JPH0442359B2 - - Google Patents

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JPH0442359B2
JPH0442359B2 JP858586A JP858586A JPH0442359B2 JP H0442359 B2 JPH0442359 B2 JP H0442359B2 JP 858586 A JP858586 A JP 858586A JP 858586 A JP858586 A JP 858586A JP H0442359 B2 JPH0442359 B2 JP H0442359B2
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JP
Japan
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ferrite
single crystal
molded body
iron oxide
ferrite powder
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JP858586A
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JPS62167283A (ja
Inventor
Yoshinari Kozuka
Masato Osanawa
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NGK Insulators Ltd
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NGK Insulators Ltd
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Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP858586A priority Critical patent/JPS62167283A/ja
Publication of JPS62167283A publication Critical patent/JPS62167283A/ja
Publication of JPH0442359B2 publication Critical patent/JPH0442359B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(技術分野) 本発明は単結晶フエライトの製造法に関するも
のであり、更に詳しくは固相反応によつて単結晶
フエライトを有利に製造する方法に関するもので
ある。 (背景技術・解決課題) 従来から、単結晶フエライト体の製造法として
は、原料を溶融点以上の高温で溶融した液相よ
り、単結晶を固化させつつ育成するブリツジマン
法が知られている。而して、このブリツジマン法
を実施するに際しては、効果な設備と原料溶融用
に白金ルツボを用いる必要があり、このために得
られる単結晶フエライト体が高価となる問題があ
つた。しかも、結晶方位の制御が難しいために、
単結晶フエライト体を加工する際に、その利用出
来る部分が少なくなり、歩留りが低下する問題も
あつた。また、このブリツジマン法で作られる単
結晶フエライト体は、その単結晶育成過程が液
相、固相の共存状態での成長であるために組成変
動が惹起され易く、更には、原料の溶融に用いら
れる容器(白金製ルツボ)等から白金粒の如き不
純物が混入して、得られる単結晶の結晶性が一様
でない欠点も内存している。 一方、本願出願人は、先に、特開昭55−162496
号公報や特開昭56−155100号公報等において、単
結晶フエライト部材(母材)と単結晶フエライト
部材(種子)を接触させて加熱することにより、
固相反応によつて、かかる単結晶フエライト部材
のフエライト単結晶を多結晶フエライト部材側に
結晶成長させて育成せしめ、目的とする単結晶フ
エライト体を得る方法(固相反応法)を明らかに
した。この固相反応法によつて得られる単結晶フ
エライト体は組成が均質で、従つて磁気特性が安
定しており、また上記ブリツジマン法で得られる
単結晶体に見られる如き白金粒等の析出物(不純
物)が存在せず、例えば磁気ヘツド用材料として
優れたものである。 しかしながら、このような固相反応による単結
晶フエライトの製造法においては、母多結晶フエ
ライト部材と種子単結晶フエライト部材とをそれ
らの接触面において鏡面研磨仕上げして接触せし
め、加熱するに際し、多結晶フエライト部分の一
部に、不連続粒成長による、種子結晶とは異なる
方位の結晶が発生し易い。このため、本願出願人
は、先に、特開昭60−195097号公報において、収
率よく大きな単結晶フエライトを得るべく、母多
結晶フエライトの背面にダミーコアを接合する方
法や多結晶フエライトを加熱により形成する場合
に表面に生成する表皮膜を利用する方法を提案し
た。しかし、フエライト単結晶をさらに大きく成
長させるには、これらの処置だけでは不充分であ
つた。また、ダミーコアを接合する方法では、母
結晶背面およびダミーコアの接合面を鏡面研磨す
