JPH0458337B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は整形外科用の固定具、特に指骨、中手
骨、中足骨等の小骨の固定や咬合に適した小型固
定具に関する。

〔従来の技術〕

アメリカ特許第4312336号には特に大骨の固定
の場合に融通性を発揮するための種々の特徴を備
えた一側外固定具が開示されている。しかし、そ
の固定具は比較的複雑で大きいため手や足の小骨
の固定、咬合用としては不向きである。それを単
に縮小しても小骨の骨折等の事態に対処するため
の簡単さ、強度、骨の固定、咬合、引伸し等の要
求事項を満たすことはできない。

〔目 的〕

本発明の目的は、上記要求を満たすような改良
された小型の、それ故重量負担の少ない固定具を
提供することにある。これにより治療効果が増大
するのである。

具体的には、関節固定、軸変位、母趾外反や中
足骨内反の症例、関節骨折、特に慢性の脱臼およ
び亜脱臼、骨軟骨炎、母趾の疼痛性強直等の治療
における手足の手術に関連した、小骨の互に間隔
をもつた２箇所に一側から折曲可能な支持を与え
るピン支持固定具を提供することを目的とする。

〔目的を達成するための手段〕

本発明は、締めつけ手段をそれぞれ備えた２つ
のアーム部からなる小型固定具によつて上記目的
を達成している。これらアーム部間の連結部はそ
の折曲軸心を治療を受ける２本の骨の関接の折曲
軸心に簡単かつ迅速に一致させ得るよう構成さ
れ、これにより早期の機能回復と治療期間の短縮
が可能になつた。また、好適実施例では、一方の
アーム部の端部が二股になり、他方のアーム部の
端部はその二股間に嵌入する脚部を形成し、それ
ら二股と脚部の同心孔を介して中空ピンが両アー
ム部を連結している。各アーム部は少なくとも２
本の骨固定用ピンに固着連結する締めつけ手段を
備え、締めつけ手段の少なくとも一方は対応する
アームに沿つて長手方向に移動可能に構成されて
いる。中空ヒンジピンは骨関節の折曲軸心とヒン
ジ軸心を一致させるためのキルシユナワイヤが貫
通できるような寸法構成になつている。また、ヒ
ンジピンは両アーム部同士を一定の角度に選択的
に固定する手段を備えている。

〔実施例〕

以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳
しく説明する。

第１，２図に示す小型固定具は２つのヒンジ連
結されたアーム部材５，６からなり、その一方の
６の端部は二股の突出部７，８を形成し、他方５
の端部は上記突出部７，８に嵌合した脚９を形成
している。脚９は、突出部７，８に形成された同
心孔と同径の孔をもつブツシユ１００を備え、そ
れら孔に差込まれた中空のヒンジピン１０によつ
て折曲連結部が構成されている。ピン１０のヘツ
ド１０′はレンチまたはドライバーで回される形
状になつており、突出部８の凹部に嵌入してい
る。ピン１０の他端は、図示のように、突出部７
とワツシヤー７″から突出して、先端の円すい状
張出し７′によつて永久保持されている。

大抵の場合、アーム部材５，６間の自由に折曲
する連結部を上述のようにピン１０で構成すれば
十分だが、アーム部材５，６同士を一定角度に維
持することが望ましい場合もある。従つて、連結
部にロツク機構を組込む方が望ましい。このた
め、第２図に示すように、突出部７のねじ孔との
み係合するねじ部分をピン１０に設けてある。そ
して、ヘツド１０′のレンチ操作で突出部７，８
を脚９の側壁へ締めつけて固定することができ
る。

各部材５，６は少なくとも２本の骨固定ピンを
締めつけ保持する手段を備えている。部材５の場
合、部材５と一体のあご１３と、締めつけスクリ
ユー１７のレンチ操作によりあご１３に締めつけ
られるあご１４からなる第１締めつけ手段１１を
備えている。あご１３，１４の互に対向した面に
は、２本の整形用ピン１８の脚部を保持するため
に、半円筒アーチ状の溝が互に平行に間隔をもつ
て形成されている。ピン１８の脚部は円柱形で、
スクリユー１７を締めると互に平行に固定され
る。前出のヒンジピン１０軸心と締めつけられた
整形用ピン１８の軸心が同一平面上に位置するこ
とが望ましい。

