JPH0454591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、磁気記録再生装置に用いられるカセ
ツト装填装置に関し、詳しくはカセツト装填装置
に設けるカセツトの駆動機構に関するものであ
る。

考案の背景 従来、磁気記録再生装置にカセツトを装填する
ために用いられるカセツト装填装置では、カセツ
トを保持するカセツトガレージを移動するための
スライダの摺動に伴つて、カセツトがカセツトの
着脱位置から装填位置まで水平移動されると共に
カセツトの装填位置で上記スライダに設けられた
カム機構によつて磁気記録再生装置に装填される
べく下降駆動されるものが知られている。

従つて、上記カセツト装填装置においては、カ
セツトの装填位置におけるカセツトの昇降距離を
長く確保するためには上記スライダ若しくはカム
機構のストロークを長くしなければならず、この
ことはカセツト装填装置を磁気記録再生装置に装
着する時にスライダ若しくはカム機構のストロー
クを確保するためのスペースが必要とされる点か
ら具体化は困難とされている。

考案の目的 本考案は、上記事情に鑑みて創案されたもので
あり、カセツトの駆動機構を変更することによ
り、装填位置でのカセツトの昇降距離を長く確保
し得るカセツト装填装置の提供を目的とするもの
である。

考案の構成 上記目的を達成するために、本考案が採用する
主たる手段は、その要旨とするところが、磁気記
録再生装置に装填するカセツトを保持し且つカセ
ツトの装填位置で上記カセツトを昇降するカセツ
トガレージをカセツトの着脱位置と装填位置との
間で摺動させるスライダを有するカセツト装填装
置において、上記スライダをカセツトの着脱位置
と装填位置との間で摺動させる摺動駆動機構と、
カセツトの装填位置において上記カセツトガレー
ジを昇降させる昇降駆動機構と、上記摺動駆動機
構と連結されて該摺動駆動機構を上記カセツトが
その着脱位置から装填位置に達するまでの区間の
み駆動する切欠歯ギヤ、上記昇降駆動機構と連結
されて上記スライダの摺動中においては該昇降駆
動機構を停止させて上記カセツトがその装填位置
に達すると該昇降駆動機構を駆動し得る形状のカ
ム溝及び上記カセツトがその装填位置に達したと
き上記摺動駆動機構を上記切欠歯ギヤの歯形部か
ら離間させると同時に該摺動駆動機構と係合して
該摺動駆動機構を停止させる係合部を有する伝達
部材とを具備してなる点に係るカセツト装填装置
である。

考案の作用 磁気記録再生装置にカセツトを装填すべく、ス
ライダが摺動駆動機構によつてカセツトの着脱位
置と装填位置との間で摺動される。そして、上記
スライダがカセツトの装填位置にある時、上記カ
セツトは該カセツトを保持するカセツトガレージ
と共に、上記摺動駆動機構とは独立した昇降駆動
機構によつて昇降移動される。

切欠歯ギヤ、カム溝及び係合部を有する伝達部
材の作用にて、スライダの摺動中には昇降駆動機
構が停止され、カセツトの装填位置におけるカセ
ツトガレージの昇降中には摺動駆動機構が停止さ
れる。

実施例 以下添付図面を参照して、本考案を具体化した
実施例につき説明し、本考案の理解に供する。

尚、以下の実施例は本考案を具体化した一例で
あつて、本考案の技術的範囲を限定する性格のも
のではない。

ここに第１図は本考案の一実施例に係るカセツ
ト装填装置の側面図、第２図は同平面図、第３図
はカセツト装填時の同部分側面図、第４図ａ，
ｂ，ｃは上記カセツト装填装置に用いられる伝達
部材であるマスターカムの正面図、側面図、裏面
図、第５図ａ，ｂは同駆動ギヤの正面図、側面
図、第６図は上記マスターカムの外周カムと上記
駆動ギヤの外周カムとの摺接状態を示す説明図で
ある。

この実施例に係るカセツト装填装置では、第１
図〜第６図に示す如く、磁気記録再生装置にカセ
ツト１を装填すべくこのカセツト１を保持するカ
セツトガレージ２を備えている。

