.1〜1.0%、Ca:0.01
〜0.10%、並びにSn及びSbのうちの一種以上:
0.01〜0.10%を含有し、残部Fe及び不可避不
純物からなり、黒鉛球状化率:86%以上、平均黒鉛粒
径:30μm以下、黒鉛面積率:3〜13%、パーライ
ト面積率:80〜97%、及びフェライト面積率:10
%以下の組織を有することを特徴とする。黒鉛粒径が小
さく、また黒鉛球状化率も向上しているので、ヤング率
が向上し、高剛性化及び高疲労強度化を十分に図ること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高剛性・高疲労強度
球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法に関し、より詳しくは、
例えば高速回転部材とくに車両用エンジン部品としての
クランクシャフトに用いるのに適した高剛性・高疲労強
度球状黒鉛鋳鉄及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用エンジンのクランクシャフトに用
いる材料には、大きく分けて鋳鉄とスチールの2つがあ
る。両者を比較すると、コスト面では安価な鋳鉄が有利
であるが、剛性面では160GPa程度のヤング率を有
する鋳鉄に対して210GPa程度のヤング率を有する
スチールの方が有利である。
【0003】ところで、近年、エンジンの高性能化、軽
量化、低燃費化及び低コスト化等の要請が高まるにつれ
て、エンジンの低振動・低騒音化及び軽量化を効果的に
図るべく、鋳鉄製のクランクシャフトにおいても高剛性
化が強く要求されるようになった。高剛性化を図った鋳
鉄として、特開平7−252583号公報には、黒鉛面
積率が5〜15%、フェライト面積率が10%以下、残
部パーライト基地組織で、ブリネル硬さ(HB)が24
1〜277である、なじみ性と被削性に優れたクランク
シャフト用球状黒鉛鋳鉄が開示されている。この球状黒
鉛鋳鉄は、重量%で、C:3〜4%、Si:1.5〜
2.5%、Mn:0.5%未満、Mg:0.005〜
0.08%、並びにSn、Sb及びAsのうちの一種以
上:0.01〜0.05%を含有し、残部Fe及び不可
避不純物からなり、黒鉛面積率、パーライト中のフェラ
イト面積率及びブリネル硬さを上記のように特定するこ
とにより、高剛性化を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、クランクシャ
フトの剛性に最も影響のある材料的要因は、材料のヤン
グ率である。そして、鋳鉄材料のヤング率に影響を及ぼ
すのが黒鉛量及び黒鉛形状である。このため、鋳鉄材料
のヤング率を向上させて高剛性化を図るためには、黒鉛
量(黒鉛面積率)とともに黒鉛形状(球状化率、粒径)
を特定する必要がある。また、黒鉛の球状化率は鋳鉄材
料の疲労強度にも影響する。
【0005】しかし、上記従来の球状黒鉛鋳鉄は、黒鉛
量(黒鉛面積率)については特定されているものの、黒
鉛形状については何ら特定されていない。このため、上
記従来の球状黒鉛鋳鉄では、ヤング率の向上による高剛
性化、及び高疲労強度化を十分に図ることが困難であっ
た。本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、黒
鉛量(黒鉛面積率)とともに黒鉛形状(球状化率、粒
径)を特定して、十分な高剛性化及び高疲労強度化を図
った高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄を提供することを
解決すべき技術課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1記載の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄
は、重量%で、C:1.5〜3.3%、Si:1.5〜
2.5%、Mn:0.25〜1.00%、P:0.05
%以下、S:0.1%以下、Mg:0.02〜0.07
%、Cu:0.1〜1.0%、Ca:0.01〜0.1
0%、並びにSn及びSbのうちの一種以上:0.01
〜0.10%を含有し、残部Fe及び不可避不純物から
なり、黒鉛球状化率:86%以上、平均黒鉛粒径:30
μm以下、黒鉛面積率:3〜13%、パーライト面積
率:80〜97%、及びフェライト面積率:10%以下
の組織を有することを特徴とするものである。
【0007】(2)請求項2記載の高剛性・高疲労強度
球状黒鉛鋳鉄は、請求項1記載の高剛性・高疲労強度球
状黒鉛鋳鉄において、重量%で、Bi:0.001〜
0.01%をさらに含有することを特徴とするものであ
る。 (3)請求項3記載の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄
は、請求項1又は2記載の高剛性・高疲労強度球状黒鉛
鋳鉄において、重量%で、Ce:0.01〜0.05%
を質量比でS/Ce≧3となるようにさらに含有するこ
とを特徴とするものである。
【0008】(4)請求項4記載の高剛性・高疲労強度
球状黒鉛鋳鉄の製造方法は、Caを含有する2次接種剤
を注湯直前の溶湯に添加し、鋳造後、鋳放しすることに
より、重量%で、C:1.5〜3.3%、Si:1.5
〜2.5%、Mn:0.25〜1.00%、P:0.0
5%以下、S:0.1%以下、Mg:0.02〜0.0
7%、Cu:0.1〜1.0%、Ca:0.01〜0.
