JPH0467252B2 - - Google Patents
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- JPH0467252B2 JPH0467252B2 JP28974085A JP28974085A JPH0467252B2 JP H0467252 B2 JPH0467252 B2 JP H0467252B2 JP 28974085 A JP28974085 A JP 28974085A JP 28974085 A JP28974085 A JP 28974085A JP H0467252 B2 JPH0467252 B2 JP H0467252B2
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Description
【発明の詳細な説明】
(発明の属する技術分野)
本発明は磁気記録装置に用いられる磁気デイス
クなどの磁気記録媒体に関する。
クなどの磁気記録媒体に関する。
(従来技術とその問題点)
近年磁気記録装置に用いられる磁気デイスクな
どの磁気記録媒体はますます高記録密度となる傾
向にあり、これに伴い磁気記録媒体の磁性層の膜
厚を従来の約1μm程度から0.1μm以下まで薄く
し、保磁力Hcもより高くする必要がある。その
ため磁気記録媒体の製造方法もサブミクロンオー
ダでは磁性層の膜厚が不均一になるスピンコート
法に代つて、均一な薄膜を容易に形成することが
可能なスパツタ法やメツキ法が注目されるととも
に、従来の鉄酸化物例えばγ−Fe2O3の磁性層
は、その磁気特性、特に残留磁束密度が小さく出
力が低いということから、磁性層として、スパツ
タ法によつて形成されるコバルトCo系合金例え
ばコバルト−ニツケルNi合金磁性薄膜が使用さ
れるようになつた。Ni含有量の範囲は20〜30at
%がよいことが知られている。
どの磁気記録媒体はますます高記録密度となる傾
向にあり、これに伴い磁気記録媒体の磁性層の膜
厚を従来の約1μm程度から0.1μm以下まで薄く
し、保磁力Hcもより高くする必要がある。その
ため磁気記録媒体の製造方法もサブミクロンオー
ダでは磁性層の膜厚が不均一になるスピンコート
法に代つて、均一な薄膜を容易に形成することが
可能なスパツタ法やメツキ法が注目されるととも
に、従来の鉄酸化物例えばγ−Fe2O3の磁性層
は、その磁気特性、特に残留磁束密度が小さく出
力が低いということから、磁性層として、スパツ
タ法によつて形成されるコバルトCo系合金例え
ばコバルト−ニツケルNi合金磁性薄膜が使用さ
れるようになつた。Ni含有量の範囲は20〜30at
%がよいことが知られている。
第6図に例えばCo−Ni合金磁性薄膜の磁性層
を備えたデイスク状磁気記録媒体の要部構成断面
図を示す。
を備えたデイスク状磁気記録媒体の要部構成断面
図を示す。
第6図の磁気記録媒体は合金基板1上に非磁性
基体層2を被覆し、この非磁性基体層2の上にさ
らに非磁性金属下地層3を介してCo−Ni合金薄
膜の磁性層4aを被覆し、磁性層4a上に保護潤
滑膜5を被覆したものである。
基体層2を被覆し、この非磁性基体層2の上にさ
らに非磁性金属下地層3を介してCo−Ni合金薄
膜の磁性層4aを被覆し、磁性層4a上に保護潤
滑膜5を被覆したものである。
このように構成された磁気記録媒体の合金基板
1にはアルミニウム合金が多用されているが、場
合によつてはプラスチツクを用いてもよく、所定
の面粗さ、平行度および平面度に仕上げられる。
非磁性基体層2はニツケル−りんNi−P合金を
無電解メツキしたもの、もしくは基板1自体をア
ルマイト処理して得たものが好ましく、いずれも
所定の硬さを必要とし、表面は機械的研磨により
鏡面仕上げを行なう。非磁性金属下地層3は一般
にクロムCrを用いてスパツタ法などにより形成
する。この下地層3はCo−Ni合金薄膜磁性層4
aの保磁力Hcを高める作用をもつものであり、
