JPH0441529A - 可溶性ポリイミドシロキサン - Google Patents

可溶性ポリイミドシロキサン

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JPH0441529A
JPH0441529A JP2148778A JP14877890A JPH0441529A JP H0441529 A JPH0441529 A JP H0441529A JP 2148778 A JP2148778 A JP 2148778A JP 14877890 A JP14877890 A JP 14877890A JP H0441529 A JPH0441529 A JP H0441529A
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JP
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diamine
diamino
dianhydride
mol
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JP2148778A
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Toshiro Takeda
敏郎 竹田
Naoji Takeda
直滋 竹田
Akira Toko
都甲 明
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐熱性、電気特性、機械特性が良好であり、
成形加工性、保存安定性に優れた有機溶剤可溶性のポリ
イミドシロキサンに関するものである。
[従来の技術] 従来知られている全芳香族ボワイミド樹脂は、耐熱性、
機械特性、電気特性が優れているため、エレクトロニク
ス関連の電気絶縁材料として種々の用途に幅広く用いら
れている。ところが、このような全芳香族ポリイミド樹
脂は、−船釣に有機溶剤に不溶であり、ガラス転移温度
も250°C以上と高いため、成形加工の際にはポリイ
ミド樹脂前駆体であるポリアミック酸の状態で有機溶剤
に溶解し、ワニス化して各種基板に塗布した後、溶剤の
除去とイミド環形成のために加熱処理を施すのが通常の
方法である。ところが、このような従来のポリアミック
酸を溶解し得る有機溶剤はN−メチル−2−ピロリドン
のような極性が高く沸点も比較的高いものに限られるこ
と、さらにこれらの有機溶媒を完全に飛散させ、イミド
化を完結させるためには350°C程度までの高温の加
熱処理が必要であり、必ずしも工業的に有利な方法では
なかった。
またポリアミック酸ワニスは室温に放置されると加水分
解や部分イミド化が徐々に進行して粘度変化をもたらす
ため、4°C以下の冷蔵保存が必要であった。
一方で、これらの欠点を解決するためにこれまでも種々
の試みがなされてきており、イミド閉環した樹脂を比較
的極性が低く沸点も180°C以下のジグライム(ジエ
チレングリコールジメチルエーテル)などの溶剤に可溶
にならしめたものが報告されている(米国特許第458
6997号及び第4670497号)。これらはある種
のジエーテルニ無水物を含むポリイミドシロキサンであ
り、ジグライムに可溶性であり、テトラヒドロフランに
も僅かに溶解する。しかしながら、これらのポリイミド
シロキサンは何れも125〜150°Cの比較的低いガ
ラス転移温度を有するのみで200°C以上の高温での
使用は難しいものであった。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、このような状況に鑑み、耐熱性、機械
特性、電気特性及び他の緒特性を損うことなく、成形加
工性、作業性、保存安定性に優れた樹脂を与える可溶性
ポリイミド、シロキサンを提供するにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、(1)ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物及び/又はその誘導体(A)を35〜95モル%と
、下記式(I)で示されるシロキサン化合物(B)を5
〜65モル%含む酸成分と、(式中、X:  )3−c
o−cK Rよ〜2:二価の、炭素数1〜4の脂肪族基及び/′又
は芳香族基 R3〜6:−価の脂肪族基及び/又は芳香族基に:1−
100の整数) 下記式〔II〕で示されるアルキル基置換芳香族ジアミ
ン(C)を5〜65モル%と、 (R・7〜1o:炭素数1〜4のアルキル基m2〜4二
〇及び/又は1〜4の整数 n、p、q:0及び/又は1〜10の整数)2.6−ジ
アミツー4−トリフルオロメチルピリジン(D)を35
〜95モル%含むアミン成分とよりなる、イミド化率が
80〜100%であることを特徴とする可溶性ポリイミ
ドシロキサン。
(2)シロキサン化合物(B)のYが下記式(III)
で示されることを特徴とする特許請求の範囲(1)記載
の可溶性ポリイミドシロキサン。
(3)アルキル基置換芳香族ジアミン(C)が下記式で
示されることを特徴とする特許請求の範囲(1)及び(
2)記載の可溶性ポリイミドシロキサンである。
[作用] 本発明者らは、充分にイミド化したポリイミドシロキサ
ンがジグライム等の比較的低極性でかつ低沸点の有機溶
剤に溶解してワニス化することが可能で、しかも得られ
