JPH0455796B2 - - Google Patents

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JPH0455796B2
JPH0455796B2 JP63041439A JP4143988A JPH0455796B2 JP H0455796 B2 JPH0455796 B2 JP H0455796B2 JP 63041439 A JP63041439 A JP 63041439A JP 4143988 A JP4143988 A JP 4143988A JP H0455796 B2 JPH0455796 B2 JP H0455796B2
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JP
Japan
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tio
wire
less
welding
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JP63041439A
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Tomoyuki Suzuki
Shigemi Maki
Toshuki Izumi
Shigeru Kurihara
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Publication date
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Publication of JPH0455796B2 publication Critical patent/JPH0455796B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23KSOLDERING OR UNSOLDERING; WELDING; CLADDING OR PLATING BY SOLDERING OR WELDING; CUTTING BY APPLYING HEAT LOCALLY, e.g. FLAME CUTTING; WORKING BY LASER BEAM
    • B23K35/00Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting
    • B23K35/22Rods, electrodes, materials, or media, for use in soldering, welding, or cutting characterised by the composition or nature of the material
    • B23K35/36Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest
    • B23K35/3601Selection of non-metallic compositions, e.g. coatings, fluxes; Selection of soldering or welding materials, conjoint with selection of non-metallic compositions, both selections being of interest with inorganic compounds as principal constituents
    • B23K35/3608Titania or titanates

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Nonmetallic Welding Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は鋼構造物の溶接に用いるガスシールド
アーク溶接用複合ワイヤに係るものであり、更に
詳しくは、立向上進溶接を高能率に行えると共に
溶滴の移行性が良好でスパツタ発生量の少ないガ
スシールドアーク溶接用複合ワイヤに関する。 [従来の技術] TiO2系フラツクスを充填してなるガスシール
ドアーク溶接用複合ワイヤ(以下複合ワイヤ)
は、近年CO2溶接に用いる単純断面形状の1.2mm
φ径から1.6mmφ径の細径複合ワイヤを主体に急