10%、並びにSn及びSbのうちの一種以上:0.0
1〜0.10%を含有し、残部Fe及び不可避不純物か
らなる高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄を製造すること
を特徴とするものである。
【0009】(5)請求項5記載の高剛性・高疲労強度
球状黒鉛鋳鉄の製造方法は、Ca並びにBi及びCeの
うちの少なくとも一方を含有する2次接種剤を注湯直前
の溶湯に添加し、鋳造後、鋳放しすることにより、重量
%で、C:1.5〜3.3%、Si:1.5〜2.5
%、Mn:0.25〜1.00%、P:0.05%以
下、S:0.1%以下、Mg:0.02〜0.07%、
Cu:0.1〜1.0%、Ca:0.01〜0.10
%、Sn及びSbのうちの一種以上:0.01〜0.1
0%、並びにBi及びCeのうちBi:0.001〜
0.01%、Ce:0.01〜0.05%を質量比でS
/Ce≧3となる範囲で少なくとも一方を含有し、残部
Fe及び不可避不純物からなる高剛性・高疲労強度球状
黒鉛鋳鉄を製造することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の高剛性・高疲労強度球状
黒鉛鋳鉄は、重量%で、C:1.5〜3.3%、Si:
1.5〜2.5%、Mn:0.25〜1.00%、P:
0.05%以下、S:0.1%以下、Mg:0.02〜
0.07%、Cu:0.1〜1.0%、Ca:0.01
〜0.10%、並びにSn及びSbのうちの一種以上:
0.01〜0.10%を含有し、残部Fe及び不可避不
純物からなり、黒鉛球状化率:86%以上、平均黒鉛粒
径:30μm以下、黒鉛面積率:3〜13%、パーライ
ト面積率:80〜97%、及びフェライト面積率:10
%以下の組織を有することを特徴とするものである。
【0011】この高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄は、
C、Si、Mn、P、S、Mg、Cu、Ca、並びにS
n及びSbのうちの一種以上を特定量含有し、特にCa
を特定量含有していることから、黒鉛粒径が小さくな
り、また黒鉛の球状化率が向上している。このため、こ
の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄は、ヤング率の向上
により剛性が十分に向上するとともに、疲労強度も十分
に向上している。
【0012】本発明の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄
は、好適な態様において、重量%で、Bi:0.001
〜0.01%をさらに含有する。Biは沸点が低く、溶
湯中で反応してガスを発生し、黒鉛を微細化する効果が
ある。このため、Biをさらに特定量含有しているこの
高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄は、Biを含有しない
場合と比較して、黒鉛の球状化がさらにすすんでヤング
率がさらに向上し、高剛性化・高疲労強度化をさらに図
ることができる。本発明の高剛性・高疲労強度球状黒鉛
鋳鉄は、好適な態様において、重量%で、Ce:0.0
1〜0.05%を質量比でS/Ce≧3となるようにさ
らに含有する。
【0013】Ceは、Sと結合して黒鉛核になり易いた
め、黒鉛を微細化する効果がある。このため、Ceをさ
らに特定量含有しているこの高剛性・高疲労強度球状黒
鉛鋳鉄は、Ceを含有しない場合と比較して、黒鉛の球
状化がさらにすすんでヤング率がさらに向上し、高剛性
化・高疲労強度化をさらに図ることができる。本発明の
高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄の製造方法は、注湯直
前の溶湯に、Ca、並びに必要に応じてBi及びCeの
うちの一種以上を含有する2次接種剤を添加し、鋳造
後、鋳放しすることにより製造することができる。
【0014】すなわち、所定成分の溶湯(出湯温度:1
550〜1650℃)に球状化添加剤や1次接種剤を添
加し、これを鋳型内に注湯する直前に、Ca、並びに必
要に応じてBi及びCeのうちの少なくとも一方を含有
した2次接種剤を添加する。Ca、BiやCeを含有し
た2次接種剤を注湯直前の溶湯に添加するには、Ca、
BiやCeを含有した2次接種剤を予め鋳型内に入れて
