JPH0462905B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、自動車等のステアリングホイールに
関する。

（従来の技術） 従来、一般的に、自動車などのステアリングホ
イールは、ボス部、スポーク部および円環状のリ
ム部を備えている。このリム部は、リム芯金の外
側を合成樹脂によつて被覆していたが、軽量化の
ためにリム部を中空状にすることが考えられてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） このようなものとして、例えば、実公昭54−
17223号公報、米国特許第2215677号明細書および
図面などに示されたものが知られているが、これ
らのものは、リム芯金に別個に形成した上側およ
び下側のカバー体を固定するようにしている。そ
のため、組立にあたつては、別個に製造した上側
および下側のカバー体を組合わせるので、各カバ
ー体の端面の正確な合わせおよびリム芯金との接
合などが困難で、合わせ面の外側に段部などが生
じやすい。

また、米国特許第2913923号明細書および図面
に示されるように、リム部を空気入りチユーブに
よつて形成したものもあるが、このようなものに
おいては、雰囲気温度の変化によりチユーブ内の
空気が膨張したり、収縮したりして一定ではな
く、据り具合も不安定となつて好ましくない。

ところで、ステアリングホイールは、車両の事
故等によつて運転者がリム部に衝突した場合で
も、運転者の身体を受け止めるのに必要な十分な
強度を持つという基本的性能は満足しなければな
らない。

しかし、上記リム部を中空状とする従来のステ
アリングホイールでは、上述のような基本的性能
を満足するようには配慮されていない。

本発明は、このような点に鑑みてなされたもの
で、中空状とすることで軽量にするとともに材料
の無駄を無くし、組立も容易で、安価に製造で
き、しかも、ステアリングホイールの基本的性能
をも満足させることを目的とするものである。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明は、ボス部２、スポーク部３および円環
状のリム部４を備えたステアリングホイール１に
おいて、リム部４には、円環状のリム芯金１０
と、このリム芯金１０の全周に渡つて嵌着する円
環状とし、上面側に水平部１２ｂを有するととも
にこの水平部１２ｂの中央に上方に開口する芯金
装着用開口部１４およびこの芯金装着用開口部１
４を通じてリム芯金１０に下方から嵌合する芯金
溝１３を有する断面略半円形状の中空状に形成し
た合成樹脂製のリム芯体１１と、このリム芯体１
１の上方の断面略半円部分を含んでリム芯体１１
の外側を被覆した被覆体１６とを備えたものであ
る。

（作用） 本発明では、リム芯金１０をリム芯体１１の芯
金装着用開口部１４を通じて芯金溝１３内に嵌合
するとともに、このリム芯体１１の外側を被覆体
１６で覆つて、リム部４を一体化している。

このリム部４は、円環状のリム芯金１０の全周
に渡つて中空状のリム芯体１１が嵌着されてお
り、断面下側略半円部分にリム芯体１１によつて
中空部が形成され、このリム芯体１１の上方の断
面上側略半円部分が被覆体１６によつて覆われて
いる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を第１図ないし第５図
を参照して説明する。

第１図において、１はステアリングホイールを
示し、このステアリングホイール１は、ボス部
２、このボス部２に連らなる両側のスポーク部
３、このスポーク部３の外端に設けられた円環状
のリム部４からなつている。そして、上記ボス部
２およびスポーク部３上に表カバー体５が設けら
れているとともに、ボス部２の中央部上にホーン
ボタン６が設けられている。

第２図および第３図において、７は芯材で、こ
の芯材７は、上記ボス部２に設けられた円筒状の
ボス８、このボス８に溶接などにより内端部が一
体的に連結されて上記スポーク部３に設けられた
スポーク芯金９、このスポーク芯金９の外端部に
溶接などにより一体的に連結された上記リム部４
の円環状のリム芯金１０を有している。

１１は上記リム芯金１０の外側に設けられる円
環状のリム芯体で、このリム芯体１１は、合成樹
脂のブロー成形により断面略半円形状の中空状に
一体に形成されている。この断面略半円形状の外
壁部１２は、下側の弧状部１２ａと上面の水平部
１２ｂとから構成されている。さらに、外壁部１
２内の中央部に沿つて上記リム芯金１０が装着さ
れる芯金溝１３が形成されているとともに、水平
部１２ｂの中央部に沿つて芯金溝１３に連通し芯
金溝１３の直径よりも幅狭の芯金装着用開口部１
４が形成されている。そして、外壁部１２の弧状
部１２ａは肉厚に形成されているとともに、水平
部１２ｂおよびこの水平部１２ｂから設けられた
芯金溝１３は弧状部１２ａよりも肉薄に形成され
ている。また、上記外壁部１２の両側における内
側に上記芯金溝１３に連通してスポーク芯金受部
１５が凹設されている。

