JPH0450001B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、サイクリング用靴の靴底に固定され
て、自転車のペダルに装備されている靴固定ある
いは靴保持手段と関連するようにされた取付部材
に関する。

（従来技術の説明） この種の取付部材は従来二つのカテゴリーに分
類される。第１のカテゴリーとしては、自転車の
ペダルを踏むときに靴が長手方向にスリツプしな
いように、トウクリツプを備えたペダル枠の後部
の鋸歯と噛合つて、所謂ペダルフイツトするよう
に交差溝をつけた小さな板形状でなる取付部材が
ある。この種のペダルフイツト装置は例えばフラ
ンス特許第2397319号、及び第1391970 更にフラ
ンス実用証第2438867に記載されている。

第２のカテゴリーにおける取付板は、前記トウ
クリツプを使わない特殊ペダル用に設計されてい
る。この場合、靴はペダルに設けた保持手段だけ
で固定され取付部材とペダルとが噛合う。固定装
置は通常、自転車の停車前にサイクリストが降り
ようとする動作か、走行中の転倒時にサイクリス
トの足が手の助けを借りることなく即座に外れる
ようになつている。この種のタイプの取付部材は
例えばフランス実用証第2485226号（第１７図）、
フランス特許第2315875号及び第1030485号並びに
本特許出願人の出願になるフランス特許願第83−
20185号に例示されている。サイクリング用靴の
取付部材は通常、高レベルの硬さを有する高強度
材や、軽金属（アルミ合金）又は機械的特性を有
する樹脂（例えばアセタール樹脂）から造られ
る。そしてそれらの取付部材は、サイクリング用
靴の底部に（通常ねじやくぎで）しつかりと固定
され、長時間のペダル漕ぎにも靴からペダルへの
力の伝達が効果的に維持できるようになつてい
る。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このタイプの取付部材を備えた
サイクリング靴の不利な点は、この取付部材があ
るために、通常の歩行には不向きだということで
ある。実際取付部材が歩行面と衝合する毎に衝撃
が伝わり、不快な感じを与える。更に、高強度、
高硬度を有する材料は通常摩擦係数が小さいた
め、この取付部材が滑らかな歩行面と接するとき
にはスリツプを生じ、歩行困難となるばかりでな
く危険を伴いさえする。

この通常の歩行ということに関しては、フラン
ス特許第967277号への追加第59316号において、
弾性材（例えば革又はゴム）からなるペダルフイ
ツト装置が提案されているが、これは明らかに歩
行時の音の吸収のためである。ペダルフイツト装
置の溝が痛みを防止するため金属でライニングし
てある。

同じような考えがベルギー特許第495635号にみ
られる。

これらのペダルフイツト装置は通常の歩行を可
能にするが、現在の状況を完全に満足させるもの
とはいえない。というのも現代の自転車競技では
乱暴なペダル操作が要求されるためペダルフイツ
ト装置は変形し易く、ともすると思わぬ事故を招
く結果になり勝ちである。

フランス特許第2403757号では、スリツプしな
いパツドの形で靴の下を被覆するという案を示し
ている。このパツドは選択的に２つの位置をとれ
るようになつており、１つの位置はペダルフイツ
ト装置を被覆し、他の位置ではペダルを踏めるよ
うにその被覆を外したものである。しかしなが
ら、この方法によつても満足し難い、というのも
サイクリストは歩くときにはスリツプしないパツ
ドの位置を被覆の位置に、自転車に乗るときには
それを外さなければならないからである。この操
作は不便であるうえ時間を要するので競技会や特
殊レースなどの場合には役に立たないという問題
がある。

本発明は以上のような、サイクリング靴の取付
部材の欠陥を解決するためになされたもので、ペ
ダルを漕ぐ力が完全に伝達されしかも変形するこ
となく、しかも通常の歩行も容易にできるように
された取付部材を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明に係るサイクリング靴の取付部材は、高
い硬度と高い強度を有する材料から形成され、少
なくとも１個の可撓性及び弾性を備えた材料から
なるパツドを前記取付部材に備えるとともに、取
付部材の下面から下向きに突出させてなるもので
ある。

（作用） この取付部材の高強度部がペダルを漕ぐ力を受
けて、伝達し、通常の歩行時には、靴と歩行面と
の間の接触がパツドにより緩衝される。更に、滑
らかな面に対する該パツドの吸着性が、取付部材
の硬い部分の吸着性より優れているので歩行し易
くなる。

