JP2596974B2 - レンズ等の形状測定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レンズ等の形状測定装置に係わり、特に眼
鏡のデモ用レンズ（デモンストレーション用レンズ）及
び眼鏡レンズの形状測定に好適なレンズ等の形状測定装
置に関する。

〔従来の技術〕

眼鏡フレームのレンズ枠に合わせてレンズを加工する
際、レンズの数値制御加工情報を得る方法として、レン
ズ枠と同一形状を持った平板状型板の外周部形状を測定
とする方法と、レンズ枠のレンズ固定溝の形状を測定す
る方法（例えば特開昭62−169008号公報、特開昭62−16
9009号公報）が知られている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、所望するレンズ枠が金属やナイロンな
どのワイヤ構造で、レンズ固定用の内周溝を持たず、か
つ平板形状型板も無い場合には、上記従来の測定方法で
は、レンズの数値制御加工情報を得ることができない。

本発明は、上記従来技術の問題点を除去するためにな
されたのであり、その目的は、ワイヤ構造の眼鏡フレー
ムに使用されるデモ用レンズ（デモンストレーション用
レンズ）及び眼鏡レンズの形状を測定することができる
レンズ等の形状測定装置を提供することである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するために、本発明によるレンズ等の
形状測定装置は、基板に軸承され回転駆動可能とされた
回転台、レンズの凸面に係合する上側ホルダーを有する
上側保持部材と、弾性体によって上方に付勢された状態
で前記回転台の回転中心に位置して立設されている支持
棒の上部に下側ホルダーが回転自在に取り付けられてい
る下側保持部材とによって、眼鏡レンズもしくはデモン
ストレーションレンズをその凸面を上側にしてほぼ水平
状態に保ちながら挟持するレンズ保持手段、大径の頭部
を有する水平断面円形の棒状態で、スリーブに収容され
るとともに、該スリーブの中ですべり軸受けによって回
転自在でかつ前記回転台の回転軸と平行な上下方向に移
動自在に軸承され、前記頭部と前記スリーブとの間の棒
状体の直線部の外表面に測定面を有する測定子、前記レ
ンズ保持手段によって挟持されているレンズの外周部に
前記測定子の測定面を当接させ、前記レンズの周面に沿
って前記測定子を移動させる測定子移動手段、前記測定
子または該測定子を保持する部材の、基準点からの水平
方向変位を測定するための手段、および、前記測定子ま
たは該測定子を保持する部材の、基準点からの回転角度
を測定するための手段を備え、測定時において、前記レ
ンズ保持手段を構成している上側保持部材は眼鏡レンズ
もしくはデモンストレーションレンズが回転運動しない
ように該眼鏡レンズもしくはデモンストレーションレン
ズをその上方から上側ホルダーによって保持し、下側保
持部剤は眼鏡レンズもしくはデモンストレーションレン
ズが回転運動しないように該眼鏡レンズもしくはデモン
ストレーションレンズをその下方から下側ホルダーによ
って保持する一方で、前記回転台の回転駆動を妨げない
ように、前記支持棒が前記下側ホルダーに対して相対的
に回転運動することを特徴とするものである。

〔実施例〕

次に、図に示した本発明の実施例を詳細に説明する。

第１図は、本発明の実施例によるデモ用レンズの形状
測定装置を示す斜視図、第２図は同装置を矢印II方向か
ら見た図である。デモ用レンズ１は、ワイヤ構造の眼鏡
フレームに、フレーム製作段階で装着されているもので
ある。