上記カセツト１のカセツト本体３の後記するス
ライダ１０摺動方向（矢印４）前端部には、蓋６
が上方向へ開放可能に装着されている。

前記カセツトガレージ２は、リンク１１，１
１′と１２，１２′とがピン１３，１３′にて回動
自在に軸着されＸ字状に構成されたリンク機構Ｂ
で、後記するスライダ１０にカセツトの装填位置
（カセツト１の摺動方向に係る移動終了位置であ
つて該カセツト１を垂直方向へ移動させて磁気記
録再生装置本体に装填するための位置、第３図参
照）における下方向へ昇降自在に支持されてい
る。

上記スライダ１０には、上記カセツトガレージ
２を上方へ弾性付勢し、第１図に示す位置に保持
するためのバネ１４が装着され、下面には、スラ
イダ１０摺動方向と平行にラツク１５が固着され
ている。そして、該スライダ１０は、カセツト装
填装置本体の側板１６，１７に設けたガイドロー
ラ１８，１８，１８，１８によつてカセツトの着
脱位置（第１図参照）と装填位置との間で摺動自
在に支持されている。

上記側板１６には、上記スライダ１０のラツク
１５と噛合する第１のギヤ１９を有する駆動ギヤ
２０（第５図ａ，ｂ参照）が、軸２１にて回動自
在に軸着されている。この場合、上記ラツク１５
と第１のギヤ１９とでスライダ１０をカセツトの
着脱位置と装填位置との間で摺動させる摺動駆動
機構Ｃが構成されている。

更に上記駆動ギヤ２０には、後述のマスターカ
ム２２（第４図参照）の係合部である第１の外周
カム２３と摺接する切欠部２４ａを有する第２の
外周カム２４及び同じくマスターカム２２の切欠
歯ギヤ２５と噛合する第２のギヤ２６が取り付け
られている。

上記側板１６，１７のカセツト装填位置近傍に
は、ダウンシヤフト２７（第２図及び第３図参
照）が回転自在に軸着され、該ダウンシヤフト２
７の両端部近傍には、ダウンアーム２８，２８が
ダウンシヤフト２７に固着されたねじりコイルバ
ネ２９，２９と複動レバー３０，３０とで挟持さ
れることにより上方へ複動可能に軸着されてい
る。

上記ダウンアーム２８は、このダウンアーム２
８の先端部に取り付けられた押えピン２８ａを前
記カセツト１上面に当接させ、前記リンク機構Ｂ
で支持されたカセツトガレージ２と共にこのカセ
ツト１をカセツトの装填位置において下降駆動
し、磁気記録再生装置本体に装填するためのもの
である。

この場合、上記ダウンシヤフト２７、ダウンア
ーム２８、押えピン２８ａ、ねじりコイルバネ２
９、複動レバー３０等で昇降駆動機構Ｄが構成さ
れている。

上記側板１６には、上記駆動ギヤ２０の第２の
外周カム２４に摺接する切欠部２３ａが形成され
た第１の外周カム２３と同じく駆動ギヤ２０の第
２のギヤ２６に噛合する切欠歯ギヤ２５と第３の
ギヤ３２とを有するマスターカム（伝達部材）２
２（第４図参照）が軸３１にて回転自在に軸着さ
れている。尚、上記切欠歯ギヤ２５の歯形部に
は、スライダ１０がカセツトの着脱位置から装填
位置に達するまでの間のみ第２のギヤ２６と噛合
し得るように歯が刻設されている。

上記切欠歯ギヤ２５の側面には、中心からの半
径距離がそれぞれ一定の第１のカム溝２５ａ及び
第２のカム溝２５ｂが刻設され、更にこの第１の
カム溝２５ａと第２のカム溝２５ｂとは、中心か
らの半径距離が中心角に応じて順次増大していく
渦巻き状の第３のカム溝２５ｃで連結されている
（第４図ｃ参照）。そして、上記第１、第２、第３
のカム溝２５ａ，２５ｂ，２５ｃには、前記ダウ
ンシヤフト２７に固着されたダウンレバー３３の
カムフオロア３４が摺動自在に嵌め込まれてい
る。

