JP5952455B1 - 高剛性球状黒鉛鋳鉄 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヤング率を高めることで剛性の高く、かつ強度と靱性に優れた球状黒鉛鋳鉄を提供する。【解決手段】質量%で、C:3.0%を超えて3.6%未満、Si:1.5〜3.0%、Mn:1.0%以下、Cu:1.0%以下、P:0.03%未満、Mg:0.02〜0.07%を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、CおよびSiの含有量から式(1):CE=C%+Si%/3で計算される炭素当量(CE値)が、CE:3.6〜4.2%であり、ヤング率170GPa以上、引張り強度550MPa以上、衝撃値が12J/cm2以上である高剛性球状黒鉛鋳鉄である。【選択図】図2

Description

本発明は、球状黒鉛鋳鉄に関し、例えば車両用部品として、特にナックル、サスペンションアーム、ブレーキキャリパー等の足廻り部品、クランクシャフト、カムシャフト、ピストンリング等のエンジン部品に好適に適用される高剛性球状黒鉛鋳鉄に関する。
燃費向上及び環境対応を図るべく、車両用部品の軽量化の要求が高まっており、これら部品に用いられる材料の高剛性化が求められている。車両用部品には各種材料が使用されているが、鋳鉄は低コストで形状自由度に優れており、特に球状黒鉛鋳鉄は片状黒鉛鋳鉄よりも高い強度を有することから車両用部品に多用されている。しかしながら、一般に車両用部品に用いられている共晶組成の球状黒鉛鋳鉄は、ヤング率が165GPa程度であり、高強度化してもヤング率が変わらないため、軽量化のために部品の肉厚を減少させると剛性が保てなくなり、振動特性や騒音特性が低下する。このため、高剛性が求められる車両用部品には、鋳鉄よりもヤング率が高い鋳鋼が使用されている。しかし、鋳鋼は鋳鉄よりも鋳込み温度が高く、湯流れ性も良くないことから、複雑な形状や薄肉の製品への適用が難しい。また、鋳鋼は鋳鉄よりも引け巣が発生しやすく、引け巣防止のために鋳造方案に大きな押し湯を設ける必要があり、製造コストが高くなる。そこで、車両用部品の軽量化を図るため、球状黒鉛鋳鉄の高剛性化が求められている。
球状黒鉛鋳鉄を高剛性化するためにはヤング率を高めることが必要であるが、ヤング率は金属組織中の黒鉛の形状と晶出量に影響され、黒鉛の形状が球状であり、晶出量が少ないほどヤング率は高くなる。また、球状黒鉛鋳鉄において球状化が十分に行われている場合、ヤング率に影響を与える主要因は黒鉛晶出量であるため、黒鉛晶出量に影響を与える溶湯成分中のC含有量、Si含有量および炭素当量(CE値)を低下させることで、黒鉛晶出量を抑制し、ヤング率を高めて高剛性化することが行われている。
このような技術として、質量%でC:1.5〜3.0%、Si:1.0〜5.5%の亜共晶球状黒鉛鋳鉄とし、炭素含有量を少なくすることで、ヤング率を高めて高剛性化を図る技術が提案されている(特許文献1)。
又、本出願人は、Cの含有量及びCE値の範囲を規定することで、黒鉛連鎖組織を少なくし、ヤング率が170GPa以上となる高剛性球状黒鉛鋳鉄を開発した(特許文献2)。
一方、従来の球状黒鉛鋳鉄としては、上述のようにヤング率165GPa程度、引張り強度450MPa以上のFCD450(JIS G 5502に準拠)が多用されている。そこで、FCD450よりも強度の高いFCD500やFCD600(JIS G 5502に準拠)などの球状黒鉛鋳鉄を用い、部品の軽量化を図る技術が提案されている(特許文献3)。
さらに、球状黒鉛鋳鉄のC,Si,Mn,Pの靭性への影響について報告がされている(非特許文献1)。
特開2001−3134号公報 特開2013−173969号公報 特開2002−194479号公報
西山ら、「球状黒鉛鋳鉄の衝撃値などについて」、日立評論 金属特集号 第2集、別冊第16号、1956年10月発行、P.85-95
ところで、上述のように、球状黒鉛鋳鉄の高強度化のみを達成しても、剛性が保てない部分では、強度に余裕があっても肉厚を減少させることができない。そこで、車両用部品の軽量化を行うためには剛性と強度を共に向上させることが必要であるが、剛性と強度を向上させるために球状黒鉛鋳鉄の各種組成等を最適化した際、Pが0.03%以上になると衝撃値が大幅に低下することが判明した。特に、Mn、Cuの添加量が少ない領域でPを含有することによる脆化の影響は大きくなる傾向にある。
