JPH0461015B2 - - Google Patents

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JPH0461015B2
JPH0461015B2 JP60097881A JP9788185A JPH0461015B2 JP H0461015 B2 JPH0461015 B2 JP H0461015B2 JP 60097881 A JP60097881 A JP 60097881A JP 9788185 A JP9788185 A JP 9788185A JP H0461015 B2 JPH0461015 B2 JP H0461015B2
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Japan
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film
coating
polyester
coating layer
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Naohiro Takeda
Juzo Ootani
Masahiro Kita
Nariaki Okajima
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Diafoil Co Ltd
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Diafoil Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、塗布層を設けることにより表面特
性、特に滑り性、帯電性、接着性の改良された二
軸延伸ポリエステルフイルムに関する。
〔従来技術〕
二軸延伸ポリエステルフイルム、特に二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフイルムは、透明
性、寸法安定性、機械的特性、電気的特性、ガス
バリヤー性、耐熱性、耐薬品性などに優れ、包装
材料、電気絶縁材料、銀塩、ジアゾ化合物、感光
性樹脂などを用いる感光材料、製図材料、電子写
真材料、磁気記録材料などの基材として用いられ
ている。最近では磁気記録媒体の高密度記録化、
コンデンサーの高容量化などに伴ない使用される
ポリエステルフイルムは、ますます平坦であると
共に滑り性の良いものすなわち平滑性が要求され
ている。平滑なフイルムの必要性は、光学用途、
電子写真用途など他の多くの用途においても増大
している。
ポリエステルフイルムの滑り性を改良する従来
の方法としては、微細な有機系あるいは無機系の
粒子を添加する方法(添加粒子法)、ポリエステ
ルの重合時にエステル交換触媒残渣などを析出さ
せる方法(析出粒子法)、ポリマーブレンドによ
る方法、有機系の潤滑剤を配合する方法などのポ
リエステルの組成物による方法がある。しかしな
がら、これらの組成物による方法は、滑り性と平
坦性の一方が向上すれば他の一方が低下し、両方
を共に向上させるのが困難であるのが実情であ
る。また、組成物による方法は、透明性の要求さ
れる光学用途には限界がある場合がある。有機系
の潤滑剤を配合する方法は、無機系粒子などの適
度な併用によりある程度の平滑性を達成できるも
のの、潤滑剤の転着による装置あるいは製品の汚
染、蒸着工程での高真空度の達成と維持の困難あ
るいは積層体とした場合の層間の接着性の低下な
ど問題が多い。組成物を含有する層を平坦層と共
押出しなどで積層する方法で平滑化をはかる方法
もあるが、先に述べた組成物による場合の問題点
と共に含有組成物の平坦層への形状転写などの問
題がある。溶剤処理、コロナ放電処理などにより
表面処理をしたフイルムを延伸し、表面に突起を
形成させる方法もあるが、突起の形状に種々の制
約もあり、滑り性が不充分な場合が多い。これら
の方法に対して、塗布層に微細かつ稠密な突起を
形成させる方法がフイルムの平滑化法として注目
されている。塗布層の突起形成方法としては、微