おき、その後溶湯を鋳型内に注湯したり、あるいは注湯
流れ中に添加したりすることにより、行うことができ
る。
【0015】なお、上記球状化添加剤としては、例えば
Fe−45%Si−10%MgやFe−45%Si−6
%Mgを採用することができ、上記1次接種剤として
は、例えばFe−75%SiやFe−32%Si−50
%Cを採用することができる。また、注湯温度は135
0〜1450℃程度とすることができる。そして、ばら
し時間を30〜120分程度として鋳造後、鋳放しする
ことにより、本発明の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄
を製造することができる。なお、ばらし時間とは注湯完
了から砂型をばらす(離型)までの時間をいう。
【0016】Ca、Bi及びCeは、フェーディング現
象を起こし易い。そこで、Ca、BiやCeを2次接種
剤に含有させて注湯直前の溶湯に添加することにより、
フェーディング現象の発生を抑制し、Ca、BiやCe
の添加による黒鉛の微細化及び球状化の効果を十分に発
揮させることができる。なお、フェーディング現象と
は、球状化、接種などの鋳鉄溶湯処理において、処理後
鋳型に注湯するまでに時間がかかるとその効果が消失す
る現象をいう。
【0017】また、通常、球状黒鉛鋳鉄の基地組織をパ
ーライトにするためには、鋳造後、920℃×2時間程
度に加熱し、大気中で放冷するという焼ならし処理が必
要であるが、この加熱処理により2次黒鉛が晶出し、黒
鉛量が増加するとともに黒鉛表面の形状が悪化し、ひい
てはヤング率が低下する。この点、本発明方法に係る鋳
鉄は、Mn、Cu並びにSn及びSbのうちの一種以上
を特定量含有していることから、鋳造後、加熱処理する
ことなく、鋳放しすることによっても十分な硬さ及びパ
ーライト量が得られる。このため、本発明方法では、上
記加熱処理が不要であり、加熱処理に起因する、2次黒
鉛晶出によるヤング率の低下を防ぐことができる。
【0018】(成分の限定理由)本発明の高剛性・高疲
労強度球状黒鉛鋳鉄における成分の限定理由を以下に説
明する。 (C)Cは組織中に黒鉛及び炭化物を生成する元素であ
る。本発明の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄では、黒
鉛の晶出を最小限に抑えてヤング率及び疲労強度の向上
を図りながら、生産性を確保すべく、Cの含有量を特定
した。すなわち、Cの含有量が、重量%で(以下、同
様)、1.5%未満であると、鋳造性が著しく悪化し、
引け巣や湯流れ不良等の鋳造欠陥が発生し易くなる。一
方、Cの含有量が3.3%を越えると、黒鉛が多量に晶
出し、ヤング率が低下する。このため、Cの含有量は
1.5〜3.3%とした。
【0019】(Si)Siは黒鉛の晶出を容易にし、鋳
造性を良好にする元素である。Siの含有量が1.5%
未満であると、黒鉛化が不十分となり、チル(非常に硬
い遊離セメンタイト(Fe3C)、以下同様)が生じ易
くなり、被削性に悪影響を及ぼす他、鋳造性も悪化す
る。一方、Siの含有量が2.5%を越えると、黒鉛が
多量に晶出し、ヤング率が低下するとともに、組織中の
フェライトが増加し、疲労強度及び耐摩耗性が悪化す
る。このため、Siの含有量は1.5〜2.5%とし
た。
【0020】(Mn)Mnは基地組織(パーライト)中
の炭化物を安定にし、疲労強度及び耐摩耗性を向上させ
るのに必要な元素である。Mnの含有量が0.25%未
満であると、組織中のパーライトが減少し、フェライト
が増加するため、必要な疲労強度及び耐摩耗性が得られ
ない。一方、Mnの含有量が1.0%を越えると、チル
が生じ易くなり、被削性に悪影響を及ぼす。このため、
Mnの含有量は0.25〜1.0%とした。
【0021】(S)Sは不可避不純物として存在する元
素である。Sの含有量が0.1%を越えると、球状化剤
に含まれるMgと結合し、黒鉛球状化率を悪化させ、ヤ
ング率を低下させる原因となる。このため、その影響が
無視できるように、Sの含有量は0.1%以下とした。
【0022】(P)Pは不可避不純物として存在する元
素である。Pの含有量が0.1%を越えると、ステダイ
ト(Fe−Fe3 C−Fe3 Pの三元共晶で非常に硬い
相)が晶出し易くなり、被削性に悪影響を与える。この
ため、その影響が無視できるように、Pの含有量は0.