下地層3の厚さによつても磁性層4aの保磁力が
変化する。下地層3は膜厚の増加とともに磁性層
4aの保磁力を飽和させる傾向があり、その保磁
力を飽和させる下地層3の膜厚は材料によつて大
きく異なる。したがつて実用的な磁気記録媒体を
作製するときは下地層3の膜厚はあまり厚くする
ことなく薄膜の形成時間を短かくし適当な保磁力
を磁性層4aに付与するようにしている。下地層
3に磁性層4aをスパツタにより形成した後、引
続き最後にカーボンもしくは二酸化珪素SiO2な
どの保護潤滑膜5を連続して被覆する。
1にはアルミニウム合金が多用されているが、場
合によつてはプラスチツクを用いてもよく、所定
の面粗さ、平行度および平面度に仕上げられる。
非磁性基体層2はニツケル−りんNi−P合金を
無電解メツキしたもの、もしくは基板1自体をア
ルマイト処理して得たものが好ましく、いずれも
所定の硬さを必要とし、表面は機械的研磨により
鏡面仕上げを行なう。非磁性金属下地層3は一般
にクロムCrを用いてスパツタ法などにより形成
する。この下地層3はCo−Ni合金薄膜磁性層4
aの保磁力Hcを高める作用をもつものであり、
下地層3の厚さによつても磁性層4aの保磁力が
変化する。下地層3は膜厚の増加とともに磁性層
4aの保磁力を飽和させる傾向があり、その保磁
力を飽和させる下地層3の膜厚は材料によつて大
きく異なる。したがつて実用的な磁気記録媒体を
作製するときは下地層3の膜厚はあまり厚くする
ことなく薄膜の形成時間を短かくし適当な保磁力
を磁性層4aに付与するようにしている。下地層
3に磁性層4aをスパツタにより形成した後、引
続き最後にカーボンもしくは二酸化珪素SiO2な
どの保護潤滑膜5を連続して被覆する。
以上のようにして得られるCo−Ni合金薄膜を
スパツタ法により形成した磁性層をもつ磁気記録
媒体は良好な磁気特性を示すという点で有効なも
のである。しかしながら、このCo−Ni合金薄膜
についてその後の研究が進むにつれて、初期の磁
気特性はすぐれているが、薄膜磁性層自体の耐食
性が十分でないために、使用される環境によつて
は遂には磁気特性の劣化を起こすことがわかつ
た。
スパツタ法により形成した磁性層をもつ磁気記録
媒体は良好な磁気特性を示すという点で有効なも
のである。しかしながら、このCo−Ni合金薄膜
についてその後の研究が進むにつれて、初期の磁
気特性はすぐれているが、薄膜磁性層自体の耐食
性が十分でないために、使用される環境によつて
は遂には磁気特性の劣化を起こすことがわかつ
た。
これに対して種々な対策も試みられている。そ
の一つは耐食性という点からみれば鉄酸化物は周
囲環境に対して安定しているから、例えばγ−
Fe2O3をスパツタによつて薄膜化するのがよい
が、その反面前述のように鉄酸化膜は磁気特性の
とくに残留磁束密度が低く、しかも鉄酸化物をス
パツタ法により薄膜として形成するにはスパツタ
条件や熱処理など複雑な手順を要するので問題点
が多く好ましくない。第2の対策は例えば金属材
料の分野で屡々行なわれているようにクロムCr
を添加することによつて耐食性を向上させるとい
う手法を利用することであるが、Co系合金にCr
を単独添加しても耐食性は向上するものの、逆に
磁気特性が低下するのを避けることができない。
第3の対策として、Co−Ni合金薄膜の表面に周
囲環境の影響を完全に遮断することのできる保護
膜を形成することも効果的とみられるが、磁気ヘ
ツドとの潤滑性や薄膜状の保護膜に必要な硬さや
緻密性を保持することなどを同時に満足する保護
膜は未だ見られない。
の一つは耐食性という点からみれば鉄酸化物は周
囲環境に対して安定しているから、例えばγ−
Fe2O3をスパツタによつて薄膜化するのがよい
が、その反面前述のように鉄酸化膜は磁気特性の
とくに残留磁束密度が低く、しかも鉄酸化物をス
パツタ法により薄膜として形成するにはスパツタ
条件や熱処理など複雑な手順を要するので問題点
が多く好ましくない。第2の対策は例えば金属材
