JPH0450639B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、商用交流電源の周波数を利用して時
刻を検知し、複数の道路交差点の系統制御等に使
用する交通信号制御装置に関する。

従来の技術 従来、商用交流電流から時刻を検知するタイプ
の交通信号制御装置では、商用交流電源の周波数
に同期してパルス信号を発生するACクロツク発
生回路と、このパルス信号を計数して１秒クロツ
クを発生させている。そして、交通信号制御装置
はあらかじめ設定されたプログラムにより、指定
された交通信号の制御パターンの基準時刻として
上記１秒クロツクを使用して、交通流の制御を行
なつていた。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記従来の交通信号制御装置で
は、電源ラインのノイズ、波形歪、瞬断等により
ACクロツクが電源周波数と同期しなくなるため
に計時のずれが発生していた。この計時のずれ
が、１交差点のみで単独に交通流の制御をしてい
る場合には問題は少ないが、多数の交差点間で互
いに連動しながら、スムーズな交通流を得ようと
する場合には、交差点ごとの累積誤差が無視でき
なくなり、長期的には、連動できなくなりかえつ
て交通流の渋滞を引き起こすという問題点があつ
た。

本発明はこのような従来の問題点を解決するも
のであり、電源ラインのノイズ、波形歪、瞬断等
が発生しても常に電源周波数にACクロツクが同
期して、長期間使用しても多数の交差点間で正確
に連動してスムーズな交通流の得られる優れた交
通信号制御装置を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するために、電源周波
数に同期したクロツクをカウントして所定のカウ
ント値に達した時点で、別に設けた高精度のハー
ド時計の時刻（秒）と比較し、その差が一定範囲
内である場合のみ時刻修正信号を出力して、ハー
ド時計の修正を行い新らためて計時を開始するよ
うにし、カウント値とハード時計の差が一定範囲
を越えた場合には、ハード時計の計時を修正しな
いようにしてハード時計の時刻をマイクロコンピ
ユータで読み取り、自らの時刻とするという構成
を備えたものである。

作 用 従つて、本発明によれば、電源ラインノイズや
波形歪及び電源の瞬断等によつてACクロツク間
隔が変化した場合のみ、精度の高いハード時計に
よる計時を行い、通常はACクロツクが所定のカ
ウント値に達した時点でハード時計を時刻（秒）
修正するため、特に短期間の偶発的な電源ライン
のノイズや波形歪や瞬断時による大幅なカウント
誤りを水晶振動子の誤差（10^-4程度が保証でき
る）内に抑え、かつ長期的には電源周波数に同期
した高精度の計時を行うことができるという効果
を有する。

実施例 第１図は本発明の一実施例による交通信号制御
装置のブロツク図である。

第１図において、１は電源周波数に同期したク
ロツクを作るACクロツク発生部であり、マイク
ロコンピユータ（以下CPUと称する）５の割込
み入力に接続されている。２はハード時計であ
り、水晶振動子３によつて駆動され、電池４によ
り電源が供給されており停電があつても計時でき
るようにしている。ハード時計２はCPU５と接
続され、時刻（秒）修正及びデータの入出力を
CPU５から制御される。

次に上記実施例の動作について説明する。第２
図は本実施例の動作を示すフローチヤートであ
る。

第１図、第２図において、電源周波数、例えば
50Hzに同期してACクロツク発生部１がクロツク
パルスを10ｍＳ毎に出力すると、CPU５が割り
込みとして受け（ステツプ１１）、内部の割込み
カウントをカウントアツプする（ステツプ１２）。
このカウント値が所定の値、例えば１時間単位と
して360000に達した時点（ステツプ１３）で
CPU５がコントロール信号を出力して、ハード
時計２の時刻（秒）を読み取り（ステツプ１４）、
内部のカウント値を秒値に変換した値〔１（時
間）：00（分）：00（秒）〕と比較して、その差が一
定範囲内であれば（例えばＮ時59分55秒〜Ｎ＋１
時00分05秒の±５秒）、（ステツプ１５）CPU５
から時刻修正信号が出力される（ステツプ１６）。
この場合、CPU５がハード時計２の時刻（秒）
を読み取るタイミングを時間又は分単位で行うよ
うにプログラムすることで、ハード２は時計修正
信号を入力した場合、秒をゼロクリアし、分をク
リア前の秒値に応じて桁上げ進める時のみ）する
ことで、時刻修正される（ステツプ１７）。結果
的に電源周波数に同期してハード時計２の計時が
行われたことになり、水晶振動子３の発振周波数
の誤差は積算されなくなる。

ハード時計２の時刻（秒）とCPU５の割込み
カウント値を秒値に変換した値との比較結果、そ
の差が一定範囲を超えた場合には、CPU５は時
刻修正信号を出力しない（ステツプ１８）。これ
は電源周波数の精度から判断される範囲を超えた
割込みカウント値であり、何らかの原因による誤
動作でカウントされたと判断し、短期的には精度
の高い水晶振動子３の発振周波数によりハード時
計２を計時させることになり、ACラインのノイ
ズ、歪、瞬断等による短期的なカウント誤差を除
くことになる。

尚、電源周波数60Hzの場合は割込みカウンタの
カウント値が432000に達した時点が（360000×
1.2）１時間に相当するので、その時点でハード
時計を読むことで同じように対応することができ
る。

このように上記実施例によれば、AC入力ライ
ンのノイズや歪や瞬断等により、ACクロツク発
生部１のクロツク信号が電源周波数と同期しなく
なつた場合、CPU５の内部カウント値を時刻変
換した値（秒値）が水晶振動子によつて駆動され
るハード時計２の時刻（秒）と一定値以上のずれ
を生じるため、この一定値を電源周波数の精度よ
り大きくなることで、短期的な時間精度は水晶振
動子によつて保証し、かつ長期的には電源周波数
の精度によつて時間精度が保証されるという利点
を有する。

発明の効果 本発明は上記実施例により明らかなように、以
下に示す効果を有する。

(1) 電源周波数の長期安定精度に同期し、ライ
ン、ノイズ、波形歪、瞬断等によつて発生する
計時誤差を水晶振動子の周波数精度内に保証す
ることで、相対誤差（複数台数間の時刻ズレに
対して）の少ない時刻をベースとした交通信号
制御を行うことができる。

(2) 電源周波数に同期した計時をベースとしてい
るので、長期間にわたつて、秒単位の相対誤差
（交通信号制御機相互間）が維持できるので、
特に交通信号機の系統動作において効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における交通信号制
御装置のブロツク図、第２図は本実施例の動作を
示すフローチヤートである。 １……ACクロツク発生部、２……ハード時計、
３……水晶振動子、４……電池、５……マイクロ
コンピユータ、６……信号制御部、７……幹線側
信号灯器、８……交差側信号灯器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の道路交差点にそれぞれ交通信号制御機
   を配置して系統制御するものにおいて、電源周波
   数に同期してクロツクを発生するACクロツク発
   生部と、このACクロツク発生部より時刻の誤差
   の少ない水晶振動子により駆動され、時刻修正入
   力を有する停電保証付のハード時計と、上記クロ
   ツクをカウントし、所定カウント値に達する毎に
   上記ハード時計の時刻と上記カウント値を比較し
   て、その差が一定範囲内である場合に、時刻修正
   信号を出力して上記ハード時計の計時の修正を行
   い、その差が一定範囲外の場合には上記ハード時
   計を修正しないようにして上記ハード時計の時刻
   を自らの時刻とする制御手段とを備え、それぞれ
   の上記交通信号制御機相互間の相対誤差を少なく
   せしめたことを特徴とする交通信号制御装置。