細な無機系粒子を含有させる方法が滑り性や固着
性(ブロツキング性)を改良するため広く慣用さ
れているが、最近では塗布層を設けた後にポリエ
ステルフイルムを延伸する方法(以下塗布延伸法
と略称する)における塗布剤として、塗布層中で
の相分離や塗布延伸時の延び特性に特徴のある化
合物を用いる方法が新規な平滑フイルムの製造方
法として注目されている。例えば、特開昭54−
43017号公報では、塗布剤としてポリエステルに
ゼラチンを配合し、塗布延伸によつて滑り性の良
好なポリエステルフイルムを得ている。それ以
後、特開昭56−10455号公報、特開昭57−18254号
公報、特開昭58−62826号公報などで塗布延伸に
よる平滑フイルムが提案されている。これらは、
縦一軸延伸後のフイルムに塗布剤を塗布後、横方
向に延伸しており、塗布層の突起形状が縦方向に
長いため突起形状の呼称として、「みみず状突
起」、「山脈状突起」などと記載されている(以下
縦長突起と略称する)。なお、縦長突起の特殊な
ものとして、塗布層の破断により基体ポリエステ
ルフイルム面が露出した「不連続皮膜状突起」も
提案されている。
本発明者らは、先にアクリル系樹脂、ポリエス
テルおよび特定の水溶性樹脂あるいはこれらとシ
リカゾルからなる塗布剤を用いた塗布延伸法によ
る平滑なフイルムを提案した(特願昭58−170308
号、特願昭58−170929号、特願昭58−170930号)。
特定の水溶性樹脂とは、塗布延伸により縦長突起
を形成する樹脂で、具体的にはゼラチン、セルロ
ース誘導体などである。しかしながら、これらの
塗布剤を使用した塗布延伸法により平滑なフイル
ムが得られるものの、工業的規模でフイルムの巻
き長さを増したり、高速でフイルムを巻き出した
りする場合には、フイルムの平坦化による接触面
積の増大によるものと推定されるフイルム巻き出
し時の剥離帯電によるフイルムからの火花の発生
やフイルムの帯電密着による破断などの問題が発
生する場合もある。さらにポリエステルフイルム
の接触性も重要となる場合もある。
〔発明の目的〕
本発明は、塗布層を形成することにより、平坦
であつても滑り性が良く、帯電による障害がない
と共に接触性の良いポリエステルフイルムを提供
することを目的とする。
〔発明の構成〕
本発明は、ポリエステルフイルムの少なくとも
片面に水溶性および/または水分散性樹脂とアル
カリ金属の珪酸塩からなる塗布剤を塗布後延伸し
た二軸延伸ポリエステルフイルムである。
本発明における基体を構成するポリエステルフ
イルムは、その構成成分の80モル%以上がエチレ
ンテレフタレートであるポリエステルテレフタレ
ート、あるいは80モル%以上がエチレンナフタレ
ートであるポリエステルナフタレートフイルムで
ある。エチレンテレフタレート、エチレンナフタ
レート以外のポリエステル共重合体成分として
は、例えばジエチレングリコール、プロピレング
リコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブ
チレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラ
メチレングリコールなどのジオール成分、イソフ
タル酸、5−ソジオスルホイソフタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸およびそのエステル形成性誘導
体などのジカルボン酸成分、オキシ安息香酸およ
びそのエステル形成性誘導体などのオキシカルボ
ン酸などを用いることができるがこれらに限定さ
れるものではない。
本発明における基体を構成するポリエステル
は、フイルムの表面に突起を形成する添加粒子、
析出粒子、基体ポリエステルと特性の異なるポリ
エステルあるいはそれ以外の樹脂を含有していて
もよい。これらは、蒸着金属を磁性層とする高密
度磁気記録用途などにおいては極力少なくするの
が好ましいが、用途に応じては従来当業者が常用
している量を含有していてもよい。突起形成剤以
外の成分として、必要に応じて帯電防止剤、安定