る必要があり、工数がかかる問題点があつた。 (発明の目的) ここにおいて、本発明の主たる目的とするとこ
ろは、前述の如き固相反応法による単結晶化に際
して、フエライト単結晶の成長距離を効果的に長
く為し得て、より大きな単結晶フエライトを有利
に製造することの出来る方法を提供することにあ
る。 また、本発明の他の目的は、工数を少なくし、
低コストな単結晶フエライトの製造法を提供する
ことにある。 (発明の構成〕 そして、かかる目的を達成するために、本発明
は、不連続な結晶粒成長を示し且つ単結晶化され
得る多結晶体を与える第一のフエライト粉体より
なるコア部分と、不連続な結晶粒成長を示さない
か若しくは示しても該第一のフエライト粉体より
フエライト単結晶の成長開始温度の高い多結晶体
を与える第二のフエライト粉体を用いて、前記コ
ア部分を覆うように形成されたシエル部分とから
構成されている所定形状の成形体を成形せしめた
後、該成形体の焼成と共に若しくはその焼成の後
に、該成形体の、少なくとも前記第一のフエライ
ト粉体にて構成されたコア部分を単結晶化するこ
とを特徴とするものである。 なお、上記した本発明に従う単結晶フエライト
材料の製造手法における単結晶化操作は、例え
ば、前記成形体を焼成して得られる複合多結晶フ
エライト体の、少なくとも前記第一のフエライト
粉体にて構成されたコア部分に対して、所定の種
子単結晶フエライトを接触せしめて、熱処理する
ことにより、行なわれる。 また、本発明に従う好ましい実施態様によれ
ば、前記単結晶化操作は、前記成形体の、少なく
とも第一のフエライト粉体にて構成されたコア部
分に対して、所定の単結晶フエライト体(種子)
を接触せしめて熱処理することにより、かかる成
形体の焼成と共に、行なわれることとなる。更
に、前記成形体の成形操作が所定の単結晶フエラ
イト(種子)の存在下において行なわれ、かかる
単結晶フエライト体が少なくとも前記第一のフエ
ライト粉体からなるコア部分に接する状態で埋設
された成形体が形成された後、かかる成形体に対
して熱処理が施されることにより、該成形体の構
成と共に、前記第一のフエライト粉体からなる層
部分の単結晶化が行なわれるようにした手法も、
本発明においては、好適に採用されることとな
る。特に、これら成形体から、その焼成操作に連
続して単結晶化のための熱処理を行なつて、単結
晶フエライト材料を製造する手法は、その工程を
著しく簡便化するものであり、また焼結体である
複合多結晶フエライト体の鏡面加工を施す必要が
ない等の格別の効果を奏するものである。 さらに、本発明に用いられる第一及び第二のフ
エライト粉体から構成される多層構造の成形体と
して、かかる第一のフエライト粉体よりなる板状
若しくはブロツク状のコア部分と、該コア部分の
少なくとも5つの面を覆うように形成された、第
二のフエライト粉体よりなるシエル部分とから構
成された構造の複合成形体を用いることにより、
かかる第一のフエライト粉体よりなるコア部分に
おいて、フエライト単結晶の成長距離を効果的に
長くすることが出来る。 そしてまた、本発明における成形体の多層構造
を形成するための第一及び第二のフエライト粉体
は、好適には、スピネル構造を有する酸化鉄及
び/又はスピネル構造の履歴を有する酸化鉄とス
ピネル構造の履歴のない酸化鉄との混合比の異な
る酸化鉄を出発原料として用いて形成されたもの
である。そして、その場合において、前記第一の
フエライト粉体は、スピネル構造を有する酸化鉄
及び/又はスピネル構造の履歴を有する酸化鉄を
60〜100重量%含有する第一の酸化鉄原料を出発
原料として形成されたものであり、且つ前記第二
のフエライト粉体は、そのようなスピネル構造を
有する酸化鉄及び/またはスピネル構造の履歴を
有する酸化鉄の含有量が少なくとも前記第一の酸
化鉄原料より20重量%少ない第二の酸化鉄原料を
出発原料として形成されたものであることが望ま
しい。 また、本発明の一つの実施態様に従えば、前記
第一及び第二のフエライト粉体として、SiO2
有量の異なるフエライト粉体が用いられることと
なる。そして、この場合において、好適には、該
第一のフエライト粉体のSiO2含有量:x重量%
と前記第二のフエライト粉体のSiO2含有量:y
重量%とが、次式; x≦0.02 、 x+0.004≦y を満足するように調整されることとなる。 (構成の具体的な説明) ところで、かかる本発明において、単結晶フエ
ライト材料の形成に用いられる第一及び第二のフ
エライト粉体は、よく知られているように、酸化
第二鉄(Fe2O3)を主成分として、それが所定の
割合で含まれるフエライト組成を有するものであ
つて、そのような組成を与えるフエライト原料粉
末混合物、例えばMn−Znフエライトにあつては
酸化鉄、酸化マンガン(炭酸マンガン)及び酸化
亜鉛からなる混合物が、出発原料として用いら
れ、それらの原料粉末混合物が常法に従つて仮焼
せしめられた後、粉砕されて用いられることとな
るのである。 そして、本発明にあつては、かかる第一及び第
二のフエライト粉体として、加熱過程で結晶粒成
長現象の異なる多結晶体を与えるフエライト粉体
が組み合わされるのである。より具体的には、第
一のフエライト粉体としては、不連続な結晶粒成
長を示し且つ単結晶化され得る多結晶体を与える
フエライト粉体が用いられ、また第二のフエライ