部材６の場合はあご１５，１６からなる案内移
動可能な第２締めつけ手段１２を備えている。あ
ご１５，１６の間には、更に別の２本のピン１８
を固定するために、互に対応する溝を形成した壁
面が設けられている。

この可動締めつけ手段１２の位置を調節するた
め、アーム部材６の長手方向端部間および両側辺
部または互に間隔をもつ平行なレール２０′間に
亘つて長孔２０が形成され、その長孔２０内を側
辺部に支持されて移動するあご１５と一体的なガ
イドブロツク１９が設けられてい。ブロツク１９
はねじロツド２１と常時係合したねじ孔を備え、
ロツド２１は部材６の長手方向端部に支持されて
いる。ロツド２１はそのヘツド２１′をレンチで
操作して回転させられる。ロツド２１の軸方向位
置は、第１図に示すように、そして第２図に示す
ピン１０の場合と同様に、ロツド２１の先端をワ
ツシヤーから張出させることにより安定させてあ
る。

従つて、ロツド２１の回転によりブロツク１１
９と可動締めつけ手段１とそれによつて締めつけ
られたピン１８が長手方向に移動させられる。こ
の移動の際にあご１５が部材６の互に間隔をもつ
たレール２０′との符号１５′で示すような連続的
なスライド式係合により長手方向の支持を受ける
から、ピン１０のヒンジ軸心と締めつけ手段１２
に保持されたピン１８の軸心が締めつけ手段１２
の位置にかかわらず同一平面上に維持され得る。
図示しないが、必要に応じて、ねじロツド２１を
調節された回転位置にセツトするための締めつけ
またはロツク機構を設けてもよい。

本発明の特に望ましい実施例では、アーム部材
５の全長は2.7cm、アーム部材６の遊端からヒン
ジ連結端までの長さは3.5cmである。長孔２０の
長さは２cmで、ブロツク１９を安定よく案内する
ための長孔２０の断面積は0.8cm²である、各締め
つけ手段１１，１２は２本の同一の整形用ピン１
８を1.2cmの間隔で保持し、これらのピン１８は
例えば、円柱脚部の直径が2.5mmで、40×1.5mmま
たは50×1.8mmの標準皮質タツピンねじであるこ
とが望ましい。ロツド１５のねじのピツチは20cm
で、可動締めつけ手段の移動調整用の長手方向範
囲は約１cmである。

第３図は第２図と同じスケールの図で、第１，
２図の小型固定具によつて補助を受ける関節の２
本の骨の一方にピン１８を差込むための持ち運び
可能なジグ２３を示す。ジグ２３は、部材５に保
持される２本のピン１８に対して正確な間隔をも
つた平行な案内を与える孔２６，２６′と、ヒン
ジピン１０の孔２７に適合する（かつ孔２６から
正しくオフセツトした）孔２７とを形成した長手
の角柱形金属ベース２４を備えている。オフセツ
トハンドル２５はジグ２３の操作を容易にするた
めのものである。第１，２図の小型固定具の使用
にあたり、固定具の回動軸心と２本の骨の折曲軸
心とを完全に一致させるために孔２７においてキ
ルシユナワイヤの先端を使つて骨の折曲軸心の正
確な位置を定め、タツピンねじ端をもつ２本のピ
ン１８を一方の骨に差し込む。差し込まれたピン
１８に第１締めつけ手段をセツトしてから、第２
締めつけ手段のピン１８を、若干緩められたあご
１５，１６の溝を案内として使用しながら、他方
の骨に差し込み、そして第２締めつけ手段１２を
ピン１８に固定する。すでに述べたように第２締
めつけ手段１２は長孔２０に沿つて調節可能でで
あるから部材６側のピン１８は部材５側のピン１
８のように折曲軸心から正確にオフセツトされる
必要はない。両方の締めつけ手段１１，１２が部
材５，６に沿つてそれぞれ調節できれば固定具の
回動軸心を骨関節の折曲軸心に一致させることが
更に容易になる。第４図の小型固定具は部材５′，
６′に沿つてそれぞれ移動調節可能な締めつけ手
段１１，１２を備えている。

