JPH0452835Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、キヤプスタンに圧着されるピンチロ
ーラのアジマス方向の傾きを調整し易くした磁気
記録再生装置に関する。

＜考案の概要＞ 本考案は、アジマス方向に傾斜がある場合には
キヤプスタンの回転に伴うピンチローラの回動に
際し、ピンチローラの圧着部材を上下方向に回動
する自動調芯機能によつてアオリ方向にも傾斜が
生ずることに着目して、このアオリ方向の傾斜を
変位測定器で測定することにより、ピンチローラ
のアジマス方向の傾斜を認識することとし、上記
ピンチローラのアオリ方向の傾斜を測定する変位
測定器を取付ける取付け部を設けた磁気記録再生
装置を提供するものである。

＜従来の技術＞ 従来から、情報信号を記録する磁気テープをキ
ヤプスタンとピンチローラ間に挟持し、キヤプス
タンを回動することにより上記ピンチローラと共
働して磁気テープを定速走行せしめる磁気記録再
生装置において、ピンチローラをキヤプスタンに
押圧する手段として第２図に示すような装置を有
する磁気記録再生装置が知られている。

すなわち、第２図に示すように、ピンチローラ
１は、円筒状の弾性部材を中心軸１ａに回動自在
に挿通されるとともに、ピンチローラ１の上下方
向端にはそれぞれ円板２，３が取付けられてい
る。このピンチローラ１を軸支する中心軸１ａは
図示されない部材により摺動自在に支持されてい
る。

そして、このピンチローラ１は、基端側が装置
本体１６に植立された支軸１７に回動自在に軸支
され、図示しない回動操作部材により上記支軸１
７を中心に回動操作される圧着レバー１０によつ
てキヤプスタン４に圧着操作されるようになされ
ている。すなわち、上記圧着レバー１０には、そ
の先端側にピンチローラ１を圧着する圧着部材５
が支持部材９を介して取付けられており、上記圧
着レバー１０の先端側がキヤプスタン４側に回動
操作されたときに、上記圧着部材５がピンチロー
ラ１を支持するようになされている。

この圧着部材５は、上記ピンチローラ１の中心
軸１ａに設けられる円板２，３に対応するように
側面形状が略コ字状に形成された上片５ａ及び下
片５ｂを有し、この上下片５ａ，５ｂには、上記
円板２，３に対向する位置に上記ピンチローラ１
を支持するためのＶ溝６，７が形成されている。
そしてこのような形状をなす圧着部材５は、その
連結部５ｃにピンチローラ１の中心軸１ａと直交
する方向に取付けられた枢支軸８を介して上下方
向のアオリ方向に回動自在に支持部材９へ取付け
られている。そして、この支持部材９が圧着レバ
ー１０に取付けられている。すなわち、上記支持
部材９は第３図に示すように、固定軸１１によつ
て圧着レバー１０に支持されるとともに、固定軸
１１から同一円周上に圧着レバー１０に設けられ
た長孔１２，１３にネジ１４，１５によりこの支
持部材９に取付けられた圧着部材５を第３図中矢
印Ａ方向に調整可能に結合されている。

従つて、上記圧着レバー１０の先端側を図示し
ないソレノイドプランジヤー等の回動操作部材に
よつてキヤプスタン４側へ回動すると、圧着レバ
ー１０に取付けられた上記圧着部材５の上下片５
ａ，５ｂがピンチローラ１の円板２，３を支持し
てピンチローラ１を移動させピンチローラ１をキ
ヤプスタン４に圧着できるようになつていてる。

そして、上記ピンチローラ１がキヤプスタン４
に圧着されたときに、キヤプスタン４を図示しな
いキヤプスタン駆動用モータによつてテープ走行
方向に回動することにより、ピンチローラ１とキ
ヤプスタン４間に挟持されたテープＴを走行する
ことができるようになしている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上述のような従来のキヤプスタン４へピンチロ
ーラ１の押圧手段を有し、このピンチローラ１と
キヤプスタン４間に磁気テープＴを挟持させてキ
ヤプスタン４を回動することにより出来テープを
走行させる磁気記録再生装置においては、キヤプ
スタン４とピンチローラ１の平行度が正しく平行
に保つことができないと、キヤプスタン４とピン
チローラ１間に挟持された磁気テープＴの走行が
不安定となるという欠点があつた。

これは、ピンチローラ１のアオリ方向の傾きは
上記圧着部材５が枢支軸８によつて回動自在とな
されているため、キヤプスタン４に従つて自動的
に調芯され平行に位置することができるが、ピン
チローラ１のアジマス方向の傾きは圧着部材５の
上下片５ａ，５ｂに形成されたＶ溝６，７による
ピンチローラ１の支持によつて決定されることに
よる。

