JPH0442180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、フユーエルタンクプロテクタの取
付け構造に関し、フユーエルタンク支持ブラケツ
トに、フユーエルタンク固定部に加えてプロテク
タ固定部を別途設けるとともにこのプロテクタ固
定部の剛性を下げることにより、取付け用部品の
削減、スペースの有効利用およびフユーエルタン
クへの保護機能のアツプを同時に図つたものに関
する。

【従来の技術】 フユーエルタンクの下部露出部は、飛び石、あ
るいは路面の直接的な衝突すら保護するため、フ
ユーエルタンクプロテクタで覆われる場合があ
る。 従来、このフユーエルタンクプロテクタの取付
け構造としては、タンク支持用ブラケツトに加え
てプロテクタ支持用ブラケツトを別途設けてこれ
に取付けるか、あるいは実開昭59−11072号公報
に示されているように、タンク支持用ブラケツト
に、タンクのフランジ部とプロテクタとを共締め
状に取付けるという構造が多く採用されている。

【考案が解決しようとする問題点】

しかしながら、前者では、タンク支持用ブラ
ケツトに加えてプロテクタ用ブラケツトが必要と
なり、部品点数、組付け工数および車体の重量増
加を招く、プロテクタ用ブラケツトのためのス
ペースが必要であり、そのため車室スペースが圧
迫される、プロテクタの大きさがタンクの大き
さに比べて必要以上に大きくなる、という問題が
ある。 また、後者では、プロテクタに作用する外力が
直接的にタンクのフランジ部に及ぶため、リイン
ホースなど、タンクのフランジの補強対策が必要
である。 この考案は、以上のような事情のもとで考え出
されたもので、上記の従来例の問題を解決し、部
品点数が削減され、他の補強手段を必要となるこ
となくタンクの保護機能アツプを図ることができ
るプロテクタの取付け構造を提供することをその
課題とする。

【問題を解決するための手段】

上記の問題を解決するため、この考案では、次
の手段を採用している。 すなわち、本考案のフユーエルタンクプロテク
タの取付け構造は、車体構造部材に取付けられた
フユーエルタンク支持用ブラケツトにフユーエル
タンクの外周フランジ部が固定されるフユーエル
タンク固定部を設けるとともに、同一のフユーエ
ルタンク支持用ブラケツトにおいて、上記フユー
エルタンク固定部から離れ、かつ上記フユーエル
タンク固定部が設けられた部位よりも剛性が低め
られて変形を容易化した部位にプロテクタ固定部
を設け、このプロテクタ固定部にフユーエルタン
クの下方を覆うフユーエルタンクプロテクタの端
縁を固定したことを特徴としている。

【作用および効果】

本考案では、同一のブラケツトにフユーエルタ
ンクのフランジおよびプロテクタの端縁が固定さ
れるが、これらはそれぞれ位置的に離れた専用の
固定部に固定される。しかも、プロテクタ固定部
が設けられる部位は、フユーエルタンク固定部が
設けられる部位よりも剛性が低められていて変形
が容易化されているので、かりにプロテクタに強
大な外力が作用しても、これがフユーエルタンク
の固定部に直接的に及ばないばかりか、プロテク
タ固定部の変形により外力が緩衝される。 以上の結果、本考案によれば、プロテクタ支持
専用のブラケツトが不要となるので部品点数の削
減および省スペース化が図れる。また、プロテク
タ固定部をフユーエルタンク固定部と別に設けて
いるので、フユーエルタンクのフランジの補強対
策が不要となり、また、プロテクタ固定部が設け
られる部位の剛性が低められていて、変形が容易
化されていることから、衝撃緩衝効果が得られて
プロテクタの保護機能が向上する。さらに、プロ
テクタ支持ブラケツトを別途設ける場合に比べ、
プロテクタの平面的な大きさをフユーエルタンク
の平面的な大きさと同等の小さなものとすること
ができる。

【実施例の説明】

以下、本考案の実施例を図面を参照して具体的
に説明する。 フユーエルタンク１は、板材を深絞りプレスし
て容器部を形成したフランジ付きの上部材２と下
部材３とを、それぞれのフランジ部４，４，を対
向状に貼り合わせてこの部を溶接することにより
構成される。 また、プロテクタ５は、上記フユーエルタンク
１の下部露出部に対して所定間隔をあけて沿う形
状とされ、その周縁部には、取付け用端縁６が形
成される。 本考案では、上記のように形成されたフユーエ
ルタンク１のフランジ部４，４とプロテクタ６の
端縁６とを、第１図および第２図に示すように同
一のブラケツト７に各別に設けられた固定部９，
１０に取付ける。 すなわち、上記ブラケツト７は、第３図に示す
ように、板材を略Ｕ字状に折り曲げて形成され、
その上端がクロスメンバ１５などの車体構造部材
に溶接固定されるとともに、下部取付け板面８に
は、フユーエルタンク取付け部としてのウエルド
ナツト９と、プロテクタ取付け部としてのウエル
ドナツト１０とが、互いに平面的に離れた位置に
設けられる。また、ブラケツト７の側板７ａ，７
ａの縁は、第２図および第３図に示すように、両
ウエルドナツト９，１０の中間部分まで退避させ
られており、これによりプロテクタ取付け用ウエ
ルドナツト１０が設けられる部位は、フユーエル
タンク取付け用ウエルドナツト９が設けられる部
位より、その剛性が低められており、変形をしや
すくしてある。 そしてフユーエルタンク１のフランジ部４，４
は、これに開けられた透孔１１に下から通した頭
付きボルト１３を上記ウエルドナツト９にねじ込
むことにより、固定される。また、プロテクタ５
の端縁６は、これに開けられた透孔１２に下から
通した頭付きボルト１４を上記ウエルドナツト１
０にねじ込むことにより固定される。 もちろん、この考案の範囲は上述した実施例に
限定されない。たとえば、ブラケツト７における
プロテクタ取付け部の剛性を低めて変形を容易化
するためには、フユーエルタンク取付け用ウエル
ドナツト９が設けられる部位と、プロテクタ取付
け用ウエルドナツト１０が設けられる部位との間
に、ノツチや開口を形成することによる脆弱部を
形成してもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はプロテクタを破断して示す全体正面
図、第２図は要部拡大断面図、第３図はブラケツ
トの平面図である。 １……フユーエルタンク、４……フランジ部、
５……プロテクタ、６……端縁、７……ブラケツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体構造部材に取付けられたフユーエルタンク
   支持用ブラケツトにフユーエルタンクの外周フラ
   ンジ部が固定されるフユーエルタンク固定部を設
   けるとともに、同一のフユーエルタンク支持用ブ
   ラケツトにおいて、上記フユーエルタンク固定部
   から離れ、かつ上記フユーエルタンク固定部が設
   けられた部位よりも剛性が低められて変形を容易
   化した部位にプロテクタ固定部を設け、このプロ
   テクタ固定部にフユーエルタンクの下方を覆うフ
   ユーエルタンクプロテクタの端縁を固定したこと
   を特徴とする、フユーエルタンクプロテクタ取付
   け構造。