JPH045630Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、建物の屋根構造とくに心木なし屋根
葺きに適した屋根構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、心木なし屋根葺きに際しては建築施工ハ
ンドブツク（昭和55年10月20日 オーム社発行）
にも記載されているように、第５図に示す構造の
ものが広く施工されてきた。同図において、建物
の垂木Ａの間に野地Ｂを敷いた後、垂木に固定の
ための釘Ｃを打ち込み、さらにその上に加工した
金属薄板Ｄを載せて、その立上り部Ｅをキヤツプ
Ｆで固定するものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

かかる従来の屋根葺き施工においては、施工自
体も手間がかかるばかりではなく、施工後の耐風
圧強度上も充分とは言えない。

本考案は、このような従来の屋根葺きの欠点を
解消するもので、組立てが簡単でしかも断熱性、
防水性、耐風圧性さらには耐久性にも富み、しか
も目的によつては、天井板の張替えも外方から可
能な屋根葺き構造を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の屋根葺き構造は、添付の第１図から第
４図に示す実施例の符号を徴して、上下にフラン
ジ５，６を形成し、支持ビーム材２の下部フラン
ジ６の複数本を建物の屋根葺き支持材１上に固定
して相互に平行に配列した複数本の支持ビーム材
２と、その支持ビーム材２間をスライドして張ら
れた屋根葺き材３と、さらに、前記支持ビーム材
２を抱き込んでスライドして取付けたキヤツプ材
４とからなる屋根葺き構造において、前記屋根葺
き材３は、断熱板８と上面には葺き板１０が貼り
着けられており、同葺き板１０の縁部には、前記
支持ビーム材２の上フランジ５の下面に合つた高
さの立上り部１１を有し、同立上り部１１は前記
支持ビーム材２の立側部外面に沿つて配列され、
また、前記キヤツプ材４は、支持ビーム材２の上
フランジ５を抱き込んで滑り動くだけの巾を有す
る上部空間１２と、上記屋根葺き材３の縁部立上
り部１１の突き合わせ側面に合つた形状の袴部１
３とを設けたことを特徴とする。

〔作用〕

本考案の屋根葺き構造は、下部フランジ６が建
物の屋根葺き支持材１に固定された上下にフラン
ジ５，６を形成したＩ字型をなす支持ビーム材２
内をスライドして組立てられ、キヤツプ材４が屋
根葺き材３の立上り部１１の側面を支持ビーム材
２と共々抑えた構造を有するため、屋根葺き材３
に対する屋根葺き支持材１の固定手段として格別
のものを必要とせず組立てが簡単であるばかりで
はなく、風、振動等の外力が加わつたとき、キヤ
ツプ材４の袴部１３が屋根葺き材３の立上り部１
１の側面を引き寄せる作用をして強度を増す。ま
た、屋根葺き材３の間の外方との隙間がなくなる
ので略完全な防水が可能となる。

以下、本考案の構成とその作用効果を実施例を
示す添付図によつて説明する。

本考案の屋根葺き構造は、斜視図を示す第１図
を参照すると、基本的には、例えば桁のような建
物の屋根葺き支持材１に固定された相互に平行な
複数本の支持ビーム材２と、その支持ビーム材２
間に張られた屋根葺き材３と、これを留めるため
のキヤツプ材４からなる。

支持ビーム材２は第２図に示すように、上下に
フランジ５，６を形成したＩ字型をなすビーム状
の軽量材から構成され、下部フランジ６に穿孔さ
れた釘孔及びビス孔７から第１図に示す桁のよう
な建物の屋根葺き支持材１にスクリユー釘及びタ
ツピングビスによつて固定されるものである。

