JPH0451378Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は操作パネルの表面に押圧操作用突部を
一体に形成するキートツプシートに関する。

〔従来の技術〕

従来、表面に押圧操作用突部を形成するキート
ツプシートとしては、押圧操作用突部を表面シー
トに嵌着されるものが提供されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記従来のキートツプシートは、人為的に操作
を行う押圧操作用突部を別体に成形されるため、
押圧操作用突部を成形するための金型が必要とな
る。また成形された押圧操作用突部は表面シート
に嵌着する作業が追加され、押圧操作用突部の数
に比例して工数が増えるといつた問題がある。さ
らに押圧操作用突部の嵌着部の精度によつては脱
落するなどの不具合も生ずることから、精度の細
かい加工が必要となる。他方、押圧操作用突部を
含む操作面は任意の意匠をもつて印刷されるもの
で、色違い、文字違い等の各部品それぞれに印刷
されることからさらに工数が増大する。そのため
印刷不良等、歩留り低下の原因が多くなり高価に
なるといつた欠点がある。また成形される押圧操
作用突部は、肉厚が厚くなるばかりか、押圧操作
用突部を嵌着する表面シートも脱落防止のため、
シート厚を厚くせざるを得ない。したがつてキー
トツプシートの押圧操作力が重くなり、良い触感
が得られにくくなるといつた欠点があつた。

本考案はかかる欠点を除去するもので、安価で
操作感覚の良いキートツプシートを提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案では薄いシー
トにエンボス加工を施し、押圧操作用突部と表面
シートを一体に成形し、さらに成形された押圧操
作用突部の裏面に形成される凹部に任意の硬度を
もつ充填材を封着する。すなわち、エンボス加工
により表面１０ａに押圧操作用突部１ａ、裏面１
０ｂに凹部１ｂを形成された薄い表面シート２
と、表面シート２の裏面１０ｂに貼着され、凹部
１ｂに対峙する位置に空気を通ずる貫通孔３を有
する薄い裏面シート４と、裏面シート４と凹部１
ｂとの間で形成される空間部５に封着される充填
材６とより構成したものである。また表面シート
について、任意の意匠をもつて印刷された被印刷
材７を積層された補強シート材８を用いても良い
ものである。

〔作用〕

本考案では薄い表面シート２に押圧操作用突部
１ａをエンボス加工により形成し、押圧操作用突
部１ａの裏面に形成される凹部に充填材６が裏面
シート４との間に封着される。

上記本考案のキートツプシートによれば、押圧
操作用突部１ａを表面シート２と一体に成形さ
れ、押圧操作用突部１ａの操作感覚を任意に調整
できる。

したがつてキートツプシートの製造に、押圧操
作用突部１ａを成形するだけの金型が不要とな
り、あらかじめ印刷を施した表面シート２を用い
ることにより成形後の複雑な印刷を除去できる。
さらに表面シート２の裏面１０ｂに形成された凹
部と、裏面シート４とで形成される空間部５に封
着される充填材６の硬さ等により押圧操作用突部
１ａの押圧した時の操作感覚を変更できるもので
ある。また貫通孔３温度変化、押圧等による外力
変化に応じた空間部５内の空気圧が過大となり、
裏面シート４の貼着がはがれを防止するものであ
る。

〔実施例〕

以下図面に基づき本考案の詳細を説明する。

第１図ａ，ｂは本考案のキートツプシートの外
形説明図である。すなわち押圧操作用突部１ａは
表面シート２の表面１０ａにエンボス加工を施さ
れわずか突出されて形成されている。表面シート
２および裏面シート４は薄いことからこれらを貼
着したキートツプシートは柔軟に構成される。

第２図は本考案キートツプシートの断面図を示
す。表面シート２はグラフイツクカラー印刷等に
よる印刷層９を透明なポリエステルやポリカーボ
ネート等からなる被印刷材７とPET等からなる
補強シート材８の間に配したラミネート材で構成
される。もちろん補強シート材８は片面糊付のも
のが用いられ、印刷層９に貼着される。表面シー
ト２はエンボス加工により表面１０ａに押圧操作
用突部１ａ、反対側の裏面１０ｂに凹部１ｂが形
成される。表面シート２の裏面１０ｂとなる補強
シート材８にはPETフイルム等からなる裏面シ
ート４が粘着される。また表面シート２の凹部１
ｂの位置に対峙される裏面シート４には空気の出
入が行われる貫通孔３が設けられ、気温の変化、
押圧操作用突部１ａの歪等による空間部５内の気
圧上昇、下降を防止するべく調整する。また空間
部５内にはPET、アクリル、シリコンゴム、エ
ポキシ、UV、ゲル等からなる充填材６が封着さ
れており、押圧操作用突部１ａの押圧力を充填材
６を介して裏面シート４に伝える。また充填材６
それぞれの硬度の差は押圧操作用突部１ａの押圧
時、キートツプシートの柔軟性と相まつた操作感
覚を変更することができる。また充填材６につい
ては、凹部１ｂを型にして、液状の材料を充填す
ることにより、特別な成形型を作る必要をなくす
こともできる。