剤、潤滑剤、着色剤、光線遮断剤などを含有して
いてもよい。
本発明におけるアルカリ金属の珪酸塩とは、シ
ーエムシー社、1985年1月発行「無機高分子」、
第13頁〜第66頁、あるいは「工業材料」第31巻、
第13号、第73頁(1984年)に示されているように
一般式M2O・nSiO2(ここでMはリチウム、ナト
リウム、カリウムである)で示されるものであ
り、水に溶解ないし分散する特性があり、水ガラ
スと称されるものである。例えば、珪酸ソーダで
はnの値の相違によりオルソ、セキソ、メタ、1
号、2号、3号、4号珪酸ソーダと呼称されてい
る。なお、本発明に用いるアルカリ金属の珪酸塩
は、アルカリ金属の一部がアルカリ金属以外の金
属やアンモニウムで置換されていてもよいし、置
換されず珪酸となつていてもよい。
本発明における水溶性または水分散性樹脂は、
アルカリ金属の珪酸塩を相互に結合すると共に塗
布層と基体のポリエステルを結合するいわゆるバ
インダーとしての働きをするものであつて、ポリ
エステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル
系樹脂、ポリオレフイン、ビニル系樹脂、ブタジ
エン系樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、フツ
素系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエーエル、ゼ
ラチンなどの少なくとも1種以上を用いることが
できるがこれらに限定されるものではない。
本発明におけるアルカリ金属の珪酸塩の塗布剤
中の割合は、固形分として90重量%ないし2重量
%であり、さらに好ましくは70重量%ないし3重
量%である。アルカリ金属の珪酸塩が90重量%よ
りも多い場合は、塗布層の強度が低下して剥離や
白粉が発生しやすくなる。アルカリ金属の珪酸塩
が2重量%よりも少ない場合には、アルカリ金属
の珪酸塩の有する縦長突起の形成、帯電防止、接
着性などの効果が不明確となる。
ポリエステルフイルムに塗布剤を塗布する方法
は、原崎勇次著、〓書店1979年発行、「コーテイ
ング方式」に示されるリバースロールコーター、
グラビアコーター、ロツドコーター、エアドクタ
コーターあるいはこれら以外の塗布装置を用いる
ことができる。塗布工程は、逐次二軸延伸前、同
時二軸延伸前、二軸延伸後で再延伸前などであ
る。すなわち、ポリエステルフイルムに塗布剤を
塗布し、その後適当な乾燥を施し、あるいは乾燥
を施すことなく延伸する方法(塗布延伸法)が塗
布層の表面に突起を形成させるのに必須である。
特に好ましくは、ロール延伸法による一軸延伸ポ
リエステルフイルムに塗布剤の水分散物あるいは
水溶液を塗布し、適当な乾燥を施し、あるいは乾
燥を施すことなく、ポリエステル一軸延伸フイル
ムをただちに先の延伸方向とは直角方向に延伸
し、熱処理する方法である。本方法によるなら
ば、延伸と同時に塗布層の乾燥が可能になると共
に塗布層の厚さを延伸倍率に応じて薄くすること
ができる。
塗布層の表面の突起形状は、延伸方法、延伸倍
率、延伸速度などによつて異なるが、逐次二軸延
伸法でいわゆる縦延伸後に塗布したフイルムを横
延伸した場合には、縦方向に長く、横方向に幅の
狭いいわゆる縦長突起が形成される。突起形状の
大小は、アルカリ金属の珪酸塩の構造、重合度、
配合量、ならびに塗布剤に用いられるアルカリ金
属の珪酸塩以外の樹脂の特性、塗布層の厚さなど
に影響される。例えば、アルカリ金属の珪酸塩の
重合度が大きいほど、配合量が多いほど、塗布層
の厚さが大きいほど、塗布剤に用いられるアルカ
リ金属の珪酸塩以外の樹脂の弾性率が低いほど突
起形状が大きくなる。また、塗布剤の塗布後、延
伸前の塗布層の乾燥速度、乾燥の程度によつても
突起形状が異なる。これは塗布層でのアルカリ金
属の珪酸塩の相分離や含水状態での延伸性の差に
よるものと推定される。
本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層の厚さは、0.01μから1μの範囲が好ましく、さ
