JPH0441544B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、多重層構造の蓄積性蛍光体板を励
起光で走査し、この蓄積性蛍光体板に記録されて
いる放射線潜像を読み取る放射線多重層画像読取
装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来の放射線潜像を得る写真法に代わる方法と
して、特開昭56−11395号公報に示されるように
放射線源から出て被写体を透過した放射線を蓄積
性蛍光体板に吸収せしめ、しかる後この蓄積性蛍
光体板をある種のエネルギーで励起して、この蓄
積性蛍光体板が蓄積している放射線エネルギーを
蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出すること
によつて放射線潜像を読み取る装置がある。

このような放射線潜像の読み取りにおいて、撮
影被写体の微妙な動きがあると蓄積性蛍光体板か
ら得られた潜像にズレが生じ、ズレのない画像の
再生が要望されている。また、蓄積性蛍光体板か
ら複数の画像情報が得られれば、診断においては
必要とする画像情報のみを抽出したり、複数の画
像情報を適宜組み合わせて合成し任意の画像の再
生が可能となり、診断の精度の向上が図られる。

このため、例えば特開昭56−11400号公報及び
特開昭59−83486号公報等に開示されるように、
蓄積性蛍光体板を多層構造となして撮影で異なる
放射線潜像を記録し、この放射線潜像を読み取る
ものが提案されている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、このように蓄積性蛍光体板を多層構
造となして撮影で異なる放射線潜像を記録するも
のでは、この放射線潜像を簡単な構造で、しかも
この放射線潜像を連続して読み取る装置が要望さ
れている。

この発明はかかる実情を背景にしてなされたも
ので、蓄積性蛍光体板を多層構造となして撮影で
異なる放射線潜像を記録し、この放射線潜像を簡
単な構造で連続して読み取ることができ、しかも
この装置がコンパクトである放射線多重層画像読
取装置を提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するために、この発明の放射線
多重層画像読取装置は、蓄積性蛍光体板をフイル
タの両側に蛍光体層を有する多層構造となし、こ
の蓄積性蛍光体板を搬送する搬送部と、この搬送
部で搬送される蓄積性蛍光体板の蛍光体層の一方
側に対向して配置され励起光で走査し蛍光体層に
記録された放射線潜像を読み取る読取部と、前記
蓄積性蛍光体板を搬送部に給送する給送部と、前
記放射線潜像を読み取り処理された蓄積性蛍光体
板を回収し反転した蓄積性蛍光体板を給送部へ供
給する回収部とを備えることを特徴としている。

［作用］ この発明では、フイルタの両側に蛍光体層を有
する多層構造の蓄積性蛍光板を給送部から搬送部
へ給送し、この搬送部で搬送される蓄積性蛍光体
板の蛍光体層に記録された放射線潜像を読取部で
読み取り、この放射線潜像を読み取り処理された
蓄積性蛍光体板を回収部で回収し反転した蓄積性
蛍光体板を給送部へ供給し、この反転された蓄積
性蛍光体板を搬送部へ搬送され、反対面の蛍光体
層に記録された放射線潜像を読み取り処理する。

［実施例］ 以下、この発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。

第１図はこの発明の放射線多重層画像読取装置
の一実施例の概略構成を示す正面図、第２図は蓄
積性蛍光体板の断面図、第３図は放射線多重層画
像読取装置の概略ブロツク図である。

第１図において装置本体１内には、蓄積性蛍光
体板９を搬送する搬送部Ａと、この搬送部Ａで搬
送される蓄積性蛍光体板９の蛍光体層の一方側に
対向して配置され励起光で走査し蛍光体層に記録
された放射線潜像を読み取る読取部Ｂと、前記蓄
積性蛍光体板９を搬送部Ａに給送する給送部Ｃ
と、前記放射線潜像を読み取り処理された蓄積性
蛍光体板９を回収し反転した蓄積性蛍光体板９を
給送部Ａへ供給する回収部Ｄとを備えている。

この読取り部Ｂは搬送部Ａで搬送される蓄積性
蛍光体板９の蛍光体層の一方側に対向して配置さ
れており、蓄積性蛍光体板９を反転して搬送部Ａ
で搬送して蛍光体層に記録された放射線潜像を単
一な読取部Ｂで読み取るため、装置のコンパクト
化が可能である。

