JPH0458546B2 - - Google Patents

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JPH0458546B2
JPH0458546B2 JP7783586A JP7783586A JPH0458546B2 JP H0458546 B2 JPH0458546 B2 JP H0458546B2 JP 7783586 A JP7783586 A JP 7783586A JP 7783586 A JP7783586 A JP 7783586A JP H0458546 B2 JPH0458546 B2 JP H0458546B2
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floor
rigid panel
vibration
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spring constant
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JP7783586A
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Satoru Yoshimi
Yoichiro Koga
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Daiken Trade and Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、住宅、特に集合住宅において階上で
子供等が飛び跳ねた時等に生じる床衝撃音が階下
に伝達するのを低減するようにした遮音性能の優
れた浮床構造に関する。 (従来の技術) 床衝撃音は、人間の歩行、飛びはね等に伴う衝
撃力が、床構造を振動させ、その振動によつて下
階に音が放出されることによつて生じるものであ
る。一方、床衝撃音には、人が歩行するような軽
量衝撃力による床衝撃音と、子供が飛びはねる時
の重量衝撃力(JIS−A1418に規定する重量床衝
撃音発生器における実効衝撃力3875Nに相当する
衝撃力)による床衝撃音とがある。上記床衝撃音
のうち、軽量衝撃力によるものは、カーペツト等
の仕上げ材を用いることで衝撃力を吸収させて軽
減することが出来るが、重量衝撃力によるもの
は、衝撃力が床下地に容易に伝達して床下地自体
を振動させてしまい、その軽減が困難であっつ
た。一方、このような床衝撃音を軽減する床構造
として浮床による構造が知られている。この従来
の浮床は、例えば第7図に示すようにコンクリー
ト床スラブa上にグラスウールマツト緩衝材bを
配設し、該緩衝材b上に根太材cを配してその上
に厚さ15mm程度の合板dを捨貼りしたのち、さら
にその上にカーペツトeや木質フロアを敷設し
て、上記グラスウールマツト緩衝材bの緩衝性等
により緩衝力が直接コンクリート床スラブaに伝
達するのを防止するようにしたものである。 上記従来の浮床構造によると、緩衝材の上に根
太材を配しているので、緩衝力が該緩衝材で吸収
緩和されて、床衝撃音が小さくなり、緩衝材を設
けない場合に比べると床衝撃音が全体的に10〜
12dBだけ低下して、日本建築学会基準の床衝撃
音レベルによる遮音等級は、L−55となり、生活
実感として、衝撃による音が少し気になる程度で
注意して生活すれば問題にならないレベルまで床
衝撃音を低減させることが出来るものである。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、近年、プライバシーの尊重と住
宅の高層化に伴つて、さらに優れた遮音性能が要
求されており、上記従来の浮床構造では、L−55
の性能までが限界であり、遮音等級としてL−50
やL−45という、床衝撃音がほとんど気にならな
い範囲まで低減することは困難であつた。 その理由について考察するに、床の遮音性能を
評価する場合、床スラブ下面より放出される衝撃
音は複数の周波数成分が入り混つた音からなる為
に、この複雑な衝撃音を各周波数毎でレベル測定