本発明は、上記問題を解決するものであり、ヤング率を高めることで球状黒鉛鋳鉄の高剛性化を実現し、かつ強度と靱性に優れた高剛性球状黒鉛鋳鉄を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、炭素当量(CE値)を低下させてヤング率を高めることで球状黒鉛鋳鉄の高剛性化を実現すると共に、Pを0.03%未満とすることで強度と靱性を向上できることを見出した。なお、更にMnとCuの合計含有量を管理すると、より優れた特性が得られる。
すなわち、本発明の高剛性球状黒鉛鋳鉄は、質量%で、C:3.0%を超えて3.6%未満、Si:1.5〜3.0%、Mn:1.0%以下、Cu:1.0%以下、P:0.03%未満、Mg:0.02〜0.07%を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、質量%で、MnとCuの含有量の合計が0.45〜0.70%、かつ質量%で、Pの含有量と、MnとCuの含有量の合計との比(P/(Mn+Cu))が0.050以下であり、CおよびSiの含有量から式(1):CE=C(%)+Si(%)/3で計算される炭素当量(CE値)が、CE:3.6〜4.3%であり、かつヤング率が170GPa以上、引張り強度550MPa以上、衝撃値が12J/cm以上である。
このように、Cの含有量及びCE値の範囲を規定することで、ヤング率が170GPa以上となり、Pを0.03%未満とすることで強度と靱性が向上した高剛性球状黒鉛鋳鉄が得られる。
本発明によれば、ヤング率を高めることで剛性が高く、かつ強度と靱性に優れた球状黒鉛鋳鉄が得られる。
実施例を作成するためのキャビティ形状のベータセット鋳型を示す上面図である。 実施例および比較例の引張強度と衝撃値の関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明において%とは、特に断らない限り、質量%を示すものとする。
本発明の実施形態に係る高剛性球状黒鉛鋳鉄は、質量%で、C: 3.0%を超えて3.6%未満、Si:1.5〜3.0%、Mn:1.0%以下、Cu:1.0%以下、P:0.03%未満、Mg:0.02〜0.07%を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、CおよびSiの含有量から式(1):CE=C(%)+Si(%)/3で計算される炭素当量(CE値)が、CE:3.6〜4.3%であり、かつヤング率が170GPa以上、引張り強度550MPa以上、衝撃値が12J/cm以上である。
<組成>
C(炭素)は、黒鉛組織となる元素であり、球状黒鉛鋳鉄の高剛性化を図りヤング率を高めるためには、C含有量を共晶組成より低下させて黒鉛の晶出量を抑制する必要がある。しかしながら、C含有量が2.0%未満になると、凝固開始温度が高くなり、黒鉛の晶出も難しくなるため鋳造性が悪化し、例えば複雑な形状や薄肉形状の部品で湯流れ不良が発生し、厚肉の製品では引け巣が発生しやすくなる。一方、C含有量が3.6%以上になると黒鉛の晶出量が多くなり、ヤング率が小さくなる。さらに、C含有量が2.7%以上3.0%以下の範囲では黒鉛連鎖組織が著しく増加する。従って、C含有量は2.0%以上2.7%未満、又は3.0%を超えて3.6%未満の範囲となる。ところが、C含有量が2.0%以上2.7%未満では、パーライト組織の安定化元素であるMnとCuの含有量を低く抑えても、基地組織のパーライト率が高くなり、機械的特性の強度が必要以上に上昇し、所望の衝撃値が得られないことがある。このため、C含有量を3.0%を超えて3.6%未満とする。
Siは、黒鉛の晶出を促進させる元素である。Si含有量が1.5%未満であると黒鉛が晶出しにくくなり、遊離セメンタイト(チル)が発生して加工性を著しく低下させる。一方、Si含有量が3.0%を超えるとフェライトが脆化し、機械特性の衝撃値が低下する。このため、Si含有量を1.5%〜3.0%とする。
Mnは、パーライト組織の安定化元素であり、Mn含有量が高くなると基地組織のパーライト率が高くなり、引張り強度は上昇する。この効果は含有量が1.0%を超えると飽和するため、Mn含有量を1.0%以下とする。
Cuは、パーライト組織の安定化元素であり、Cu含有量が高くなると基地組織のパーライト率が高くなり、引張り強度は上昇する。この効果は含有量が1.0%を超えると飽和するため、Cu含有量を1.0%以下とする。
Mgは、黒鉛の球状化に影響する元素であり、Mg含有量が黒鉛の球状化を判断する指標となる。Mgの含有量が0.02%未満であると黒鉛球状化率が低下し、ヤング率も低くなる。一方、Mgの含有量が0.07%を超えると、引け巣やチルが発生しやすくなることがある。このため、Mg含有量を0.02〜0.07%とする。
