JPH0448435Y2

JPH0448435Y2 -

Info

Publication number: JPH0448435Y2
Application number: JP15930587U
Authority: JP
Priority date: 1987-10-20
Filing date: 1987-10-20
Publication date: 1992-11-16
Also published as: JPH0163951U

Description

【考案の詳細な説明】［産業上の利用分野］本考案は、空気清浄室の吹出口構造に係り、特
に、天井に長手方向に吹出面積を拡大した吹出口
から清浄空気を均一に吹き出すのに好適な空気清
浄室の吹出口構造に関するものである。

［従来の技術］近年、高精度の生産技術を扱うクリーンルーム
など、空気清浄室の需要が拡大している。

空気清浄室は、室内の一部、主として天井部か
ら清浄空気を吹き出し、床部または室内の一部か
ら空気を室外に戻すようになつており、室外の空
気清浄化装置、送風機、空気循環路等の設備を用
いて、清浄空気の循環をはかるものである。

第３図は、従来の空気清浄室に適用された吹出
部を示し、ａは吹出面積の小さい吹出部の略示斜
視図、ｂは吹出面積の大きい吹出部の略示斜視
図、第４図は、従来の空気清浄室内の吹出空気流
を示す略示説明図で、ａは正面図、ｂは側面図、
第５図は、本考案の空気清浄室内の吹出空気流を
示す略示説明図で、ａは正面図、ｂは側面図であ
る。

第３図ａに示す従来の吹出部３は、２点鎖線で
示す形状の開口部２に近似した形状のものであつ
た。ここで開口部２とは、天井チヤンバに開口
し、吹出部３へ清浄空気を送風する通路である。

空気清浄室が大きくなり、その室内に高清浄を
要する部位がライン化されている場合などは、長
手方向に吹出面積を拡大した吹出口が必要であ
り、第３図ｂに示す吹出部４を天井に設けること
になる。第３図ａ，ｂに示した各吹出部３，４
は、図では一部の穴しか示していないが、全面に
開口を有するパンチング板すなわち多孔板で形成
されている。

このような多孔板を用いて、第４図に示すよう
に、空気清浄室１の天井に、部屋幅にわたつて吹
出部４を設けると、開口部２が中央部にあるもの
として、開口部２の通過風速が大きいため、大き
な抵抗を全面につけないかぎり、吹出空気は中央
部に集まり、実線矢印に示す如き気流状態とな
る。

［考案が解決しようとする問題点］上記にように、長手方向に吹出面積を拡大した
吹出口、特に例えば空気洗浄室の天井に、部屋幅
全長に対し長スパンの吹出部を設けた場合、第４
図に示すように吹出空気流は室内に均一となら
ず、高清浄を要する部位全体を均等に清浄化する
ことが難かしいという問題があつた。

本考案では、吹出部の内部（背後）に気流の案
内用抵抗部材を設置し、第５図に実線矢印で示す
ように吹出面からほぼ垂直に均一に吹き出す気流
を得ようとするものである。

すなわち、本考案は、上記従来技術の問題点を
解決するためになされたもので、空気清浄室の吹
出口の吹出面積を拡大し、室内に均一に清浄空気
を吹き出しうる空気清浄室の吹出口構造の提供
を、その目的とするものである。

［問題点を解決するための手段］上記目的を達成するために、本考案に係る空気
清浄室の吹出口構造は、清浄化すべき室内の天井
に、長手方向に吹出面積を拡大した吹出口を備え
る空気清浄室の吹出口構造であつて、上記吹出口
を構成する多孔板よりなる長スパンの吹出部の背
後で、かつ、吹出部へ清浄空気を送風する開口部
の直下に、開口部用案内板を設け、前記長スパン
の吹出部背面の幅方向に、前記開口部から側方へ
向う吹出空気を吹出部へ案内する吹出部用案内板
を複数個配列し、これらの案内板をいずれも多孔
板で形成したものである。

なお付記すると、本考案の基本原理は、吹出部
内部（背後）に設ける気流の案内用抵抗部材（案
内板）に、適当な開口率の多孔板を使用し、気流
を完全に遮断せず、一部が通過できるようにした
ことにある。

［作用］室外の空気清浄化装置から送風される清浄空気
は開口部から吹出部背後に吹き込む。空気は、開
口部用案内板によつて開口部直下以外のところへ
空気を分配するとともに、開口部用案内板の多孔
板によつて直下にも一部の空気が通過する。直下
以外へ案内された空気流は、吹出部背面に配列さ
れた複数個の吹出部用案内板によつて側壁へ向う
気流を吹出部から下方へ吹き出すように案内され
る。

このようにして第５図に示すように、室内に均
一に垂直に吹き出す清浄空気流を得ることができ
る。

［実施例］以下、本発明の一実施例を第１，２図および第
５図を参照して説明する。

第１図は、本発明の一実施例に係る空気清浄室
の吹出口構造を示す略示構成図、第２図は、その
吹出部、案内板を示す斜視図で、中央から半分を
示している。なお、吹出部および案内板は、いず
れも全面多孔板であるが、図が煩雑となるので一
部の開口のみ示した。また、第２図に２点鎖線で
示した部分は開口部２の位置を示したものであ
る。

第１，２図において、１は、清浄化すべきクリ
ーンルームで、以下空気清浄室という。２は、天
井チヤンバ部に設けた開口部で、この開口部２か
ら吹出口へ清浄空気が送り込まれる。５は、空気
清浄室１の天井に、部屋幅全長にわたつて設けた
長スパンの吹出部で、この吹出部５は、パンチン
グプレイトすなわち多孔板で形成されている。そ
して、この吹出部５は、吹出面を下面にして幅方
向の両側に曲げて舟状に形成されている。また、
多孔板の材質は、室内環境あるいは建築条件に合
わせて、アスベスト、木、金属、プラスチツク等
いずれの材質を採用してもよい。