料の分野で屡々行なわれているようにクロムCr
を添加することによつて耐食性を向上させるとい
う手法を利用することであるが、Co系合金にCr
を単独添加しても耐食性は向上するものの、逆に
磁気特性が低下するのを避けることができない。
第3の対策として、Co−Ni合金薄膜の表面に周
囲環境の影響を完全に遮断することのできる保護
膜を形成することも効果的とみられるが、磁気ヘ
ツドとの潤滑性や薄膜状の保護膜に必要な硬さや
緻密性を保持することなどを同時に満足する保護
膜は未だ見られない。
これらのことから、磁気記録媒体にスパツタ法
により形成される磁性層は、保護膜には補助的な
効果を期待し、従来相反関係にあるとみなされて
いた磁気特性と耐食性を両立させたすぐれたもの
を開発する必要がある。
により形成される磁性層は、保護膜には補助的な
効果を期待し、従来相反関係にあるとみなされて
いた磁気特性と耐食性を両立させたすぐれたもの
を開発する必要がある。
(発明の目的)
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであ
り、その目的はCo系合金の磁気特性を損うこと
なく、耐食性も向上した薄膜磁性層を形成した磁
気記録媒体を提供することにある。
り、その目的はCo系合金の磁気特性を損うこと
なく、耐食性も向上した薄膜磁性層を形成した磁
気記録媒体を提供することにある。
(発明の要点)
本発明は不活性ガス雰囲気中でアルミニウム基
板上のNi−P層の上に連続的にスパツタして形
成した下地層、磁性層および保護潤滑膜の磁性層
として、サマリウムSmを適量含有したCo−Ni合
金磁性薄膜を形成することにより達せられる。
板上のNi−P層の上に連続的にスパツタして形
成した下地層、磁性層および保護潤滑膜の磁性層
として、サマリウムSmを適量含有したCo−Ni合
金磁性薄膜を形成することにより達せられる。
(発明の実施例)
以下本発明を実施例に基づき説明する。
第1図に本発明により得られた磁気記録媒体の
要部構成断面図を示し第6図と共通部分を同一符
号で表わしてある。第1図は第6図と基本的な構
成は同じであるが、第1図が第6図と異なる点は
磁性層4にCo−Ni−Sm合金薄膜を用いた所にあ
る。
要部構成断面図を示し第6図と共通部分を同一符
号で表わしてある。第1図は第6図と基本的な構
成は同じであるが、第1図が第6図と異なる点は
磁性層4にCo−Ni−Sm合金薄膜を用いた所にあ
る。
まず非磁性合金基板1として旋盤加工および加
圧焼鈍により、十分に小さなうねりすなわち円
周・半径方向とも20μm以下の面に仕上げたデイ
スク状アルミニウム板を用い、この上にNi−P
合金の無電解メツキを約30μmの厚さに被膜し、
メツキ被膜を平均表面粗さ0.02μm、厚さ15μmま
で鏡面仕上げを行なうことにより非磁性基体2を
形成する。次いで非磁性基体2の上に非磁性金属
下地層3としてCrをスパツタして形成するがCr
膜の厚さは前述のように磁性層4の磁気特性に影
響を与えるので0.1μm間隔で0.8μmまで変化させ
た。下地層3を形成した後、直ちに引続き同じス
パツタ槽内で磁性層4として本発明によるCo−
30at%Ni−Sm合金をスパツタにより下地層3の
上に500Åの厚さに設けた。この磁性合金薄膜に
ついてはSmを添加する効果を明らかにするため、
Sm含有量を5at%おきに15at%まで変えたものを
作製した。この際、下地層3に続いて磁性層4を
スパツタするまでにあまりに長い時間スパツタ槽
内に放置したり、大気に曝したりすると、下地層
3の効果を発揮することができず、磁性層4の必
要とする大きな保磁力が得られなくなる。例えば
下地層3を形成した後、大気に曝して磁性層4を
その上に形成した場合、磁性層4の保磁力は僅か
200Oeにしかならない。これはスパツタ槽内に長
い時間放置したときも同様の効果となるから、下
地層3の形成後は直ちに磁性層4のスパツタを実
施しなければならない。最後に表面保護潤滑膜5