すなわち、圧着部材５がアジマス方向に傾斜し
ていると、その傾きによりピンチローラ１がキヤ
プスタン４に対して傾斜して押圧される。そし
て、キヤプスタン４を磁気テープＴの走行方向に
回動すると、キヤプスタン４の回動に伴つてピン
チローラ１はキヤプスタン４に対して斜めに回動
されるため、ピンチローラ１はキヤプスタン４に
対し上下方向の一方側へ回転移動しようとする作
用を受ける。この作用によりピンチローラ１が磁
気テープＴをキヤプスタン４に対して上昇させた
り下降させたりして走行させるようになつてしま
うからである。

従つて、例えばピンチローラ１を支持する圧着
部材５が圧着レバー１０に傾いて取付けられ、こ
の圧着部材５の傾きのためにピンチローラ１がキ
ヤプスタン４に対して第４図Ａに示すようにアジ
マス方向にθ角傾いている場合には、磁気テープ
Ｔを走行方向ａに走行するようにキヤプスタン４
が回動されると、ピンチローラ１はキヤプスタン
４の回動に伴つて回動され、このときピンチロー
ラ１の傾きθのためにピンチローラ１が下方向ｆ
に回転移動しようとする作用が生ずる。さらに、
ピンチローラ１のキヤプスタン４への圧着力がピ
ンチローラ１の上方向で強くなり、ピンチローラ
１を支持する圧着部材５が上記枢支軸８を回転中
心として回転され、ピンチローラ１を第４図Ｂで
示すようにアオリ方向においてもα角の傾斜を生
じさせてしまう。

このように、ピンチローラ１がキヤプスタン４
に対してシジマス方向にθ角、アオリ方向にα角
の傾きが生ずると、キヤプスタン４の磁気テープ
Ｔの走行方向ａの回動に伴つてピンチローラ１は
磁気テープＴを下方向ｆに引つ張るように移動し
ながら回動され、磁気テープＴのキヤプスタン４
に対する安定した走行を妨げることになる。

また、このピンチローラ１の移動に伴つて磁気
テープＴをキヤプスタン４の下端側に寄せてしま
い磁気テープＴを損傷させる原因にもなる。

そこで、従来からピンチローラ１をキヤプスタ
ン４に押圧する圧着部材５を支持する支持部材９
と圧着レバー１０の結合を上記固定軸１１を中心
として長孔１２，１３に嵌合されるネジ１３，１
４の位置を調整して圧着部材５のアジマス方向の
傾きを調整可能とすることにより、ピンチローラ
１のキヤプスタン４に対するアジマス方向の傾き
を無くすようになされている。

そして、このアジマス方向の傾きを測定する手
段として、従来は、例えばキヤプスタン４とピン
チローラ１間に平坦な基準板等の特殊な治具を挟
持させてキヤプスタン４とピンチローラ１の平行
度を側面から観察することにより直接アジマス方
向の傾斜度を測定していた。

しかし、このように直接ピンチローラ１の傾き
を観察する測定では、キヤプスタン４とピンチロ
ーラ１の平行度の精度を上げることが困難であ
る。

また、年々の技術の進歩に伴つて、磁気記録再
生装置は小型化される傾向にあり、小型の磁気記
録再生装置においては、少ない空間に多数の機器
を取付けるため、キヤプスタン４とピンチローラ
１間に特殊な治具を挟持させ側面から直接観察し
て測定することが困難となつている。

そこで、本考案は、アジマス方向に傾斜がある
場合にはキヤプスタンの回転に伴うピンチローラ
の回動に際し、圧着部材を上下方向に回動する自
動調芯機能によつてピンチローラのアオリ方向に
も傾斜が生ずることに着目して、このアオリ方向
の傾斜を変位測定器で測定することにより、ピン
チローラのアジマス方向の傾斜を認識することと
し、上記ピンチローラのアオリ方向の傾斜を測定
する変位測定器を取付ける取付け部を設けた磁気
記録再生装置を提供することを目的とする。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、上記目的を達成するため、駆動モー
タによつて回転駆動されるキヤプスタンと、この
キヤプスタンに接離自在に取付けられ、上記キヤ
プスタンに圧着しこのキヤプスタンと共働して磁
気テープを挟持し、該磁気テープを定速走行せし
めるピンチローラと、 上記ピンチローラをキヤ
プスタンへ圧着せしめる圧着部材と、キヤプスタ
ンと平行に植立された支持軸に回動自在に支持さ
れるとともに、先端側に上記圧着部材が支持部材
を介して取付けられた圧着レバーとを備え、上記
圧着部伝をピンチローラの支軸と直交する方向に
取付けられた枢支軸によつて支持部材に回動自在
に取付けられるとともに、上記支持部材を上記圧
着レバーに取付け位置が調整可能に取付けた磁気
記録再生装置において、上記圧着レバーの回動に
よつて圧着部材がピンチローラを支持してキヤプ
スタンに押圧したときのピンチローラ又は圧着部
材のピンチローラの軸方向と直交する方向の傾き
量を検出する変位測定器が取付けられる取付け部
を装置本体内に設ける。