ペダルフイツト装置（靴付属板）内へのパツド
の取付け方は、いかなる方法でもよいが、特に接
着、圧入、弾性的スナツプ嵌入あるいは接着剤併
用のスナツプ嵌入などがある。これらの取付方法
は、パツドが摩耗したときに難し易く、取換えを
可能にする。

パツドは、その底部つまり歩行面との接触面に
摩擦係数を増大するための凹凸をつけることで更
に効果を発揮する。

また、パツドと歩行面との接触面積を増やすた
めに複数のパツドを設けることもできる。

（実施例） 本発明の実施例を添付した図面で示すと、第１
図と第２図に示した取付部材１は、本特許出願の
出願人の出願になる第83−20185に示したものと
同じである。この取付部材１の前端には円形ノー
ズ２を有し、後部面には横方向に凹部３が、弓状
をなす２個の案内端部４ａ，４ｂにと挾まれて設
けられている。

取付部材１の湾曲した上面は、サイクリング靴
の底Ｓの下面に適合され、該部材に形成された貫
通長孔を通してねじで底部Ｓに固定されている。
これらのねじは固定を省略してある。

ノーズ２、凹部３及び弓状の案内端４ａ，４ｂ
は取付部材をペダルに嵌合させ、案内する。これ
らの構成の機能と作用は前記他の出願に記載して
いるが、本願では直接本発明と関連しないので説
明を省略する。

取付部材１には矩形の開口部６が横切つてお
り、その内壁は、低い部分６ａ（底部口）と高い
部分６ｂ（上部口）との二段に形成されている。
底部口は上部口より小さい。

取付部材１にはまた、その厚みが取付部材より
大きく、開口部６の段部に当て嵌る段部を有しか
つ、可撓性と弾性を備える材料からなるパツド７
が設けられる。パツド７は取付部材をサイクリン
グ靴の下部に取付ける前に、開口部６に単に押し
込むことでとりつける。靴の下に取付部材をとり
つけると、パツド７は完全に取付部材に確保さ
れ、端部８が取付部材の底面９より突出する。

取付部材は、軽金属とか、高強度樹脂（例えば
アセタール樹脂やポリエステルエラストマー）と
いつた高硬度、高強度の材料で造られる。

パツド７は弾性に秀れ、摩擦係数の大きい合成
ゴムから造られる。

従つて取付部材の全ての部分がペダルモーシヨ
ンの機械的圧力にされされる。つまりねじ溝５、
円形ノーズ２、凹部３そして弓状の案内部４ａ，
４ｂの全てが高い機械的強度を備えている。

一方サイクリストが歩行するときには、可撓性
で、スリツプしないパツド７の端部８が歩行面と
接触し、快適且つ安全な歩行性を示す。

第２の実施例を示す第３及び第４図において、
取付部材は第１図、第２図のものと同一であるの
で同一記号で示す。円筒形の孔１０は取付部材と
直交して延びており、その内壁には環状にビード
あるいはフランジ１１が備えられている。パツド
１２は円筒状プラグの形でかつ環状溝１３を、丁
度前記ビード１１に嵌合するように設けてある。
そしてこのパツド１２は弾性的スナツプアクシヨ
ンで孔１０に嵌め込まれる。これはパツド（ゴ
ム）が可撓性並びに弾性を有しているからであ
る。組立に際して、環状ビード１１が環状溝１３
に嵌入する。組立が終るとパツド１２の底面が取
付部材の下面から突出する、そして歩行時には先
ずその突出部が歩行面と接する。

この構成の利点は、パツドが取外せ、もしパツ
ドが摩耗したときでもサイクリング靴の底部から
取付部材を予め取外すことなどせずに取換えるこ
とができるという点にある。

第５図及び第６図に示した第３の実施例は、従
来タイプ又は所謂ペダルフイツト装置の取付部材
に関する。この取付部材１４にはサイクリング靴
の底部Ｓに該ペダルフイツト装置を取付けるねじ
（図示しない）を受入れる孔１５を備えている。
これまで説明したきた取付部材１と同じように、
取付部材１４は高硬度、高強度を有している。こ
の取付部材においては、溝１６が通常の自転車ペ
ダルの後部鋸歯端と噛合するように横方向に形成
されている。

この取付部材１４の溝１６の前部と後部には２
つの凹部１７ａと１７ｂがあり、それは矩形をな
しペダルフイツト装置の底面１８側に位置してい
る。そしてこれらの凹部は断面鳩尾（ありざし）
の形状をなしている。可撓性、弾性を有する材料
からなるパツドは矩形ブロツク１９ａ，１９ｂを
形成する。これらのブロツクは断面前記の鳩尾の
形状に適するようになつており、その厚み寸法は
凹部１７の深さ寸法より少し大きくなつている。
小さなブロツク１９ａと１９ｂは弾性によるスナ
ツプアクシヨンで対応する凹部１７ａと１７ｂに
嵌入され、取付部材から外れることがないように
予め接着剤で接着されている。