1%以下とした。
【0023】(Mg)Mgは黒鉛球状化処理により残留
する元素である。Mgの含有量が0.02%未満である
と、黒鉛球状化率が悪化し、ヤング率が低下する。一
方、Mgの含有量が0.07%を越えると、チルが生じ
易くなり、被削性に悪影響を及ぼす。このため、Mgの
含有量は0.02〜0.07%とした。
【0024】(Cu)Cuは黒鉛を晶出し易くし、また
基地組織のパーライトを増加させる元素である。Cuの
含有量が0.1%未満であると、鋳放し時に基地組織の
パーライト量が十分に得られず、必要な疲労強度及び耐
摩耗性が得られない。一方、Cuの含有量が1.0%を
越えると、基地組織中のパーライトが緻密になり、硬さ
が著しく増加し、被削性に悪影響を及ぼす。このため、
Cuの含有量は0.1〜1.0%とした。
【0025】(Sn又はSb)Sn及びSbは基地組織
中のパーライトを増加させ、必要な疲労強度及び耐摩耗
性を得るのに必要な元素である。Sn及びSbのうちの
一種以上の含有量が0.01%未満であると、鋳放し時
に基地組織のパーライト量が十分に得られず、必要な疲
労強度及び耐摩耗性が得られない。一方、Sn及びSb
のうちの一種以上の含有量が0.1%を越えると、黒鉛
球状化率が悪化するとともに、チルが生じ易くなり、被
削性に悪影響を及ぼす。このため、Sn及びSbのうち
の一種以上の含有量は0.01〜0.1%とした。
【0026】(Ca)Caは、本発明では2次接種とし
て添加されることにより、黒鉛粒径を小さくし、黒鉛の
球状化率を向上させ、ヤング率及び疲労強度を向上させ
る。Caの含有量が0.01%未満であると、黒鉛を微
細化できず、黒鉛の球状化率を十分に向上させることが
できない。一方、Caの含有量が0.1%を越えると、
硬質なCaOを形成し、被削性に悪影響を与える。この
ため、Caの含有量は0.01〜0.1%とした。
【0027】(Bi)Biは沸点が低いため、溶湯中で
反応してガスを発生し、黒鉛を微細化する効果がある。
本発明では、BiはCaと共に2次接種として添加され
る。Biの含有量が0.001%未満であると、黒鉛を
微細化する効果が十分に得られない。一方、Biの含有
量が0.01%を越えると、チルが生じ易くなり、被削
性に悪影響を及ぼす。このため、Biの含有量は0.0
01〜0.01%とした。
【0028】(Ce)CeはSと結合して黒鉛核となり
易いため、黒鉛の微細化に効果がある。本発明では、C
eはCaと共に2次接種として添加される。Ceの含有
量が0.01%未満であると、黒鉛を微細化する効果が
十分に得られない。一方、Ceの含有量が0.05%を
越えると、チルが生じ易くなり、被削性に悪影響を及ぼ
す。このため、Ceの含有量は0.01〜0.05%と
した。ただし、この範囲であっても、Ce2 3 の化学
量論的組成よりも過剰に添加するとチルを発生させるた
め、質量比でS/Ce≧3となるように限定した。
【0029】(組織の限定理由)次に、本発明の高剛性
