JPH0457517B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は密閉されたハニカム状小室内に粘性流
体と共に充填された磁性粉を磁石ペンにより吸引
して文字や図形等を表示させる磁気画板にかかわ
り、特に磁気画板上に表示される文字や図形等の
情報を電気信号に置き換えて外部CRT表示装置
に表示させることのできる磁気画板に関する。

（従来の技術） 非磁性体の密閉容器中に粘性流体とともに封止
された磁性粉を磁石ペンにより吸引して文字や図
形を表示させることのできる磁気画板は、例えば
特開昭56−81799号公報に開示されたものが知ら
れている。

第４図ａ，ｂは上述した従来の磁気画板の一例
を示すもので、この磁気画板１は外面全体が非磁
性体の枠体２、上板３、及び底板６で形成されて
おり、上板３と底板６の内部中間部に磁気画板の
表示部１２が設けられている。更に、この表示１
２はハニカム状に形成された多数の小室７内に高
粘性の流体と磁性粉８とを充填するとともに、表
示板４と裏面板５により封止されたもので、表示
部１２の上方から、先端部に永久磁石を設けた磁
石ペン１０を当接して移動すると、ハニカム状の
各小室７内の磁性粉が表面板４側に吸引され、磁
石ペン１０の移動軌跡に沿つて描画が表示され
る。

また、表示部１２に描画された文字や図形を消
去する場合は、図示左側の消去レバー９を図示矢
印方向に沿つて空間部１１内を移動させると、着
磁されている消去レバー９の吸引力により、表面
板４側に吸着されている磁性粉８が裏面板５側に
吸引され、上板３側から見た文字や図形はすべて
消去される。

（発明が解決しようとする問題点） 上述した磁気画板は教育用の玩具を目的に開発
されたものであり、コスト上の制約から表示部を
構成するハニカム状の各小室をあまり小さくする
ことはできない。このため、描画される文字や図
形の線又は点の最小ドツトは小室の開口面積と同
一であり、細部をきめ細かく表現することは不可
能であつた。

更に、この磁気画板は磁性体を機械的に取り扱
うため、コスト上の理由以外にも種々の制約があ
り、暗い場所での描画が困難であつたり、また、
彩色機能を付加し得ないという不便な面もあつ
た。

そこで、本発明の目的とするところは、磁気画
板に電気的手段を付加することにより、上述した
諸欠点を除去すると同時に発展性ある磁気画板を
提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の磁気画板は、ハニカム状に形成された
多数の小室内に粘性流体と共に充填された磁性粉
を磁石ペンにより吸引して文字や図形等を表示さ
せる磁気画板表示部と、この磁気画板表示部の上
面部又は下面部に配設されて磁石ペンの押圧位置
を検知し座標信号を出力する透明な座標入力シー
トとを設けたことを特徴とする。

（作用） 本発明の磁気画板は、画板表示部の上面部又は
下面部に透明な座標入力シートを配置し、上記画
板表示部の上面を磁石ペンにより軽く押圧する
と、磁気画板のハニカム状小室内に充填された磁
性粉を吸引し、上記透明な画板表示部上に所望の
文字や図形を表示するとともに、座標入力シート
に加えられた磁石ペンの押圧点の位置情報を電気
信号に変換し外部の画像表示装置上に表示する。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図及び第２図は本発明の一実施例で、第１
図は磁気画板の断面図を示し、第２図はこの磁気
画板の座標信号を取り出して外部のCRT表示装
置に表示させる回路を概略的に示したブロツクダ
イヤグラムである。

第１図において、磁気画板の外面は樹脂又は木
材などの非磁性体の材質からなる枠体２２と底板
２３で構成され、枠体２２の略中央部に画板表示
部２４が設けられている。画板表示部２４も同様
に非磁性体の材質を用い、ハニカム状に整形され
た多数の小室２５を裏面板２８上に載置し、小室
２５内に高粘性流体と磁性粉２６を充填するとと
もに、小室２５の上方に後述する座標入力シート
３１を貼着し、小室２５、裏面板２８、及び座標
入力シート３１を一体的に接合して画板表示部２
４を形成している。なお、上記ハニカム状状小室
の高さ寸法は従来のものよりやや小さい。

