JP2600485Y2 - 注出キャップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は注出キャップに関し、詳
しくは反転ヒンジ機構により蓋体を開閉自在に蝶着させ
た注出キャップの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

【考案が解決しようとする課題】注出キャップとして、
キャップ基台に反転ヒンジを介して蓋体を一体成形した
ものが知られている。

【０００３】これ等キャップは、所定位置まで開蓋或い
は閉蓋させると自動的に反転ヒンジ機構の作用で開蓋或
いは閉蓋し、閉蓋状態或いは開蓋状態を安定的に維持出
来て取り扱いが便利であるとともに、合成樹脂の一体成
形により形成出来るため、安価に製造出来る優れたもの
であるが、開蓋の際、比較的開蓋角度の広い位置まで蓋
体を開けなければ反転ヒンジ機構が開蓋方向へ作用せ
ず、従って、容器体を持った片手のみで容易に蓋体を開
くことが比較的難しい。

【０００４】本考案は上記した点に鑑みなされたもの
で、この種キャップにおいて、容器を持った片手のみで
容易に蓋体を開けることが出来、しかも、不用意に容器
を倒しても開蓋して液の漏出が起こることのない優れた
注出キャップを提案するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案キャップは上記課
題を解決するため、キャップ基台２に蓋体３を反転ヒン
ジ機構４により開閉自在に蝶着した注出キャップに於い
て、キャップ基台２の上面に突設した注出筒部11を中央
長孔20より突出させてキャップ基台２の上面をスライド
する可撓性摺動板部21を備えた押し釦５を設けるととも
に、上記摺動板部21の摺動が可能に該板部21上面を被覆
し、且つ、中央透孔27を注出筒部11外周下部に密嵌させ
てキャップ頂壁８に嵌着固定させた被覆板６を設け、上
記押し釦５の前端をキャップ基台２前面に設けた凹部９
内に押し込み可能に突出させるとともに、上記摺動板部
21の前部に形成したテーパ部23により閉蓋した蓋体３の
前部を押し上げ可能に形成し、上記押し釦５前縁の押し
込みによる摺動板部21後退の際、上記テーパ部23で蓋体
３前部を押し上げるとともに、摺動板部21後端が被覆板
６後端部と基台２後部上面との開口28から上方へ変形突
出して反転ヒンジ機構４の裏面を押圧し、開蓋させる如
く構成した。

【０００６】

【作用】開蓋に際して、押し釦５の前縁が押圧されると
その摺動板部21が一体に後退し、上記テーパ部23で蓋体
３を押し上げるとともに、摺動板部21後端で反転ヒンジ
機構４の裏面を押圧して蓋体３が開く。

【０００７】また、閉蓋の際は、例えば回動半径の小さ
い蓋体後面を前方へ押すだけで閉蓋するため、容器を持
った片手のみでの閉蓋が可能である。

【０００８】また、押し釦５の前端部はキャップ基台２
前面の凹部９内に突設しているため、不用意に容器を倒
すようなことがあっても蓋体が開くことはない。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して説明
する。

【００１０】図１〜図４は本考案の一実施例を示すもの
で、図中１は注出キャップを示す。該キャップ１は、キ
ャップ基台２と、蓋体３とが反転ヒンジ機構４を介して
一体に形成され、また、開蓋用の押し釦５及び該釦５を
スライド可能に固定するための被覆板６を備えている。

【００１１】キャップ基台２は、周壁７上端より頂壁８
を延設した下端面開口の角筒状をなし、周壁７前面には
上端を開口した凹部９を形成し、また、頂壁８中央部を
前後方向に走り、且つ前端を上記凹部９に連通するとと
もに、後端部を後方へ弯曲して登る傾斜面10a とした案
内溝10を設けている。更に、案内溝10内の頂壁８略中央
に基端を開口した注出筒部11を突設している。また、頂
壁８裏面中央部には装着する容器本体の口頚部に螺着さ
せるための螺筒部12を垂設している。

【００１２】蓋体３は、上記キャップ基台頂壁８上面周
縁部に下端縁を当接する角筒状周壁13の上端縁より頂壁
14を延設し、また、頂壁14裏面中央部には上記注出筒部
11に嵌合する栓突起15を突設させている。

【００１３】上記反転ヒンジ機構４は、キャップ基台２
後部上端と、蓋体３後部下端とを所定間隔をあけて設け
た一対のヒンジ16，16で連結し、また、各ヒンジ16，16
間に形成され、且つ、上端を蓋体頂壁14後部中央にヒン
ジ17を介して連結するとともに、下端を、キャップ基台
周壁７後部中央にヒンジ18を介して連結した逆Ｌ字板状
をなす弾性板19を設けて構成した公知機構のもので、一
体に形成されている。尚、上記注出筒部11と栓突起15と
の嵌合強度は不用意に開蓋してしまわない程度に設定さ
れている。

