JPH0454148Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、食用油等の罐容器に冠着して使用さ
れるキヤツプ付きの蓋に関する。

「従来の技術」 例えば食用油入り罐容器では、頂壁に罐ビール
と同じような破断栓を設けており、このため栓を
破断開封したのちは別途付設してあるキヤツプ付
きの蓋を罐容器頂部に周縁の耳を利用して冠着す
るようにしている。

この種蓋としては種々のものが提供されている
が、代表的なものは注ぎ出し口付きのもので、注
出の都度注ぎ出し口の栓をとり外すものである。

「考案が解決しようとする問題点」 前記従来蓋によれば、使用の都度注ぎ出し口の
栓を開閉栓するわずらわしさがあり、またこの際
油で手が汚れたりする。

本考案は操作が簡便で手が内容物で汚れたりし
ない改良した構造の罐容器の蓋を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の罐容器の蓋は、キヤツプ状であつて、
頂壁３の前後方向中央帯を凹陥し、凹陥頂壁３ａ
中央帯の前部寄り個所に容器体４頂面開口５に連
通する口部６を貫通立設し、この口部６背後両側
に軸受部７，７を設け、この軸受部７，７の後方
所定個所に口部６と略同じ高さの支え８を立設
し、かつ凹陥部両立壁９，９の対峙面上部に前後
方向のレールを設け、下部周縁の取付部１０を介
し容器体４頂部に冠着された取付け部材１と、軟
質材からなり、後部側に指掛け孔１１を明け、長
手方向両端面のスライド溝１２，１２を前記レー
ルに係合し、かつ支え８に乗つて前記口部６上面
部の凹陥部に前後方向スライド可能に配設された
操作板１３を有し、この操作板１３前部寄り裏面
に前記口部６に外嵌されるキヤツプ体１４を設
け、このキヤツプ体１４背後部を前記軸受部７，
７に枢支させたキヤツプ部材２とで構成してい
る。

「作用」 上記において、常時は第１図、第２図ａのよう
に操作板１３は取付け部材１の中央凹陥部に押込
まりており、この位置でキヤツプ体１４は口部６
に外嵌してこの口部６を封止している。

ここで、内溶液注出に当たつては、指掛け孔１
１に指を掛けて操作板１３を後方に引き出せばよ
い。

すると、キヤツプ体１４はこの操作板１３と一
体に形成され、かつこのキヤツプ体１４は背後部
を固定部に枢支されているので、操作板１３の後
方スライドに伴ない上方に屈曲起立し、操作板１
３が所定位置まで引き出されると、第２図ｂのよ
うに起立して口部６を開放する。この動作はキヤ
ツプ部材２が軟質材からなつているので容易、自
在になしうる。

「実施例」 取付け部材１は、口部６外囲にこの口部６より
大径でかつ背が低いキヤツプ体１４を係合するた
めの係合用周壁１５を立設し、この周壁１５外面
に係合突条１６を設けており、また軸受部７，７
の互いの対峙面下部には枢支穴を設け、これら枢
支穴を上方に向うにつれ次第に巾が拡がる案内溝
１７，１７で上方に抜けさせてある。取付部１０
は下向き２重環体形で、外側環体の内周に係合突
条１８を設け、この取付部１０を罐容器体４上端
周縁の耳１９を挟着する如く押込んで突条１８を
耳１９外面に係合させて取付けている。また凹陥
部の両立壁９，９の上部対峙面に設けるレールは
後部寄りに設け、この部分２０，２０を幾分対峙
側に突き出してある。

キヤツプ部材２の操作板１３とキヤツプ体１４
は前端一部でのみ一体化した比較的フリーな結合
状態のものであり、キヤツプ体１４の下部内面に
は前記係合突条１６に係合する係合突条２１を設
け、またキヤツプ体１４背後の下部外面からボス
２２を後方につき出して設け、このボス２２の左
右両端面からピン２３，２３を突出し、このピン
２３，２３を前記枢支穴に係合してキヤツプ体１
４背後部を固定部に枢支している。ピン２３，２
３は案内溝１７，１７を介し上方から押込み装着
できるので取付けは簡単である。

操作板１３は長手方向両端縁の中間部をカツト
してこの中間部を幾分狭巾とし、この巾狭な中間
部両端面にスライド溝１２，１２を凹設し、従つ
て前部、後部両側にストツパ２４，２４、２５，
２５を形成し、操作板１３を引き出してキヤツプ
体１４が開蓋したときはストツパ２４，２４がレ
ール部２０，２０に、操作板１３を押込んで閉蓋
させたときはストツパ２５，２５をレール部２
０，２０に当接させて所定に位置決めしている。

上記各部は合成樹脂材で成形製作する。

「考案の効果」 上記した如く本考案によれば、操作板１３の端
部の指掛け孔１１に指を掛けて引出し、また押込
むことで口部６が開閉できるので操作は至極簡便
であり、また指掛け孔１１はキヤツプ体１４から
離れた個所なので、指が油等の内容液で汚れたり
することがない。また単純な形状の２部品で構成
できるので構造は簡単であり、安価に提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案罐容器の蓋の一実施例の縦断面
図、第２図ａ，ｂは同実施例の閉蓋、開蓋時の外
形斜視図である。 １……取付け部材、２……キヤツプ部材、４…
…罐容器体、１３……操作板、１４……キヤツプ
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キヤツプ状であつて、頂壁３の前後方向中央帯
   を凹陥し、凹陥頂壁３ａ中央帯の前部寄り個所に
   容器体４頂面開口５に連通する口部６を貫通立設
   し、この口部６背後両側に軸受部７，７を設け、
   この軸受部７，７の後方所定個所に口部６と略同
   じ高さの支え８を立設し、かつ凹陥部両立壁９，
   ９の対峙面上部に前後方向のレールを設け、下部
   周縁の取付部１０を介し容器体４頂部に冠着され
   た取付け部材１と、軟質材からなり、後部側に指
   掛け孔１１を明け、長手方向両端面のスライド溝
   １２，１２を前記レールに係合し、かつ支え８に
   乗つて前記口部６上面部の凹陥部に前後方向スラ
   イド可能に配設された操作板１３を有し、この操
   作板１３前部寄り裏面に前記口部６に外嵌される
   キヤツプ体１４を設け、このキヤツプ体１４背後
   部を前記軸受部７，７に枢支させたキヤツプ部材
   ２とからなる罐容器の蓋。