速に普及してきた。即ち、TiO2を主成分とする
ためCO2シールド溶接でもソリツドワイヤに比べ
てアークが安定しスパツタの少ない溶接が可能と
なり、ビードは生成スラグにより完全に被包され
るため外観が美しい等の利点があるためである。 更に、特開昭56−160895号公報で本出願人自身
が提案したように充填フラツクス中のスラグ剤、
脱酸性金属、鉄粉の添加割合と複合ワイヤのワイ
ヤ外径と外皮肉厚との比率を規定することにより
溶接作業性と溶融速度及び溶着速度を向上させ溶
接作業能率の向上を達成した。 また、従来TiO2系フラツクスを充填した複合
ワイヤは溶接金属の衝撃靱性が低く船級規格の厳
しいグレード(−20℃で5.5Kgf−m以上)や
低温用鋼(−60℃で4.8Kgf−m以上)への適用
が困難とされていたが、特開昭58−16796号公報
や本出願人が提案した特願昭62−107127号により
可能となり機械的性能のレベルアツプが図られ
た。 [発明が解決しようとする課題] しかし、上記発明に代表される複合ワイヤは溶
接姿勢により溶接条件範囲が異なり、例えば1.4
mmφの複合ワイヤは、下向溶接では通常180〜
400Aと溶接条件範囲が広いが、立向上進溶接で
は180〜240Aと電流値は低くまた、条件範囲も狭
いという問題があつた。 更に特開昭58−16796号公報、特願昭62−
107127号に代表されるようにMgを添加して溶接
金属の酸素量を低減させ衝撃靱性を向上させてい
るが、Mgの添加量を増加させると溶滴の移行性
が悪くなりスパツタ発生量を増加させ溶接作業能
率の低下を招くという問題もあつた。 [課題を解決するための手段] 初めに立向上進溶接の条件範囲を拡大させる方
法として、 アーク力による母材の掘り込みを緩和する。 高融点酸化物によりスラグの量、スラグの凝
固速度を高めメタルの保持力を高める。 脱酸剤によりメタルの酸素量を下げてメタル
自体の表面張力を高め、溶融池内での対流を軽
減し母材の掘り込みを緩和する。 アーク長をコントロールして母材の掘り込み
を緩和する。 が考えられ、本発明者らはこれら〜の方法を
考慮し、目的を達成すべく研究を進めてきた。そ
の結果、充填フラツクスの粒度構成、特に充填フ
ラツクスの主成分であるTiO2の粒度によつてア
ーク状態が著しく変動し、これを適正に維持すれ
ばアークを和らげ母材の掘り込みが調整できると
ともに、高融点酸化物であるZrO2、Al2O3、脱酸
剤であるSi、Mn、Alによりスラグの凝固速度と
表面張力を高め、更にアーク安定化元素である
Na、K、Fによりアーク長をコントロールして
立向上進溶接の条件範囲を拡大させ得ることをつ
きとめた。 更に、立向上進溶接の条件範囲を拡大すると共
に、Mg添加による溶滴の移行性を改善しスパツ
タ発生量を減少させるため研究を進めてきた。 その結果、TiO2粒度を更に詳細に検討したと
ころ立向上進溶接の条件範囲は拡大し、Mgを添
加しても溶滴の移行性が良好でスパツタの発生量
を低減させ得ることをつきとめた。即ち、本発明
に係る複合ワイヤとは、鋼製外皮にフラツクスを
充填してなるガスシールドアーク溶接用複合ワイ
ヤにおいて粒径149μを越える粒子が10wt%以下、
粒径44μ未満の粒子が30wt%以下である粒度構成
のTiO2をワイヤ全重量に対して3.5〜7.0wt%含有
するとともに、更にZrO2:0.4〜1.0wt%、
Al2O3:0.1〜1.0wt%、Si:0.3〜1.0wt%、Mn:
1.2〜3.2wt%、Al:0.1〜0.6wt%、Na、K:Na、
Kの1種又は2種の合計を0.03〜0.3wt%、F:
0.01〜0.2wt%、または、ワイヤ全重量に対しMg
を0.3〜1.0wt%含有するガスシールドアーク溶接
用複合ワイヤにおいて粒径105μを越える粒子を
含まず、粒径44μ未満の粒子が30wt%以下で且、
粒径105μ以下粒径44μ以上の粒子が全体の70wt%
以上を占める粒度構成のTiO2をx、粒径149μを
超える粒子が10wt%以下、粒径44μ未満の粒子が
30wt%以下である粒度構成のTiO2をyとしたと
き3.5wt%≦x+y≦7.0wt% 1/3x≦y≦
5/2xを満足するとともに、更にZrO2:0.4〜
1.0wt%、Al2O3:0.1〜1.0wt%、Si:0.3〜1.0wt
%、Mn:1.2〜3.2wt%、Al:0.1〜0.6wt%、
Na、K:Na、Kの1種又は2種の合計を0.03〜
0.3wt%、F:0.01〜0.2wt%を含有するところに