一方、上述した画板表示部２４の上面の座標入
力シート３１上には、座標入力シート３１と対を
なす座標入力シート３０が載置されている。これ
ら一対の座標入力シート３０，３１は表面を筆記
具や指で押圧することにより、２つのシートが互
いに接触し、接触点のＸ，Ｙ座標を電流又は電圧
値としてアナログ的に検知する、いわゆるタブレ
ツトと呼ばれる座標入力装置と同様のものであ
る。

なお、図面に示される座標入力シート３０，３
１は厚さ方向が拡大されて表示してあるが、実際
は薄い板状のガラスマイラフイルムなどの透明な
絶縁シート３０Ａの片面に酸化インジユーム又は
酸化錫等薄膜の抵抗層３０Ｂが一様に被着され、
その両端部に銀ペーストなどの材質で互いに平行
な電極３０Ｃが設けられた透明な抵抗体である。
また、その下側の前記充填物を封止する座標入力
シート３１も同様に、絶縁シート３１Ａの片面に
抵抗層３１Ｂと、その両端部に電極３１Ｃが被着
されている。そして、これら座標入力シート３
０，３１のうち、いずれかの一方は、例えば電極
３０ＣがＹ方向を向き、他方の座標入力シート３
１の電極３１Ｃは直行方向のＸ方向に配置され、
かつ両シート３０，３１の抵抗層３０Ｂ，３１Ｂ
を互いに対向するようドツト状スペーサ２７を介
して近接して配設される。そして、上方の座標入
力シート３０の電極３０Ｃには直流電圧が印加さ
れ、下方の座標入力シート３１の電極３１Ｃは接
地される。

次に、第２図に示すように、磁気画板２１の上
画は磁気表示面を兼ねる座標入力部３３と操作部
３２とで構成され、更に操作部３２には16色の色
指定キー、リセツト釦、メモリ釦、メモリ呼び出
し釦、ボツクスフアイル釦、及び電源スイツチ等
の操作釦が配設されている。また、インターフエ
ース回路３５は座標出力信号をアナログ−デイジ
タル変換するＡ／Ｄ変換部からなり、制御部３６
は色指定キーの入力ポート、システムROM、
RAM、VRAM、及びCRT駆動部等の機能を備
えている。なお、上述したインターフエース回路
３５と回路部３６は１チツプマイクロコンピユー
タで構成され、画板本体２１に格納される。

次に、本発明の動作について述べる。

画板本体２１の磁気表示面を兼ねる座標入力部
３３に磁石ペン３４の先端を当て、軽く押圧する
と、ペン３４の下方の小室２５内の磁性粉２６が
上方に吸引され、ペン３４の移動に従つて文字や
図形が描画され、透明な座標入力シート３０，３
１を通して表示面を兼ねる座標入力部３３に描画
される。

同時に、磁石ペン３４の押圧により、座標入力
シート３０上の接触点の座標位置が他方の座標入
力シート３１の電極３１Ｃに抵抗の分圧比として
電気信号で検出される。検出されたアナログの座
標信号はインターフエース回路３５でＡ／Ｄ変換
され、Ｘ，Ｙ座標信号を制御部３６に送出する。
制御部３６はＸ，Ｙ座標信号をRAMをとり入れ
記憶するとともに、ROM、VRAMに格納されて
いる所定の情報に基づき画像信号を出力し、外部
のCRT表示装置３７を駆動し表示を行なう。

ここで、操作部３２の色指定釦を選択して描画
を行なえば、磁性粉２６によつて浮き出る文字や
図面はモノクロトーンであるが、CRT表示装置
３７に映出される画像は指定色に対応し、更に、
操作部３２のボツクスフアイル釦を操作して、描
画された図形の枠線の内側を指定色でぬり込むこ
とができる。