また、屋根葺き材３は、第３図に示すように、
例えば発泡合成樹脂、ガラス繊維、石綿材等のよ
うな断熱材からなる断熱板８と、同断熱板８で下
面に建物の天井材を構成する化粧合板９が貼り着
けられ、その上面には、亜鉛鉄板、鋼板、アルミ
ニウム板、銅板のような金属板やプラスチツクの
ような葺き板１０が貼り着けられており、予め屋
根葺きに便利な大きさと厚みに形成されている。
さらに葺き板１０の縁部には、前記の支持ビーム
材２の上下フランジ５，６の間隔に合わせた高さ
の立上り部１１が形成され、屋根葺き材３の縁部
が支持ビーム材２の上下フランジ５，６の間をス
ライド部として滑り動くことができ、雨水の侵入
を防ぐように構成されている。

さらに、キヤツプ材４は、第４図に示すような
断面形状を有する鋼材、アルミ押し出し型材、プ
ラスチツク等からなるもので、前記の支持ビーム
材２の上フランジ５を収容しつつ滑り動くだけの
巾を有する上部空間１２と、上記屋根葺き材３の
立上り部１１の高さに合つた袴部１３とを有す
る。この形状は第４図に示す形状に限られるもの
ではなく、屋根葺き構造の外観としての意匠的機
能を持たせると共に、上記支持ビーム材２を抱き
込んでスライド可能なキヤツプとしての機能を有
するものであればよい。

本考案の屋根葺き構造は、基本的に以上の部材
からなるものであるが、組立ては以下の要領で行
われる。

第１図を参照して、前記支持ビーム材２を複数
本建屋の桁のような建物の屋根葺き支持材１に相
互に特定間隔を持たせて平行に釘打ちその他の適
宜な手段で固定し、前記第３図に示す屋根葺き材
３を第２図に示す支持ビーム材２の上下フランジ
５，６の間に嵌合した状態でスライドしつつ、屋
根の空間部分全体を張り詰める。そして、各支持
ビーム材２と各屋根葺き材３とを係止した後、第
４図に示すキヤツプ材４を、支持ビーム材２の上
部フランジ５と各張架した屋根葺き材３の立上り
部１１を包み込んだ形で包覆し、各屋根葺き材３
を安定して固定する。そして必要ならば、釘打ち
その他の適宜な手段によつて不動に固定して屋根
葺き施工を終了する。

上記、図面に基づく説明においては、心木なし
屋根葺き構造に適用しての説明を行つたが、各種
の葺屋根や陸屋根に適用でき、同様の効果を奏す
ることができるのは当然である。

〔考案の効果〕

本考案においては、比較的作業が簡単というば
かりではなく、Ｉ型をなす強固な支持ビーム材２
に屋根葺き材３が密着して組立て固定され、さら
にキヤツプ材４により完全にカバーされているの
で、格別の耐雨漏り対策を施さなくとも、屋根葺
き構造として完璧なものを得ることができるとい
う効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図は本考案の実施態様を示すもの
で第５図は従来例を示す。 １……屋根葺き支持材、２……支持ビーム材、
３……屋根葺き材、４……キヤツプ材、５，６…
…フランジ、７……釘挿入孔、８……断熱板、９
……化粧合板、１０……葺き板、１１……立上り
部、１２……上部空間、１３……袴部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下にフランジ５，６を形成し、支持ビーム２
   の下部フランジ６の複数本を建物の屋根葺き支持
   材１上に固定して相互に平行に配列した複数本の
   支持ビーム材２と、その支持ビーム材２間をスラ
   イドして張られた屋根葺き材３と、さらに、前記
   支持ビーム材２を抱き込んでスライドして取付け
   たキヤツプ材４とからなる屋根葺き構造におい
   て、 前記屋根葺き材３は、断熱板８と上面には葺き
   板１０が貼り着けられており、同葺き板１０の縁
   部には、前記支持ビーム材２の上フランジ５の下
   面に合つた高さの立上り部１１を有し、同立上り
   部１１は前記支持ビーム材２の立側部外面に沿つ
   て配列され、 また、前記キヤツプ材４は、支持ビーム材２の
   上フランジ５を抱き込んで滑り動くだけの巾を有
   する上部空間１２と、上記屋根葺き材３の縁部立
   上り部１１の突き合わせ側面に合つた形状の袴部
   １３とを設けてなることを特徴とする屋根葺き構
   造。