第５，６図は別実施例を示し、ここではアーム
部材５″，６″の締めつけ手段１１，１２が整形用
ピン１８のすべての軸心が位置する平面に直交す
る軸心回りに回動するよう構成されている。第６
図の一点鎖線はこの固定具が使用された第２，第
３指骨の関節を示し、障害をおこした指に干渉せ
ずにヒンジピン１０の軸心を関節の折曲軸心に一
致させるために部材５″，６″の部分２８，２９に
おいて軸方向オフセツトである第１分力が与えら
れ（第５図参照）、そして径方向オフセツトであ
る第２分力が与えられている（第６図参照）。第
５，６図の実施例では締めつけ手段１２のみが調
節可能であるが、第４図に示すものと同様に締め
つけ手段１１も調節可能に構成できる。

以上の構成は冒頭に記載した全ての目的を達成
し得ることが理解されよう。そして、固定具の一
方または両方のアーム部材が移動調節できるとい
う特徴は固定具の回動軸心を関節の折曲軸心に完
全に一致させることを容易にするばかりでなく、
特定な関節の特定な故障に対しても正確な継ぎ効
果をもたらすこと理解されよう。

本発明を具体例を挙げて説明したが、発明の範
囲から逸脱せずに種々の改変が可能である。例え
ば、指骨の関節との関連において発明を説明した
が、その範囲はこれに限定されるものではない。
記載の固定具は関節の障害、骨折の矯正・固定、
更に中手骨あるいは中手骨と指骨の関節の治療用
として有効である。

更に、例えば関節の屈折軸心に無関係に使用す
るものとして第７，８図に示すような、骨折部の
外固定に非常に適した構成が可能である。この場
合、アーム部材５，６は実質的にまつすぐな構成
で、第５，６図に示すようなオフセツト構成を特
徴としていない。中空のねじ１０はこの実施例で
もアーム部材５，６同士の固定角度設定を選択的
に行なう手段であるが、各締つけ手段１１′，１
２′はそれぞれの締めつけねじ１７の軸心回りに
選択的に回動し得るという特徴をもつている。こ
の目的のため、例えば、締めつけ手段１１′の場
合、ピン係合用の溝を形成した中間のあごプレー
ト３０を備え、ねじ１７は部材５の基板部３１と
のみ係合するよう構成されている。従つて、固定
されたピン１８はアーム部材５の長手方向軸心に
対していかなる角度位置をも取り得る。同様に、
長手方向に調節可能な締めつけ手段１２′もスラ
イドブロツク１９から支持を受ける別の溝付き旋
回プレート３０を使用して上記のような角度調節
が可能である。

