JPH0423812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、注出用の昇降可能なノズル筒を有
し、このノズル筒を駆動してワンタツチで開閉栓
するワンタツチキヤツプに関する。

「従来の技術」 従来のこの種のものは、中間点を枢支してキヤ
ツプ本体上面部に配設した蓋状部材の一端を押ボ
タンとし、他端に側外方に開口したノズル筒を固
定し、常時はノズル筒を押下げてキヤツプ本体上
面の棒栓に閉栓させておき、注出時に押ボタンを
押下げシーソー式にノズル筒を上方に駆動して開
栓状態としている。

「考案が解決しようとする問題点」 上記構造であると、ノズル筒は蓋状部材の枢支
点を中心として回転するので、注出部シールに問
題が残り、また開栓状態ではキヤツプ本体の周辺
部から内方中央部寄りに引込むことになり、内容
物が注ぎ出しにくく、また垂れ液がキヤツプ上面
に流れ落ち、この上面を汚す欠点がある。

本考案は、ノズル筒と押ボタンを分割し、これ
らを弾性結合帯で結合する構造とし、従つてノズ
ル筒を略垂直に昇降駆動できるようにして上記欠
点を解消したワンタツチキヤツプを得るにある。

「問題を解決するための手段」 本考案のワンタツチキヤツプは、周壁３を頂壁
４上方に延長して頂壁４上面に格納凹所５を形成
し、頂壁４から連通筒６を貫通立設し、この連通
筒６に隣接した後部側頂壁４一部を断面Ｕ形に凹
陥７したキヤツプ本体１と、円板を前、後部２つ
の半円板に分割した頂板を有し、後半部を押ボタ
ン８に、前半部を注出部９とし、注出部９裏面
に、上部が前面に折曲した逆Ｌ形であつて、常時
は前記連通筒６外面にすつぽり嵌合して内部がし
や断され、かつ上部開口が前記延長周壁３ａ内面
に接面するノズル筒１０を形成し、そして押ボタ
ン８と注出部９とを前記凹陥部７上面を滑動する
屈曲した弾性結合帯１１で結合して前記格納凹所
５に配設された操作部材２とで構成している。

「作用」 上記にて、常時は第１図、第３図ａの如く、注
出部９のノズル筒１０は連通筒６に一杯に嵌合
し、これによりノズル孔は閉栓状態となり、また
ノズル孔の開口が延長周壁３ａ内面に接面し、注
出部９と押ボタン８の頂板は略面一の状態にあ
る。

ここで、内容物を注出するに当つては押ボタン
８を押下げる。すると、この押ボタン８と弾性結
合帯１１で一体的に結合されている注出部９は第
３図ｂのように上方に押し上げられ、これにより
ノズル孔は開栓し、このノズル孔により容器体１
２内を側外方の外部に連通し、注出可能となる。
閉栓時には逆に注出部９を押下げればよい。これ
により各部は第１図、第３図ａの原状態に戻る。

「実施例」 本考案のワンタツチキヤツプは、キヤツプ本体
１と、このキヤツプ本体１上面部に配設された操
作部材２との２部品からなる。

キヤツプ本体１は、延長周壁３ａの後部側をカ
ツトして低くし、押ボタン８の押下げ動作を容易
にしており、このカツト部の延長周壁３ａ上端内
側に係合突条１３を突設し、容器体１２の口頸部
１４にねじ込みで装着されている。

操作部材２のノズル筒１０は、常時は第１図の
ように連通筒６の上部により内部通路、つまりノ
ズル孔がしや断され閉栓状態にあるが、この場合
頂板裏面から垂設した環栓１５が連通筒６に内嵌
して更に閉栓状態を確実にしており、また押ボタ
ン８の後部垂下壁下端外面に前記係合突条１３に
係合する係合突条１６を突設して上方への抜け出
しを防いでいる。１７はノズル筒１０の上部開口
端から垂下した案内片であるが、これは必ずしも
設けずともよい。また押ボタン８、注出部９上面
にはそれぞれ開、閉の文字表示をし、さらに注出
部９には開口部を矢示表示している。

上記各部は合成樹脂材で成形製作する。

「考案の効果」 上記した如く本考案では、押ボタン８と注出部
９とを弾性結合帯１１で一体的に結合し、開栓注
出時押ボタン８を押下げたとき注出部９、従つて
ノズル筒１０が略垂直に上昇でき、これによりノ
ズル筒１０の下部開口が閉栓時同様キヤツプ本体
１周縁部に位置するようにしたので注ぎ出し易
く、また垂れ液がキヤツプ上面に流下して汚すよ
うなことも避けられる。またノズル筒１０は略垂
直に昇降し、連通筒６に対し傾斜しないので注出
孔シールは確実になしうる。またキャツプ本体１
と操作部材２の組立ては、ピン等による枢着構造
ではなく、単なる嵌め込みの組込みなので組立て
は簡単である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ワンタツチキヤツプの一実施例
の縦断面図、第２図ａ，ｂは第１図の上面図とＡ
−Ａ線矢視図断面図、ｃ図は同実施例の操作部材
の外形斜視図、第３図ａ，ｂは同実施例の閉栓
時、開栓時の外形斜視図である。 １……キヤツプ本体、２……操作部材、８……
押ボタン、９……注出部、１０……ノズル筒、１
１……弾性結合帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁３を頂壁４上方に延長して頂壁４上面に格
   納凹所５を形成し、頂壁４から連通筒６を貫通立
   設し、この連通筒６に隣接した後部側頂壁４一部
   を断面Ｕ形に凹陥７したキヤツプ本体１と、円板
   を前、後部２つの半円板に分割した頂板を有し、
   後半部を押ボタン８に、前半部を注出部９とし、
   注出部９裏面に、上部が前面に折曲した逆Ｌ形で
   あつて、常時は前記連通筒６外面にすつぽり嵌合
   して内部がしや断され、かつ上部開口が前記延長
   周壁３ａ内面に接面するノズル筒１０を形成し、
   そして押ボタン８と注出部９とを前記凹陥部７上
   面を滑動する屈曲した弾性結合帯１１で結合して
   前記格納凹所５に配設された操作部材２とからな
   るワンタツチキヤツプ。