としてカーボンをスパツタして膜厚500Åに形成
することにより、この磁気記録媒体を作製した。
圧焼鈍により、十分に小さなうねりすなわち円
周・半径方向とも20μm以下の面に仕上げたデイ
スク状アルミニウム板を用い、この上にNi−P
合金の無電解メツキを約30μmの厚さに被膜し、
メツキ被膜を平均表面粗さ0.02μm、厚さ15μmま
で鏡面仕上げを行なうことにより非磁性基体2を
形成する。次いで非磁性基体2の上に非磁性金属
下地層3としてCrをスパツタして形成するがCr
膜の厚さは前述のように磁性層4の磁気特性に影
響を与えるので0.1μm間隔で0.8μmまで変化させ
た。下地層3を形成した後、直ちに引続き同じス
パツタ槽内で磁性層4として本発明によるCo−
30at%Ni−Sm合金をスパツタにより下地層3の
上に500Åの厚さに設けた。この磁性合金薄膜に
ついてはSmを添加する効果を明らかにするため、
Sm含有量を5at%おきに15at%まで変えたものを
作製した。この際、下地層3に続いて磁性層4を
スパツタするまでにあまりに長い時間スパツタ槽
内に放置したり、大気に曝したりすると、下地層
3の効果を発揮することができず、磁性層4の必
要とする大きな保磁力が得られなくなる。例えば
下地層3を形成した後、大気に曝して磁性層4を
その上に形成した場合、磁性層4の保磁力は僅か
200Oeにしかならない。これはスパツタ槽内に長
い時間放置したときも同様の効果となるから、下
地層3の形成後は直ちに磁性層4のスパツタを実
施しなければならない。最後に表面保護潤滑膜5
としてカーボンをスパツタして膜厚500Åに形成
することにより、この磁気記録媒体を作製した。
次に以上のごとくして得られた磁気記録媒体の
諸特性について述べる。
諸特性について述べる。
第2図a〜dは磁性層4として設けたCo−
30at%Ni−Sm合金のSm含有量を変えたときの
磁気特性との関係を示した線図であり、いずれも
横軸を5at%間隔でSm含有量とし、縦軸を磁気特
性としてプロツトしたものである。すなわちSm
含有量に対して第2図aは保磁力、第2図bは角
形比Sおよび保磁力角形比S*、第2図cは残留
磁束密度Brと膜厚δとの積、第2図dは飽和磁
束密度Bsと膜厚δとの積の関係線図である。た
だしこのときその他の条件は全て同じに設定して
あり、いずれもRFスパツタ装置を用いて出力
500W、全ガス圧4.0×10-2Torr、基板温度は室温
である。なお下地層3のCrの膜厚はすべて3000
Åとした。
30at%Ni−Sm合金のSm含有量を変えたときの
磁気特性との関係を示した線図であり、いずれも
横軸を5at%間隔でSm含有量とし、縦軸を磁気特
性としてプロツトしたものである。すなわちSm
含有量に対して第2図aは保磁力、第2図bは角
形比Sおよび保磁力角形比S*、第2図cは残留
磁束密度Brと膜厚δとの積、第2図dは飽和磁
束密度Bsと膜厚δとの積の関係線図である。た
だしこのときその他の条件は全て同じに設定して
あり、いずれもRFスパツタ装置を用いて出力
500W、全ガス圧4.0×10-2Torr、基板温度は室温
である。なお下地層3のCrの膜厚はすべて3000
Åとした。
第2図a〜dからわかるようにSm含有量に対
して最も大きく変る磁気特性はa図のHcであつ
て磁気記録媒体として有効な900Oe以上の得られ
るSm含有量の範囲は1〜13at%であり1000Oeを
超える最も好ましい範囲は3〜12.5at%である。
この範囲のSm含有量についてみるとb図のSは
Smを添加しないものより増大しているが、S*と
c図のBr・δ,d図のBs・δはいずれも低下の
傾向にある。しかしこの程度の低下は磁気特性の
上でとくに問題となることはない。
して最も大きく変る磁気特性はa図のHcであつ
て磁気記録媒体として有効な900Oe以上の得られ
るSm含有量の範囲は1〜13at%であり1000Oeを
超える最も好ましい範囲は3〜12.5at%である。