して、どの周波数域の音も全て所定の床衝撃音レ
ベルの基準値以下になるようにしなければ、特定
の音だけが大きく聞えて床全体の遮音性能が低く
なつてしまうものである。従来の浮床構造では、
上記周波数成分の内、63Hzという低周波数域の床
衝撃音レベルがL−50やL−45の遮音等級の基準
値を満足出来ないことに起因しており、その原因
が浮床を構成する板材の曲げ振動及び固有振動に
よることが判明した。 即ち、上記浮床構造では板材が約15〜18mm程度
の床としての強度面だけを配慮した厚さのものが
用いられており、例えばJISで規定するところの
3875Nという大きな衝撃力が作用すると、瞬間的
に大きな曲げ変形を生じて、第8図に示す如く、
床面に大きな曲げ振動が発生する。この曲げ振動
は、板材のサイズやその下に配した根太材の間隔
によつて振動周波数が変化してくるが、900mm×
1800mmの寸法で15〜18mmの一般合板であれば33〜
65Hzで4mm以上の曲げ振動を繰返す為、床スラブ
に対して上記周波数の振動が付加されてしまい、
その結果63Hz帯の床衝撃音レベルが基準値を満足
出来なくしているものと推定される。このため、
可聴域以下(20Hz以下)の曲げ振動にするために
は、4mm以下の曲げ振動に抑える必要がある。 さらに、従来の浮床構造では、捨貼り合板が15
〜18mm程度であるため浮床の重量及びそれに対す
る緩衝材のバネ定数で決まる浮床の上下動による
固有振動周波数=(1/2π)√(K/M)(K:
バネ定数、M:重量)もまた、床の重量が9〜12
Kg/m2と軽量である為、一般に浮床に使用される
グラスウール等の緩衝材上に根太を介して配した
場合50〜80Hzの固有振動を生じることになり、前
記曲げ振動と同様に床スラブへ63Hz帯の振動が付
加されて、遮音性能に限界が生じているものと推
定される。 (発明の目的) そこで、本発明は、上記のような浮床の曲げ振
動及び固有振動による弊害をなくし、逆に床衝撃
音として感じないような可聴域以下の振動、好ま
しくは10Hz付近の振動を床面に生じさせ、この10
Hz付近での振動によるエネルギー損失を大きくす
ることにより、衝撃エネルギーを短時間に消費さ
せ、63Hz帯の振動は勿論のこと、それ以上の高い
周波数の振動も小さくして、従来の浮床構造の限
界であつた床衝撃音レベルL−55よりも高い遮音
性能、例えばL−50,L−45,L−40等の遮音性
能を発揮させるようにすることを目的とする。 ここで、10Hz付近での振動を利用する理由につ
いて述べるに、遮音性の判断基準は、低周波数で
は63Hz帯が下限であることから40Hz未満の振動で
あれば遮音性能の判断基準から外れることになる
が、人間の可聴域はもつと低い周波数まであり、
一般に20Hz程度まで感じ取られるので、人の耳で
判断して振動音として感知できないような7〜13
Hz近辺の振動を用いて、該振動による音が可聴さ
れることなく該振動によつて床フラブの振動エネ
ルギーを消費させるようにすることにある。 (課題を解決するための手段) 上記の目的のため、本発明では、浮床において
コンクリートスラブ等の床下地上に配する緩衝材
層のバネ定数Kと、その上部に載置する剛性パネ
ル材の面密度M及び曲げヤング率MOEと、さら
にはこの剛性パネル材を緩衝材層上に空気層を保
持して支持する支持体の上記緩衝材層に対する接
触面積率Sとを特定することにより、床衝撃力を
受けたとき、床板(剛性パネル材)の曲げ振動を
少なくし、かつ該剛性パネル材を可聴域以下の10
Hz付近の極低周波域で振動させるものである。 具体的には、コンクリートスラブ等よりなる床
下地上に、バネ定数Kが0.5×106〜10×106N/
m3の緩衝材層が配設させており、該緩衝材層の上
に、曲げヤング率が3×104Kg/cm2以上でかつ面
密度Mが20〜100Kg/m2以上の重量を有する複数
枚の剛性パネル材が、各々複数個の支持体を介し
て緩衝材層との間に空気層を保持した状態でかつ
該支持体の緩衝材層上面に対する接触面積率Sを
4〜50%とした状態で並設載置されており、上記
バネ定数K、面密度M及び接触面積率Sは、上記