第３図ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅは本考案キートツプ
シートを用いたスイツチ操作機構説明図を示す。

第３図ａ，ｂはシヤフト１４を用いたスイツチ
操作機構で、筐体１１に設けられたシヤフト孔１
３に対応して押圧操作用突部１ａが設けられるよ
うキートツプシートが筐体１１に貼着される。

また、マイクロスイツチ１２は回路基板１５上
でシヤフト孔１３の直下に設けられており、キー
トツプシートとマイクロスイツチ１２の間に筐体
１１とは別体に設けられたシヤフト１４が配設さ
れ、キートツプシートの裏面シート４とマイクロ
スイツチ１２との間に挟持される。そこで押圧操
作用突部１ａを押圧することによりシヤフト１４
を一体に押し下げ、もつてマイクロスイツチ１２
を閉成するものである。筐体１１の縁部に形成さ
れた面取り部１６はキートツプシートの下方押圧
力を柔らげるものである。第３図ｂにおいて、メ
タルドームスイツチ１７および絶縁体２０を除き
同一記号は同一名称部品を用いられており、同様
に操作される。

第３図ｃは従来から用いられているスイツチ操
作用のフレーム２３と平面を同じにするキートツ
プ２１の上面に押圧操作用突部１ａを配するよう
キートツプシートを貼着する例である。ラバース
イツチ１８は押圧操作用突部１ａよりキートツプ
２１を介して作動され閉成される実施例図であ
る。

第３図ｄは筐体１１に一端を固定したヒンジフ
レーム２２を構成し、該ヒンジフレーム２２の直
下にマイクロスイツチ１２を設けた例で、ヒンジ
フレーム２２の上面に押圧操作用突部１ａを配す
るようキートツプシートを貼着している。ここで
キートツプシートの押圧操作用突部１ａを押圧す
ることによりヒンジフレーム２２を下方に回動さ
せマイクロスイツチ１２を押圧閉成する。

第３図ｅはフレーム２３上にメンブレンスイツ
チ１９を貼着し、該メンブレンスイツチ１９の上
面に押圧操作用突部１ａが配されるよう貼着する
例である。

以上のようにして本考案キートツプシートは各
種スイツチの操作をするため操作パネル面上に貼
着するだけで用いられるものである。

〔考案の効果〕

本考案によればインク層９を被印刷材７および
補強シート材８でラミネートした表面シート２に
エンボス加工することにより、１回で印刷作業、
押圧操作用突部１ａを形成することができ、従来
のような押圧操作用突部１ａ製作用の金型が不要
となり、さらに押圧操作用突部１ａの組立作業が
不要となることから、総合的にみてキートツプシ
ートの製造価格を下げることができる。またキー
トツプシートの空間部５に封着する充填材６の種
類を変えることにより、操作感覚の良いキートツ
プシートを製作することができる効果が得られる
ものである。

また、本考案キートツプシートは従来と同様、
各種スイツチの押圧操作として広く利用できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案キートツプシートの外形説明
図、第２図は本考案キートツプシートの断面図、
第３図は本考案キートツプシートを用いたスイツ
チ操作機構説明図である。 １ａ……押圧操作用突部、１ｂ……凹部、２…
…表面シート、３……貫通孔、４……裏面シー
ト、５……空間部、６……充填材、７……被印刷
材、８……補強シート材、９……インク層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エンボス加工により表面に押圧操作用突部、
   裏面に凹部を形成された薄い表面シートと、該
   表面シートの裏面に貼着され前記した凹部に対
   峙する位置に空気を通ずる貫通孔を有する薄い
   裏面シートと、該裏面シートと前記した凹部と
   の間で形成される空間部に封着される充填材と
   より構成されたことを特徴とするキートツプシ
   ート。 (2) 表面シートが、任意の意匠をもつて印刷され
   た被印刷材を積層された補強シート材からなる
   ことを特徴とする第１項記載のキートツプシー
   ト。