＜作用＞ 本考案は、上記取付け部に変位測定器を取付け
ることによつて、ピンチローラ又は圧着部材の上
面のアオリ方向の傾きを測定することにより、ピ
ンチローラのキヤプスタンに対するアジマス方向
の傾きを認識することができ、ピンチローラ又は
圧着部材のアオリ方向の傾きを無くすように圧着
レバーに取付けられる圧着部材の取付け位置を調
節してピンチローラのアジマス方向の傾きを無く
すように調整することができる。

＜実施例＞ 以下、本考案の好適な実施例を図面を参照しな
がら説明する。

尚、上述した従来の磁気記録再生装置と同一の
部材については、同一符号をもつて説明する。

本考案にかかる磁気記録再生装置は、従来の磁
気記録再生装置と同様に情報信号を記録する磁気
テープをキヤプスタンとピンチローラ間に挟持
し、キヤプスタンを回動することにより、ピンチ
ローラと共働して磁気テープを定速走行せしめる
磁気記録再生装置であつて、ピンチローラをキヤ
プスタンに押圧する手段として第１図に示すよう
な磁気記録再生装置である。

すなわち、第１図に示すように、ピンチローラ
１は、円筒状の弾性部材を中心軸１ａに回動自在
に挿通されるとともに、ピンチローラ１の上下方
向端にはそれぞれ円板２，３が取付けられてい
る。このピンチローラ１を軸支する中心軸１ａは
図示されない部材により摺動自在に支持されてい
る。

そして、このピンチローラ１は、基端側が装置
本体１６に植立された支軸１７に回動自在に軸支
され、図示しない回動操作部材により上記支軸１
７を中心に回動操作される圧着レバー１０によつ
てキヤプスタン４に圧着操作されるようになされ
ている。すなわち、上記圧着レバー１０には、そ
の先端側にピンチローラ１を圧着する圧着部材５
が支持部材９を介して取付けられており、上記圧
着レバー１０の先端側がキヤプスタン４側に回動
操作されたときに、上記圧着部材５がピンチロー
ラ１を支持するようになされている。

この圧着部材５は、上記ピンチローラ１の中心
軸１ａに設けられる円板２，３に対応するように
側面形状が略コ字状に形成された上片５ａ及び下
片５ｂを有し、この上下片５ａ，５ｂには、上記
円板２，３に対向する位置に上記ピンチローラ１
を支持するためのＶ溝６，７が形成されている。
そしてこのような形状をなす圧着部材５は、その
連結部５ｃにピンチローラ１の中心軸と直交する
方向に取付けられた枢支軸８を介して上下方向の
アオリ方向に回動自在に支持部材９へ取付けられ
ている。そして、この支持部材９が圧着レバー１
０に取付けられている。すなわち、上記支持部材
９は第３図に示すように、固定軸１１によつて圧
着レバー１０に支持されるとともに、固定軸１１
から同一円周上に圧着レバー１０に設けられた長
孔１２，１３にネジ１４，１５によりこの支持部
材９に取付けられた圧着部材５を第３図中矢印Ａ
方向に調整可能に結合されている。

従つて、上記圧着レバー１０の先端側を図示し
ないソレノイドプランジヤー等の回動操作部材に
よつてキヤプスタン４側へ回動すると、圧着レバ
ー１０に取付けられた上記圧着部材５の上下片５
ａ，５ｂがピンチローラ１の円板２，３を支持し
てピンチローラ１を移動させピンチローラ１をキ
ヤプスタン４に圧着できるようになつていてる。

そして、上記ピンチローラ１がキヤプスタン４
に圧着されたときに、キヤプスタン４を図示しな
いキヤプスタン駆動用モータによつてテープ走行
方向に回動することにより、ピンチローラ１とキ
ヤプスタン４間に挟持されたテープＴを走行する
ことができるようになしている。