剛性パネル材の見掛けの固有振動数′が ′=(1/2π)√(K・S/M)≦20(Hz) となるように設定されたものとする。 ここにおいて、上記緩衝材層のバネ定数Kの下
限を0.5×106N/m3以上としたのは、それ未満で
あると、荷重による変形(厚さ変形)が大きいた
め、例えば体重70Kgの大人が歩行すると約5mm以
上の沈みが生じ、実用上歩行時に床面の沈みを感
じ易く歩行感を損うからである。一方、バネ定数
Kの上限を10×106N/m3以下としたのは、上部
の剛性パネル材の固有振動数は(1/2π)√
(K/M)で表わされるが、がKとMとの関係
で大きくなつて、支持体の接触面積率S及びMを
調整しても剛性パネル材の見掛けの固有振動数
′が20Hz付近の人間の可聴域に近づき、床面の振
動からの放射音が感じられるようになることを防
ぐためである。このようにバネ定数Kの上限を10
×106N/m3に設定すれば、面密度Mを最小値の
20Kg/m2、接触面積率Sを最大値の50%を用いて
も、≒18Hzであり、支障はない。また、10×
106N/m3を超えると、圧縮変形による衝撃力の
吸収が小さく、重量衝撃があまり吸収されないま
ま床下地に伝播するようになる。このことから、
0.5×106〜10×106N/m3の範囲に設定するもの
であり、好ましくは0.5×106〜4.0×106N/m3
範囲である。尚、このバネ定数Kはその単位が
N/m3であつて圧縮ヤング率(N/m3)を厚さで
除したもので定義される。 また、上記剛性パネル材の曲げヤング率MOE
について述べる。尚、この曲げヤング率は所定間
隔で支持された材料に荷重をかけた際に生じる曲
げ応力を曲げ変形量で除した値であり、この曲げ
応力σはσ=M0/Z(M0:曲げモーメント、
Z:断面係数)で定義される。剛性パネル材の曲
げヤング率MOEを3×104Kg/cm2以上に限定した
理由は、重量衝撃力(約3875N)が瞬間的に作用
した時に剛性パネル材自体の撓みを小さく(例え
ば4mm以下)に抑えて、床衝撃力による曲げ変形
を生じ難く、剛性パネル材が緩衝材層上に支持体
を介して一様に押圧されるようになり、曲げ振動
よりも緩衝材の反力による床全体の上下振動を生
じ、低周波数域に移行させることができるからで
ある。つまり、剛性パネル材自体の曲げ振動で可
聴域の振動を生じさせないためである。しかも、
剛性パネル材が支持体を介して緩衝材層上に載置
されているため、緩衝材の実効反力はその載置面
積(支持体の接触面積率S)に応じて接触面積率
Sが小さいほど剛性パネル材の沈み込み量が大き
くなり、直接緩衝材層上に剛性パネル材を載置し
た場合の振動周波数よりも低い周波数で上下振動
するようになる。 次に、剛性パネル材の面密度Mを20Kg/m2以上
とし、実用上の上限として100Kg/m2とする理由
は、剛性パネル材が緩衝材層上に支持体を介して
載置されているので、面密度が小さければ、衝撃
力を受けた際に、たとえ曲げヤング率を30×104
Kg/cm2以上として剛性パネル材自体の曲げ変形を
小さく抑えても、支持点から跳ね上がり緩衝材と
は別の振動をして緩衝音を発生する。面密度を20
Kg/m2以上としてのはこの跳ね上がりを防止する
ためである。また、面密度を100Kg/m2以下とし
たのは、搬送、施工等の実用上の上限の他、支持
体を介して緩衝材を圧接破壊して緩衝材層の0.5
×106〜10×106N/m3のバネ定数の範囲を逸脱し
てしまわないためである。また、固有振動数=
(1/2π)√(K/M)に関係上、後述する支持
体と緩衝材層の接触面積率Sを4〜50%として見
掛けのバネ定数を調整する一方、面密度を20Kg/
m2以上として、見掛けの固有振動数′が可聴域に
ならないようにするためでもある。 次に、支持体と緩衝材層との接触面積率Sを4
〜50%に限定した理由について述べる。緩衝材層
と支持体との接触している部分で荷重を支持し、
荷重により沈み込んで上下動するので、接触面積
率が小さい程沈み込み量が大きくなり、その結
果、低い周波数での上下振動を生じるようにな
る。このとき、支持体と緩衝材層の接触面積率S
を4〜50%としたのは、接触面積を低下させるこ
とにより見掛けのバネ定数を低下させて固有振動