ト粉体としては、不連続な結晶粒成長を示さな
い、換言すれば連続的な結晶粒成長を示して、熱
処理温度の上昇に対応して結晶粒は漸次大きくな
るが、単結晶化はしない多結晶体を与えるフエラ
イト粉体が用いられたり、或いは不連続な結晶粒
成長しても、前記第一のフエライト粉体よりもフ
エライト単結晶の成長開始温度が高い多結晶体を
与えるフエライト粉体が用いられることとなる。 なお、ここで、不連続な結晶粒成長を示す多結
晶体とは、よく知られているように、加熱温度が
ある特定の温度に到達すると、突発的に一部の結
晶粒子が周りの微細な結晶粒子を合体し、周りの
微細粒子の成長速度より、極めて大きな粒子成長
速度で巨大な結晶粒子に成長するものであつて、
通常、フエライトの主成分の一つである酸化鉄の
原料に、スピネル構造を有する酸化鉄若しくはス
ピネル構造の履歴を有する酸化鉄或いはそれらの
混合物を用いて、有利に形成されるものである。
そして、そのような多結晶体は、それに接するフ
エライト単結晶の存在によつて、該フエライト単
結晶を多結晶体側に成長せしめ、そのフエライト
単結晶を大きく育成せしめることにより、自ら単
結晶化されるものである。 また、第一若しくは第二のフエライト粉体にて
形成される多結晶体におけるフエライト単結晶の
成長開始温度を変化させる方法としては、それら
フエライト粉体を製造する際に使用される出発原
料としての酸化鉄原料を変化させる方法や、フエ
ライト粉体中の不純物含有量を変化させる方法等
がある。 具体的には、フエライト粉体を形成するための
酸化鉄原料として、特開昭56−155100号公報に示
される如き、スピネル構造を有する若しくはスピ
ネル構造の履歴を有する酸化鉄にスピネル構造履
歴を持たない酸化鉄を加えた酸化鉄原料を使用し
た場合において、スピネル構造若しくはその履歴
を有する酸化鉄の混合割合が減少するに従つて、
第1図に示される如く、該フエライト粉体から得
られる多結晶体の不連続粒成長温度が上昇し、従
つて単結晶成長開始温度も上昇するようになるの
である。また、多結晶体の平均粒子径もそれに伴
い大きくなり、そしてスピネル構造若しくはその
履歴を有する酸化鉄量がある一定量より減少する
と、不連続粒成長を起こさない、換言すればその
ような単結晶フエライト体に種子単結晶フエライ
ト体を接触させても、殆んどフエライト単結晶が
成長しなくなるのである。 なお、多結晶フエライト体の加熱温度と、かか
るフエライト体中の粒子の平均粒子径との関係を
示す第1図において、Aは、酸化鉄原料にスピネ
ル構造若しくはその履歴を有する酸化鉄原料を用
いて得られたフエライト粉体から構成される多結
晶フエライト体の場合を示し、またBは、酸化鉄
原料にスピネル構造若しくはその履歴を有するも
のとそのようなスピネル構造若しくはその履歴を
有しないものとを混合した混合酸化鉄原料を用い
て得られたフエライト粉体から構成される多結晶
フエライト体の場合を示し、更にCは、酸化鉄原
料にスピネル構造若しくはその履歴のない酸化鉄
を用いて得られたフエライト粉体から構成される
多結晶フエライト体の場合を示している。 従つて、第一のフエライト粉体と第二のフエラ
イト粉体との製造に際して、こうした酸化鉄の性
質を利用することにより、それら粉体から得られ
る多結晶体の単結晶成長開始温度を変え、また第
二のフエライト粉体から得られる多結晶体の平均
粒子径を変化させることが可能となるのである。 ところで、本発明者等の実験によれば、第一の
フエライト粉体用酸化鉄と第二のフエライト粉体
用酸化鉄におけるスピネル構造若しくはその履歴
を有する酸化鉄の含有割合の差が20%のとき、単
結晶成長開始温度が約20℃異なることが明らかと
なつている。また、フエライト粉体用酸化鉄原料
において、スピネル構造若しくはその履歴を有す
る酸化鉄の含有量が減少すると、かかるフエライ
ト粉体から得られる多結晶体の単結晶成長開始温
度が高くなり、高温で単結晶を育成する必要があ
つて、量産性がおとる。従つて、第一のフエライ
ト粉体用酸化鉄原料にあつては、スピネル構造を
有する酸化鉄若しくはスピネル構造履歴を有する
酸化鉄原料の含有割合は多い方が良く、一般に60
重量%以上、好ましくは80重量%以上とされるこ
ととなる。 また、第二のフエライト粉体を製造するために
用いられる酸化鉄原料としては、前述の如く、ス
ピネル構造若しくはその履歴を有しない酸化鉄原
料、換言すれば不連続な結晶粒成長を示さない多
結晶体を与える酸化鉄原料が用いられる他、スピ
ネル構造若しくはその履歴を有する酸化鉄を含
み、不連続な結晶粒成長を示す多結晶体を与える
酸化鉄原料であつても、その多結晶体が前記した
第一のフエライト粉体からなる多結晶体よりも高
い単結晶成長開始温度を有しておれば、、本発明
において使用することが可能である。なお、その
場合において、第二のフエライト粉体から得られ
る多結晶体の単結晶成長開始温度は、第一のフエ
ライト粉体から得られる多結晶体の単結晶成長開
始温度に対して、より大きな温度差が存在する方
が望ましい。けだし、第一のフエライト粉体から
なる多結晶体の単結晶化に際して、その単結晶成
長開始温度以上の温度に保持される限りにおい
て、フエライト単結晶は成長して、かかる多結晶
体中に延びるが、そのようなフエライト単結晶を