このデモ用レンズ１は、本装置ではほぼ水平状態で凸
面を上側にしてその中央を上側と下側から保持される。
そのために、本装置は上側のホルダー２と下側のホルダ
ー３を備えている。上側のホルダー２は本実施例では、
その下端にゴム等からなる吸盤４を備え、デモ用レンズ
１を吸着保持できるようになっている。しかし、上側ホ
ルダー２は吸盤４としての機能を持たない単なる当て部
材でもよい。この場合、当て部材は、保持すべきデモ用
レンズ１の凸面にほぼ一致する凹形の当て面を備えてい
ることが望ましい。前記上側ホルダー２は90度に曲がっ
たアーム５の下端に、交換可能に取付けられている。こ
の取付構造は図示していないが、ねじ込み式または嵌め
込み式あるいはその他の方式でもよい。上側ホルダー２
を交換可能とすることにより、上側ホルダー２を多種類
用意すれば、いろいろな被測定物（例えば、眼鏡フレー
ムメーカーで個々のレンズ枠形状に合わせて製作される
平板状の型板、眼鏡レンズ、その他の光学レンス等）を
保持することができる。前記アーム５は90度に曲がった
スタンド６内に挿入され、ねじ７によって固定されてい
るので、矢印Ａ方向に着脱することができる。前記スタ
ンド６は下端が、本測定装置の動かない部分、例えば基
板８（第２図参照）に固定されている。

下側のホルダー３は、第３図に示すように、軸受９を
介して支持棒10に支持され、かつ止め具11によって支持
棒10に外れないように保持されている。この支持棒10キ
ャップ12の中でばね13によって上方へ付勢されているの
で、ホルダー３はデモ用レンズ１に下側から押しつけら
れる。前記キャップ12は支持棒10の上下移動のガイドお
よびストッパーとしての働きをし、ねじによって取付板
14（第４図参照）に固定されている。この取付板14は後
述の測定部の被覆板15（第１図と第２図参照）に固定さ
れている。

次に、第５図と第２図を参照して本測定装置の測定部
16について説明する。この測定部は、前記のホルダー2,
3により保持されたデモ用レンズ１の外周面に沿って、
測定子としてのスタイラスを転動させながら移動させ、
そのときの、基準点からのスタイラスの半径方向の移動
距離と回転角度を測定する。

測定部16は、Ｕ字状の回転台18を備え、この回転台18
はその下面に取付けられたタイミングプーリ19、タイミ
ングベルト20およびタイミングプーリ21を介してモータ
22によってΘ方向に回転駆動される。この回転角度は回
転台18に取付けられた前記タイミングプーリ19に、タイ
ミングベルト23とタイミングプーリ24を介して接続され
たロータリエンコーダ25によって検出される。前記モー
タ22とロータリエンコーダ25は、本測定装置の基板８
（第５図と第１図では、測定装置の他の部品を見易くす
るため一部だけしか示していない）に固定され、そして
前記タイミングプーリ19および回転第18は軸受26によっ
て基板８に回転可能に軸承されている。

この軸受26の中心線の延長線上に、前記下側ホルダー３
が配置されている。

前記測定部16の回転台18は２枚の側板27,28と、この
両側板を連結する長方形の中央板29とからなっている。
側板27,28の上面には、スタイラス17移動用の細長い穴1
5aを備えた前記被覆板15が固定されている。側板27と28
の間には、２本のスライドガイドシャフト30,31が平行
に固定されている。このスライドガイドシャフト30,31
に沿って水平なスライド板32がＲ方向に滑動可能に案内
されている。この案内のために、スライド板32はその下
面に、回転自在の３個のスライドガイドローラ33,34を
備えている。この場合、一方のスライドガイドシャフト
30に１個のスライドガイドローラ（図示していない）が
接触し、他方のスライドガイドシャフト31に２個のスラ
イドガイドローラ33,34が接触し、これらのローラはス
ライドガイドシャフト30,31を両側から挟むようにして
それぞれスライドガイドシャフトに沿って転動する。

スライド板32には、そのスライド方向Ｒに定荷重ばね
（コンストンスプリング）35が作用し、一方の側板27の
方へ引っ張られている。このばね35はブッシング36に巻
き取られ、軸37とブラケット38を介して側板27に固定さ
れている。定荷重ばね35の他端は、スライド板32に取付
けられている。ばね35は、スライラス17をデモ用レンズ
１の外周部に押しつける作用がある。