また、締めつけ手段の調節のための旋回は第９
図の構成からも得られる。図示のように締めつけ
手段１１″，１２″は平坦な固定あご３２，３３
と、２本のピン１８と係合する２つの平行な半円
筒溝を形成したあご３４，３５を備え、締めつけ
ねじ１７″であご３４，３５を平坦なあご３２，
３３に向けて圧迫することによりピン１８に係合
させるよう構成されている。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る折曲可能な外固定具の実施
例を示し、第１図は外固定具の縦断面図、第２図
は第１図の固定具の折曲軸心付近のみを断面で示
す部分断面平面図、第３図は第１，２図の固定具
を使用するためのジグの平面図、第４，５図はそ
れぞれ別実施例を示す縦断面図、第６図は第５図
の固定具の平面図、第７図は更に別の実施例を示
す縦断面図、第８図は第７図の固定具の平面図、
第９図は更に別の実施例を示す縦断面図である。 ５，６…アーム、１０…中空ヒンジピン、１
１，１２…締めつけ手段、１７…締めつけスクリ
ユー、１８…整形用ピン、１９…ガイドブロツ
ク、２０…長孔、２１…ねじロツド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 折曲軸心上に心合せ用の孔を含む連結部によ
   つて対向端部同士が連結された２本のアームと、
   一方のアームの長手方向に間隔をおいて、前記軸
   心からオフセツトして少なくとも２本の整形用ピ
   ンを締めつけるための第１締めつけ手段と、他方
   のアームの長手方向に間隔をおいて、前記軸心か
   らオフセツトして少なくとも２本の整形用ピンを
   締めつけるための第２締めつけ手段とを供え、前
   記締めつけ手段の少なくとも一方が前記軸心から
   オフセツト位置の長手方向許容範囲内において長
   手方向に移動調節可能に構成されていることを特
   徴とする折曲可能な外固定具。 ２ 締めつけ手段が互いに間隔をもつて平行にア
   ームの横方向に延びたピン保持軸心をもつことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の折曲可
   能な外固定具。 ３ 前記ピン保持軸心が前記折曲軸心に対しても
   平行であることを特徴とする特許請求の範囲第２
   項に記載の折曲可能な外固定具。 ４ 前記ピン保持軸心が同一平面上に位置し、前
   記折曲軸心が前記平面に直交していることを特徴
   とする特許請求の範囲第２項に記載の折曲可能な
   外固定具。 ５ それぞれのアームのピン保持軸心が前記折曲
   軸心を含む平面上に位置することを特徴とする特
   許請求の範囲第２項に記載の折曲可能な外固定
   具。 ６ アーム同士を調節された折曲角に選択するた
   めにアームと協働する更に別の締めつけ手段を備
   えていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載の折曲可能な外固定具。 ７ 前記アーム間の連結部において、一方のアー
   ムが互いに間隔をもつ突出部をもつた二股端部を
   形成し、他方のアームが前記突出部間に位置する
   脚部を形成しているこを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載の折曲可能な外固定具。 ８ 前記アーム間の連結部が中空のピンを含むこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第７項に記載の折
   曲可能な外固定具。 ９ 前記中空のピンが前記突出部の一方と接合す
   るヘツドと、他方の突出部とら合するねじ部分を
   もち、前記一方の突出部および前記脚部とがら合
   しないことを特徴とする特許請求の範囲第８項に
   記載の折曲可能な外固定具。 １０ 長手方向に調節可能な締めつけ手段が、ア
   ームに長手方向に案内可能に係合しかつ整形用ピ
   ンに係合する互いに間隔をもつて平行な半円筒溝
   を形成したあご部をもつた基部と、あご部の溝に
   対向した同様な半円筒溝を形成した別のあご部材
   と、あご部材を基部のあご部に押しつけて対向す
   る溝同士を締めつけ整合させる締めつけねじとを
   備えていることを特徴とする特許請求の範囲第１
   項に記載の折曲可能な外固定具。 １１ 中空のピンの他端に前記他方の突出部によ
   つて軸方向移動を阻止されるように外方に張り出
   した張り出し端部が備えられていることを特徴と
   する特許請求の範囲第９項に記載折曲可能な外固
   定具。 １２ 前記張り出し端部と前記他方の突出部の間
   にワツシヤーが設けられていることを特徴とする
   特許請求の範囲第１１項に記載折曲可能な外固定
   具。 １３ 少なくとも一方の締めつけ手段が、整形用
   ピンと係合する２つの平行な半円筒溝をそれぞれ
   形成した２つのプレートと、２本の整形用ピンに
   プレートを押しつけ締めつけねじを備え、締めつ
   けねじはアームの一部にら合し、これにより締め
   つけ手段が２本の整形用ピンを締めつけねじの軸
   心回りの選択された角度関係で互いに間隔をもつ
   た関係に保持することを特徴とする特許請求の範
   囲第１項に記載折曲可能な外固定具。 １４ 少なくとも一方の締めつけ手段が固定され
   た平坦なあごと、整形用ピンと係合する２つの平
   行な半円筒溝を形成した別体のあごと、別体のあ
   ごを固定された平坦なあごに向けて押しつけて整
   形用ピンを締めつける締めつけねじを備え、締め
   つけねじはアームの一部とら合し、これにより締
   めつけ手段が２本の整形用ピンを締めつけねじの
   軸心回りの選択された角度関係で互いに間隔をも
   つた関係に保持することを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載折曲可能な外固定具。