要旨が存在する。 次に、本発明を完成するに至つた研究過程を述
べることによつて、本発明の構成を明らかにす
る。立向上進溶接で電流を高めると細径ワイヤほ
ど(電流密度が高くなる程)、アークが強くなり
母材を深く掘り込み、溶融したメタルを生成スラ
グが保持できなくなる。 従つて、立向上進溶接を高電流でできるように
するために上記〜の前提条件を検討した。 初めに、アーク力による母材の掘り込みを緩
和することを考えた。 即ち、複合ワイヤにおいてアーク力による母材
の掘り込みを緩和するには、アークエネルギーを
分散させることが必要である。複合ワイヤ先端を
溶滴が大きく成長した場合は、アークエネルギー
が分散されず母材に集中するため母材の掘り込み
が強くなる。これに対し溶滴が細粒化すればアー
クエネルギーが分散されるため母材の掘り込みが
緩和される。そこで溶滴を細粒化するには、高温
蒸気圧の低い電極物質が有効であると推察した。
アーク熱により電極物質は蒸発し高速気流として
アーク中から逃げ去ると、電極は蒸発の反作用を
受けるため溶滴の離脱を阻害し、細粒化を妨げて
いると考えられる。ゆえに、この蒸発の反作用を
軽減するには、充填物質の高温での蒸発を抑制す
ることである。複合ワイヤに充填される主成分で
あるTiO2は高温での蒸気圧が低く、TiO2の添加
量を増加させれば蒸気圧の高い成分が相対的に減
少し、アーク中の高温蒸気が減少するため溶滴が
細粒化する。 その結果、アークエネルギーが分散するためア
ークによる母材の掘り込みが緩和される。しか
し、TiO2の添加量には溶接金属の性能を確保す
るため上限がある。TiO2の添加量を増せば相対
的に高温蒸気が減少するという推察から、TiO2
粒子構成(TiO2粒子の細粒化)の適正範囲を求
めれば、TiO2添加量を増加したのと同様の効果
があると考えた。 そこでTiO2の粒度構成を検討した結果、TiO2
の粒度構成によりアーク状態が著しく変動しこれ
を適正に維持すればアーク力を和らげ母材の掘り
込みが緩和されることをつきとめた。即ち、粒径
149μを越える粒子が10wt%以下、粒径44μ未満の
粒子が30wt%以下である粒度構成のTiO2を含有
させれば溶滴が細粒化し、アーク力を和らげ母材
の掘り込みが緩和される。しかし、粒径149μを
越える粒子が10wt%を越えると溶滴の細粒化に
効果がなく母材の掘り込みが大きくなる。また、
粒径44μ未満の粒子が30wt%を越えると微粉粒子
が増加するため1.2〜1.6mmφ径の細径複合ワイヤ
への伸線性が劣化する。更に、上記構成のTiO2
を3.5〜7.0wt%含有させる。3.5wt%未満では細
粒化効果がなくスラグ量が不足する。逆に7.0wt
%を越えるとスラグの粘性が高くなりすぎてスラ
グ巻き込み等の溶接欠陥が発生する。 しかしながら、Mgがワイヤ全重量に対し
0.3wt%以上添加されると本発明(1)の粒度構成の
TiO2であつても溶滴の移行性が改善されず、溶
滴の細粒化を一層阻害し、母材の掘り込みが大き
くなり、大粒のスパツタを発生させる。 この原因はMgの高温での蒸気圧が高いためで
あり、Mgはアーク雰囲気に触れた瞬間に蒸発し
高速気流となり他の電極物資と相まつて蒸発の反
作用力が増大するためと推察される。 ゆえに、この蒸発の反作用力を軽減し溶滴を細
粒化するには電極物資とMgの高温での蒸発を抑
制することである。そのためには、第2図に示す
ように粒径105μを超える粒子を含まず、粒径44μ
未満の粒子が30wt%以下で且、粒径105μ以下粒
径44μ以上の粒子が全体の70wt%以上を占める粒
度構成のTiO2をx、粒径149μを超える粒子が
10wt%以下、粒径44μ未満の粒子が30wt%以下で
ある粒度構成のTiO2をyとしたとき3.5wt%≦x
+y≦7.0wt% 1/3x≦y≦5/2xを満足する
ように混合添加することである。TiO2:xは主
としてMg蒸気の反作用力を緩和し母材の掘り込
み緩和と溶滴の移行性を改善させるために添加す
る。粒径105μ以下粒径44μ以上の粒子が全体の
70wt%以上を占めることによりその効果が発揮
される。しかし、粒径105μを超える粒子が含ま
れるとMg蒸気の反作用力の緩和に効果がなく、
母材の掘り込み緩和と溶滴の移行性が改善されな
い。また、粒径44μ未満の粒子が30wt%を超える
と微粉粒子が増加するため細径複合ワイヤへの伸
線性が劣化する。更に、TiO2:yは主として溶
滴を細粒化し母材の掘り込みを緩和するために添
加する。 しかし、粒径149μを超える粒子が10wt%を超