スライド板32のＲ方向の移動量ｒは、反射型のリニア
エンコーダ39によって測定される。このリニアエンコー
ダ39は、回転台18の側板27,28間に延設されたスケール4
0と、スライド板32に固定されかつスケール40に沿って
移動する検出器41と、プリアンプ42と、このアンプ42と
検出器41を接続するフレキシブルケーブル43とからなっ
ている。プリアンプ42は前記側板27に固定されたブラケ
ット44に取付けられている。

スライド板32のＲ方向の移動によって、検出器41はス
ケール40の面と一定の距離を保ちながら移動する。この
移動に対応して、検出器41はパルス信号をフレキシブル
ケーブル43からプリアンプ42へ出力する。プリアンプ42
では、この信号を増幅し、カウンタを経て制御装置の演
算回路へ送る。

前記スライド板32には、測定子としてのスタイラス17
が保持されている。このスタイラス17は大径の頭部を有
する水平断面円形の棒状体であり、当該スタイラス17は
頭部がソロバン玉形状を有する棒状態で、スリーブ45に
収容されるとともに、該スライド板32に固定されたスリ
ーブ45の中ですべり軸受によって回転自在でかつ上下方
向に移動自在に軸承され、該ソロバン玉形状頭部と該ス
リーブ45との間の棒状態の直線状の外表面に測定面を有
している。スタイラス17は前記定荷重ばね35の作用によ
り、デモ用レンズ１の外周部に接触し、回転台18の回転
によりデモ用レンズ１の外周部に沿って転動する。

その際、スタイラス17はデモ用レンズ１の形状に対応
して半径方向に移動する。基準点からのこの半径方向の
移動量、すなわちＲ方向の移動量ｒは、前述のようにス
リーブ45とスライド板32を介してリニアエンコーダ39に
よって測定される。

次に、上記構造のレンズ等の形状測定装置の作動につ
いて説明する。

デモ用レンズ１を上側ホルダー２の吸盤４に吸着し、
下側から、ばね13によって付勢された下側ホルダー３を
押しつけて、デモ用レンズ１を保持する。次に、スタイ
ラス17をデモ用レンズ１の外周部に接触させる。図示し
ていない測定開始スイッチをオンにすると、制御装置の
マイクロコンピュータの指示によりモータ22が回転し、
タイミングベルト20で連結された回転台18がΘ方向に回
転し、スタイラス17はデモ用レンズ１の外周部に接触し
ながら転動する（第６図参照）。このとき、上側ホルダ
ー２はデモ用レンズ１が回転運動しないように当該デモ
用レンズ１をその上方から保持し、下側ホルダー３はデ
モ用レンズ１が回転運動しないように当該デモ用レンズ
１をその下方から保持するが、下側ホルダー３を支持し
ている支持棒10は下側ホルダー３に対して相対的に回転
自在であるので、回転台18の回転駆動は妨げられない。
基準点からのスライラス17の回転角度（θ）は、ロータ
リーエンコーダ25によって回転台18の回転角度として検
出される。スタイラス17の半径方向の変位ｒは前述のよ
うに、リニアエンコーダ39によってスライド板32のＲ方
向の移動量として検出される。これらのデータ（θ,r）
は、図示していない演算回路に入力され、デモ用レンズ
１の形状が求められる。

