JPH044673Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、調理用油の油こし器に関するもので
あり、容器の中に収容した使用済油を注油する際
に、油の中に含まれる不純物を容器内に塞ぎ止め
る油こし器に関する。

〔従来の技術〕

調理用油を揚げ物などに使用すると、被調理物
や天ぷらの衣などから油の底に沈澱する不純物が
生じ、油の再使用の妨げとなるので、再使用の際
に不純物を除去して使用しなければならない。

此の不純物を除去する油こし器としては、実開
昭53−13967号公報或いは実開昭57−155749号公
報に記載の技術などがある。

前者は第４図及び第５図に示すように、油注ぎ
器本体１は底壁２の周縁部より周壁３が立設さ
れ、周壁３の上端部には油を入れる開口４が形成
される。

周壁３の一側には把手５が設けられ、周壁３の
他側には上部に注油口６が設けられ周壁３の内壁
面に塞止め部材７が設けられる。

塞止め部材７は先端が底壁２に向かう方向に傾
斜している。

第４図に示すように、油注ぎ器本体１に収容さ
れた油８の中には調理中に生じた不純物９が含ま
れ、比重の重い不純物９は底壁２上に沈澱する。

油８を再使用するため、第５図に示すように、
油注ぎ器本体１を傾けて油８を注油口６より他の
調理器に注ぐと、比重の重い不純物９が塞止め部
材７に塞止められる。

後者は第６図に示すように、容器１０は周壁３
の上端部が開口され、周壁３の一側部に把手５が
設けられる。

周壁３の他側には、第６図のＸ矢視図である第
７図に示すように、外側に凸となる樋状部１１が
形成される。

一方、周壁３に着脱自在に嵌着される油こし皿
１２は底壁１３に開口部１４が設けられ、底壁１
３上に金網１５が着脱自在に嵌着され、底壁１３
の周縁に立設された側壁１６には樋状部１１の相
対する位置に内側に凸となる樋状部１７が形成さ
れ、樋状部１１と樋状部１７との間に注油路１８
が構成される。

調理済の油を油こし皿１２に注ぐと、油中に含
まれた不純物は金網１５に濾過され、不純物を除
去された油が容器１０内に収容され、再使用時に
は注油路１７より調理器に供給される。

しかしながら、以上のような油こしきには次の
ような欠点があつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

第４図及び第５図に示す油こし器は、油注ぎ器
本体１を洗滌するときに、塞止め部材７が洗滌の
妨げとなり、塞止め部材７の裏面及びその周辺の
周壁３の完全洗滌が困難である。

又、第６図及び第７図に示す油こし器は、金網
１５の目が粗いと微細な不純物が濾過されないで
油に混入したまま容器１０内に溜り、そのまま再
使用される欠点を生じ、金網１５の目が微細な場
合には目つまりを起し易い欠点がある。

油こし皿１２上に溜つた不純物は、容器１０を
傾けて油を調理器に注ぐときに、側壁１６上を転
動して調理器内に混入する虞れがある。

本考案は、かかる欠点を解決するためになされ
たものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の要旨は、油を調理器に注ぐとき不純物
の混入を確実に防止し、しかも、容器の洗滌が容
易な構造としたことにあり、油こしきの構成は、
底壁の周縁に側壁を周設し、該側壁の一側の上部
に注油口を設け、上記底壁の上記注油口の反対側
に油こし部を設けた中仕切皿と、上部に開口を有
し、該開口より挿入された上記中仕切皿の外周面
が密接して嵌着される周壁を有する容器とから成
り、上記中仕切皿の底壁が、上記容器を傾けて内
部の油を注油するときに油の不純物の塞ぎ止め部
材となることを特徴とするものである。