えるとて溶滴の細粒化に効果がなくアーク力が強
く母材の掘り込みが大きくなる。また、粒径44μ
未満の粒子が30wt%を超えると微粉粒子が増加
し細径複合ワイヤへの伸線性が劣化する。 次に、x+yが3.5wt%未満では蒸発の反作用
力の緩和に効果がないため、母材の掘り込み緩和
と溶滴の移行性改善に効果がなく、またスラグ量
が不足する。逆に7.0wt%を超えるとスラグの粘
性が高くなりすぎてスラグ巻き込み等の溶接欠陥
が発生する。 更に、y<1/3xではTiO2:xの占める割合
が多くなりMg蒸気の反作用力を緩和する効果は
大であるが、複合ワイヤへの伸線性が劣化する。
またy>5/2xではTiO2:yの占める割合が多
くなりMg蒸気の反作用力を緩和するのに効果が
なく、掘り込みの緩和と溶滴に移行性を改善でき
ない。 尚、これらTiO2の効果はMg含有量が0.3〜
1.0wt%の範囲で発揮する。 ただし、Mg含有量が0.3wt%未満であれば、
TiO2:yをワイヤ全重量に対し3.5〜7.0wt%含有
させれば溶滴が細粒化し母材の掘り込みが緩和さ
れる。逆にMgが1.0wt%を超えるとMg蒸気によ
る反作用力が増大しTiO2:x、y粒度構成の効
果がなくなる。 次に立向上進溶接条件範囲を拡大させるために
〜について検討した。高融点酸化物により
スラグの量、スラグの凝固速度を高めメタルの保
持力を高めるためには高融点酸化物であるZrO2
Al2O3を添加する。 ZrO2:0.4〜1.0wt% ZrO2はスラグの凝固速度とスラグ被包性を高
める。またTiO2と同ように高温での蒸気圧が低
く溶滴の細粒化にも効果がある。これらの作用を
発揮させるためには0.4wt%以上含有させなけれ
ばならない。しかしZrO2は凝固温度が高いので
1.0wt%を越えるとスラグ巻き込み等の欠陥が発
生しやすくなる。 Al2O3:0.1〜1.0wt% Al2O3もスラグの凝固速度とスラグ被包性を高
め立向溶接におけるビード形状を改善する作用が
ある。これらの効果は0.1wt%以上の添加で有効
に発揮される。しかし1.0wt%を越えるとスラグ
巻き込み等の欠陥が発生し、更にはスラグの剥離
性が低下する。 更に、脱酸剤によりメタルの酸素量を下げて
メタルの表面張力を高め、溶融池内での対流を軽
減し母材の掘り込みを緩和させるためにSi、Mn、
Alを添加する。 Si:0.3〜1.0wt% Siは脱酸作用によりメタルの酸素量を下げてメ
タルの表面張力を高め溶融池内での対流を軽減し
母材の掘り込みを緩和する。またスラグに粘性を
もれせビード形状を改善させる。これらの効果は
0.3wt%以上の添加で効果が発揮される。1.0wt%
を越えると溶接金属を硬化させ靱性を低下させ
る。 Mn:1.2〜3.2wt% MnはSiと同ようにメタルの酸素量を下げる効
果がある。また溶接金属組織を焼き入れて靱性を
改善する。これらの効果は1.2wt%以上の添加で
効果が発揮される。3.2wt%を越えると溶接金属
の強度が増し靱性改善効果が少なくなる。また反
応生成物であるMnOが多量にスラグ中に含まれ
スラグの粘性が低下しスラグの保持力が低下す
る。 Al:0.1〜0.6wt% AlはMgと共に強脱酸剤としてメタルの酸素量
低下効果が大きい。また反応生成物であるAl2O3
がスラグの凝固速度を高める。これらの効果は
0.1wt%以上の添加で効果が発揮される。0.6wt%
を越えると溶接金属中にAlが固溶してくるため
靱性を劣化させる。 アーク長をコントロールして母材の掘り込み
を緩和するためにNa、Kの1種又は2種、およ
びFを添加する。 Na、K:Na、Kの1種又は2種の合計を0.03〜
0.3wt% Na、Kはアーク安定性を高め母材の掘り込み
を緩和する効果がある。この効果を発揮するには
Na、Kの1種又は2種の合計を0.03wt%以上添
加する。0.3wt%を超えるとアーク長か長くなり
すぎスパツタ、ヒユーム量が増加する。 F:0.01〜0.2wt% FはNa、Kと同ようにアーク安定性を高め、
アーク長を適度に調整し、アークが母材に埋もれ
るのを抑制することにより掘り込みを緩和する。
この効果は0.01wt%以上添加することにより発揮
される。0.2wt%を超えるとスラグの流動性が過
大になり立向姿勢でのビード形状が悪化するとと
もに、スパツタ、ヒユーム量が増加する。 以上のようにTiO2の粒度構成をワイヤ成分を
規定することによつて立向上進溶接での溶接条件
範囲を拡大できると共にMgの添加量を増加して