取付部材の底面１８から下に突出している小さ
なブロツク１９ａ，１９ｂの表面には、サイクリ
ストが歩行するときに歩行面に対してよりよく吸
着するために、横方向に延びるリブ２０が設けて
ある。このリブは他の滑り防止のいかなる形例え
ば細溝又は小さな鋲といつたものにでも置き換え
られることは云う迄もない。

以上の説明で分かるように３つの実施例から導
かれる形状、寸法並びに用いる数の変形からなる
パツドを取付部材に備えることは本発明の技術的
範囲内のことである。また快適な歩行を確保する
のに、パツドと歩行面との間の接触面をどのよう
な大きさにしたらよいかという選択の問題がある
ことも明らかである。しかし、パツドの位置と寸
法はペダルと接触しないよう、また少なくとも取
付部材とペダルとで構成される組立体の通常の作
用に障害とならないように決定しなければならな
い。そしてそのような調整は当業者のよくなし得
る範囲でしかない。

（発明の効果） 本発明は以上説明したように、サイクリング靴
の底部に取付けた高硬度・高強度の材料からなる
サイクリング靴の取付部材に、可撓性、弾性力性
を備えたパツドを前記取付部材の底面より突出す
るように、取付部材に設けた孔又は凹所にスナツ
プ陥入あるいは接着により取換可能にとり付けて
なるものであるから、サイクリストの歩行時に滑
らかな歩行面であつても路面への靴の吸着性と、
適度なクツシヨンとが得られ快適な歩行が確保さ
れ、且つパツドが摩耗しても簡単にその取換えが
できるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による取付部材の第１の実施例
の底面図、第２図は第１図の垂直面−に沿つ
た側断面図、第３図は本発明による取付部材の第
２の実施例の底面図、第４図は第３図の垂直面
−に沿つた側断面図、第５図は本発明による取
付部材の第３の実施例の底面図、第６図は第５図
の垂直面−に沿つた側断面図である。 図中、１，１４……取付部材、３，１７ａ，１
７ｂ……凹部、６……開口部、７，１２，１９
ａ，１９ｂ……パツド、１０……孔、Ｓ……底
部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ サイクリング用靴の底部に固定され、自転車
   のペダルに設けた靴の固定又は保持手段と協働す
   る取付部材において、その取付部材が高い硬度と
   強さを持つ材料で造られ、かつその下部面から下
   向きに突出した可撓性及び弾性を有する少なくと
   も１個のパツドを具備してなるサイクリング靴の
   取付部材。 ２ 該パツドが取付用部材に形成された相補の形
   状を有する開口部内に収納されてなる特許請求の
   範囲第１項記載のサイクリング靴の取付部材。 ３ 前記開口部が、前記取付部材の頭部面と底部
   面にともに開口するよう取付部材を貫通してなる
   特許請求の範囲第２項記載のサイクリング靴の取
   付部材。 ４ 前記開口部と前記パツドの側面が段付形状を
   なし、サイクリング靴の底部に取付部材をとり付
   ける以前にその取付部材の中にパツドを納めて、
   取付部材の靴底への取付後はパツドが開口部の段
   部に載つて取付部材から外れないようにしてなる
   特許請求の範囲第３項記載のサイクリング靴の取
   付部材。 ５ 前記開口部とパツドには、パツドが、弾性的
   なスナツプアクシヨンで取付部材に嵌り込むビー
   ドと溝というような保持手段が設けられている特
   許請求の範囲第２項記載のサイクリング靴の取付
   部材。 ６ 前記開口部が単純な凹部で、前記パツドは前
   記凹部の深さ寸法より少し大きい寸法の厚みを有
   する板形状を有する特許請求の範囲第２項記載の
   サイクリング靴の取付部材。 ７ 前記パツドが開口部内に接着されてなる特許
   請求の範囲第１項記載のサイクリング靴の取付部
   材。 ８ 前記パツドの底面に滑り止め用の凹凸が形成
   されている特許請求の範囲第１項記載のサイクリ
   ング靴の取付部材。 ９ 前記パツドが合成ゴムからなる特許請求の範
   囲第１項記載のサイクリング靴の取付部材。 １０ 前記取付部材が複数のパツドを備えてなる
   特許請求の範囲第１項記載のサイクリング靴の取
   付部材。