・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄における組織の限定理由を以
下に説明する。 (黒鉛球状化率)黒鉛球状化率が86%未満であると、
ヤング率及び疲労強度を十分に向上させることができな
い。このため、黒鉛球状化率は86%以上とした。
【0030】この黒鉛球状化率は、画像解析装置を用い
て、NIK法(日本鋳物協会法)により測定したもので
ある。 (平均黒鉛粒径)平均黒鉛粒径が30μm以下である
と、黒鉛一つ一つの球状化率が向上し、粗大な黒鉛によ
る影響が小さくなるため、ヤング率及び疲労強度の向上
が可能である。このため、本発明では黒鉛粒径は30μ
m以下とした。
【0031】この平均黒鉛粒径は、画像解析装置にて測
定した視野3mm2 中の5μm間隔の粒径範囲−全黒鉛
面積に占める累積面積割合のヒストグラムから求めた中
央値としたものである。 (黒鉛面積率)黒鉛面積率は、減少するとヤング率が向
上し、一方増加するとヤング率が低下する。ヤング率1
80GPa以上を得るためには、黒鉛面積率を13%以
下にしなければならない。また黒鉛面積率が3%未満で
あると、鋳造欠陥(引け巣、湯流れ不良等)が急激に増
加するとともに、被削性が著しく悪化する。このため、
黒鉛面積率は3〜13%とした。
【0032】この黒鉛面積率は、画像解析装置にて、基
地組織であるフェライト、パーライトを除いた黒鉛の面
積率としたものである。 (パーライト面積率)パーライト面積率が80%未満で
あると、疲労強度が低下し、黒鉛面積率との兼ね合いよ
り97%以下とした。
【0033】このパーライト面積率は、画像解析装置に
て、黒鉛、フェライトを除いたパーライトの面積率とし
たものである。 (フェライト面積率)フェライト面積率が10%を越え
ると、疲労強度が低下するとともに、耐摩耗性が低下す
る。また、本発明の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄を
クランクシャフトに用いた場合、クランクシャフト軸受
けの焼き付きの原因となる。このため、フェライト面積
率は10%以下とした。
【0034】このフェライト面積率は、画像解析装置に
て、黒鉛、パーライトを除いたフェライトの面積率とし
たものである。したがって、本発明に係る高剛性・高疲
労強度球状黒鉛鋳鉄は、剛性及び疲労強度が十分に向上
しており、例えば車両エンジン用のクランクシャフトに
好適に用いることができる。
【0035】また本発明に係る高剛性・高疲労強度球状
黒鉛鋳鉄は、基地組織をパーライトにするための加熱処
理が不要であるとともに、鋳造性、被削性が良好である
ため、生産性良く製造することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の高剛性・高疲労強度球状黒鉛
鋳鉄を自動車エンジン用クランクシャフトに適用した実
施例を具体的に説明する。 (実施例1〜12)高周波溶解炉(50kg、出湯温
度:1600℃)を用いて溶解した所定の組成の溶湯
に、球状化剤(Fe−45%Si−10%Mg)を1.
