JPH0123622B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は建物の横葺き屋根板に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

従来、特開昭57−193656号公報などに示す横葺
き屋根板が知られている。この屋根板は、第５図
に示すように、単一の金属板を曲げ形成したもの
で、面板部２の一側部から上方に突出する棟側係
合部３と、面板部２の他側部から垂下部を介し面
板部２中央側に折り曲げられて上方に突出する軒
側係合部４とが具備されたものである。そして、
この横葺き屋根板１は、棟側係合部３に隣接屋根
板１の軒側係合部４を係合させることで、隣接す
る屋根板１を軒棟方向に連結して横葺きするもの
である。また、屋根板として、第６図に示すよう
に、金属板５の内面に木毛をセメントで固めた木
毛板などの熱絶縁材料層６を固着したり、第７図
に示すように、金属板５の内、外両面または内、
外面の一方に合成樹脂などからなるコーテイング
材７，８を被覆した屋根板も知られている。

そして、特公昭50−8749号公報に示すように、
内、外金属板をこれらの間に介在させた合成樹脂
からなる厚さが薄い接着層で接着させたものや、
実公昭36−1035号公報に示すように、内、外金属
板の面板部間にグラスウールまたは石綿を介在さ
せ、内、外金属板の面板部両側に内、外金属板を
同方向に立上らせて互いに衝合させることで係合
部を形成した屋根板も知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかし、特公昭50−8749号公報や第６図に示さ
れている屋根板に、第５図に示すような係合部
３，４を形成することは困難であり、係合部３，
４が形成できても、屋根板の係合部の外側縁まで
熱絶縁材料層や接着層があるので、これらを厚く
すると、係合部３，４の係合が困難になり、外力
によつて内、外金属板と熱絶縁材料層との剥離が
生じやすくなるという問題点があり、さらに、特
公昭50−8749号公報や第７図に示されている屋根
板では、断熱作用をもつ層の厚さが薄いので遮熱
性が不十分であるという問題点があつた。

そして、実公昭36−1035号公報に示す屋根板
は、係合部の全体で内、外金属板を衝合させてい
るので、係合部の遮熱性、遮音性が良好ではな
く、これらが屋根板全体としても不十分になる上
に、係合部が大きな荷重や外力に耐えられないと
いう問題点があつた。

本発明は、前述した問題点を解決して、内金属
板と外金属板、およびこれらと熱絶縁材料層が剥
れにくく、また遮熱性、遮音性が良好であり、さ
らに係合部が大きな荷重や外力に耐えられる横葺
き屋根板を提供することを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、面板部の一側縁から上方に起立しか
つ先端部が折り返された棟側係合部と、前記面板
部の他側縁から垂下部を介して面板部中央側に折
り曲げられこの折り曲げ部の先端部が折り返され
た棟側係合部とを有する横葺き屋根板であつて、
内、外金属板の前記両係合部の各先端部は直接接
合させて固着させ、前記各先端部間の面板部、起
立部、垂下部および折り曲げ部は、ゴムまたは合
成樹脂からなる熱絶縁材料層を介在させ、この熱
絶縁材料層を内、外金属板に固着したものであ
る。

〔作用〕

本発明の横葺き屋根板は、内、外金属板を棟
側、軒側係合部の先端部で直接接合して固着して
あるので、前記各先端部間の内、外金属板間に介
在させた熱絶縁材料層の厚さを厚くしても、外力
によつて内金属板と外金属板、およびこれらと熱
絶縁材料層とが剥れにくく、しかも、面板部や垂
下部だけではなく、前記両係合部も先端部以外の
大部分に内、外金属板間に熱絶縁材料層が介在さ
せてあるので、両係合部には熱絶縁材料層を介在
させないものと異なり、使用時に係合部の遮熱
性、遮音性が十分に得られ、屋根板全体としての
遮熱性、遮音性が良好である。また本発明は、両
係合部の先端部に形成される折り返し部には熱絶
縁材料層がないので、折り返し部を小さくでき、
このため、係合部の先端部以外の部分では熱絶縁
材料層の厚さを厚くしても、係合部をあまり大き
くすることなく、熱絶縁材料層で内、外金属板を
補強することができ、使用時の大きな荷重や外力
に耐え、係合部が変形しにくい。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例につき図面を参照して説
明する。

第１図は本発明の一実施例を示す。第１図にお
いて、９は厚さが0.1〜0.2mm程度の銅、ステンレ
スのような腐食しにくくかつ見栄えのよい材料か
らなる外金属板、１０は厚さが0.5〜1.6mm程度の
鋼板などの強度があり安価な材料からなる内金属
板、１１は厚さが0.5〜１mm程度のゴムまたは合
成樹脂からなる熱絶縁材料層であり、これらによ
つて横葺き屋根板１２が構成してある。

前記内金属板１０と外金属板９とは面板部の幅
方向一側縁から上方に起立する棟側係合部１３、
および面板部の他側縁から垂下部を介してその下
縁から面板部中央側に折り曲げられて上方に突出
する軒側係合部１４が形成され、これらの係合部
１３，１４の先端部１５，１６で内、外金属板
１，２が直接接合されて接着剤などで固定され、
前記両係合部１３，１４の先端部１５，１６間の
部分では内、外金属板１０，９間に熱絶縁材料層
１１が面板部１２ａ、起立部１２ｂ、垂下部１２
ｃおよび折り曲げ部１２ｄに一連に介在され、熱
絶縁材料層１１は内、外金属板１０，９に熱融着
や接着剤で固着されている。

