JPH0462810B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、プレスブレーキのような曲げ機械
のダイ装置に関する。

一般にプレスブレーキのような曲げ機械にあつ
ては、下部テーブル上にダイ（下型）を設置し、
ダイの上面に形成された加工用溝に対して上部テ
ーブルに装着した上型を係合させることにより、
上下の両金型の間で板材の曲げ加工をする。そし
て、このような曲げ機械では、加工用溝内に板状
の底部材を上下調節可能に配置し、この底部材と
加工用溝の両側の角部の稜線との３点で決まる曲
げ角度の変更ができるようにした構成がある。

従来、上記底部材の位置調整には、底部材の下
面に複数の固定くさびを備え、かつ下部テーブル
に一体的に移動可能に設けた複数の可動くさび部
材の傾斜した上面を前記固定くさびの傾斜した下
面に摺接した構成である。

したがつて、上記のような従来の構成の場合、
すべてのくさびの寸法を正確にそろえなければ、
固定くさびの下面と可動くさびの上面とが僅かに
離れる部分が生じることとなり、曲げ精度も悪く
してしまうおそれがあり、くさびの加工が難しい
問題があつた。

この発明はこのような従来の問題に鑑みてなさ
れたものであつて、各くさびに寸法上のくるいが
小々あつても他のくさびに対するスライド移動量
の違いによつてその寸法誤差が吸収できるように
し、くさびの製作を容易にした曲げ機械のダイ装
置を提供することを目的とする。

以下、図に示す実施例について詳説する。第１
図はプレスブレーキ１の全体を示しており、両側
のサイドフレーム３，３にラム５（上部テーブル
と称することもある）が昇降自在にガイドされ、
油圧シリンダ７，７がこのラム５を昇降駆動する
ようになつている。ラム５の下面には上型９が取
付けられていて、下部テーブル１１上のダイ装置
１３と対向している。

このダイ装置１３は、第２図及び第３図に示す
ようにダイ１５を上下動可能に貫通した複数の支
持ピン１７を支持した上部プレート１９及び下部
プレート２１、上下両プレート１９，２１間のく
さび装置２３等により構成されている。

ダイ１５は下部テーブル１に支持されており
（第２図には支持状態は図示されていない）、この
ダイ１５の上面には加工用溝２５が長手方向に形
成されていて、その溝２５の底部には複数の支持
ピン１７が上下動可能に貫通してあり、各支持ピ
ン１７の上端部は、板材の折曲げ加工時に上記板
材を支持する板状の底部材２７を支持している。
各支持ピン１７の下端部は、上部プレート１９上
に支持されている。この上部プレート１９は前記
ダイ１５の下側に配置されており、下部テーブル
１１の固定部に支持された下部プレート２１に対
して調整装置２９により上下位置調整できるよう
にされている。

前記くさび装置２３は上部プレート１９の下面
に固定された複数の固定くさび３１と、下部プレ
ート２１上をスライドして各固定くさび３１の傾
斜面に接触する複数の可動くさび３３、各可動く
さび３３を水平に貫通するガイド棒３５、及び各
可動くさび３３内に形成されたシリンダ室３７
ａ，３７ｂ等から構成されている。そして、隣り
合う各可動くさび３３，３３は間隔Ｃをあけて配
列されている。各シリンダ室３７ａ，３７ｂは各
可動くさび３３を個別に移動するためのスライド
駆動装置をなすものであつて、エアが供給できる
ようになつている。

さらに、前記上部プレート１９の調整装置２９
は、第３図に詳しいようにサーボモータのような
駆動モータによつて回転するウオーム軸３９と、
このウオーム軸３９にかみ合つて回転し、上部プ
レート１９を昇降させるねじ部４１を備えたウオ
ームホイール４３とで構成されている。

上記構成の曲げ機械のダイ装置の動作について
次に説明する。

ダイ装置１３の曲げ角度の設定のために加工用
溝２５内の底部材２７の上下位置をまず設定す
る。これには、各可動くさび３３のシリンダ室３
７ｂ側にエアを送り込んで各可動くさび３３を右
方へスライドさせ、対向する各固定くさび３１か
ら離す。この後、モータを駆動してウオーム軸３
９を回転させ、ウオームホイール４３を回転させ
て上部プレート１９を下部プレート２１に対して
上昇あるいは下降させ、支持ピン１７を介して加
工用溝２５内の底部材２７の上下位置を調整す
る。

この後、各可動くさび３３のシリンダ室３７ａ
側にエアを送り込み、各可動くさび３３を個々に
左方へスライドさせ、各対向する固定くさび３１
の傾斜面に接触させる。こうして上部プレート１
９は下部プレート２１に対して所定の上下位置に
固定されることになる。この各可動くさび３３の
スライド移動は、隣り合う可動くさび３３間に間
隔Ｃが設けられているために他の可動くさび３３
によつて移動を制限されることがなく、個別に必
要量だけ移動できるのである。

このようにして上部プレート１９が位置固定さ
れれば、各支持ピン１７を介して支持されている
加工用溝２５内の底部材２７の位置も決定され、
溝２５の深さが決められることになり、板材の曲
げ角度も規定されることになる。この後、ラム５
を駆動して上型９をダイ装置１３に対して下降さ
せれば、板材に所定の曲げ加工が施せるのであ
る。

この発明は、ダイの加工用溝内の底部材の上下
位置を決める上部プレートと下部プレートとの間
に固定くさびと可動くさびとを必要組数だけ間隔
をあけて設け、各可動くさびにはスライド駆動装
置を個別に設けているから、各可動くさびを個別
に固定くさびに対しスライドさせることができる
ものであり、各部材に小々の加工寸法誤差があつ
ても各可動くさびのスライド移動量の大小によつ
てその誤差を吸収することができる。したがつ
て、製作、加工がしやすい利点を備えたものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の用いられている
プレスブレーキの正面図、第２図は同上の実施例
の正面図、第３図は同上の拡大正面断面図であ
る。 １……プレスブレーキ、５……ラム、９……上
型、１１……下部テーブル、１３……ダイ装置、
１５……ダイ、１７……支持ピン、１９……上部
プレート、２１……下部プレート、２３……くさ
び装置、２５……加工用溝、２７……底部材、２
９……調整装置、３１……固定くさび、３３……
可動くさび、３７……シリンダ室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下部テーブル１上に装着したダイ１５の上面
   に、上部テーブル５に装着した上型９と協働して
   板材の折曲げ加工を行なう加工用溝２５を長手方
   向に設け、上記ダイ１５の加工用溝２５の底部を
   上下動可能に貫通した複数の支持ピン１７をダイ
   １５の長手方向に適宜間隔に配置して設け、前記
   ダイ１５の下方位置において前記下部テーブル１
   に上下調節可能に設けた上部プレート１９によつ
   て前記各支持ピン１７を支持して設け、この上部
   プレート１９の下面に備えた複数の固定くさび３
   １の傾斜面に接触する傾斜面を備えた複数の可動
   くさび３３を、前記上部プレート１９の下方位置
   に配置した下部プレート２１上に移動可能に設
   け、前記上部プレート１９と下部プレート２１と
   の間に上部プレート１９の上下位置を調節する上
   下位置調整装置２９を設け、上記上下位置調整装
   置２９による前記上部プレート１９の上下位置調
   節後に、当該上部プレート１９の下面に備えた前
   記各固定くさび３１の傾斜面に対して前記各可動
   くさび３３の各傾斜面を個別に接触せしめるべく
   上記各可動くさび３３を個別に移動するためのス
   ライド駆動装置を各可動くさび３３に内装してな
   ることを特徴とする曲げ機械のダイ装置。