0重量%の割合で添加するとともに、1次接種剤(Fe
−75%Si)を0.5重量%の割合で添加した。ま
た、Si:20〜70%、Ca:2〜40%、Bi:0
〜40%、Ce:0〜40%、及び残部Feからなる所
定の組成の2次接種剤をCO2鋳型(JIS B号、2
5mmYブロック)内に予め入れておき、そこに上記球
状化剤及び1次接種剤を添加した溶湯を注湯した。な
お、2次接種剤の添加量は、溶湯に対して0.1〜2%
の割合で適宜調整した。また、注湯温度は1400℃と
した。そして、ばらし時間:60分として鋳造後、鋳放
しすることにより、表1にそれぞれ組成を示す本実施例
1〜12の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄を製造し
た。
【0037】
【表1】
【0038】(比較例1〜3)高周波溶解炉(50k
g、出湯温度:1600℃)を用いて溶解した所定の組
成の溶湯に、球状化剤(Fe−45%Si−10%M
g)を1.0重量%の割合で添加するとともに、1次接
種剤(Fe−75%Si)を0.5重量%の割合で添加
した。この球状化剤及び1次接種剤を添加した溶湯を実
施例1と同様のCO 2鋳型内に注湯し、ばらし時間:6
0分として鋳造後、鋳放しすることにより、表2にそれ
ぞれ組成を示す比較例1〜3の高剛性・高疲労強度球状
黒鉛鋳鉄を製造した。
【0039】
【表2】
【0040】(比較例4〜6)上記比較例1〜3と同様
の組成の溶湯を実施例1と同様のCO2鋳型内に注湯
し、ばらし時間:60分として鋳造後、920℃×2時
間程度に加熱し、大気中で放冷するという焼ならし処理
を施して、比較例4〜6の高剛性・高疲労強度球状黒鉛
鋳鉄を製造した。
【0041】(組織の評価)上記実施例1〜12及び比
較例1〜6の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄につい
て、黒鉛球状化率、平均黒鉛粒径、黒鉛面積率、パーラ
イト面積率及びフェライト面積率をそれぞれ前述した方
法により調べた。その結果を表3及び表4に示す。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】 (ヤング率の評価)上記実施例1〜12及び比較例1〜
6の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄について、パルス
法を利用してヤング率を測定した。このパルス法は、段
付加工した試験片の端面に水晶片を接着し、この水晶片
を通して超音波パルスを試験片に伝播させ、試験片内を
伝播する弾性波の一部が段付部で反射することにより生
ずる反射波パルスの時間遅れと、段付部で反射すること
なく小径部を伝播した残りの弾性波の伝播時間との測定
から縦波及び横波の速度を求め、これらの値からヤング
率を計算により求める方法である。その結果を図1、表
5及び表6に示す。
【0044】図1、表5及び表6から明らかなように、
本実施例の1〜12の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄
は、いずれもヤング率が185GPa以上あり、比較例
1〜6のものと比べてヤング率が大幅に向上しているこ
とがわかる。これは、本実施例1〜12のものは、比較
例1〜6のものと比べて、黒鉛量が少なく、また黒鉛粒
径が小さいことから、黒鉛の球状化率が向上するととも
に、黒鉛と基地組織との密着度が向上したためと考えら
れる。
【0045】(疲労強度の評価)上記実施例1〜12及
び比較例4〜6の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄につ
いて、小野式回転曲げ試験をすることにより疲れ限度を
測定した。その結果を図2、表5及び表6に示す。図
2、表5及び表6から明らかなように、本実施例の1〜
12の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄は、いずれも疲
れ限度が320MPa以上あり、比較例4〜6のものと
比べて疲労強度が大幅に向上していることがわかる。
【0046】(硬度評価)上記実施例1〜12及び比較
例4〜6の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄について、
ビッカース硬さ計により荷重20kg、5点平均の条件
でビッカース硬さ(Hv20)を測定した。その結果を
表5及び表6に示す。表5及び表6から明らかなよう
に、本実施例の1〜12の高剛性・高疲労強度球状黒鉛
鋳鉄は、焼ならし処理を施した比較例4〜6の高剛性・
高疲労強度黒鉛鋳鉄と同等以上の硬度を有することがわ
かる。
【0047】このように本実施例1〜12の高剛性・高
疲労強度球状黒鉛鋳鉄のヤング率、疲労強度及び硬度が
向上したのは、本実施例1〜12のものは比較例4〜6
のものと比べて黒鉛量が少なく、また黒鉛粒径が小さい
ことから、黒鉛の球状化率が向上するとともに、黒鉛と
基地組織との密着度が向上したためと考えられる。
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】 (ヤング率に及ぼす熱処理の影響)上記比較例1〜3及
び4〜6の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄についての
ヤング率の測定結果を図3に示すように、焼ならし処理
を施した比較例4〜6の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳
鉄は、焼ならし処理を施していない鋳放し材としての比
較例1〜3の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄と比べ
て、ヤング率が低下している。これは、熱処理により2
次黒鉛が晶出し、黒鉛量が増加するとともに、黒鉛表面
の形状が悪化したためと考えられる。