前記給送部Ｃには撮影済の蓄積性蛍光体板９を
収納したカセツテ６が収納され、このカセツテ６
に収納された蓄積性蛍光体板９が吸盤３で吸着さ
れて取り出される。この吸盤３はカセツテ６内の
撮影済の蓄積性蛍光体板９を吸着し、その先端部
を搬送ローラ４に挿入して吸着状態を解除する。
搬送ローラ４は回転により蓄積性蛍光体板９を搬
送部Ａ方向へ搬送し、センサ５が蓄積性蛍光体板
９の先端部を検知すると、その信号により搬送ロ
ーラ４の回転が停止される。

前記回収部Ｄにはカセツテ６を支持して上下動
するカセツテ支持機構２が備えられ、このカセツ
テ支持機構２はカセツテ蓋開けローラ７と、カセ
ツテ蓋支持リンク８とを有している。カセツテ蓋
開けローラ７は第１図において時計方向に回転す
ると、カセツテ６の蓋６ａの図示しない開放爪に
当り、蓋を開く。そして、カセツテ蓋支持リンク
８がその先端のマグネツト８ａがこの蓋６ａを吸
着して支持し、蓄積性蛍光体板９を取り出せる状
態にする。

カセツテ６は装置本体１の側部に設けられて遮
光蓋１０を開き、カセツテ支持機構２に挿着され
る。カセツテ６はそのサイズに応じて右側基準及
び先端基準としてセツトされる。

このカセツテ６に収納された蓄積性蛍光体板９
は第２図に示すように、中央のフイルタ９ａを挟
み、その両側に蛍光体層９ｂ，９ｃが形成されて
いる。この蓄積性蛍光体板９は１回の撮影で蛍光
体層９ｂ，９ｃに異なる放射線条件の潜像が記録
されるように構成されている。

前記搬送部Ａは第３図に示すように、円筒状の
ドラム１１のドラム軸に駆動ギヤ１２が設けられ
ている。そして、駆動モータ１３からの動力がウ
オームギヤ１４を介して駆動ギヤ１２に伝達さ
れ、ドラム１１を所定の速度で回転する。このド
ラム１１の内部には蓄積性蛍光体板９の先端部を
保持する保持手段Ｅと、後端部を吸着する吸着手
段Ｆが配設されている。

保持手段Ｅのプレートホルダ１５の先端の係止
部はドラム１１の外周に突出しており、蓄積性蛍
光体板９の先端部を狭持する。

前記吸着手段Ｆは複数の吸着部１６を備え、こ
の吸着部１６はドラム１１に開口した窓部に対向
して配設されており、蓄積性蛍光体板９の後端部
を吸着する。

この吸着部１６はドラム１１の軸方向に数列所
定の間隔で形成されており、この吸着部１６と前
記プレートホルダ１５との間隔は蓄積性蛍光体板
の大きさに対応して設けられている。

また、前記読取部Ｂは次のように構成されてい
る。レーザ１７は、CPU１８からの信号により
レーザドライバ１９を介してレーザビームを発生
する光量制御部２０は変調器２１と、ミラー２２
と、光変調制御回路２３とから構成されており、
レーザビームのパワーの一定化が図られる。ガル
バノメータ２４は光偏向器として作用するもの
で、のこぎり波発生回路２５からの信号を増幅器
２６で増幅した信号を受けて作動し、主走査方向
Ｘにレーザビームを走査させる。なお、このガル
バノメータ２４の代りに回転ミラーを用いてもよ
い。

前記ガルバノメータ２４で偏向されたレーザビ
ームは第１図に示すように、ｆ・Θレンズ２７を
通り、ミラー２８で反射し、シリンドルカルレン
ズ２９を経て、ドラム１１に密着した蓄積性蛍光
体板９に照射される。このため、蓄積性蛍光体板
９の蛍光体層９ｂから蛍光が生じる。