この範囲のSm含有量についてみるとb図のSは
Smを添加しないものより増大しているが、S*と
c図のBr・δ,d図のBs・δはいずれも低下の
傾向にある。しかしこの程度の低下は磁気特性の
上でとくに問題となることはない。
次に下地層3として設けたCr被膜の厚さに対
する磁性層4のHcの変化を第3図の線図に示す。
この場合は磁性層4は前述の第2図aの結果に基
づきCo−30at%Ni−10at%Smを選び、その他の
条件も一定とした。第3図において横軸は0.1μm
間隔に目盛つたCr被膜の厚さ、縦軸は磁性層4
のHcとして示してあるが、第3図ではほかに二
つの比較例を併記し本発明と従来例とを対比させ
本発明の有効性を明らかにしている。
する磁性層4のHcの変化を第3図の線図に示す。
この場合は磁性層4は前述の第2図aの結果に基
づきCo−30at%Ni−10at%Smを選び、その他の
条件も一定とした。第3図において横軸は0.1μm
間隔に目盛つたCr被膜の厚さ、縦軸は磁性層4
のHcとして示してあるが、第3図ではほかに二
つの比較例を併記し本発明と従来例とを対比させ
本発明の有効性を明らかにしている。
比較例1の磁気記録媒体の製造方法は上述の実
施例の場合と全く同様であるが、磁性層がCo単
独の薄膜である点のみが異なり、比較例2では同
様に磁性層をCo−30at%Niの薄膜としSmを添加
してないものである。
施例の場合と全く同様であるが、磁性層がCo単
独の薄膜である点のみが異なり、比較例2では同
様に磁性層をCo−30at%Niの薄膜としSmを添加
してないものである。
第3図から本発明に係るCo−30at%Ni−10at
%Smの磁性層は下地のCr被膜によりHcを高くす
る効果が顕著であり、Cr膜厚0.3μm以上でHcが
大きな値で飽和に達することがわかる。これに対
して比較例1および比較例2はCr膜厚を増して
も磁性層のHcはあまり大きくならず、本発明実
施例におけるSm添加効果が明瞭である。また下
地層3はCrの代りにBiを用いることができるが、
Biの膜厚を500Å程度とすることにより、Crの場
合と同様の効果が得られる。
%Smの磁性層は下地のCr被膜によりHcを高くす
る効果が顕著であり、Cr膜厚0.3μm以上でHcが
大きな値で飽和に達することがわかる。これに対
して比較例1および比較例2はCr膜厚を増して
も磁性層のHcはあまり大きくならず、本発明実
施例におけるSm添加効果が明瞭である。また下
地層3はCrの代りにBiを用いることができるが、
Biの膜厚を500Å程度とすることにより、Crの場
合と同様の効果が得られる。
さらに本発明の磁気記録媒体の磁性層の耐食性
について言及する。
について言及する。
第4図は温度40℃、相対湿度80%の雰囲気中に
曝したCo−30at%Ni−10at%Smの磁気記録媒体
の磁気特性の変化を示した線図であり、第5図は
同じくこの条件に曝した磁気記録媒体を記録装置
に用いたときのエラー個数の変化を示した線図で
あるが第4図、第5図の場合も比較のために第3
図のときと同じ比較例1と比較例2を併記した。
曝したCo−30at%Ni−10at%Smの磁気記録媒体
の磁気特性の変化を示した線図であり、第5図は
同じくこの条件に曝した磁気記録媒体を記録装置
に用いたときのエラー個数の変化を示した線図で
あるが第4図、第5図の場合も比較のために第3
図のときと同じ比較例1と比較例2を併記した。
第4図は磁気記録媒体の放置期間に対する磁性
層のBr・δおよびHcの変化を示したものであ
り、磁気特性の初期値はそれぞれ異なるが、放置
時間経過に対する変化の割合はあまり変らない。
しかしながら第5図にみられるようにエラー個数
は本発明の記録媒体は12weeks放置してはじめて
僅かにエラーがカウントされるのに対して、比較
例1、比較例2のものは短い日数のうちにエラー
個数が急激に増加し使用に耐えなくなる。このこ
とは磁性層全体の磁気特性は環境条件によつて比
較的長時間大きな変化を示すことはないが、湿気