【００１４】上記押し釦５は合成樹脂，ゴム等の可撓性
を有する材質で形成し、中央部に上記注出筒部11の逃げ
のための長孔20を形成して上記案内溝10内を前後にスラ
イド可能に載置させた摺動板部21を有し、該板部21の前
端縁より上記凹部９内前端部に押圧板部22を垂設してい
る。また、上記摺動板部21上面前端中央部には、後縁側
に至るに従って低くなるようにしたテーパ部23が形成さ
れており、このテーパ部23を、蓋体周壁13前部中央下面
に凹設したテーパ状頂部を有する凹嵌部24に嵌合させ、
押し釦５を押し込むことでテーパ部23の傾斜面が凹嵌部
24上面を押し上げる如く構成している。

【００１５】また、摺動板部21後端部は幅狭に形成し、
その後端を反転ヒンジ機構４の裏面近傍の被覆板６下面
に位置させている。

【００１６】また、上記被覆板６は、キャップ基体頂壁
８上面の四隅所定位置に穿設した嵌合穴25に、その四隅
下面より垂設した係合突起26を押圧嵌合するとともに、
中央部に穿設した透孔27を上記注出筒部11外周下部に密
嵌させてキャップ基台２に固定している。また、その後
端部中央には上記案内溝10内と連通する開口28を設け、
摺動板部21が後退すると上記案内溝10の傾斜面10a に案
内された後端部が図４に示す如く弯曲しつつ上記開口28
より後方斜め上方へ突出して、反転ヒンジ機構４裏面に
当接する如く構成している。

【００１７】

【考案の効果】以上説明した如く本考案キャップは、押
し釦の前縁が押圧されることにより摺動板部21が後退す
ると、テーパ部23で蓋体３前部を押し上げるとともに、
摺動板部後端部で反転ヒンジ機構４の裏面を押圧して開
蓋させる如く構成したので、押し釦５を押す力は僅かで
済み、しかも押し釦５はキャップ基台２前部より後方へ
押し込めば良いため、容器を持った片手のみで容易な開
蓋が可能となる。

【００１８】また、押し釦の前端部はキャップ基台２前
面の凹部９内に押し込み可能に突出させているため、誤
って容器を倒すことがあっても、蓋が開いて内容液が漏
出するような不都合を生じる虞はない。

【００１９】更に、摺動板部21の摺動が可能に該板部21
上面を被覆し、且つ、中央透孔27を注出筒部11外周下部
に密嵌させてキャップ頂壁８に嵌着固定させた被覆板６
を設けているので、注出筒部11からその外面を伝って液
ダレがあった場合でも、被覆板６上面に止まって摺動板
部21部分に液が行くのを極力防止し、摺動板部21のスラ
イド不良等を引き起こすことを極力防止する効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す縦断面図である。

【図２】 同実施例の分解斜視図である。

【図３】 同実施例の開蓋状態の斜視図である。

【図４】 同実施例の開蓋機構を説明する説明図であ
る。

【符号の説明】

２…キャップ基台，３…蓋体，４…反転ヒンジ機構，５
…押し釦，６…被覆板，９…凹部，21…摺動板部，23…
テーパ部，28…開口

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65D 39/00 - 55/16

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャップ基台２に蓋体３を反転ヒンジ機
   構４により開閉自在に蝶着した注出キャップに於いて、
   キャップ基台２の上面に突設した注出筒部11を中央長孔
   20より突出させてキャップ基台２の上面をスライドする
   可撓性摺動板部21を備えた押し釦５を設けるとともに、
   上記摺動板部21の摺動が可能に該板部21上面を被覆し、
   且つ、中央透孔27を注出筒部11外周下部に密嵌させてキ
   ャップ頂壁８に嵌着固定させた被覆板６を設け、上記押
   し釦５の前端をキャップ基台２前面に設けた凹部９内に
   押し込み可能に突出させるとともに、上記摺動板部21の
   前部に形成したテーパ部23により閉蓋した蓋体３の前部
   を押し上げ可能に形成し、上記押し釦５前縁の押し込み
   による摺動板部21後退の際、上記テーパ部23で蓋体３前
   部を押し上げるとともに、摺動板部21後端が被覆板６後
   端部と基台２後部上面との開口28から上方へ変形突出し
   て反転ヒンジ機構４の裏面を押圧し、開蓋させる如く構
   成したことを特徴とする注出キャップ。