大きく成長させるためには、特開昭57−92599号
公報に示される如く、ゆつくり昇温する必要があ
り、且つ第二のフエライト粉体からなる多結晶体
の単結晶成長開始温度未満の温度で加熱する必要
があるところから、6mm以上単結晶を成長させる
には、その温度差としては少なくとも約20℃とす
ることが望ましい。従つて、第二のフエライト粉
体を製造するため酸化鉄原料にあつては、スピネ
ル構造若しくはその履歴を有する酸化鉄の含有割
合は、第一のフエライト粉体用酸化鉄原料に比べ
て少なくとも20重量%以上少なくすることが望ま
しく、特に30重量%以上少なくすることが望まし
いのである。 さらに、フエライト粉体中のSiO2含有量の程
度によつて、かかるフエライト粉体から得られる
多結晶体の不連続粒成長温度、従つて単結晶成長
開始温度を変化させることも可能であり、第2図
には、その変化の一例が示されている。即ち、第
2図は多結晶フエライト体の加熱温度と平均粒子
径との関係を示すグラフであるが、そこにおいて
Dは、0.005重量%程度のSiO2を含むフエライト
粉体を用いて得られた多結晶フエライト体を加熱
した場合を示しており、またEは、0.010重量%
程度のSiO2を含むフエライト粉体を用いて得ら
れた多結晶フエライト体を加熱した場合を示し、
更にFは、0.025重量%程度のSiO2を含むフエラ
イト粉体を用いて得られた多結晶フエライト体を
加熱した場合を示している。そして、このグラフ
から、フエライト粉体中のSiO2含有量がD→E
→Fと多くなるに従つて不連続粒成長温度が高く
なり、最後には不連続粒成長を示さなくなること
が理解される。 ところで、本発明者等の実験によれば、フエラ
イト粉体中のSiO2含有量が0.005重量%程度多く
なると、単結晶成長開始温度は約25℃高くなるこ
とが明らかとなつている。そして、フエライト粉
体中のSiO2含有量が増すにつれ、かかるフエラ
イト粉体から得られる多結晶体の単結晶成長開始
温度が上昇すると共に、そのような多結晶体の気
孔率が増大し、従つてそのような多結晶体を単結
晶化して得られる多結晶フエライト体の気孔率が
増大するようになるのである。 このため、本発明に使用される第一のフエライ
ト粉体中のSiO2含有量は、0.02重量%以下望まし
くは0.015重量%以下とされることとなる。一方、
第二のフエライト粉体中のSiO2含有量は、第一
のフエライト粉体からなる多結晶体よりも、単結
晶成長開始温度が少なくとも20℃以上高い多結晶
体を形成することが望ましいものであるところか
ら、かかる第一のフエライト粉体のSiO2含有量
よりも0.004重量%以上、好ましくは0.006重量%
以上多いものであることが望ましい。換言すれば
SiO2含有量差によつて、不連続粒成長温度(単
結晶成長開始温度)を変化せしめる場合にあつて
は、下式を満足するように第一及び第二のフエラ
イト粉体が調整されることとなる。 x≦0.02 、 x+0.004≦y 〔但し、x:第一のフエライト粉体中のSiO2
有量(重量%)、 y:第二のフエライト粉体中のSiO2
有量(重量%)〕 そして、本発明にあつては、上記のような第一
第二のフエライト粉体を用いて適当な成形手法、
例えば粉末プレス法或いは泥漿鋳込法等によつて
少なくとも2層構造の成形体が成形されるのであ
る。即ち、第一のフエライト粉体からなる第一層
部分と第二のフエライト粉体からなる第二層部分
とから構成された複合成形体が形成されることと
なるのである。 特に、本発明にあつては、かかる成形体を、第
一のフエライト粉体からなる第一層部分が、第二
のフエライト粉体からなる第二層部分にて取り囲
まれた構造の複合成形体とすることが望ましい。
特に、かかる第一層部分は、板状若しくはブロツ
ク状の六面体のコアとして成形体の中心に配置さ
れ、そしてそのようなコアの6面の内、少なくと
も5面を覆うように構成し、第二層部分がシエル
として形成されることとなる。このように第一の
フエライト粉体からなる第一層部分の表面の大部
分を、第一のフエライト粉体からなる第二層部分
にて取り囲むようにすることにより、かかる第一
層部分の単結晶化が有利に行なわれ得て、大きな
フエライト単結晶を形成することが出来る利点が
生ずる。けだし、第一層部分の表面や角部の活性
が、第二層部分にて被覆されることにより効果的
に低化され得て、単結晶化に際してかかる第一層
部分の表面部に異方位結晶が発生しないからであ
る。 次いで、このような第一のフエライト粉体から
なる第一層部分と第二のフエライト粉体からなる
第二層部分を有する複合成形体には、その焼成操
作と該第一層部分の単結晶化操作が施されること
となるが、それには次の4通りの方法がある。 先ず、第一の方法は、上記の複合成形体を常法
に従つて焼成し、複合多結晶フエライト体を得た
後、この複合多結晶フエライト体の少なくとも第
一層部分(単結晶成長開始温度の低い部分)に対
して、所定の単結晶フエライト体(種子単結晶フ
エライト)を接触せしめて、熱処理することによ
り、少なくともかかる第一層部分の単結晶化を行
なうものである。 また、第二の方法は、前記の複合成形体の少な
くとも第一のフエライト粉体にて構成された第一
層部分に対して、所定の単結晶フエライト体(種
子単結晶)を接触せしめて、熱処理することによ
