JPH046528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はキノコ類の種菌を接種して、発芽させ
得る原木ポツトに関する。

（従来の技術とその問題点） 従来、キノコを培養するには、例えば薬用広口
ビンに鋸屑や糠等を詰めて培地を形成してから、
種菌を接種して行われてきた。

しかし、一般的にキノコ類の種菌の培養は難し
く、高度の熟練を要していた。そのためキノコ類
の栽培はあまり普及していなかつた。

そこで本考案は、キノコ類栽培の普及に役立つ
べく、比較的簡単に供給できるポツトであつて、
高度の熟練を要せずに誰でも容易かつ経済的にキ
ノコ類を栽培することができるような原木ポツト
を提供し、加えて、形態を多様に形成し、一般植
物の盆栽のように鑑賞用としても供しえるような
原木ポツトを提供することを目的とする。

（問題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案は、滅菌消毒さ
れた任意形状の吸水原木に接種培地を接合させ、
それらの外部全体を収縮性フイルムで密着被覆す
ると同時に上記接種培地部分に口を形成し、該口
を通気性のある蓋で閉じることによつてキノコ類
培養及び栽培用原木ポツトを形成したことを特徴
とする。

（作用） 上記原木ポツトの口を通じてキノコ類の種菌を
接種培地に接種すれば、菌は発芽、養成して、つ
いに培養原木に活着する。

（実施例） 次に、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

原木ポツトは、第１図乃至第２図のように、培
養用原木１と、その上頭部に積層された接種培地
２と、接種培地２の上中央の種菌注入口３と、注
入口３の蓋である通気性無菌脱脂綿４と、注入口
３を除いて原木１と接種培地２の全体を被覆する
高密度熱収縮フイルム６とで形成されている。

培養原木１は、キノコ培養に適当な各種原木を
選定し、これを所定の大きさに切断して、約100
℃で５時間以上、または約120℃で70分以上の如
く滅菌消毒したあと冷却して、さらに所望の水分
を吸収させたものである。

接種培地２は、鋸屑、糠、または小麦麺等適当
培地からなり、培養原木１の上頭部に山形状に積
層されている。

培養原木１と接種培地２は、種菌注入口３のみ
を除いて全体を高密度熱収縮性フイルム６で密着
して被覆され、注入口３は通気性無菌脱脂綿４で
塞がれている。注入口３の外周には、注入口３に
脱脂綿４を固定するためのバンド５が巻かれてい
る。こうして原木ポツト内部は、無菌状態となつ
ている。

上記構成の原木ポツトでキノコの種菌を培養す
る場合は、バンド５を外して注入口３から脱脂綿
４を抜き取り、注入口３を通じてキノコの種菌７
を接種したあと、脱脂綿４で再び注入口３を塞
ぎ、バンド５を締める。こうして原木ポツトを適
当な条件の室内に置くと、注入口３が通気性のあ
る脱脂綿４で閉じられているため、キノコ種菌７
が接種培地２で発芽して、ついに培養原木１全体
に活着する。

（考案の効果） 本考案は、滅菌消毒された原木とそれに接合し
た接種培地とが、空気と接触するそれらの外部全
体を収縮性フイルムで密着させて被覆されている
と同時に上記接種培地の種菌注入口が蓋が閉じら
れた原木ポツトであるため、原木ポツト内部がフ
イルムによつて外部とは完全に隔離され外部から
の汚染等は有りえず、取扱上便利である。

原木ポツトは、その内部が上記のように汚染さ
れないことに加え、原木がキノコ培養に適当な水
分を含んでおり、その原木の上頭部には接種培地
が接合され、さらに注入口の蓋に通気性があるた
め、キノコ種菌を注入口を通じて接種した場合、
好適条件の場所に置くことによつて、キノコ種菌
が接種培地で発芽して培養原木全体に活着する活
着率が極めて高くなる。

原木ポツトはキノコ種菌が活着した後、被覆フ
イルムを除いても、また除かないままでもよく、
いずれにおいても原木により保形されているの
で、所定の栽培室等に移す場合にも非常に便利で
ある。また任意形状の原木でポツトが形成される
関係上、置物、飾り物ともなり鑑賞用にも供しえ
る特徴を備えている。

【図面の簡単な説明】

第１図は原木ポツトの実施例の一部切断断面
図、第２図はその縦断面図である。 １……原木、２……接種培地、３……種菌注入
口、４……無菌脱脂綿、６……熱収縮性フイル
ム、７……キノコ種菌。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 滅菌消毒された任意形状の吸水原木に接種培地
   を接合させ、それらの外部全体を収縮性フイルム
   で密着被覆すると同時に上記接種培地部分に口を
   形成し、該口を通気性のある蓋で閉じてなるキノ
   コ類培養及び栽培用原木ポツト。