らに好ましくは0.01μから0.1μの範囲である。塗
布層の厚さが0.01μ未満では均一に塗布しにくい
ため製品に塗布むらが生じやすく、1μより厚い
場合は、滑り性がかえつて低下する場合がある。
本発明の塗布層には、塗布層の固着性(ブロツ
キング性)、耐水性、耐溶剤性、機械的強度の改
良のため架橋剤としてメチロール化あるいはアル
キロール化した尿素系、メラミン系、グアナミン
系、アクリルアミド系、ポリアミド系などの化合
物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロツ
クポリイソシアネート、シランカツプリング剤、
チタンカツプリング剤、ジルコ−アルミネートカ
ツプリング剤、熱、過酸化物、活性線等により反
応性のあるビニル系化合物や感光性樹脂などを含
有していてもよい。また、本発明の塗布層は、固
着性や滑り性の改良のため無機系微粒子としてシ
リカ、シリカゾル、アルミナ、アルミナゾル、ジ
ルコニウムゾル、カオリン、タルク、炭酸カルシ
ウム、酸化チタン、バリウム塩、カーボンブラツ
ク、硫化モリブデン、酸化アンチモンゾルなどを
含有していてもよい。また、本発明の塗布層は、
必要に応じて消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯
電防止剤、有機系潤滑剤、有機系高分子粒子、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料な
どを含有していてもよい。
塗布剤のフイルムへの塗布性、接着性を改良す
るため、塗布前にフイルムに化学処理や放電処理
を施してもよい。
本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布
層への接着性、塗布性などを改良するため、塗布
層形成後に塗布層に放電処理を施してもよい。
本発明の二軸延伸ポリエステルフイルムは、
1μないし500μのフイルムとして用いることがで
きる。
以下、本発明を実施例をあげて説明する。な
お、実施例中の評価は、次に述べる方法による。
(1) 作業性 A4版フイルムを約30枚重ね、全体の屈曲性、
フイルム一枚ごとの剥離性、引抜性、帯電性を観
察した。
(2) 摩擦係数 ASTM−D−1894−63によりフイルムとフイ
ルムの摩擦係数を測定した。
(3) 巻取り性 フイルムをロール状に巻取つた場合のいわゆる
巻ずれ、段ずれ、しわ、こぶ、つぶ跡などの有無
を観察した。
(4) 固着性(ブロツキング性) 恒温恒湿槽で熱プレスにより40℃、80%RH、
10Kg/cm2で20時間重ねたフイルムのASTM−D
−1893の方法による剥離強度を測定した。
(5) 表面粗さ 小坂研究所製の薄膜段差計ET−10型で触針先
端半径0.5μ、触針荷重1gで測定し、突起の基底
部から頂上部までの高さを表面粗さとした。
(6) 帯電性 フイルムをロール状に巻き取つた場合の帯電性
は、評価方法の作業性の頂目で記載したA4版フ
イルムが静電気により相互に密着しているかどう
かを観察した。
強制的に帯電させた場合の電荷減衰性は、穴戸
商会製のスタテイツク・オネストメーターS4104
を用い、10kVの放電電圧でフイルムに帯電させ
た後、23℃、50%RHの条件下で測定した。ま
た、上記の測定条件で測定中のフイルムに35℃、
100%RHの空気を吹きつけて電荷減衰性を測定
した(強制加湿効果)。
(7) 磁性層接着性 磁性層の接着性は、二軸延伸ポリエステルフイ
ルムの塗布層上に磁性塗料を固形分で5μの厚さ
に塗布後、80℃で1分間乾燥し、その後80℃で24
時間エージングした磁性層面に住友スリーエム社
製の17.7mm幅のスコツチテープを貼り、引張試験
機によるT型剥離試験による。
磁性塗料の組成は、ポリウレタン50部、ニトロ
セルロース20部、塩ビ−酢ビ樹脂3.0部、イソシ
アネート化合物7.5部、カーボンブラツク12部、
レシチン4部、γ−Fe2O3460部をメチルエチル
ケトン、トルエン、メチルイソブチルケトンを等
量混合した溶剤900部に分散したものである。