り、少なくともかかる複合成形体を構成する第一
層部分を単結晶化させる方法である。この方法に
よれば、複合成形体の焼成と単結晶の育成とが連
続したスケジユールで行なわれることとなる。 このように、複合成形体から、その焼成操作と
連続して単結晶化のための熱処理を行なつて、単
結晶フエライト材料を製造する手法は、その工程
を簡便化するものであり、また焼結体である複合
多結晶フエライト体の鏡面加工を施す必要がない
等、格別の効果を奏するものである。 さらに、第三の方法は、上記複合成形体の成形
操作を所定の単結晶フエライト体(種子単結晶)
の存在下において行ない、かかる単結晶フエライ
ト体を、得られる複合成形体の少なくとも第一層
部分に接する状態で該複合成形体中に埋設せし
め、そしてそのような複合成形体を加熱処理し
て、少なくともかかる複合成形体の焼成と共に第
一のフエライト粉体からなる複合成形体の第一層
部分を単結晶化させる方法である。この方法は、
前記した第二の方法の変形であり、該第二の方法
と同様な利点を有する。 なお、上記の三つの方法は、何れも種子単結晶
フエライト体を用いて、それを複合成形体若しく
はそれを焼成して得られる複合多結晶フエライト
体(焼結体)の少なくとも第一層部分に当接せし
めて、かかる種子単結晶フエライト体からフエラ
イト単結晶を該第一層部分側に漸次成長せしめる
ようにしたものであつて、これによつて、かかる
種子単結晶フエライト体と同一の結晶方位を有す
る単結晶フエライト材料を得ることが出来る利点
がある。また、ここで用いられる種子単結晶とし
ての単結晶フエライトは、単結晶化されるべき第
一層部分のフエライト組成と同一若しくは類似の
組成を有するものが用いられ、更にその全体が一
つの単結晶にて形成されたものの他、部分的に単
結晶フエライト部分を有するフエライト材料であ
つても何等差支えない。 また、第一のフエライト粉体と第二のフエライ
ト粉体からなる複合成形体の焼成・単結晶化のた
めの第四の方法としては、上記三つの方法とは異
なり、種子単結晶を使用せずに、複合成形体を加
熱処理せしめ、特開昭57−92591号公報に示され
る如く、第一のフエライト粉体からなる多結晶体
の不連続粒子成長の起こる温度に局部的に加熱す
ることにより、かかる複合成形体の第一層部分に
大多結晶粒子を形成せしめ、その後加熱して、か
かる大多結晶粒子を成長させ、単結晶フエライト
材料を形成せしめる方法である。なお、この方法
にあつては、得られる単結晶フエライト材料にお
ける単結晶フエライト部分の結晶方位を規定する
ことは困難である。 このようにして、本発明に従つて得られる単結
晶フエライト材料は、少なくともその第一のフエ
ライト粉体からなるコア部分においてフエライト
単結晶を有するものであり、またその第二のフエ
ライト粉体からなるシエル部分は、それが単結晶
化され得るものであつて且つその単結晶化条件下
におかれた場合において単結晶化され、全体が一
つの単結晶からなる単結晶フエライト材料となる
のである。一方、上記のように第二のフエライト
粉体からなるシエル部分が単結晶化されない場合
においては、そのシエル部分が単結晶フエライト
部分として存在し、それ故単結晶フエライト部分
と単結晶フエライト部分を有するフエライト材料
が得られることとなるが、そのようなフエライト
材料からは、その大きく成長した単結晶フエライ
ト部分のみが切り出されて、大きな形状の単結晶
フエライト体として用いられることとなる。 (発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明は、加
熱過程で結晶粒成長現象の異なる多結晶体を与え
るフエライト粉体を用いて、少なくとも2層の構
造の複合成形体を形成せしめて、少なくともその
単結晶化され易い第一のフエライト粉体からなる
第一層部分を単結晶化せしめて、目的とする単結
晶フエライト材料を得るものである。 本発明において、第一層部分をコアとし、それ
を取り囲むように形成した第二層部分をシエルと
して有する複合成形体を用いることにより、従来
の方法に比して、フエライト単結晶を大きく成長
させる利点を享受することが出来る。即ち、第一
層部分である多結晶フエライト部分は単結晶を成
長させるための昇温中に多結晶フエライト部分に
不連続粒成長を起こすことがあるが、その核発生
部分は、多結晶フエライト部分の直方体のコーナ
ーあるいは表面部であることが多いところから、
不連続粒成長温度の高い第二層部分で第一層部分
を囲めば、核発生の頻度が少なくなり、それによ
つてフエライト単結晶をより長く成長させること
が可能である。 また、本発明にあつては、異方位結晶の発生防
止のため、母結晶(多結晶フエライト部材)背面
とダミー材の接合面を鏡面研磨するという複雑な
工程を省くことができる等、量産性に富む方法で
ある。 (実施例) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするため
に、本発明の幾つかの実施例を示すが、本発明が
そのような実施例の記載によつて何等制限的に解
釈されるものではないことは、言うまでもないと
ころである。 なお、本発明は、上述した本発明の具体的な説
明並びに以下の実施例の他にも各種の態様におい
て実施され得るものであり、本発明の趣旨を逸脱
しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて実
施され得る種々なる態様のものが、何れも本発明
の範疇に属するものと理解されるべきである。 実施例 1 フエライト粉体の製造に使用する酸化鉄原料を
吟味するため、酸化鉄原料として、スピネル構造
履歴を有する酸化鉄とスピネル構造履歴を持たな
い酸化鉄の割合が第1表に示される如く変化され
た酸化鉄混合原料を用いると共に、他原料として
炭酸マンガン、酸化亜鉛を用い、それらを、その
組成がMnO=31モル%、ZnO=16.5%モル%、
Fe2O3=52.5%となるように均一に混合した後、
空気中において約1000℃の温度で2時間仮焼した
後、粉砕することにより、フエライト粉末を製造
した。 次いで、それぞれのフエライト粉末より35mm×
9mm×9mmの大きさの成形体を成形し、それら
を、それぞれ、平衡酸素分圧下の雰囲気中におい
て1350℃の温度で4時間焼成することにより、多
結晶体をそれぞれ得た。なお、この得られた多結
晶体の平均粒子径は下記第1表に示す通りであつ
た。 さらに、これらの多結晶体より、25mm×5mm×
5mmtの板状の多結晶フエライト部材をそれぞれ
切り出す一方、この多結晶フエライト体と略同一
組成の単結晶フエライト体より25mm×5mm×1mm
の板状の種子単結晶フエライト部材を切り出し
た後、それぞれのフエライト部材の接合面を研磨
し、そして、それらの研磨面間に6NのHNO3
液を付け、重ね合わせて乾燥することにより、接
着せしめ、その後かかる仮接着物を窒素雰囲気中
において、1150℃の温度で30分間加熱した後、5
容量%の酸素を含む窒素雰囲気下において1150℃
の温度から300℃/hrの昇温速度にて1350℃の温
度まで昇温せしめ、さらにその温度から10℃/hr
の昇温速度で最高保持温度まで昇温した。その最
高保持温度を1350〜1440℃の範囲で変化せしめ
て、単結晶成長開始温度との関係を調べたとこ
ろ、下記第1表に示される如くなつた。 即ち、第1表から明らかなように、酸化鉄原料
中におけるスピネル構造履歴を有する酸化鉄の割
合が減少するにつれて、単結晶成長開始温度は上
昇し、それが60%未満になると、単結晶が成長し
ないことがわかつた。
【表】 次に、第二のフエライト粉体を用いて形成した
シエル部分の効果を調べるために、始めに、第一
のフエライト粉体として、第1表のNo.7の粉末を
用い、泥漿鋳込法により40mm×38mm×6.4mmの大
きさとなるように鋳型に流し込むことにより、コ
ア用成形体を成形した後、鋳型から離型し、次い
でかかるコア用成形体の38mm×6.4mmの1面を除
いた他の5面を囲むようにして、かかるコア成形
体の周囲に泥漿鋳込法により第1表のNo.1の粉末
を第二のフエライト粉体用粉末として流し込み、
かかる第二のフエライト粉体用粉末にてシエル部
分を形成せしめて、46mm×42mm×9mmの大きさに
成形した2層成形体を形成せしめ、その後この2
層成形体を鋳型から離型した。そして、それを乾
燥後、2トン/cm2の圧力で静水圧プレスを行なう
ことによつて、第一のフエライト粉体用粉末から
なるブロツク状乃至は板状のコア部分と、その周
囲の5面を取り囲む第二のフエライト粉体用粉末
からなるシエル部分とを有する2層構造の複合成
形体を作製した。同様にして、第一のフエライト
粉体用粉末にNo.7の粉末を使用し、また第二のフ
エライト粉体用粉末としてNo.2〜No.6のものを使
用して、2層構造の複合成形体を作製した。 次いで、これらの得られた複合成形体を平衡酸
素分圧の雰囲気中において1350℃の温度で4時間
焼成することにより、複合多結晶体(フエライト
焼結体)を得た。 かくして得られた複合多結晶フエライトのコア
部分の露出している面を表面層部分より1mm切断
除去加工し、ダイヤモンド砥粒を用いて平滑度:
Rmaxが0.1μmとなるように研磨した。一方、こ
れらの複合多結晶フエライト体と略同一組成の単
結晶フエライト体より30mm×5mm×1mmtの板を
切断し、同様にダイヤモンド砥粒を用いて研磨し
た。 そして、それら研磨された複合多結晶フエライ
ト部材と上記の種子単結晶フエライト部材を用
い、それらの研磨面間に6NのHNO3溶液を1滴
付け、重ね合わせて乾燥することにより、それら
フエライト部材を仮に接着せしめた。 その後、かかる仮接着物を、窒素雰囲気中にお
いて1150℃の温度で30分間加熱した後、5容量%
の酸素を含む窒素雰囲気下において1150℃の温度
から300℃/hrの昇温速度にて1350℃の温度で昇
温せしめ、さらにその温度から10℃/hrの昇温速
度で1440℃の温度まで昇温した後、冷却し、かか
る仮接着物を構成する前記複合多結晶フエライト
部材におけるフエライト単結晶の成長した様子を
調べた。
【表】 その結果、かかる複合多結晶フエライト部材中
のコア部分は、単結晶フエライト部材からの単結
晶の成長長さは第2表に示す通りであり、No.6,
No.5粉末を使用したものは種単結晶からの単結晶
成長長さはそれぞれ8mm、17mmであつたが、No.1
〜No.4粉末を使用したものはすべて単結晶化して
おり、第3図に示される如く、30mm×30mm×5mm