数を低周波域に移行させるためである。すなわ
り、固有振動数は=(1/2π)√(K/M)で
表わされるから、バネ定数Kが小さくなれば固有
振動数は低くなる。直接剛性パネル材を緩衝材層
上に載置した場合、このときの剛性パネル材の固
有振動数のバネ定数Kは100%であるが、支持
体を介することにより該支持体と接触している面
積が実効反力となる。つまし、接触面積率Sを4
〜50%とすると、見掛けのバネ定数も4〜50%と
なるので、固有振動数は理論上1/25〜1/2の
平行根(0.2〜0.7)分減じることができる。その
結果、10Hz付近の周波数まで下げることが可能で
あり、これによつて聞き取り難い周波数範囲での
上下振動をさせて床衝撃力による振動エネルギー
を可聴域以下の振動で消費させることができ、こ
のことから接触面積率Sを50%以下としている。
なお、この支持体の接触面積率Sは、使用する緩
衝材層のバネ定数K及び剛性パネル材の面密度M
により10Hz付近の固有振動を引き出す比率を求め
て決定すればよい。 一方、接触面積率Sの下限を4%以上としたの
は、上部の剛性パネル材を安定的に保持し、剛性
パネル材の自重や荷重により剛性パネル材と緩衝
材とが接触したり支持体がめり込まない程度にク
リアランスを設けることができるものであればよ
く、4%未満でも支持体の緩衝材層へのめり込み
があまりない場合もあるが、剛性パネル材の支持
には不安定であり限定の必要があるからである。 尚、上述の“剛性パネル材が緩衝材層上で空気
層を介在した状態で振動可能に支持されている”
とは、重量衝撃時に剛性パネル材下面が緩衝材層
上面に衝突しないだけの充分な厚さの空気層を介
して載置されていることを言い、そのためには支
持体の厚さは緩衝材層の表層への沈み込みを考慮
して2mm以上、好ましくは8〜30mm程度に設定さ
れている。また、上記剛性パネル材は各パネルの
上面を合板その他の板材で結合しておいてもよ
く、壁際で壁体に固定しないで自由振動するよう
にしてあればよく、必ずしも一枚毎のパネルが
別々に上下振動するように分離しておく必要はな
い。 (作用) 上記の構成により、本発明では、床面に衝撃力
が加わつたとき、この衝撃力は、緩衝材装置の圧
縮変形によつて一旦吸収されて床スラブに伝達
し、床スラブを若干振動させることになるが、こ
の床スラブの振動と同時に剛性パネル材が曲げ振
動をほとんどせずに、緩衝材層上で空気層を介在
した状態で10Hz付近の極低周波域で上下振動す
る。この剛性パネル材の上下振動は、床スラブ上
で床スラブの振動と同時に発生し、該床スラブの
振動に対して一種の動的吸振器としての作用を生
じて床スラブ自体の振動エネルギーの一部が剛性
パネル材の振動エネルギーに置き換つて消費され
て、床スラブの振動が小さくなると共に、剛性パ
ネル材の見掛けの固有振動数が可聴域以下の10Hz
付近の極低周波数になるように設定されている為
に床スラブの振動のうち、低周波域の振動エネル
ギーが積極的に消費されて、従来問題となつてい
た床スラブの63Hz帯での振動が大きく軽減される
ものである。よつて、床スラブの振動に伴つて発
生する床衝撃音の階下への伝播が有効に低減さ
れ、従来の乾式床では達成困難とされていたL−
50,L−45,L−40といつた高い遮音性能を発揮
させることが可能である。 (実施例) 以下、本発明の実施例について図面に基づいて
説明する。 第1図および第2図は本発明の実施例に係る浮
床構造を示し、1はコンクリートスラブ等よりな
る床下地であつて、該床下地1上には、グラスウ
ールマツト又はロツクウール等の多孔質材よりな
り、バネ定数Kが0.5×106〜10×106N/m3のの
緩衝材層2が配設されている。この緩衝材層2と
しては、例えば、密度が48〜96Kg/m3のグラスウ
ールマツトであれば厚さが20〜50mmのものが用い
られ、その場合、バネ定数Kは0.56×106〜2.3×
106N/m3である。密度が100〜150Kg/m3のロツ
クウールマツトであれば厚さが20〜50mmのものが
用いられ、バネ定数Kは1.0×106〜3.2×106N/
m3である。 上記緩衝材層2の上には、曲げヤング率MOE