そして、リム芯金１０はリム芯体１１の芯金溝
１３に芯金装着用開口部１４を通して強制的に嵌
合されるとともに、スポーク芯金９の外端部がス
ポーク芯金受部１５に支持されている。この際、
リム芯体１１とリム芯金１０とを接着剤で固定す
るようにしてもよい。

そうして、上記リム芯金１０を装着したリム芯
体１１の外側に、リム芯体１１の上方の断面略半
円部分を含んで、軟質合成樹脂からなる被覆体１
６が一体的に設けられている。

このような組立に際し、リム芯体１１の弧状部
１２ａを肉厚にするとともに、水平部１２ｂおよ
び芯金溝１３を弧状部１２ａよりも肉薄にしてお
くと、リム芯金１０の嵌着作業性が良好になると
ともに、外周部の強度を保つことができる。

また、被覆体１６として軟質合成樹脂、特に発
砲したものを用いた場合、リム芯体１１の水平部
１２ｂの上方部分が弾力性を持ち、据り時の感触
が良好となる。

しかも、リム部４の断面の下側略半円部分にリ
ム芯材１１によつて中空部を形成し、上側略半円
部分は被覆体１６で覆つているため、車両の事故
等によつて運転者がリム部４に衝突した場合で
も、運転者の身体を受け止めるのに必要な十分な
強度を持つという基本的性能を満足させることが
できる。

なお、上記リム芯体１１の製造にあたつては、
一般的なブロー成形によつて容易に得ることがで
きるが、例えば、第４図および第５図に示すよう
に、一対の割型１７，１８間に幅広のパリソン１
９を挾んでブロー成形すればよく、この割型１
７，１８からリム芯体１１を取りはずす場合、芯
金装着用開口部１４の部分が強制的に拡開されて
芯金溝１３部分が脱型する。

なお、実施にあたつて、第６図および第７図に
示すように、リム芯体１１の水平部１２ｂ上に回
り止め用突部２０を設けることにより、被覆体１
６を確実に固定することができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、円環状のリム芯金の全周に渡
つて中空状のリム芯体を嵌着し、このリム芯体の
外側を被覆体で被覆するので、リム部の全周に渡
つて中空部を形成でき、軽量にできるとともに材
料を節減でき、組立も容易で、安価に製造でき
る。しかも、リム芯体は上面側に水平部を有する
断面略半円形状の中空状とし、このリム芯体の上
方の断面略半円部分を被覆体で覆うので、車両の
事故等によつて運転者がリム部に衝突した場合で
も、運転者の身体を受け止めるのに必要な十分な
強度を持つというステアリングホイールの基本的
性能を満足させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のステアリングホイールの一実
施例を示す正面図、第２図は第１図の−部の
断面図、第３図は第１図の一部の分解斜視図、第
４図はリム芯体の成形状態を示す斜視図、第５図
はその一部の断面図、第６図および第７図は本発
明の各他の実施例のリム部の断面図である。 １……ステアリングホイール、２……ボス部、
３……スポーク部、４……リム部、１０……リム
芯金、１１……リム芯体、１２ｂ……水平部、１
３……芯金溝、１４……芯金装着用開口部、１６
……被覆体。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ボス部、スポーク部および円環状のリム部を
   備えたステアリングホイールにおいて、 上記リム部は、 円環状のリム芯金と、 このリム芯金の全周に渡つて嵌着する円環状と
   し、上面側に水平部を有するとともにこの水平部
   の中央に上方に開口する芯金装着用開口部および
   この芯金装着用開口部を通じてリム芯金に下方か
   ら嵌合する芯金溝を有する断面略半円形状の中空
   状に形成した合成樹脂製のリム芯体と、 このリム芯体の上方の断面略半円部分を含んで
   リム芯体の外側を被覆した被覆体と を備えたことを特徴とするステアリングホイー
   ル。