などの雰囲気に曝されたとき、従来の磁性層は表
面の微小な局部から順次腐食されて変質すること
に起因している。これに対しSmを適量添加した
磁性層を有する本発明の磁気記録媒体は第5図か
ら耐食性もすぐれたものであることがわかる。な
お第5図には図示してないが1〜13at%の範囲で
Smを添加したものについて同様の結果を得るこ
とができる。
層のBr・δおよびHcの変化を示したものであ
り、磁気特性の初期値はそれぞれ異なるが、放置
時間経過に対する変化の割合はあまり変らない。
しかしながら第5図にみられるようにエラー個数
は本発明の記録媒体は12weeks放置してはじめて
僅かにエラーがカウントされるのに対して、比較
例1、比較例2のものは短い日数のうちにエラー
個数が急激に増加し使用に耐えなくなる。このこ
とは磁性層全体の磁気特性は環境条件によつて比
較的長時間大きな変化を示すことはないが、湿気
などの雰囲気に曝されたとき、従来の磁性層は表
面の微小な局部から順次腐食されて変質すること
に起因している。これに対しSmを適量添加した
磁性層を有する本発明の磁気記録媒体は第5図か
ら耐食性もすぐれたものであることがわかる。な
お第5図には図示してないが1〜13at%の範囲で
Smを添加したものについて同様の結果を得るこ
とができる。
また本発明の磁気記録媒体を磁気記録装置に組
み込んでCSS試験を行なつた結果、2万回のコン
タクト・スタート・ストツプに対しても記録媒体
表面になんら傷を発生せず、再生出力もほとんど
低下することなく、十分な耐久性をもつているこ
とがわかつた。
み込んでCSS試験を行なつた結果、2万回のコン
タクト・スタート・ストツプに対しても記録媒体
表面になんら傷を発生せず、再生出力もほとんど
低下することなく、十分な耐久性をもつているこ
とがわかつた。
以上説明してきたように、本発明の磁気記録媒
体はすぐれた磁気特性と耐食性を兼備したものと
いうことができる。
体はすぐれた磁気特性と耐食性を兼備したものと
いうことができる。
(発明の効果)
磁気デイスクなどの磁気記録媒体は記録密度を
あげるために磁性層の膜厚を薄くし、磁気特性を
向上させるためにスパツタによるCo−Ni系合金
薄膜が用いられるようになつたが、一方でこの磁
性層はCo−Ni系合金では使用環境における耐食
性が例えば鉄酸化物膜などより劣るという欠点を
もつていたのに対し、本発明はCo−Ni系合金に
1〜13at%のSmを含んだ磁性層を用いて、基板
上に非磁性基体層、下地層、磁性層および保護潤
滑膜をこの順に堆積してなる磁気記録媒体として
従来と同様に構成したものであつて、磁性層の
Co−Ni系合金にSmを添加したことにより、Cr
下地層が磁性層のHcを高めるのに極めて効果的
に働くと同時に磁性層自体の耐食性を著しく向上
させ、磁気特性と耐食性という従来相反関係にあ
つた問題を一挙に解決し、この両者を一つの記録
媒体で兼ね備えることができ、しかも本発明の記
録媒体は製造効率もよく記録装置の出力も十分で
あり、長寿命を保持することができるという多く
の点で大きな利点を有するものである。
あげるために磁性層の膜厚を薄くし、磁気特性を
向上させるためにスパツタによるCo−Ni系合金
薄膜が用いられるようになつたが、一方でこの磁
性層はCo−Ni系合金では使用環境における耐食
性が例えば鉄酸化物膜などより劣るという欠点を
もつていたのに対し、本発明はCo−Ni系合金に
1〜13at%のSmを含んだ磁性層を用いて、基板
上に非磁性基体層、下地層、磁性層および保護潤
滑膜をこの順に堆積してなる磁気記録媒体として
従来と同様に構成したものであつて、磁性層の
Co−Ni系合金にSmを添加したことにより、Cr
下地層が磁性層のHcを高めるのに極めて効果的
に働くと同時に磁性層自体の耐食性を著しく向上
させ、磁気特性と耐食性という従来相反関係にあ
つた問題を一挙に解決し、この両者を一つの記録
媒体で兼ね備えることができ、しかも本発明の記