が3×104Kg/cm2以上でかつ面密度Mが20〜100
Kg/m2の重量を有し、一枚当り0.8m2以上の面積
を有する複数枚の剛性パネル材3,3……が、
各々複数個の支持体4,4……を介して緩衝材層
2との間に空気層5を保持した状態で並設載置さ
れており、上記支持体4は例えば剛性パネル材3
下面の短辺側両側端に配設され、該支持体4の緩
衝材層2上面に対する接触面積率Sが4〜50%に
なるように設定されている。そして、上記バネ定
数K、面密度M及び接触面積率Sは、剛性パネル
材3の見掛けの固有振動数′が′=(1/2π)√
(K・S/M)≦20(Hz)となるように設定される。
尚、6は剛性パネル材3上面に設けられた内装床
材である。 上記剛性パネル材3として使用できる曲げヤン
グ率MOEが3×104Kg/cm2以上のものの構成例及
びその面密度Mが20〜100Kg/m2を満たすものと
しては、合板、LVL(Laminated Veneer
Lumber:単板積層材)、パーテイクルボード、
木質セメント板、モルタルパネル等の木質パネ
ル、配筋モルタルパネル、GRCパネル、セメン
ト押出しパネル等の無機質パネル、あるいは第2
図の如き中空パネルなどがある。また、さらに曲
げ剛性を高めるためにこれらに鉄板やFRP板等
の引張り強度の強い材料を接着一体化した複合パ
ネル等がある。この複合パネルとしては、例え
ば、第3図の如く木質板3aの下面に金属板3b
を接着一体化したものや第4図の如くセメント板
3cの上面に木質板3dを、下面にFRP板3e
をそれぞれ接着一体したものが用いられ、このよ
うに複合パネルの上面材は釘打性や適宜の緩衝性
を持たせるために木質材であることが好ましい。
また、第5図に示すように中空パネル3fの中空
部に発泡体等、パネル振動を吸収する材料3gを
挿入固定しておいてもよく、また、パネル重量を
大きくするためにセメント等を充填しておいても
よい。特に、鉄板を積層したものは厚さをあまり
厚くすることなく剛性パネル材の剛性及び重量を
満足されることが可能であり、床の高さの増大が
防止されて好ましい。 さらに、剛性パネル材3は、曲げ振動を小さく
してゆるやかな上下振動を主に生じさせるように
するには、900×900mmサイズのパネルで、衝撃時
の中央部の撓みを4mm以下に抑えるだけの厚さ及
び重量のものであることが望ましく、MOEが6
×104Kg/cm2の合板等の木質パネルであれば厚さ
が40〜60mmのものが使用され、GRCやRC等の補
強セメント板では厚さが30mm以上のものが使用さ
れる。尚、パーテイクルボードの如くMOEが3
×104Kg/cm2程のものは、60〜80mm厚さのものに
して曲げ振動を防ぐようにする。 次に、具体的に、コンクリートスラブ(密度
2300Kg/m3、厚さ120mm)上に、密度96Kg/m3
厚さ50mmのグラスウール(バネ定数0.9×106N/
m3)を配設し、その上に、剛性パネル材として厚
さ70mmで、幅900mm、長さ1800mmの合板(MOE6
×104Kg/cm2、面密度45Kg/m2)を、該合板の下
面に短辺方向に沿つて予め接着した巾40mmの4本
の支持体(接触面積率8.8%)を介して設置し、
その上を厚さ9mmの合板フロアで表面仕上げして
床を作り、この床に対しJIS−A1418に規定され
ている重量衝撃音発生装置にて衝撃力を加え、階
下より床衝撃音を測定したところ、床衝撃音が全
く気にならず、第6図に示すようにL−45の遮音
性能(特級)を得た。これに対して、比較のた
め、比較例1として、上記コンクリートスラブ上
に同じグラスウールを25mm厚配設し、その上に厚
さ12mmの合板(面密度7.2Kg/m2)を直接載置し、
その上を床仕上げ材として厚さ12mmのフローリン
グボード(合板)を釘打ちした従来のベタ置床を
つくり、これの床衝撃音を測定した結果は床衝撃
音が非常に大きくて、第6図に示す如くL−60の
遮音性能であつた。また、比較例2として、上記
コンクリートスラブ上に同じグラスウールを50mm
厚配設し、その上に木製根太(50×100mm)を450
mmピツチで配してその上に厚さ12mmの合板(面密
度7.2Kg/m2)を捨貼りしたのち、さらに厚さ15