この蛍光は光フアイバーをシート状に束ねる等
の方法で構成された導光器３０の端面に入射後、
他方の端面から出てフオトマル３１に入力され
る。このアナログ信号はサンプルホールド回路３
２及びＡ−Ｄ変換回路３３でデジタル信号に変換
され、タイミングシーケンサ３４からのタイミン
グ信号を受けてバツフアメモリ３５に画像情報と
して書き込まれる。

前記蓄積性蛍光体板９の他方の蛍光体層９ｃか
ら生じる蛍光も同様に処理して得られるアナログ
信号もバツフアメモリ３５に画像情報として書き
込まれる。

そして、バツフアメモリ３５に書き込まれた画
像情報はタイミングシーケンサ３４のタイミング
信号でインターフエース回路３６に出力される。
ここで、CPU１８との間で情報交換を行ない画
像処理し、インターフエース回路３６から外部装
置にインターフエースされる。これにより外部装
置のCRT表示装置等で蓄積性蛍光体板９の蛍光
体層９ｂ，９ｃの一方の画像を再生したり、両画
像を合成して再生したりする。

なお、前記タイミングシーケンサ３４は変調制
御回路２３、のこぎり波発生回路２５及びモータ
ドライバー３７と同期している。

前記ドラム１１の外周に沿つてランプハウス３
８が配設されており、蓄積性蛍光体板９が内部に
入り残像の除去が行なわれる。このランプハウス
３８に対してランプの容量に応じてドラム１１
を、その発生速度を可変または揺動し消去ムラが
発生しないように工夫されている。

なお、このランプハウス３８に代え、アパーチ
ヤ型白色蛍光灯からなるユニツトを適数個配設し
てもよい。

装置本体１の上方の側壁にはフアン３９が設け
られ、読取部Ｂまたはランプハウス３８からの発
熱を強制的に装置外部に排出し、換気を促すよう
になつている。

前記消去を完了した蓄積性蛍光体板９は吸盤４
０の操作で、下方に移動されている回収部Ｄのカ
セツテ支持機構２のカセツテ６に回収される。こ
の蓄積性蛍光体板９は反転された状態で回収され
る。

次に、この実施例の作動について説明する。

装置本体１の外方からカセツテ６が給送部Ｃに
セツトされ、この給送部Ｃではカセツテ６が回収
部Ｄのカセツテ支持機構２のへ挿着されており、
このカセツテ６はそのサイズに応じて所定の位置
にセツトされる。そして、カセツテ搬送機構２の
カセツテ蓋開けローラ７を時計方向へ回転し、カ
セツテ６の蓋６ａを開き、蓄積性蛍光体板９を取
り出せる状態にする。

この状態で、給送部Ｃの吸盤３はこの蓄積性蛍
光体板９を吸着してその先端部を搬送ローラ４に
導く、そして吸盤３が蓄積性蛍光体板９から離れ
て搬送ローラ４が回転すると、蓄積性蛍光体板９
がドラム１１の方向に送り出される。そしてセン
サ５が蓄積性蛍光体板９の先端部を検出すると、
搬送ローラ４の回転を停止する。この位置で蓄積
性蛍光体板９の先端部はドラム１１に設けられた
プレートホルダ１５に係止される。駆動モータ１
３の駆動力によりドラム１１は第１図おいて時計
方向へ所定角度回転する。このとき蓄積性蛍光体
板９の後端部が吸着部１６によつて吸引され、蓄
積性蛍光体板９はドラム１１の外周に密着して保
持される。

この蓄積性蛍光体板９のサイズはカセツテ６の
挿入時に予め判別され、これに対応した吸着部１
６が作動する。

そして、蓄積性蛍光体板９がドラム部Ｂの作動
で時計方向へ回転し所定に位置に達すると、レー
ザ１７のレーザビームが前記のように、ドラム１
１に密着した蓄積性蛍光体板９に照射される。こ
のため蓄積性蛍光体板９の蛍光体層９ｂから蛍光
が生じる。この光は導光路３０で集められ電気変
換される。これにより得られた情報は信号処理さ
れ、蓄積性蛍光体板９に蛍光体層９ｂに記録され
ている放射線潜像が処理される。