上記実施例の場合、上側ホルダー２を交換することに
より、平板状の型板、加工中または加工済の眼鏡レン
ズ、その他の光学レンズの形状を測定することができ
る。

前記測定時の基準点は任意に定めることができる。

〔発明の効果〕

以上のように、発明によるレンズ等の形状測定装置に
よれば、曲率の大きいレンズ凹面側が下となって保持さ
れ、安定的な保持が可能となり、更に、増大するレンズ
端面の厚みに対しては大径の頭部と棒状体の測定子の直
線状の外表面との間で当接面が形成されるので、端面の
厚み変化に対しても簡単に対応することができ、また、
レンズ中心厚が大きくなるレンズでは下側保持部材の弾
性力により厚み調整ができるため同様に安定保持が可能
となる。したがって、眼鏡レンズの処方による曲率変化
差がもたらすレンズ厚、周縁厚に対応可能であり、もっ
てワイヤ構造などの眼鏡フレームに適用されるデモンス
トレーション用レンズの形状を測定することができると
いう優れた効果が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例によるデモ用レンズの形状測
定装置を示す斜視図、第２図は同装置を矢印II方向から
見た図、第３図は下側ホルダー部分の縦断面図、第４図
は下側ホルダー部分の取付板の底面図、第５は測定機構
の斜視図、第６図は測定状態を示す、測定機構の部分平
面図である。 １……デモ用レンズ、２……上側ホルダー、３……下側
ホルダー、４……吸盤、５……アーム、６……スタン
ド、７……ねじ、８……基板、９……軸受、10……支持
棒、11……ストッパー、12……キャップ、13……ばね、
14……取付板、15……被覆板、15a……穴、16……測定
部、17……スライラス、18……回転台、19,21,24……タ
イミングプーリ、20,23……タイミングベルト、22……
モータ、25……ロータリーエンコーダ、26……軸受、2
7,28……側板、29……中央板、30,31……スライドガイ
ドシャフト、32……スライド板、33,34……スライドガ
イドプーリ、35……定荷重ばね、36……ブッシング、37
……軸、38……ブラケット、39……リニアエンコーダ、
40……スケール、41……検出器、42……プリアンプ、43
……フレキシブルケーブル、44……ブラケット、45……
スリーブ、A,R,Θ……矢印、

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−267732（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−12642（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−108610（ＪＰ，Ａ) 実開 昭56−119505（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】基板に軸承され回転駆動可能とされた回転
   台、 レンズの凸面に係合する上側ホルダーを有する上側保持
   部材と、弾性体によって上方に付勢された状態で前記回
   転台の回転中心に位置して立設されている支持棒の上部
   に下側ホルダーが回転自在に取り付けられている下側保
   持部材とによって、眼鏡レンズもしくはデモンストレー
   ションレンズをその凸面を上側にしてほぼ水平状態に保
   ちながら挟持するレンズ保持手段、 大径の頭部を有する水平断面円形の棒状体で、スリーブ
   に収容されるとともに、該スリーブの中ですべり軸受け
   によって回転自在でかつ前記回転台の回転軸と平行な上
   下方向に移動自在に軸承され、前記頭部と前記スリーブ
   との間の棒状体の直線部の外表面に測定面を有する測定
   子、 前記レンズ保持手段によって挟持されているレンズの外
   周部に前記測定子の測定面を当接させ、前記レンズの周
   面に沿って前記測定子を移動させる測定子移動手段、 前記測定子または該測定子を保持する部材の、基準点か
   らの水平方向変異を測定するための手段、および、 前記測定子または該測定子を保持する部材の、基準点か
   らの回転角度を測定するための手段 を備え、 測定時において、前記レンズ保持手段を構成している上
   側保持部材は眼鏡レンズもしくはデモンストレーション
   レンズが回転運動しないように該眼鏡レンズもしくはデ
   モンストレーションレンズをその上方から上側ホルダー
   によって保持し、下側保持部材は眼鏡レンズもしくはデ
   モンストレーションレンズが回転運動しないように該眼
   鏡レンズもしくはデモンストレーションレンズをその下
   方から下側ホルダーによって保持する一方で、前記回転
   台の回転駆動を妨げないように、前記支持棒が前記下側
   ホルダーに対して相対的に回転運動することを特徴とす
   るレンズ等の形状測定装置。