〔作用〕

（使用済の油の収容） 容器から中仕切皿を取り除いて使用済の油を収
容すると、油中に混入した不純物は油より比重が
大であるため容器の底壁上に沈澱する。

（注油） 中仕切皿を嵌着した容器を傾けて注油口より調
理器に油を注ぎ込むと、容器と共に中仕切皿が傾
斜して油こし部の位置が高くなり、不純物は中仕
切皿に塞止められて油のみ油こし部に濾過されな
がら調理器に注ぎ込まれる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面を参照して説明する。

なお、従来例と同一部品には同一符号を付す。

第１図の縦断面図において、容器１９は周壁３
の上端に開口４を有し、周壁３の一側に把手５が
設けられる。

中仕切皿２０は底壁１３の周縁に側壁１６が周
設される。

側壁１６には外方に突出する弾性係止部２１が
設けられ、周壁３の開口４に中仕切皿２０が嵌着
されたときに弾性係止部２１の弾性力により側壁
１６が周壁３に密接するようになつているが、弾
性係止部２１の弾性力は弱く、中仕切皿２０は容
器１９に対して着脱自在である。

側壁１６の把手５の反対側には外方に突出する
樋状の注油口２２が設けられ、底壁１３の注油口
２２の反対側には多数の細孔を有する油こし部２
３が設けられる（第１図及び第２図参照）。

多数の細孔は直接底壁１３に穿設されたもので
もよく、或いは底部１３に設けた開口を金網でカ
バーしたものであつてもよい。

以上のように構成された油こしきの作用につい
て説明する。

（使用済の油の収容） 容器１９から中仕切皿２０を取り外して、容器
１９内に使用済の油８を収容すると、油８中に含
まれた不純物９は容器１９の底に沈澱する。

（注油） 第１図に示すように、中仕切皿２０を嵌着した
容器１９を、第２図に示すように、注油口２２を
下に傾けると中仕切皿２０の傾斜により油こし部
２３が高くなり、油は中仕切皿２０の底部１３に
より流出を遮られる。

容器１９を更に傾けると、上部の油のみが油こ
し部２３を通過して注油口２２より調理器（図示
しない）に注ぎこまれる。

不純物は油よりも比重が大きいため油こし部２
３まで上昇することができず、中仕切皿２０の底
部１３が不純物の塞ぎ止め部材となり、油８の流
れによつて油こし部２３迄移動することがあつて
も油こし部２３によつて流出が阻止される。

かくして、不純物９の流出は二重に阻止され
る。

又、油こし部２３は不純物９に接触する機会は
少く、油こし部２３に目つまりは生じ難い。

（容器の洗滌） 容器１９より中仕切皿２０を取外せば、容器１
９の内部は極めて容易に洗浄される。

〔効果〕

本考案は次の効果を有する。

(1) 油を使用する場合に、不純物の流出が二重に
阻止されるため、油こし器の信頼性が高い。

(2) 油こし部が不純物に接触する機会は少く、油
こし部の目つまりは生じ難い。

(3) 容器の洗滌が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本考案の実施例を示し、第１
図は油こし器の縦断面図、第２図は油こし器の平
面図、第３図は注油状態を示す油こし器の縦断面
図、第４図は従来例における油こし器の縦断面
図、第５図は同上の油こし器の注油状態を示す縦
断面図、第６図は他の従来例における油こし器の
縦断面図、第７図は第６図のＸ矢視図である。 ３……周壁、５……把手、８……油、９……不
純物、１３……底壁、１６……側壁、２０……中
仕切皿、２２……注油口、２３……油こし部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底壁の周縁に側壁を周設し、該側壁の一側の上
   部に注油口を設け、上記底壁の上記注油口の反対
   側に油こし部を設けた中仕切皿と、上部に開口を
   有し、該開口より挿入された上記中仕切皿の外周
   面が密接して嵌着される周壁を有する容器とから
   成り、上記容器を傾けて内部の油を注油するとき
   に上記中仕切皿の底壁が油の不純物の塞ぎ止め部
   材となることを特徴とする油こし器。