６は、開口部２の直下で、かつ吹出部５の背後
に設けられる開口部用案内板で、この開口部用案
内板６も前記吹出部５と同様の多孔板である。

７は、吹出部５の内部（吹出面の背面）に、長
スパンの吹出部５の幅方向に複数個配列した吹出
部用案内板であり、これら複数個の吹出部用案内
板７−１，７−２等は、すべて前記吹出部５と同
様の多孔板で形成されている。そして、吹出部用
案内板７（７−１，７−２……の総称）は、その
複数の配列位置が開口部２直下から遠ざかるに従
つて、当該吹出部案内板７−１，７−２の高さを
遂次高くするように形成されている。すなわち、
第１図に示すように、開口部２の端部直下の吹出
部５上にＡ点をとり、側壁部にＢ点をとり、点
Ａ，Ｂを結ぶ２点鎖線上に、吹出部用案内板７−
１の上点Ｃ、同案内板７−２の上点Ｄが位置する
ように構成されている。

開口部用案内板６、吹出部用案内板７は、吹出
部５から第５図に実線矢印で示すように垂直方向
に均一な空気流を吹き出すように風量を調製す
る。したがつて、第１図に示す開口部２の幅Ls
と、空気清浄室１の部屋幅L_Rとに応じて、開口
部用案内板６の幅l₀も調整されるものである。

本実施例では、Ls＝1300mm、L_R＝5400mmで、l₀
＝1000mmが最適であつた。

このような空気清浄室の吹出口構造による作
用、効果を説明する。

図示しない室外の空気清浄化装置から送風され
る清浄空気は、開口部２から吹出部５の背後に吹
き込む。吹き込んだ空気は、開口部用案内板６に
よつて開口部２の直下以外のところへ空気を分配
するとともに、開口部用案内板６の多孔板によつ
て、開口部２の直下にも一部の空気が通過する。
直下以外へ案内された空気流は、吹出部５の背面
に配列された複数個の吹出用案内板７−１，７−
２によつて、空気清浄室１の側壁方向へ向う気流
が、それぞれ高さの違う案内板によつて各位置で
案内されて、吹出部５の多孔板を介して下方へ吹
き出される。

このようにして、第５図に実線矢印で示すよう
に、室内に均一に垂直方向に吹き出す清浄空気流
を得ることができる。

したがつて、本実施例によれば次の効果があ
る。

１清浄な導入空気を、室内の広い面積で活用す
ることができる。

２室内全体を下降気流に近い状態にすることが
できる。

１），２）によつて、室内の高清浄を要する
部位全体を均等に清浄化することができる。

３吹出面積を拡大しているので、吹出風速を小
さくでき、風速による人体への冷風感を低減で
きる。

このほか、各案内板に多孔板を使用しているの
で、案内板における気流が向う裏側に負圧が発生
しなくなり、このため、室内の汚染空気を吹出口
内部に吸引する恐れがないという効果もある。

なお、第１，２図では、吹出口用案内板は、中
央部から対称的に７−１，７−２の２個づつ配列
した例を示したが、本考案はこれに限るものでは
なく、吹出部のスパン長に応じて適宜増減して複
数個配列すればよいことは言うまでもない。

また、前述の実施例では、第４図に示すよう
に、空気清浄室の部屋幅全長に吹出部４を設けた
例を説明したが、室内作業環境の如何によつて
は、部屋幅全長に設ける必要はなく、必要な長さ
だけ長手方向に吹出面積を拡大した吹出部とすれ
ばよいことも当然である。

［考案の効果］以上述べたように、本考案によれば、空気清浄
室の吹出口の吹出面積を拡大し、室内に均一に清
浄空気を吹き出しうる空気清浄室の吹出口構造を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例に係る空気清浄室
の吹出口構造を示す略示構成図、第２図は、その
吹出部、案内板を示す斜視図、第３図は、従来の
空気清浄室に適用された吹出部を示し、ａは吹出
面積の小さい吹出部の略示斜視図、ｂは吹出面積
の大きい吹出部の略示斜視図、第４図は、従来の
空気清浄室の吹出空気流を示す略示説明図で、ａ
は正面図、ｂは側面図、第５図は、本発明の空気
清浄室の吹出空気流を示す略示説明図で、ａは正
面図、ｂは側面図である。１……空気清浄室、２……開口部、５……吹出
部、６……開口部用案内板、７，７−１，７−２
……吹出部用案内板。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１清浄化すべき室内の天井に、長手方向に吹出
面積を拡大した吹出口を備える空気清浄室の吹
出口構造であつて、上記吹出口を構成する多孔
板よりなる長スパンの吹出部の背後で、かつ、
吹出部へ清浄空気を送風する開口部の直下に、
開口部用案内板を設け、前記長スパンの吹出部
背面の幅方向に、前記開口部から側方へ向う吹
出空気を吹出部へ案内する吹出部用案内板を複
数個配列し、これらの案内板をいずれも多孔板
で形成したことを特徴とする空気清浄室の吹出
口構造。２実用新案登録請求の範囲第１項記載のものに
おいて、吹出口用案内板は、その複数の配列位
置が開口部直下から遠ざかるに従つて、当該吹
出口用案内板の高さを逐次高くするように形成
したことを特徴とする空気清浄室の吹出口構
造。