屋根板１２の棟側係合部１３は、傾斜折り返し
起立部１３ａ上にＳ字状部１３ｂが連続した断面
形状に形成され、Ｓ字状部１３ｂの先端部１５の
みで内、外金属板１０，９が直接接合され、先端
部１５には折り返し部が形成されている。また軒
側係合部１４は、垂下部の下端から面板部中央側
に折り曲げられたへ字状折り曲げ部１４ａの先端
に上方への折り返し部１４ｂが連続した断面形状
に形成され、この折り返し部１４ｂのみで内、外
金属板１０，９が直接接合された先端部１６が形
成され、折り返し部１４ｂの突出高さが、この折
り返し部に熱絶縁材料層を設けるのに比べて、低
くされている。

したがつて、この実施例では、軒側係合部１４
のへ字状折り曲げ部１４ａの先端側部および折り
返し部１４ｂを棟側係合部１３の傾斜折り返し起
立部１３ａの下側に嵌めて、係合部１３と１４と
を係合させることにより、隣接する屋根板１２を
結合させ、屋根を横葺きする場合に、折り返し部
１４ｂ、傾斜折り返し起立部１３ａの高さが低
く、係合部１３，１４が小さくても、これらの先
端部１５，１６では内、外金属板１０，９が直接
接合されて固着されていると共に、これらの先端
部１５，１６には折り返し部が形成されているの
で、前記結合操作時に係合部１３，１４に力が加
わつても、内、外金属板１０，９の係合部１３，
１４の先端部１５，１６が離間したり、先端縁が
ずれたりすることがなく、結合操作が容易にでき
ると共に、係合部１３，１４の形状が崩れること
なく正確にでき、雨もりや内、外金属板１０，９
間への雨水が滲み込みや、屋根板１２内部での発
錆が生ずることがない。また、熱絶縁材料層１１
は屋根板１２の有効面積の全体にわたつて内、外
金属板１０，９間にかなり厚く介在されているの
で断熱性が十分に得られ、さらに、熱絶縁材料層
１１は内、外金属板１０，９の両方に固着されて
いるので、強固な固着ができ、熱絶縁材料層１１
の両端縁が内、外金属板１０，９の先端部１５，
１６で支えられていることと相まつて、熱絶縁材
料層１１が内、外金属板１０，９から剥れてその
全体または一部が落ちるようなことがなく、熱絶
縁材料層１１が表面に露出していないので、屋根
板１２の輸送時や屋根板１２を横葺きする作業中
に屋根板１２内、外金属板１０，９部などに接触
して損傷することもない。

本発明において、熱絶縁材料層はゴム、合成樹
脂の発泡体としてもよく、内金属板の熱絶縁材料
層との固着面と反対側の表面には錆止め用の塗
装、コーテイングを施してもよく、さらに第２図
乃至第４図に示すように、屋根板は起立部、垂下
部を有し、棟側、軒側係合部は、隣接する屋根板
と係合して雨もりがしないように水密性が保持で
きれば、適宜断面形状を変更できる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明は、面板部の一側縁
から上方に起立しかつ先端部が折り返された棟側
係合部と、前記面板部の他側縁から垂下部を介し
て面板部中央側に折り曲げられこの折り曲げ部の
先端部が折り返えされた軒側係合部とを有し、
内、外金属板の前記両係合部の各先端部を直接接
合させて固着し、前記各先端部間の面板部、起立
部、垂下部および折り曲げ部に熱絶縁材料層を
内、外金属板間に介在させてこれらと固着させた
ことにより、熱絶縁材料層の厚さを厚くしても内
金属板と外金属板、およびこれらと熱絶縁材料層
とが剥れにくく、また係合部を含めて遮熱性、遮
音性が良好であり、さらに係合部が大きな荷重や
外力に耐えられる屋根板を提供できるという効果
が得られる。

なお、本発明は、外金属板の厚さを内金属板の
厚さより薄くすることにより、外金属板を腐食し
にくく見栄えのよい材料とし、内金属板を強度が
ある安価な材料として、全体としても、安価で体
裁のよい横葺き屋根板が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例による屋根板を示
す一部を切欠いた横断面図、第２図乃至第４図は
この発明の互いに異なる他の実施例による屋根板
をそれぞれ示す概略横断面図、第５図は従来例の
屋根板を示す概略横断面図、第６図および第７図
は互いに異なる従来例の屋根板をそれぞれ示す部
分断面図である。 ９…外金属板、１０…内金属板、１１…熱絶縁
材料層、１２…屋根板、１２ａ…面板部、１２ｂ
…起立部、１２ｃ…垂下部、１２ｄ…折り曲げ
部、１３…棟側係合部、１４…軒側係合部、１
５，１６…先端部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 面板部の一側縁から上方に起立しかつ先端部
   が折り返された棟側係合部と、前記面板部の他側
   縁から垂下部を介して面板部中央側に折り曲げら
   れこの折り曲げ部の先端部が折り返された軒側係
   合部とを有する横葺き屋根板であつて、内、外金
   属板の前記両係合部の各先端部は直接接合させて
   固着させ、前記各先端部間の面板部、起立部、垂
   下部および折り曲げ部は、ゴムまたは合成樹脂か
   らなる熱絶縁材料層を介在させ、この熱絶縁材料
   層を内、外金属板に固着したことを特徴とする横
   葺き屋根板。 ２ 外金属板は、厚さを内金属板の厚さより薄く
   してある特許請求の範囲第１項に記載の横葺き屋
   根板。