上記マスターカム２２が回転した時、切欠歯ギ
ヤ２５は第２のギヤ２６を介して摺動駆動機構Ｃ
の第１のギヤ１９へ駆動力を伝達し、切欠歯ギヤ
２５の第３のカム溝２５ｃは、該第３のカム溝２
５ｃに沿つてカムフオロア３４を摺動させダウン
レバー３３を反時計方向へ揺動することにより昇
降駆動機構Ｄのダウンシヤフト２７へ駆動力を伝
達する。

ただし、上記スライダ１０が切欠歯ギヤ２５と
噛合する第２のギヤ２６を有する駆動ギヤ２０の
第１のギヤ１９によつて摺動駆動されている時
は、上記ダウンレバー３３のカムフオロア３４は
第１のカム溝２５ａ内を摺動し、従つて、ダウン
シヤフト２７に軸着されたダウンアーム２８は揺
動駆動されることはない。尚、この時、駆動ギヤ
２０の第２の外周カム２４は第１の外周カム２３
の切欠部２３ａにあつて回転可能の状態にある。

次に、スライダ１０が摺動し、カセツトの装填
位置に達した時、上記第２のギヤ２６は切欠歯ギ
ヤ２５の歯形部から離間すると共に第２の外周カ
ム２４の切欠部２４ａが第１の外周カム２３の外
周面と係合且つ摺接し、駆動ギヤ２０の回転はロ
ツクされる（第６図参照）。

それと同時にダウンレバー３３のカムフオロア
３４が第３のカム溝２５ｃ内を摺動し始め、従つ
て、ダウンシヤフト２７に軸着されたダウンアー
ム２８が反時計方向へ揺動駆動される。

上記マスターカム２２の第３のギヤ３２は、前
記側板１６に取り付けられた駆動用モータ３５の
回転を伝達するための複数個のギヤと一組のプー
リ・ベルトとで構成された伝達機構３６の最終ギ
ヤ３７と噛合している。

上記したように構成される本考案の一実施例に
係るカセツト装填装置においては、スライダ１０
のラツク１５が、伝達機構３６、マスターカム２
２、駆動ギヤ２０を介して駆動用モータ３５によ
つてスライダ１０の摺動方向（矢印４方向）へ摺
動駆動（この時マスターカム２２は反時計方向へ
回転駆動される）されると、カセツトガレージ２
で保持されたカセツト１も上記矢印４方向へ移動
される。尚、この時、ダウンレバー３３のカムフ
オロア３４が第１のカム溝２５ａに沿つて摺動す
るため、ダウンアーム２８は揺動駆動されること
なく停止の状態に維持されている。

上記カセツト１がカセツトの装填位置に達する
と、駆動ギヤ２０の第２のギヤ２６がマスターカ
ム２２の切欠歯ギヤ２５の歯形部から離間すると
共に、駆動ギヤ２０の第２の外周カム２４の切欠
部２４ａがマスターカム２２の第１の外周カム２
３の外周面と係合且つ摺接し、スライダ１０は停
止する。同時に、上記ダウンレバー３３のカムフ
オロア３４が第３のカム溝２５ｃ内を摺動し始
め、それに伴つて上記ダウンアーム２８は反時計
方向へ揺動駆動される。

そして、該ダウンアーム２８先端部に取り付け
られた押えピン２８ａがカセツト１の上面に当接
し、該カセツト１は蓋６を開放されつつ前記リン
ク機構Ｂで支持されたカセツトガレージ２と共に
下降駆動され、磁気記録再生装置本体に装填され
る。