比較例 1 重合触媒残渣等にもとづく表面突起形成剤をほ
とんど含まない固有粘度0.62のポリエチレンテレ
フタレートを約285℃で溶融し、約60℃の冷却ド
ラム上に静電印加を行ないながら押出した。さら
に83℃で縦方向にロールで3.5倍延伸し、その後
110℃で横方向に延伸、220℃で熱処理を行ない、
厚さ12.1μ、表面粗さ50〓の二軸延伸フイルムを
得た。このフイルムは、巻き取り性が極めて悪
く、長尺のフイルムロールを得ることが困難であ
ると共に得られたフイルムロールの巻き姿が悪
く、製品としての出荷は不可能であつた。念のた
めA4版として切り出して作業性を観察したがフ
イルムが相互に密着して全体が一体化してしま
い、フイルムの取扱いが困難であつた。このフイ
ルムの摩擦係数は、フイルムが滑らぬため測定で
きなかつた。
帯電性は、強制的に帯電させたフイルムに強制
加湿を行なつても電荷減衰が見られず、不良であ
つた。すなわち、本フイルムは、滑り性、帯電特
性が不良であり実用に供し得なかつた。
実施例 1 日本化学工業(株)の珪酸ソーダ4号を20部、日本
純薬(株)の水溶性アクリル系樹脂であるジユリマー
AT−M918(商品名)を55部、日本合成化学工業
(株)の水分散性ポリエステルであるポリエスター
XWR−901(商品名)を20部、日産化学工業(株)の
シリカゾルであるスノーテツクス20L(商品名)
を5部配合した塗布剤(配合部数は固形分とし
て、以下同じ)を比較例1の縦延伸後のフイルム
の片面に塗布し、その後比較例1と同様にして二
軸延伸ポリエステルフイルムを得た。このフイル
ムの塗布剤の塗布量は、0.04g/m2であつた。こ
のフイルムの巻取り性、作業性は良好であつた。
帯電性は、強制加湿により電荷減衰があり良好で
あつた。なお、塗布層面の表面固有抵抗は、8×
1013Ω/□であつた。このフイルムの固着性は27
g、静止摩擦係数は0.61、動摩擦係数は0.52、磁
性層接着性は135gであつた。このフイルムの塗
布層の表面形状は、いわゆる縦長突起形状であ
り、縦長突起間の平均距離は1.9μ、表面粗さは
250〓であつた。
なお、塗布剤として珪酸ソーダを配合せず、ジ
ユリマーAT−M918を75部、ポリエスターXWR
−901を20部、スノーテツクス20Lを5部配合し
た塗布剤を同様に塗布して得た二軸延伸ポリエス
テルフイルムは、巻取り性、作業性が比較的良好
であり、静止摩擦係数0.63、動摩擦係数0.58であ
り、通常の取扱いにおいては良好なフイルムであ
つたが、フイルムの巻取り条件あるいはフイルム
のユーザーでの取扱い条件によつては、フイルム
の巻出し時に剥離帯電が生じやすいことがわかつ
た。この珪酸ソーダを配合しない塗布層の表面形
状は、縦長突起が形成されず、表面粗さは120〓、
強制帯電後の強制加湿による電荷減衰はなかつ
た。また、このフイルムの磁性層接着性は、83g
と、塗布型の磁気記録媒体等の特に接着性を必要
とする用途には実用的に不充分であつた。なお、
塗布層を有しない面の磁性層接着性は45gであつ
た。
すなわち、珪酸ソーダを塗布層に含有している
本発明のフイルムは、滑り性、帯電特性が良好な
ため、フイルム製造工程での巻取り条件の範囲が
広くとれると共に、ユーザーでのフイルム加工時
の取扱も容易となつた。また、珪酸ソーダを塗布
層に含有させることによりフイルムの磁性層との
接着性も改良された。
実施例 2 ポリエステル製造触媒を析出させた粒子とポリ
エステル製造工程中に外部から添加した無機粒子
を含有するポリエチレンテレフタレートを比較例
1と同様な方法で厚さ15μの二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムとした場合表面粗さが
500〓、静止摩擦係数0.37、動摩擦係数0.35とな
る固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを
用い塗布剤として日本純薬(株)の水溶性アクリル系
樹脂であるジユリマーAT−M918改良4(商品
名)を80部、日本化学工業(株)の珪酸ソーダ4号を