【0050】(組織の観察)上記実施例5及び比較例5
の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄について、金属組織
を観察した。これは、表面をナイタル(アルコール10
0ccに硝酸1〜5ccを加えた腐食液)でエッチング
した後、光学顕微鏡により観察することにより行った。
その結果を図4及び図5に示す。
【0051】図4及び図5から明らかなように、本実施
例5の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄は、比較例5の
ものと比べて、黒鉛量が少なく、また黒鉛粒径が小さい
ことがわかる。
【0052】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の高剛性・高
疲労強度球状黒鉛鋳鉄は、特許請求範囲に記載の所定の
成分組成により、黒鉛量(黒鉛面積率)及び黒鉛形状
(球状化率、平均粒径)を特定しているため、ヤング率
が向上し、高剛性・高疲労強度化を十分に図ることがで
きる。
【0053】とくに、Bi及び/又はCeをさらに添加
した場合は、高剛性化・高疲労強度化をさらに図ること
ができる。また、本発明の高剛性・高疲労強度球状黒鉛
鋳鉄の製造方法は、鋳造後、加熱処理することなく鋳放
しすることによっても、十分な機械特性(硬さ、疲労強
度、耐摩耗性等)を得ることができ、生産性及びコスト
面で有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例及び比較例の高剛性・高疲労強度球状
黒鉛鋳鉄について、ヤング率を測定した結果を示すグラ
フである。
【図2】本実施例及び比較例の高剛性・高疲労強度球状
黒鉛鋳鉄について、疲れ限度を測定した結果を示すグラ
フである。
【図3】比較例の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄につ
いて、ヤング率に及ぼす熱処理の影響を示すグラフであ
る。
【図4】本実施例の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄の
金属組織を示す顕微鏡写真である。
【図5】比較例の高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄の金
属組織を示す顕微鏡写真である。
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:1.5〜3.3%、S
    i:1.5〜2.5%、Mn:0.25〜1.00%、
    P:0.05%以下、S:0.1%以下、Mg:0.0
    2〜0.07%、Cu:0.1〜1.0%、Ca:0.
    01〜0.10%、並びにSn及びSbのうちの一種以
    上:0.01〜0.10%を含有し、残部Fe及び不可
    避不純物からなり、 黒鉛球状化率:86%以上、平均黒鉛粒径:30μm以
    下、黒鉛面積率:3〜13%、パーライト面積率:80
    〜97%、及びフェライト面積率:10%以下の組織を
    有することを特徴とする高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳
    鉄。
  2. 【請求項2】 重量%で、Bi:0.001〜0.01
    %をさらに含有することを特徴とする請求項1記載の高
    剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄。
  3. 【請求項3】 重量%で、Ce:0.01〜0.05%
    を質量比でS/Ce≧3となるようにさらに含有するこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の高剛性・高疲労強
    度球状黒鉛鋳鉄。
  4. 【請求項4】 Caを含有する2次接種剤を注湯直前の
    溶湯に添加し、鋳造後、鋳放しすることにより、重量%
    で、C:1.5〜3.3%、Si:1.5〜2.5%、
    Mn:0.25〜1.00%、P:0.05%以下、
    S:0.1%以下、Mg:0.02〜0.07%、C
    u:0.1〜1.0%、Ca:0.01〜0.10%、
    並びにSn及びSbのうちの一種以上:0.01〜0.
    10%を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなる高
    剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄を製造することを特徴と
    する高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄の製造方法。
  5. 【請求項5】 Ca並びにBi及びCeのうちの少なく
    とも一方を含有する2次接種剤を注湯直前の溶湯に添加
    し、鋳造後、鋳放しすることにより、重量%で、C:
    1.5〜3.3%、Si:1.5〜2.5%、Mn:
    0.25〜1.00%、P:0.05%以下、S:0.
    1%以下、Mg:0.02〜0.07%、Cu:0.1
    〜1.0%、Ca:0.01〜0.10%、Sn及びS
    bのうちの一種以上:0.01〜0.10%、並びにB
    i及びCeのうちBi:0.001〜0.01%、C
    e:0.01〜0.05%を質量比でS/Ce≧3とな
    る範囲で少なくとも一方を含有し、残部Fe及び不可避
    不純物からなる高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄を製造
    することを特徴とする高剛性・高疲労強度球状黒鉛鋳鉄
    の製造方法。
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