Pは不純物元素として混入する元素であり、P含有量が高くなると球状黒鉛鋳鉄の延性(靭性)が低下する。通常の球状黒鉛鋳鉄では、P:0.05%以下とすれば衝撃値の低下は飽和すると考えられるが、上述の組成の高剛性球状黒鉛鋳鉄の場合、P:0.03%以上になると衝撃値が大幅に低下することが判明した。これは、Pを0.03%以上含有させると基地組織全体を脆化させるためと考えられる。特に、Mn、Cuの添加量が少ない領域でPを含有することによる脆化の影響は大きくなる傾向にある。
このため、P含有量を0.03%未満とする。P含有量の下限は限定されないが、製造コスト上、例えば0.010%とすることができる。
MnとCuの含有量の合計を0.45〜0.70%に管理すると、強度と衝撃値が共に向上するので好ましい。これは、球状黒鉛鋳鉄中にMnとCuを一定量含有させることにより、基地組織のパーライトを増加させて強度を向上させるためと考えられる。
MnとCuの合計含有量が0.45%未満の場合、強度が十分向上しないことがある。
MnとCuの合計含有量が0.70%を超えると、強度は向上するが、伸び及び衝撃値が低下して所望の機械的性質が得られないことがある。
MnとCuを合計量で0.50〜0.65%含有するとより好ましい。
Pの含有量と、MnとCuの含有量の合計との比(P/(Mn+Cu))が0.050以下であると、強度と衝撃値をバランス良く向上させることができるので好ましい。これは、比(P/(Mn+Cu))を0.050以下とすることで、基地組織のパーライト化と、組織全体の脆化防止をバランスよく実現するためと考えられる。
ここで、MnとCuの合計含有量が0.45%未満の場合、Pの含有割合が相対的に多くなって上記比が0.050を超え、強度が低下する。一方、MnとCuの合計含有量が0.70%以上の場合、上記比が0.050を超えることは、Pの含有割合も多くなったことを表し、強度は高くなるが、その分靭性が低下する。
本発明の高剛性球状黒鉛鋳鉄は亜共晶組成としているため、共晶組成の球状黒鉛鋳鉄と比べてチルが発生しやすい。そこで、チルの発生を抑えるため、鋳造時にフェロシリコン等の接種剤を添加することが好ましい。接種方法は、製品形状や製品肉厚等により取鍋接種や注湯流接種、鋳型内接種を選択することができる。接種剤は、一般的に市販されている、Siを含むフェロシリコン接種剤を用いることができる。上記接種剤としては、チルの抑制、球状黒鉛の微細化に効果のあるBi、Ba、Ca、RE(レアアース)等を含むものを用いることもできる。
また、本発明の高剛性球状黒鉛鋳鉄に接種剤を添加すると、鋳造後に熱処理を施さなくてもチルの発生がなく、十分な機械特性を得ることができる。従って、鋳造後に熱処理を要する共晶組成の球状黒鉛鋳鉄と比較して生産性や製造コストも低減することができる。
<CE値>
上述のように、共晶組成よりもC含有量及びCE値を低下させると、凝固時に初晶がオーステナイトとなり、この初晶オーステナイトはC含有量及びCE値が低下するほど増加する。このため、その後に晶出する黒鉛連鎖組織もC含有量及びCE値が低下するほど広範囲に生じる。そして、黒鉛連鎖組織が一定の割合を超えると引張破断の起点となり、材料本来の引張り強度になる前に破断が起こり、引張り強度や伸びが著しく低下し、かつ安定した材料特性が得られない。
具体的には、CE値を共晶組成(約4.3%)から低下させていくと、CE: 3.2%を超え3.8%未満で黒鉛連鎖組織が引張試験片の破断面に認められる。
黒鉛連鎖組織の面積率が50%を超えると、材料本来の引張り強度や伸びに達する前に、黒鉛連鎖組織を起点とした破断が起こり、引張り強度や伸びが著しく低下する。
そのため、黒鉛連鎖組織の面積率を50%以下として引張り強度と伸びへの影響を無くすため、CE値の範囲を、3.6〜4.3%とする。CE値の上限が4.2%であると亜共晶組成となり好ましい。
以上のように、Cの含有量及びCE値の範囲を規定することで、ヤング率が170GPa以上の高剛性球状黒鉛鋳鉄が得られる。ヤング率が高いほど軽量化を行いやすいことから、ヤング率が175GPa以上であるとより好ましい。
又、黒鉛連鎖組織が出現しない範囲であるCE:3.8〜4.2%の範囲で鋳造することが望ましい。特にCE:3.8〜4.2%の範囲で、比(P/(Mn+Cu))を0.050以下とすることで、ヤング率が170GPa以上、引張り強度550MPa以上、衝撃値が12J/cm2以上に向上するので望ましい。