20部配合した塗布剤、およびバイエル(株)の水分散
性ポリウレタンであるインプラニルDLH(商品
名)を70部、大日本インキ化学工業(株)の水分散性
ポリエステルであるフアインテツクスES−670
(商品名)を20部、珪酸ソーダ4号を10部配合し
た塗布剤を各々実施例1と同様にして片面に塗布
し厚さ15μの二軸延伸ポリエステルフイルムを得
た。これらのフイルムは、巻取り性、作業性に何
らの問題もなく、塗布層の帯電性の改良によりポ
リエチレンテレフタレートの微細粉、ポリエチレ
ンテレフタレートのオリゴマー、空気中等のホコ
リなどの吸着が極めて低減されていた。塗布層面
の表面形状は、ポリエチレンテレフタレートに含
有させる無機系粒子による大突起によつて粗面化
された表面上が極めて微細な縦長突起によりおお
われていた。磁性層接着性は、アクリル系樹脂を
主成分とする塗布層を有するフイルムが139g、
ポリウレタンを主成分とする塗布層を有するフイ
ルムが152gであつた。
すなわち、本実施例の二軸延伸ポリエステルフ
イルムは、帯電性の改良により、磁気特性を悪化
させるほこり等の付着を防ぎ、磁性層との接着性
も良好であり、磁気記録媒体として有用であつ
た。
実施例 3 実施例1と同じポリエチレンテレフタレート原
料を用い、日本純薬(株)の水溶性アクリル系樹脂で
あるジユリマーAT−M918改良4(商品名)を55
部、日本合成化学工業(株)の水分散性ポリエステル
のポリエスターXWR−901を20部、日産化学工
業(株)のシリカゾルであるスノーテツクス20L(商
品名)を5部、日本化学工業(株)の珪酸ソーダを20
部配合した塗布剤を縦延伸後のフイルムの両面に
塗布し、実施例1と同様にして塗布量0.04g/
m2、フイルム厚さ75μの二軸延伸ポリエステルフ
イルムを得た。塗布層を有しないフイルムに対し
てこのフイルムの巻取り性、作業性、帯電性、磁
性層接着性は良好であつた。
すなわち、厚くて腰があり、超平坦な75μのフ
イルムも本発明の塗布層の形成により取扱いが容
易となり、平坦で磁性層接着性も良好なため、フ
ロツピーデイスク用途などに有用であつた。
〔発明の効果〕
以上の実施例で示したように本発明の二軸延伸
ポリエステルフイルムは、平坦であつても滑り
性、帯電特性が良好であり、包装材料、グラフイ
ツク材料、電子写真材料、磁気記録材料などの基
材として有用である。特に本発明の二軸延伸ポリ
エステルフイルムは、平滑性と接着性の要求され
る塗布型あるいは蒸着型の高密度磁気記録用途に
有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に水
    溶性および/または水分散性樹脂とアルカリ金属
    の珪酸塩を含有する塗布剤であつて、アルカリ金
    属の珪酸塩含有量が塗布剤の全固形分中90重量%
    ないし2重量%である塗布剤を塗布した二軸延伸
    ポリエステルフイルム。
JP9788185A 1985-05-10 1985-05-10 塗布層を設けたポリエステルフイルム Granted JPS61255939A (ja)

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JPH0793242B2 (ja) * 1991-05-16 1995-10-09 ダイアホイルヘキスト株式会社 金属蒸着ポリエステルフィルムコンデンサ
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5798578A (en) * 1980-12-12 1982-06-18 Mitsubishi Petrochem Co Ltd Surface coating type waterdrop preventing agent
JPS6061259A (ja) * 1983-09-14 1985-04-09 ダイアホイルヘキスト株式会社 ポリエステルフイルム

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