録媒体は製造効率もよく記録装置の出力も十分で
あり、長寿命を保持することができるという多く
の点で大きな利点を有するものである。
第1図は本発明の磁気記録媒体の要部構成断面
図、第2図は磁性層のSm含有量と磁気特性との
関係を示す線図、第3図は下地層の厚さに対する
磁性層のHcの変化を示す線図、第4図は温度40
℃、相対湿度80%の雰囲気中に曝した磁気記録媒
体の磁気特性の変化を示す線図、第5図は同じく
エラー個数の変化を示す線図、第6図は従来の磁
気記録媒体の要部構成断面図である。 1……合金基板、2……非磁性基体層、3……
非磁性金属下地層、4,4a……磁性層、5……
保護潤滑膜。
図、第2図は磁性層のSm含有量と磁気特性との
関係を示す線図、第3図は下地層の厚さに対する
磁性層のHcの変化を示す線図、第4図は温度40
℃、相対湿度80%の雰囲気中に曝した磁気記録媒
体の磁気特性の変化を示す線図、第5図は同じく
エラー個数の変化を示す線図、第6図は従来の磁
気記録媒体の要部構成断面図である。 1……合金基板、2……非磁性基体層、3……
非磁性金属下地層、4,4a……磁性層、5……
保護潤滑膜。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 基板上の主表面を被覆した非磁性基体上に、
非磁性金属下地層、磁性層および保護潤滑膜をこ
の順に連続スパツタして積層形成した磁気記録媒
体において、前記磁性層がSmを1〜13at%含む
Co−Ni合金からなることを特徴とする磁気記録
媒体。 2 特許請求の範囲第1項記載の媒体において磁
性層のSm含有量を3〜12.5at%とすることを特
徴とする磁気記録媒体。 3 特許請求の範囲第1項または第2項記載の媒
体において、非磁性金属下地層としてCrを用い
ることを特徴とする磁気記録媒体。 4 特許請求の範囲第1項または第2項記載の媒
体において、非磁性金属下地層としてBiを用い
ることを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28974085A JPS62149025A (ja) | 1985-12-23 | 1985-12-23 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28974085A JPS62149025A (ja) | 1985-12-23 | 1985-12-23 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62149025A JPS62149025A (ja) | 1987-07-03 |
JPH0467252B2 true JPH0467252B2 (ja) | 1992-10-27 |
Family
ID=17747143
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28974085A Granted JPS62149025A (ja) | 1985-12-23 | 1985-12-23 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62149025A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02103717A (ja) * | 1988-10-11 | 1990-04-16 | Mitsubishi Kasei Corp | 磁気記録媒体 |
-
1985
- 1985-12-23 JP JP28974085A patent/JPS62149025A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62149025A (ja) | 1987-07-03 |
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