も溶滴の移行性が良好な複合ワイヤを得ることが
できる。 本発明ではフラツクス充填率は立向上進溶接の
条件範囲を拡大する上で重要である。充填率の増
加とともに溶接条件範囲は拡大する。即ち、ワイ
ヤ全重量に対し8〜25wt%とすることが望まし
い。8wt%未満ではフラツクスが不足して十分な
作用効果が期待できず、25wt%を超えるとスラ
グ巻き込みが発生し易く、また伸線時に断線が生
じる危険性がある。 更に、本発明に使用する鋼製外皮としては通常
軟鋼を用いるが、C:0.04wt%以下、Si:0.3〜
0.8wt%,Mn:0.9〜1.5wt%、Ti:0.05〜0.12wt
%、N:0.0050wt%以下、O:0.010wt%以下の
低合金鋼外皮をも適用できる。 以下に本発明の作用を実験調査により示す。 [作用] 本発明者らは第1表に示す粒度構成のTiO2
第2表に示すワイヤ成分を基本としてワイヤ全重
量に対し5.0wt%添加し、1.4mmφ径、充填率15wt
%の複合ワイヤ(第1表のTiO2粒度No.a〜hそ
れぞれに対応してNo.1〜8とする。)を試作した。
この複合ワイヤで立向上進溶接において目標脚長
を10〜15mmとし、CO2半自動溶接で電流を200〜
320Aに変化させビード形状を評価した。試験板
形状は板厚20mm、幅100mm、長さ500mmとしT型隅
肉に組み使用した。 評価試験結果は第3表に示す通りであり、
TiO2の粒度構成が本発明請求項1の範囲であれ
ば立向上進の溶接条件範囲が広がつていることは
明らかである。ただし、TiO2の粒径が44μ未満が
30wt%を超える粒度構成であるTiO2No.hを添加
したワイヤNo.8は1.4mmφ径までの伸線が困難で
あり実験に至らなかつた。 このようにTiO2の粒度構成により立向上進の
条件範囲が拡大する理由は以下の確認実験により
明らかにすることができた。 まず、第1図Aは上記試作複合ワイヤNo.1、同
図Bは複合ワイヤNo.5を用いて下向き溶接した場
合の溶滴の移行状況を確認するため高速カメラで
観察し、溶接後のビード断面マクロからアーク発
生時の溶け込み状況を推定した説明図である。溶
接条件は電流280Aとし、アーク長は一定にした。
溶接速度は30cm/min、CO2ガスは25/min、
ワイヤと母材間距離を20mmに設定した。また、試
験板形状は板厚20mm、幅100mm、長さ500mmとし
た。 この図からも明らかなようにAではワイヤ先端
に大きく成長した懸垂した溶滴3が生じるためア
ークエネルギーが母材6に集中し、深く掘り込
む。これに対しBではワイヤ先端に懸垂した溶滴
3が小さいため、アークエネルギーが分散し掘り
込みが浅く広がつた溶け込み状態となる。こうし
た事実から、TiO2の粒度構成により溶滴径が左
右されアーク力による母材の掘り込み作用がこと
なつてくる。したがつて、立向上進溶接の条件範
囲に差が生じてくることが判明した。 本発明者らは第1表に示す粒度構成のTiO2(No.
d〜No.g)とMg添加量を変化させて、ワイヤ径
1.4mmφ、充填率15wt%の複合ワイヤを試作した。
ワイヤ成分は前述と同ように第2表に示す通りで
ありMg添加量はFe粉置換により変化させた。
【表】
【表】
【表】 この複合ワイヤを用いて立向上進溶接で目標脚
長を10〜15mmとし、CO2半自動溶接で電流280A
でビード形状、スパツタ発生状況を調査した。試
験板形状は板厚20mm、幅100mm、長さ500mmとしT
型隅肉に組み使用した。また、複合ワイヤを試作
する段階での伸線性も合わせて調査した。調査試
験結果は第4表に示す通りであり、TiO2の粒度
構成が本発明請求項2の範囲であれば、Mg含有
量が0.3〜1.0wt%の範囲であればビード形状が良
好でスパツタ発生量も少なく、伸線性も良好であ
ることは明らかである。
【表】 〓混合添加
g:TiO 2.0wt%〓
次に、第1表に示す粒度構成のTiO2No.eとNo.
g(No.eはTiO2:y、No.gはTiO2:xに対応)
と上記ワイヤ成分を用いて両者の添加割合を決定
するために上記調査試験とスラグイン試験を実施
した。調査試験結果は第2図に示す通りでありx
+y<3.5ではビード形状不良、x+y>7.0では
スラグイン、y>5/2xではビード形状不良、
y<1/3xでは伸線性不良であることが分かる。 [実施例] 次に、実施例により具体的に本発明を説明す
る。 実施例 1 第5表に試作した複合ワイヤの構成を第6表に
試験結果を示す。第6表において複合ワイヤNo.