さらに本考案にかかる磁気記録再生装置には、
上述のように構成されたピンチローラ１をキヤプ
スタン４に押圧する圧着レバー１０の近傍の同一
基板上に、上記圧着レバー１０に取付けられた圧
着部材５がピンチローラ４を支持しピンチローラ
４を圧着したときに、ピンチローラ１又は圧着部
材５の上面の傾斜を測定する変位測定器１９が取
付けられる取付け部２０が設けられる。

この取付け部２０は、後述する変位測定器１９
の支持軸２３を嵌合支持するタツプ孔２４が設け
られた支柱２５として形成されている。

上記変位測定器１９は、第１図に示すように、
相対的変位を測定する接触子２１と測定した変位
を機械的に拡大して指針の回転運動となし変位度
を示すメータ部２２とからなり、支持軸２３によ
つて支持固定されるように構成されたものであ
る。

従つて、この変位測定器１９の支持軸２３を上
記取付け部２０のタツプ孔２４に嵌合支持するこ
とにより、変位測定器１９を本考案にかかる磁気
記録再生装置に取付けることができるようになつ
ている。

そして、上記変位測定器１９の接触子２１を例
えば圧着部材５の上片５ａに接触させ、その上面
において接触子２１を第１図中矢印Ｂの範囲で移
動させたときの変位を測定することにより、圧着
部材５の傾きを測定することができる。

なお、第１図に示すように上記取付け部２０の
支柱２５に横孔２６を設けネジ軸２７によつて上
記変位測定器１９の支持軸２３をネジ止め固定で
きるようにしても良い。

また、上記取付け部２０のタツプ孔２４は、変
位測定器１９によりアジマス方向の傾きを測定時
以外は、他の装置を取付ける取付け部としても良
く、測定に際して他の装置を取り外すようにして
も良い。

さらに、上述の実施例においては、圧着レバー
１０と上記取付け部２０は同一基板上に設けるこ
ととしたが、他の基板上でもよく例えばシヤーシ
基板上に取付け部を設けることとしても良い。

＜考案の効果＞ 本考案は、従来の磁気記録再生装置において、
基板上に変位測定器を取付ける取付け部を設ける
だけで良く、この取付け部に変位測定器を取付け
てピンチローラ又は圧着部材の上面のアオリ方向
の傾きを測定することにより、ピンチローラのア
ジマス方向の傾きを簡単に認識することができる
ので、構成が簡単であり、小型の磁気記録再生装
置にも適用することができる。

そして、上記変位測定器でピンチローラ又は圧
着部材のアオリ方向の傾きを測定しながら、その
傾きを無くすように圧着レバーに取付けられる圧
着部材の取付け位置を調節することにより、ピン
チローラのキヤプスタンに対するアジマス方向の
傾きを無くすように簡単に調整できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る磁気記録再生装置の変位
測定器の取付け部に変位測定器を取付けピンチロ
ーラの傾きを測定している状態を示す斜視図であ
る。第２図は従来の磁気記録再生装置のピンチロ
ーラとキヤプスタンを示す斜視図であり、第３図
は圧着レバーと圧着部材を示す要部拡大斜視図で
ある。第４図Ａはピンチローラとキヤプスタンの
関係を示す正面図であり、第４図Ｂは同側面図で
ある。 Ｔ……磁気テープ、１……ピンチローラ、４…
…キヤプスタン、５……圧着部材、９……支持部
材、１０……圧着レバー、１９……変位測定器、
２０……取付け部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 駆動モータによつて回転駆動されるキヤプスタ
   ンと、 このキヤプスタンに接離自在に取付けられ、上
   記キヤプスタンに圧着しこのキヤプスタンと共働
   して磁気テープを挟持し、該磁気テープを定速走
   行せしめるピンチローラと、 上記ピンチローラをキヤプスタンへ圧着せしめ
   る圧着部材と、 キヤプスタンと平行に植立された支持軸に回動
   自在に支持されるとともに、先端側に上記圧着部
   材が支持部材を介して取付けられた圧着レバーと
   を備え、 上記圧着部材をピンチローラの支軸と直交する
   方向に取付けられた枢支軸によつて支持部材に回
   動自在に取付けられるとともに、 上記支持部材を上記圧着レバーに取付け位置が
   調整可能に取付けた磁気記録再生装置において、 上記圧着レバーの回動によつて圧着部材がピン
   チローラを支持してキヤプスタンに押圧したとき
   のピンチローラ又は圧着部材のピンチローラの軸
   方向と直交する方向の傾き量を検出する変位測定
   器が取付けられる取付け部を装置本体内に設けら
   れてなる磁気記録再生装置。