考案の効果 本考案は、上記したように、磁気記録再生装置
に装填するカセツトを保持し且つカセツトの装填
位置で上記カセツトを昇降するカセツトガレージ
をカセツトの着脱位置と装填位置との間で摺動さ
せるスライダを有するカセツト装填装置におい
て、上記スライダをカセツトの着脱位置と装填位
置との間で摺動させる摺動駆動機構と、カセツト
の装填位置において上記カセツトガレージを昇降
させる昇降駆動機構と、上記摺動駆動機構と連結
されて該摺動駆動機構を上記カセツトがその着脱
位置から装填位置に達するまでの区間のみ駆動す
る切欠歯ギヤ、上記昇降駆動機構と連結されて上
記スライダの摺動中においては該昇降駆動機構を
停止させて上記カセツトがその装填位置に達する
と該昇降駆動機構を駆動し得る形状のカム溝及び
上記カセツトがその装填位置に達したとき上記摺
動駆動機構を上記切欠歯ギヤの歯形部から離間さ
せると同時に該摺動駆動機構と係合して該摺動駆
動機構を停止させる係合部を有する伝達部材とを
具備してなることを特徴とするカセツト装填装置
であるから、カセツトを保持するカセツトガレー
ジを昇降するための昇降駆動機構とスライダを摺
動させる摺動駆動機構とはそれぞれ独立して構成
されている。従つて、上記カセツトガレージの昇
降距離はスライダの摺動距離に影響を与えること
なく長く確保することが可能となる。また、伝達
部材の所定の回転位相により、切欠歯ギヤにて摺
動駆動機構への駆動力の伝達を制御すると共に、
カム溝にて昇降駆動機構の駆動を制御するため、
正確なカセツトの摺動駆動と昇降駆動との切換え
を行うことができる。更に、所定区間において伝
達部材の係合部にて摺動駆動機構を停止させるた
め、誤動作による装置の破損、故障等をなくすこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るカセツト装填
装置の側面図、第２図は同平面図、第３図はカセ
ツト装填時の同部分側面図、第４図ａ，ｂ，ｃは
上記カセツト装填装置に用いられるマスターカム
の正面図、側面図、裏面図、第５図ａ，ｂは同駆
動ギヤの正面図、側面図、第６図は上記マスター
カムの外周カムと上記駆動ギヤの外周カムとの摺
接状態を示す説明図である。 符号の説明、１０……スライダ、１５……ラツ
ク、１９……第１のギヤ、２０……駆動ギヤ、２
１……軸、２２……マスターカム（伝達部材）、
２３……第１の外周カム（係合部）、２３ａ……
切欠部、２４……第２の外周カム、２４ａ……切
欠部、２５……切欠歯ギヤ、２５ａ……第１のカ
ム溝、２５ｂ……第２のカム溝、２５ｃ……第３
のカム溝、２６……第２のギヤ、２７……ダウン
シヤフト、２８……ダウンアーム、２８ａ……押
えピン、２９……ねじりコイルバネ、３０……複
動レバー、３１……軸、３２……第３のギヤ、３
３……ダウンレバー、３４……カムフオロア、Ｃ
……摺動駆動機構、Ｄ……昇降駆動機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気記録再生装置に装填するカセツトを保持し
   且つカセツトの装填位置で上記カセツトを昇降す
   るカセツトガレージをカセツトの着脱位置と装填
   位置との間で摺動させるスライダを有するカセツ
   ト装填装置において、 上記スライダをカセツトの着脱位置と装填位置
   との間で摺動させる摺動駆動機構と、 カセツトの装填位置において上記カセツトガレ
   ージを昇降させる昇降駆動機構と、 上記摺動駆動機構と連結されて該摺動駆動機構
   を上記カセツトがその着脱位置から装填位置に達
   するまでの区間のみ駆動する切欠歯ギヤ、上記昇
   降駆動機構と連結されて上記スライダの摺動中に
   おいては該昇降駆動機構を停止させて上記カセツ
   トがその装填位置に達すると該昇降駆動機構を駆
   動し得る形状のカム溝及び上記カセツトがその装
   填位置に達したとき上記摺動駆動機構を上記切欠
   歯ギヤの歯形部から離間させると同時に該摺動駆
   動機構と係合して該摺動駆動機構を停止させる係
   合部を有する伝達部材とを具備してなることを特
   徴とするカセツト装填装置。