ついで、蓄積性蛍光体板９はランプハウス３８
に入り、ここで搬送速度を変えたり、矢印方向に
揺動して蛍光体層９ｂの残像の除去が行なわれ
る。そして、残像が除去された蓄積性蛍光体板９
は、ドラム１１をさらに時計方向に回転し、吸盤
４０の位置をプレートホルダ１５が通過すると、
予め設定されている図示しないカム板に当り、ド
ラム１１の回転は一旦停止する。吸盤４０が蓄積
性蛍光体板９の先端部を吸着し、設定タイム経過
後にプレートホルダ１５と吸着部１６を解放す
る。吸盤４０はこの蓄積性蛍光体板９を吸引しな
がら回収ローラ４１に挿入する。

この動作の間に、回収部Ｄのカセツテ支持機構
２が下方に移動して二点鎖線の位置に下降してお
り、このカセツテ６に蓄積性蛍光体板９が回収ロ
ーラ４１により送り込まれる。このため、蓄積性
蛍光体板９は蛍光体層９ｂが下になつて反転した
状態で回収される。この回収が完了すると、カセ
ツテ支持機構２は上昇して上方の設定位置にセツ
トされ、今度は裏面９ｂの読み取りが前記と同様
に行なわれる。このようにして、蓄積性蛍光体板
９の蛍光体層９ｂ，９ｃから異なる条件の放射線
を読み取りが、連続的に読み取り信号処理して記
録される。したがつて、この蓄積性蛍光体板９か
ら複数の画像情報が得られ、診断において必要と
する画像情報のみを抽出したり、複数の画像情報
を組み合せて合成し任意の画像の再生が可能とな
る。

第４図は他の実施例を示したもので、装置本体
１内部の右側の下方に給送部Ｃが配置され、搬送
部Ａの中央に読取部Ｂと消去光源Ｈが配設されて
いる。この搬送部Ａの右側には回収部Ｄが配置さ
れ、カセツテ支持機構２でカセツテ６を上下動可
能にし、その下方には給送部Ｃが配置されてい
る。

給送部Ｃから蓄積性蛍光体板９が搬送部Ａへ給
送され、読み取り処理された蓄積性蛍光体板９は
反転して、回収部Ｄの上方に位置するカセツテ６
に収納される。このカセツテ６がカセツテ支持機
構２で下方へ移動され、給送部Ｃから反転した状
態で再度搬送部Ａへ給送され、蓄積性蛍光体板９
の両側の蛍光体９ｂ，９ｃに記憶された放射線潜
像の読み取りが行なわれる。

［発明の効果］ 前記のように、この発明は、搬送部、読取部、
給送部及び回収部とを備えているため、蓄積性蛍
光体板の両面の蛍光体層に記憶された放射線潜像
を、簡単な構造で、しかも連続して読み取ること
ができる。

また、読取部は搬送部で搬送される蓄積性蛍光
体板の蛍光体層の一方側に対向して配置されてお
り、蓄積性蛍光体板を反転して搬送部で搬送して
蛍光体層に記録された放射線潜像を単一な読取部
で読み取るため、装置のコンパクト化が可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の放射線多重層画像読取装置
の一実施例の概略構成を示す正面図、第２図は蓄
積性蛍光体板の断面図、第３図は放射線多重層画
像読取装置の概略ブロツク図、第４図は他の実施
例を示す正面図である。 Ａ…搬送部、Ｂ…読取部、Ｃ…給送部、Ｄ…回
収部、９…蓄積性蛍光体板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 蓄積性蛍光体板をフイルタの両側に蛍光体層
   を有する多層構造となし、この蓄積性蛍光体板を
   搬送する搬送部と、この搬送部で搬送される蓄積
   性蛍光体板の蛍光体層の一方側に対向して配置さ
   れ励起光で走査し蛍光体層に記録された放射線潜
   像を読み取る読取部と、前記蓄積性蛍光体板を搬
   送部に給送する給送部と、前記放射線潜像を読み
   取り処理された蓄積性蛍光体板を回収し反転した
   蓄積性蛍光体板を給送部へ供給する回収部とを備
   えることを特徴とする放射線多重層画像読取装
   置。