の単結晶となつた。 一方、比較のために、No.7のフエライト粉末を
用い、同様に41mm×9mm×15mmの大きさに成形し
た後、それを焼成して得た多結晶フエライト体の
表面層部分を各1mm切断、除去加工し、30mm×5
mm×10mmの大きさとなるようにし、研磨加工後、
種子単結晶を接着し、単結晶を育成したところ、
第4図の如く、種子単結晶から6mm単結晶が成長
したが、異方位結晶が4mm種単結晶方向に成長し
ており、母多結晶を全部種子単結晶と同じ方位に
することはできなかつた。 以上の結果より、単結晶成長開始温度が少くと
も約20℃であれば、単結晶成長長さが著しく大き
くなることが明らかである。 実施例 2 フエライト粉体中のSiO2含量の影響を吟味す
るため、酸化鉄原料としてスピネル構造履歴を有
する酸化鉄を利用して、これを炭酸マンガン、酸
化亜鉛と混合する際に更に所定量のSiO2を添加
し、実施例1と同様な方法により、第3表に示さ
れる如きSiO2含量の異なる各種のフエライト粉
末を製造した。 次いで、このSiO2含量の異なるフエライト粉
体を用い、35mm×9mm×9mmの大きさの成形体を
成形した後、その成形体を平衡酸素分圧下の雰囲
気中において1350℃の温度で4時間焼成すること
により、それぞれ多結晶体を得た。かくして得ら
れた、それぞれの粉体に対応する多結晶体の平均
粒子径及び気孔率は、第3表に示される通りであ
つた。 さらに、この得られた多結晶体から、それぞ
れ、25mm×5mm×5mmtの板状の多結晶フエライ
ト部材を切り出す一方、その多結晶フエライト体
と略同一組成の単結晶フエライト体より25mm×5
mm×1mmtの板状の種子単結晶フエライト部材を
切り出し、それぞれの接合面を研磨した後、それ
ぞれの研磨面に6NのHNO3溶液を付け、重ね合
わせて、乾燥することにより、仮接着せしめ、そ
の後この仮接着物を、実施例1の加熱スケジユー
ルにおける最高温度を1350〜1440℃の範囲で変化
せしめて、単結晶成長開始温度とフエライト粉体
中のSiO2含有量との関係を調べたところ、下記
第3表の如くなつた。 第3表から明らかなように、フエライト粉体中
のSiO2含有量が増加するにつれて、多結晶フエ
ライト体中におけるフエライト結晶の平均粒子径
は、やや小さくなる傾向があるものの、その気孔
率は増大し、また単結晶成長開始温度が上がり、
そして、SiO2含有量が増大して、0.025重量%に
達すると、最早そのようなSiO2含有量のフエラ
イト粉体から製造された多結晶体は単結晶化せ
ず、多結晶のままであることが判つた。
【表】 以上の結果に基づき、第一のフエライト粉体と
して、かかる第3表のNo.1の粉末を用い、泥漿鋳
込法により40mm×38mm×6.4mmの大きさとなるよ
うに鋳型に流し込むことにより、コア成形体を成
形した後、鋳型から離型し、次いでかかるコア用
成形体の38mm×6.4mmの1面を除いた他の5面を
囲むようにして、かかるコア成形体の周囲に、泥
漿鋳込法により第3表のNo.5の粉末を第二のフエ
ライト粉体用粉末として流し込み、かかる第二の
フエライト粉体用粉末にてシエル部分を形成せし
めて、46mm×42mm×9mmの大きさに成形した2層
成形体を成形せしめ、その後この2層成形体を鋳
型から離型した。そして、それを乾燥後、2ト
ン/cm2の圧力で静水圧プレスを行なうことによつ
て、第一のフエライト粉体用粉末からなるブロツ
ク状乃至は板状のコア部分と、その周囲の5面を
取り囲む第二のフエライト粉体用粉末からなるシ
エル部分を有する2層構造の複合成形体を作製し
た。 次いで、この得られた複合成形体を30mm×5mm
×1mmtの大きさの単結晶フエライト板の上に乗
せ、平衡酸素分圧の雰囲気中において1350℃の温
度で4時間焼成した後、続いて酸素を5容量%含
む窒素雰囲気中において、10℃/hrの昇温速度に
て1440℃の温度まで昇温することによつて、単結
晶成長のための熱処理を施した後、冷却し、かか
る複合成形体における単結晶成長の様子を調べ
た。その結果、複合成形体を構成する第一のフエ
ライト粉体用粉末からなるコア部分は全て単結晶
化しており、31mm×30mm×5mmの大きさの大きな
単結晶フエライト部分を有する単結晶フエライト
を得ることが出来た。 実施例 3 第一のフエライト粉体に第1表のNo.7の粉末を
使用し、また第二のフエライト粉体に同じく第1
表のNo.4の粉末を使用して、矩形形状の複合成形
体を次のようにして成形した。即ち、まず、所定
の鋳型底部に、25mm×3mm×1mmの単結晶フエラ
イトを置き、上記No.7のフエライト粉末を泥漿鋳
込成形法により、40mm×38mm×6.4mmの大きさと
なるように、鋳型に流し込むことによつて、矩形
の板状乃至ブロツク状のコア用成形体を成形し、
それを鋳型から離型した。次いで、上記No.4のフ
エライト粉末を用いて同様な泥漿鋳込成形法によ
り、かかるコア用成形体の5面を囲むようにし
て、該コア用成形体の外周部に流し込み、46mm×
42mm×9mmの大きさの2層構造の成形体を成形
し、その後鋳型から離型して、乾燥せしめた後、
2トン/cm2の圧力で静水圧プレスすることによ
り、種子単結晶を埋設した2層成形体を作製し
た。 次いで、この得られた複合成形体を、平衡酸素
