JPH0454357Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は随伴者を伴なう自走２輪車や、４輪
の自走走行車において、前進後退走行を可能とし
た動力伝達機構に関するものである。

〔従来の技術〕

従来は第６図に示すように、フレームａに搭載
したエンジンｂのP.T.O軸に組み込まれたエンジ
ンプーリｃと、車輪ｄを回動する車軸ｅに取り付
けられた駆動プーリｆとの間に、Ｖベルトｇを掛
架し、作業者がテンシヨンワイヤｈを介して入・
切を操作できるテンシヨンプーリｉがあり、この
テンシヨンプーリｉ「切」の場合はＶベルトｇが
遊び、エンジンｂからの動力が断たれ、「入」の
場合はＶベルトｇが張られて動力が伝達され自走
する構造となつている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述のような構造であると、エンジンｂの回転
方向は一方向であるため、走行車は一方向のみの
走行しかできず、前進、後退の両方を可能とする
には、高価なトランスミツシヨンを使わざるを得
ず、また複雑な機構となるので、不経済であると
共に、操作の面においても問題がある。

〔課題を解決するための手段〕

ここにおいてこの考案は、エンジンにより駆動
されるエンジンプーリと車輪を駆動する車輪駆動
プーリとの間に掛架される第１のベルトの内縁に
緊緩可能に押圧される第１のテンシヨンプーリ
と、この第１のテンシヨンプーリに並設され前記
車輪駆動プーリと連動可能に第２のベルトを掛架
される第２のテンシヨンプーリとを備える自走走
行車であつて、前記第１テンシヨンプーリを一側
に揺動させて第１のベルトを緊張させて順方向
へ、また第２のテンシヨンプーリを他側に揺動さ
せて前記エンジンプーリに当接させることにより
逆方向へ、進行可能とする自走走行車の動力伝達
機構を提案するものである。

〔作用〕

この考案の上述の構造において、エンジンによ
つて駆動されるエンジンプーリの回転方向は常に
一定であり、上述の車輪への動力伝達機構を介在
させることにより、第１のベルトが第１のテンシ
ヨンプーリにより張られた場合の走行車の走行方
向は前進であり、第２のベルトが第２のテンシヨ
ンプーリによりエンジンプーリの外周部と接触し
て動力が伝達された場合は、車輪の回転方向は逆
となり、走行車の走行方向は前進となるのであ
る。

〔実施例〕

次にこの考案を図示の実施例にしたがつて詳細
に説明する。

第１図において、フレーム１にエンジン２を搭
載し、このエンジン２を駆動源として電動部を
切・入する同軸の２個のテンシヨンプーリ３すな
わち第１のテンシヨンプーリ３Ａと第２のテンシ
ヨンプーリ３Ｂ（第２図）を持ち、それぞれ第１
のベルト４と第２のベルト５を介して、２個の車
輪６が装着された車軸７を回動する自走走行車で
あつて、前記第１のベルト４はエンジン２のP.
T.O軸８（第３図）に組み込まれたエンジンプー
リ９と、前記車軸７に組み込まれた車輪駆動プー
リ１０（第４図参照）との間に掛架されており、
第２のベルト５はテンシヨンアーム１１に組み込
まれた前記テンシヨンプーリ３の第２のテンシヨ
ンプーリ３Ｂと車輪駆動プーリ１０に掛架されて
いる。そしてフレーム１に支点１２を介して支承
される前記テンシヨンアーム１１にリンク１３を
介して連結されるテンシヨンクラツチ操作握り１
４の操作により、テンシヨンアーム１１に組み込
まれているテンシヨンプーリ３は、中立の位置ｘ
から、第１のベルト４が第１のテンシヨンプーリ
３Ａにより張られる位置ｙと、逆方向で第２のベ
ルト５が張られた状態で第２のテンシヨンプーリ
３Ｂに係合する前記第２のベルト５の外周部と前
記エンジンプーリ９の外周部とが接触して回動す
る位置ｚに操作できる。後者の場合、第１のベル
ト４は第１のテンシヨンプーリ３Ａから離れ、ベ
ルトストツパ１５及びベルトストツパ１６によ
り、伝動部からフリーの状態になる。

エンジン２のP.T.O軸８の回転方向は常に一定
であり、第１のベルト４が第１のテンシヨンプー
リ３Ａにより張られた場合の走行車の方向は第１
図の左側を前方とすれば前進走行であり、また第
２のベルト５が第２のテンシヨンプーリ３Ｂによ
りエンジンプーリ９の外周部と接触して動力が伝
達された場合は、車輪６の回転は逆となり、後退
走行となる。

なおエンジンプーリ９の外周部と第２のテンシ
ヨンプーリ３Ｂについては、実施例として第２の
テンシヨンプーリ３Ｂのベルト溝は第２のベルト
５の背部が多少突出する程度に浅く、またエンジ
ンプーリ９の外周部については平面又は第２のベ
ルト５の背部が当たる部分に凸部９ａを形成する
（第５図ａ）か、又は摺動抵抗の大きい弾性材９
ｂが溶着されている（第５図ｂ）場合も含むもの
とする。

〔考案の効果〕

この考案の上述の構造の動力伝達機構によれ
ば、極めて簡単なベルトテンシヨン構造によつ
て、前進、後退を随時切換えて走行できるため、
この種自走走行車の使い勝手を向上させるもので
あり、簡単な構造であることによつてメンテナン
スが楽であると共に、安価であり、しかも実用上
テンシヨンの操作レバーを中立を中心にして前
進、後退を全く逆方向とすることにより誤操作が
なく安全に使用できるという効果を奏するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の機構を備えた自走走行車の
一例の側面図、第２図ないし第５図はその各部分
の説明図で、第６図は従来構造を示す図である。 なお図において、２……エンジン、３……テン
シヨンプーリ、３Ａ……第１のテンシヨンプー
リ、３Ｂ……第２のテンシヨンプーリ、４……第
１のベルト、５……第２のベルト、９……エンジ
ンプーリ、１０……車輪駆動プーリである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジン２により駆動されるエンジンプーリ９
   と車輪６を駆動する車輪駆動プーリ１０との間に
   掛架される第１のベルト４の内縁に緊緩可能に押
   圧される第１のテンシヨンプーリ３Ａと、この第
   １のテンシヨンプーリ３Ａに並設され前記車輪駆
   動プーリ１０と連動可能に第２のベルト５を掛架
   される第２のテンシヨンプーリ３Ｂとを備える自
   走走行車であつて、前記第１テンシヨンプーリ３
   Ａを一側に揺動させて第１のベルト４を緊張させ
   て順方向へ、また第２のテンシヨンプーリ３Ｂを
   他側に揺動させて前記エンジンプーリ９に当接さ
   せることにより逆方向へ、進行可能とする自走走
   行車の動力伝達機構。