9,No.17〜26は比較例、No.10〜16が本発明例にな
るワイヤの実施例である。 いずれの複合ワイヤも軟鋼外皮を用い、電縫鋼
管に特公昭45−30937号公報記載の技術を用いて
フラツクス及びパイプを振動させながら充填し、
伸線の途中段階で650℃の焼鈍を行いワイヤ表面
にCuめつきを施して1.4mmφ径にしあげた。まず、
上記作用で述べた方法で立向上進溶接を行い溶接
可能な限界電流値をもとめて比較した。一方、溶
接ビードをX線試験を行いスラグインの調査を合
わせて行つた。 この結果、No.9は本発明のTiO2の粒構成を外
れるため220Aでビード形状が不良となり230Aで
は溶接できなかつた。No.10〜16は280A以上でも
ビード形状が良好で安定した溶接ができた。No.17
はTiO2の添加量が本発明の範囲を越えるもので
あり、300Aまで溶接可能であつたが、X線試験
の結果スラグインが多発していた。No.18はTiO2
の添加量が本発明の範囲の下限未満であるため
210Aでもビード形状が不良であつた。No.19〜26
はTiO2以外のワイヤ成分が本発明の範囲外であ
りNo.19、21〜26は電流値が低く、No.20は電流値は
高いがスラグインが発生した。
【表】 *は比較例
【表】 *は比較例 ○ ビード形状良好 △ ビード形状不
良 × 溶接不能 −は試験未実施
実施例 2 第7表に試作した複合ワイヤの構成を第8表に
試験結果を示す。第7表、第8表において複合ワ
イヤNo.27〜34は比較例、No.35〜40は本発明例にな
るワイヤの実施例である。いずれの複合ワイヤも
軟鋼製外皮を用い電縫鋼管に特公昭45−30937号
公報記載の技術を用いてフラツクス及びパイプを
振動させながら充填し、伸線の途中段階で650℃
の焼鈍を行いワイヤ表面にCuめつきを施して1.4
mmφ径にしあげた。まず、上記作用で述べた方法
で溶接電流280Aで立向上進溶接を行いビード形
状の評価試験を行つた。この結果、No.27〜34はワ
イヤ成分が本発明請求項2の範囲を外れるためビ
ード形状が不良であつた。No.35〜40は280Aでビ
ード形状が良好でありスラグインの発生もなかつ
た。
【表】
【表】
【表】 *は比較例
○ 良好 × 不良
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、立向上進溶接を
高能率に行えると共に溶滴の移行性が良好でスパ
ツタ発生量の低減が図れるため溶接作業能率が向
上できる。
【図面の簡単な説明】
第1図A,Bは複合ワイヤの溶滴の移行状況と
アークの掘り込み状況を示した説明図、第2図は
本発明のTiO2粒度構成の適正範囲を示した説明
図である。 1……外皮、2……充填フラツクス、3……溶
滴、4……アーク、5……溶融池、6……母材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鋼製外皮にフラツクスを充填してなるガスシ
    ールドアーク溶接用複合ワイヤにおいて、粒径
    149μを越える粒子が10wt%以下、粒径44μ未満の
    粒子が30wt%以下である粒度構成のTiO2をワイ
    ヤ全重量に対して3.5〜7.0wt%含有するととも
    に、以下に示す成分を含有することを特徴とする
    ガスシールドアーク溶接用複合ワイヤ。 ZrO2:0.4〜1.0wt% Al2O3:0.1〜1.0wt% Si:0.3〜1.0wt% Mn:1.2〜3.2wt% Al:0.1〜0.6wt% Na、K:Na、Kの1種又は2種の合計を0.03〜
    0.3wt% F:0.01〜0.2wt% 2 ワイヤ全重量に対しMgを0.3〜1.0wt%含有
    するガスシールドアーク溶接用複合ワイヤにおい
    て粒径105μを超える粒子を含まず、粒径44μ未満
    の粒子が30wt%以下で且、粒径105μ以下粒径44μ
    以上の粒子が全体の70wt%以上を占める粒度構
    成のTiO2をx、粒径149μを超える粒子が10wt%
    以下、粒径44μ未満の粒子が30wt%以下である粒
    度構成のTiO2をy(但しx、yは重量単位)とし
    たとき 3.5wt%≦x+y≦7.0wt% 1/3x≦y≦5/
    2xを満足するとともに、以下に示す成分を含有
    することを特徴とするガスシールドアーク溶接用
    複合ワイヤ。 ZrO2:0.4〜1.0wt% Al2O3:0.1〜1.0wt% Si:0.3〜1.0wt% Mn:1.2〜3.2wt% Al:0.1〜0.6wt% Na、K:Na、Kの1種又は2種の合計を0.03〜
    0.3wt% F:0.01〜0.2wt%
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