mmのパーテイクルボード(面密度10.5Kg/m2)を
釘打ちし、さらにその上に厚さ9mmの合板フロア
(面密度5.4Kg/m2)を釘打ちした従来の浮床をつ
くり、これの床衝撃音を測定した結果は床衝撃音
が少し気になる程度に聞えて第6図に示すように
L−55の遮音性能であつた。このことから、本発
明例では従来例より5〜10dB低下し、優れた遮
音性能を発揮することが判る。 また、第6図の測定値により、比較例2の浮床
の場合、ベタ置きの比較例1に比べて、125Hz以
上の周波数では遮音性能の向上が見られるのに63
Hz帯が改善されずにそのままに近い性能となつて
いる。これは、床板の曲げ振動の発生によつて振
動が加わり、空気層を設けているにも拘らず音圧
の低下が少ないことを示しており、本発明例では
この曲げ振動を小さくして上下振動による振動エ
ネルギーの吸収によつて遮音性能が向上すること
が実証される。 さらに、本発明の具体例をして使用される剛性
パネル材、支持体及び緩衝材層の組合せ例の一例
を下記の表に列挙する。
【表】
【表】 上記表のうち、No.1,2及び3のものはL−50
の遮音性能が得られ、No.5及び6ものはL−45の
遮音性能が、No.4のものにおいては床衝撃音がほ
とんど感じとれない程小さくL−40の遮音性能が
得られた。 (発明の効果) 以上説明したように、本発明の浮床構造によれ
ば、床衝撃力が加わつたとき、剛性パネル材が緩
衝材層上で空気層を介在した状態で、かつ人間の
耳に聞き取り難い10Hz付近の極低周波域で上下振
動するようにしたので、この上下振動により床ス
ラブの振動エネルギーを消費吸収した床スラブの
振動が小さい、特に従来乾式の浮床では低減が困
難であつた63Hz帯の振動が小さくなつて、床スラ
ブの振動に伴う床衝撃音の放出が小さく、優れた
遮音性能を発揮することができる。よつて、高層
建築の床構造として好適なものを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例の実施例の浮床構造を示す断面
図、第2図は同斜視図である。第3図、第4図お
よび第5図はそれぞれ剛性パネル材の変形例を示
す側面図である。第6図は本発明例による遮音性
能を比較例と比較して示す測定結果図である。第
7図および第8図はそれぞれ従来の浮床を示す断
面図およびその衝撃時の作動説明図である。 1……床下地、2……緩衝材層、3……剛性パ
ネル材、4……支持体、5……空気層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 コンクリートスラブ等よりなる床下地上に、
    バネ定数Kが0.5×106〜10×106N/m3の緩衝材
    層が配設されており、該緩衝材層の上に、曲げヤ
    ング率が3×104Kg/cm2以上でかつ面密度Mが20
    〜100Kg/m2以上の重量を有する複数枚の剛性パ
    ネル材が、各々複数個の支持体を介して緩衝材層
    との間に空気層を保持した状態でかつ該支持体の
    緩衝材層上面に対する接触面積率Sを4〜50%と
    した状態で並設載置されており、 上記バネ定数K、面密度M及び接触面積率S
    は、上記剛性パネル材の見掛けの固有振動数′が ′=(1/2π)√(K・S/M)≦20(Hz) となるように設定されていることを特徴とする浮
    床構造。
JP7783586A 1986-04-04 1986-04-04 浮床構造 Granted JPS62253865A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7783586A JPS62253865A (ja) 1986-04-04 1986-04-04 浮床構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7783586A JPS62253865A (ja) 1986-04-04 1986-04-04 浮床構造

Publications (2)

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