次に、画板表示部２４の文字や図形を消去する
場合は、消去レバー３８を本体２１の底部の空間
部３９に沿つて図示矢印方向に移動することによ
り、磁性粉２６を小室２５内の下方に吸引し、図
形は消去される。また、CRT表示装置３７の表
示図形をすべて消去するときは、操作部３２のリ
セツト釦を操作することにより消去され、修正の
ため図形の一部を消去するときは、CRT表示装
置３７のバツクグランドカラー、例えば白色のカ
ラー指定ボを押し、ペン３４で修正部分をなぞる
と部分的に消去される。

更に、描画された図形を一時的に記憶しておき
たい場合は、操作部３２のメモリ釦を操作するこ
とにより、また、記憶された図形を呼び出すとき
は、メモリ呼び出し釦を操作することにより、そ
れぞれ目的が達成される。

以上、本発明を一実施例につき説明したが、本
発明は実施例に限定されるものでなく、本発明の
技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
例えば、本発明では磁性粉の充填された表示部を
座標入力シートによつて封止し、表示部を一体的
に構成したが、表示部と座標入力シートは別体に
して、透明な座標入力シートを設けてもよい。

この場合は第２図の表面板が介在するため透過
性がいくぶん劣化するが、座標入力シートを取り
外して従来の磁気画板として使用することができ
る。

さらに、第３図に示すように不透明の座標入力
シートを表示部の下底面に設ける構成としてもよ
い。

また、本実施例では座標入力シートを用いた
が、電磁誘導型のシートでもよいことは明白であ
る。

（効 果） 以上のように本発明の磁気画板によれば、磁気
画板表示部上に座標入力シートを一体的に設けた
ので、手元の表示部を見て文字や図形を描画すれ
ば、表示面を兼ねる座標入力部にこの文字や図形
を表示することができる。したがつて、例えば上
記磁気画板とCRT装置とを接続することにより
座標入力部とこのCRT装置との両方に同時に画
像を表示することが可能になり、特に従来の磁気
画板において実現不可能であつた細部デイテール
の表現、彩色機能等はすべて外部CRT表示装置
に表示することができ、利用上発展性がある。

従来からこの種の画像入力装置としてタブレツ
ト等の座標入力装置が一般に普及しているが、本
案による磁気画板では手元の画板を見ながら通常
の作画と同様にして描画するので、タブレツト入
力装置のように、遠隔位置のCRT表示装置を見
て描画するといつた不自然な姿勢を要求されるこ
とはない。従つて、教育用の手段としてその効果
は大きい。例えば、いわゆるOHP（Over Head
Player）シートに記載の画像を投写表示するシ
ステムにおいては、(A)ユーザーが描画したものを
手元すなわちOHPシート上で確認する際に投写
光が眼に入るので眩しく、見ずらい、(B)OHPシ
ート上記載の図形画像を投写する位置や空間が限
定される、(C)OHPシートにおける図形等の描画
及びその消去が容易ではなく、特に消去にあつて
は専用の液体を必要とする場合があり、従つて投
写しながら図形等を消去する場合にはかなり面倒
である、といつた問題点をことごとく解決するも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の実施例で、第１図
が磁気画板本体の断面図、第２図はこの磁気画板
から出力される座標信号を取り出して外部の表示
装置に表示させる回路を概略的に示すブロツクダ
イヤグラムであり、第３図は本発明の他の実施例
の断面図、第４図は従来の磁気画板で、同図ａは
および、同図ｂはその断面図である。 符号２１…磁気画板本体、２４…表示部、２５
…小室、２６…磁性粉、３０，３１…座標入力シ
ート、３３…座標入力部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ハニカム状に形成された多数の小室内に粘性
   流体と共に充填された磁性粉を磁石ペンにより吸
   引して文字や図形等を表示させる磁気画板表示部
   と、この磁気画板表示部の上面部又は下面部に配
   設されて磁石ペンの押圧位置を検知し座標信号を
   出力する透明な座標入力シートとを設けたことを
   特徴とする磁気画板。