分圧の雰囲気中において1350℃の温度で4時間焼
成した後、続いて酸素を5容量%含む窒素雰囲気
中において、10℃/hrの昇温速度にて1440℃の温
度まで昇温することによつて、単結晶成長のため
の熱処理を施した後、冷却し、かかる複合成形体
における単結晶の成長の様子を調べた。 その結果、複合成形体を構成する第一のフエラ
イト粉体用粉末からなるコア部分は全て単結晶化
していた。また、第二のフエライト粉体用粉末か
らなるシエル部分も一部に異方位結晶の発達があ
つたが、他部分は種子単結晶と同方位の単結晶と
なつていた。なお、複合成形体中に埋め込まれた
種子単結晶フエライト部分に一部クラツクが入つ
ていたため、それを切断除去し、最終的に27mm×
30mm×5mmの単結晶を得た。
【図面の簡単な説明】
第1図はスピネル構造履歴の異なる酸化鉄原料
を用いたフエライト粉末から得られる多結晶フエ
ライト体の加熱温度と平均粒子径との関係を示す
グラフであり、第2図はSiO2含有量の異なるフ
エライト粉末を用いて得られた多結晶フエライト
体の加熱温度と平均粒子径との関係を示すグラフ
である。第3図及び第4図は、それぞれ実施例1
において得られた複合多結晶フエライト部材(本
発明)及び多結晶フエライト部材(比較)を単結
晶化したものにおける単結晶が成長した様子を示
す説明図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 不連続な結晶粒成長を示し且つ単結晶化され
    得る多結晶体を与える第一のフエライト粉体より
    なるコア部分と、不連続な結晶粒成長を示さない
    か若しくは示しても該第一のフエライト粉体より
    フエライト単結晶の成長開始温度の高い多結晶体
    を与える第二のフエライト粉体を用いて、前記コ
    ア部分を覆うように形成されたシエル部分とから
    構成されている成形体を成形せしめた後、該成形
    体の焼成と共に若しくはその焼成の後に、該成形
    体の、少なくとも前記第一のフエライト粉体にて
    構成されたコア部分を単結晶化することを特徴と
    する単結晶フエライトの製造法。 2 前記コア部分が板状若しくはブロツク状であ
    り、該コア部分の少なくとも5面を前記シエル部
    分で覆うように、前記成形体が成形される特許請
    求の範囲第1項記載の製造法。 3 前記単結晶化が、前記成形体の、前記第一の
    フエライト粉体にて構成されたコア部分に対し
    て、所定の種子単結晶フエライト体を接触せしめ
    て、加熱することにより、該成形体の焼成と共に
    行なわれる特許請求の範囲第1項または第2項記
    載の製造法。 4 前記成形体の成形操作が所定の種子単結晶フ
    エライト体の存在下において行なわれ、該種子単
    結晶フエライト体が少なくとも前記第一のフエラ
    イト粉体からなるコア部分に接する状態で埋設さ
    れた成形体が成形された後、かかる成形体に対し
    て熱処理が施されることにより、該成形体の焼成
    と共に、前記第一のフエライト粉体からなるコア
    部分の単結晶化が行なわれる特許請求の範囲第1
    項記載の製造法。 5 前記単結晶化が、前記成形体を焼成して得ら
    れる多結晶フエライト体の、少なくとも前記第一
    のフエライト粉体にて構成されたコア部分に対し
    て、所定の種子単結晶フエライト体を接触せしめ
    て、熱処理することにより、行なわれる特許請求
    の範囲第1項または第2項記載の製造法。 6 前記第一及び第二のフエライト粉体が、スピ
    ネル構造を有する酸化鉄及び/又はスピネル構造
    の履歴を有する酸化鉄とスピネル構造の履歴のな
    い酸化鉄との混合比の異なる酸化鉄原料を出発原
    料として用いて形成されたものである特許請求の
    範囲第1項乃至第5項の何れかに記載の製造法。 7 前記第一のフエライト粉体が、スピネル構造
    を有する酸化鉄及び/又はスピネル構造の履歴を
    有する酸化鉄を60〜100重量%含有する第一の酸
    化鉄原料を出発原料として形成されたものであ
    り、且つ前記第二のフエライト粉体が、スピネル
    構造を有する酸化鉄及び/又はスピネル構造の履
    歴を有する酸化鉄の含有量が少なくとも前記第一
    の酸化鉄原料より20重量%少ない第二の酸化鉄原
    料を出発原料として形成されたものである特許請
    求の範囲第6項記載の製造法。 8 前記第一及び第二のフエライト粉体として、
    SiO2含有量の異なるフエライト粉体が用いられ
    る特許請求の範囲第1項乃至第7項の何れかに記
    載の製造法。 9 前記第一のフエライト粉体のSiO2含有量:
    x重量%と前記第二のフエライト粉体のSiO2
    有量:y重量%とが、次式; x≦0.02 、 x+0.004≦y を満足するように調整した特許請求の範囲第8項
    記載の製造法。
JP858586A 1986-01-17 1986-01-17 単結晶フエライトの製造法 Granted JPS62167283A (ja)

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