なお、本発明は上述のように強度と靱性のバランスに優れ、高剛性でかつ安定した機械的性質を有するため、車両用部品の軽量化に好適である。従って、例えば、ナックル、サスペンションアーム、ブレーキキャリパー等の足廻り部品や、クランクシャフト、カムシャフト、ピストンリング等のエンジン部品等に本発明を好ましく用いることができる。特に、これらの車両用部品の中でも、高い軽量化を求められるナックルやサスペンションアームに適用すると、強度だけを向上させた材料を適用させた場合と比べ、強度と剛性を両方向上させているため、更に部品を軽量化することができる。
高周波電気炉を用いてFeーSiーMg系溶湯を溶解し、さらに球状化剤(Fe−45%Si−5%Mg)を重量%で1.0%程度添加して球状化処理を施し、次いで接種としてフェロシリコン接種剤(Fe−75%Si)を重量%で0.2%程度添加し、表1に示す組成とした。
この溶湯を、図1に示すキャビティ形状のベータセット鋳型10に注湯し、常温まで鋳型内冷却した後、鋳型内より鋳造品を取り出した。注湯温度は1400℃とした。ベータセット鋳型10のキャビティ形状は、車両用部品のナックルの肉厚を想定し、断面の直径が25mm程度の丸棒3を複数本設置した形状としている。なお、図1の符号1は湯口を示し、符号2は押湯を示す。
得られた鋳造品につき、以下の評価を行った。
引張り強度と破断伸び:鋳造品の丸棒3を切断し、旋盤加工によりJIS Z 2241 に準拠した引張試験片を作製し、アムスラー万能試験機を用いてJIS Z 2241 に準拠して引張試験を行い、引張り強度と破断伸びを測定した。
ヤング率:鋳造品の丸棒3から一辺10mmの立方体を切り出し、アルキメデス法で密度を測定した後、超音波パルス法で縦波音速と横波音速を測定し、これら値からヤング率を算出した。超音波パルス法の測定装置には、菱電湘南エレクトロニクス社製の「デジタル超音波探傷器UI-25」(製品名)を用い、振動子としては栄進化学社製の縦波及び横波用振動子を用いた。
衝撃値:鋳造品の丸棒3を切断し、旋盤加工によりJIS Z 2242に準拠したUノッチ付き衝撃試験片を作製し、常温でシャルピー衝撃試験機(50J)を用いてJIS Z 2242に準拠した衝撃試験を行い、衝撃値を測定した。
得られた結果を表1に示す。
表1から明らかなように、Pの含有量を0.03%未満とし、MnとCuを合計0.45〜0.70%含有し、かつPの含有量とMnとCuの合計量の比(P/(Mn+Cu))が0.050以下を満たす各実施例の場合、ヤング率が170GPa以上、引張り強度550MPa以上、衝撃値が12J/cm以上に向上した。
一方、Pの含有量が0.03%を超えた比較例1、2の場合、引張り強度が550MPa未満に低下した。これは、比較例1、2の場合、MnとCuの合計含有量が0.45%未満となり、強度に寄与する基地組織のパーライトが低下したためと考えられる。
同様に、Pの含有量が0.03%を超えた比較例3〜7の場合、衝撃値が12J/cm未満に低下した。これは、比較例3〜7の場合、MnとCuの合計含有量が0.45%以上のために強度は高くなったが、Pの含有量が0.03%を超えた影響で分靭性が低下したためと考えられる。
比(P/(Mn+Cu))が0.050を超えた比較例8の場合、引張り強度が550MPa未満に低下した。
MnとCuの含有量の合計が0.70%を超えた比較例9の場合、衝撃値が12J/cm未満に低下した。
MnとCuの含有量の合計が0.45%未満の比較例10の場合、引張り強度が550MPa未満に低下した。
なお、図2は、表1の各実施例及び比較例の衝撃値を横軸にプロットし、引張り強度を縦軸にプロットしたものである。
3 鋳造試験片の採取部(丸棒)

Claims (1)

  1. 質量%で、C:3.0%を超えて3.6%未満、Si:1.5〜3.0%、Mn:1.0%以下、Cu:1.0%以下、P:0.03%未満、Mg:0.02〜0.07%を含有し、残部Fe及び不可避不純物からなり、
    質量%で、MnとCuの含有量の合計が0.45〜0.70%、かつ質量%で、Pの含有量と、MnとCuの含有量の合計との比(P/(Mn+Cu))が0.050以下であり、
    CおよびSiの含有量から式(1):CE=C%+Si%/3で計算される炭素当量(CE値)が、CE:3.6〜4.3%であり、ヤング率170GPa以上、引張り強度550MPa以上、衝撃値が12J/cm以上である高剛性球状黒鉛鋳鉄。
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