た樹脂のガラス転移温度が180°C以上で長期の室温
保存可能な耐熱性樹脂を得るべく、長年にわたって鋭意
検討を重ねてきた結果、特定の芳香族テトラカルボン酸
二無水物及び/又はその誘導体と特定のジアミノシロキ
サンの両端をベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
で封鎖した酸二無水物とを特定のアルキル置換芳香族ジ
アミンと特定のジアミノピリジンを含むジアミン成分と
を反応させて充分にイミド化した溶剤可溶性のポリイミ
ドシロキサンが上記の条件を充分に満たし得るものであ
ることを見出し、本発明を完成させるに至ったものであ
る。
即ち本発明において用いられるテトラカルボン酸二無水
物又はその誘導体としては、3.3′、4.4′ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸二無水物又はその誘導体であ
り、誘導体としては3.3’ 、4.4′−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物と種々のアルコールとの
反応物を用いることができるが、そのアルコールの種類
については特に限定されない。
この成分は、全酸成分のうち35〜95モルであること
が望ましい。35モル%未満の場合、充分にイミド化し
た樹脂の低極性、低沸点溶媒への溶解性が発現されない
ので好ましくなり、95モル%を越えると酸二無水物で
末端封鎖されたシロキサンジアミンの成分が樹脂に酸成
分として5モル%未満導入されるだけなので、同様にジ
グライムなどの低極性、低沸点の溶剤に溶解できなくな
るので好ましくない。
本発明の酸成分のもう一つの必須成分であるジアミノシ
ロキサンを末端封鎖した酸二無水物は、全酸成分中5〜
65モル%が望ましい。5モル%未満であるとジグライ
ムのような低極性、低沸点の溶剤への溶解性が低下する
ので好ましくなく、65モル%を越えると機械強度が低
下するので好ましくない。
さらに本発明の必須の酸成分以外にも、全酸成分中60
モル%未満であれば、他の酸成分を1種類又は2種類以
」二を併用して用いることができるのは言うまでもない
このように用いられる酸成分の例を挙げると、ピロメリ
ット酸二無水物、2.2′、3.3′−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、2,3.3’ 、4′−へ
ンソフェノンテ]・ラカルボン酸二無水物、ナフタレン
−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタ
レン刊、2,5.6−テトラカルボン酸二無水拘、ナフ
タレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、
ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水
物、ナフタレン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二
無水物、4.8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−
ヘキサヒトロナフタレンー1.2.5’、6−テトラカ
ルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5
,6,7−へキサヒドロナフタレン−2,3,6,7−
テトラカルボン酸二無水物、2,6−シクロロナフタレ
ンー1.4,5.8−テトラカルボン酸二無水物、2.
7−シクロロナフタレンー1.4,5.8−テトラカル
ボン酸二無水物、2,3,6.7−チトラクロロナフタ
レンー1.4,5.8−テトラカルボン酸二無水物、1
 、4.5゜8−テトラクロロナフタレン−2,3,6
,7−テトラカルボン酸二無水物、3.3’ 、4.4
′−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2.2’ 
、3.3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2
,3.3’ 、4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無
水物、3.3”、4.4”−p−テルフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、2.2”、3.3″−p−テルフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、2,3.3’’、4”
−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2.2
−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−プロパン二
無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル
)−プロパン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフ
ェニル)エーテルニ無水物、ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)エーテルニ無水物、ビス(2,3−ジカル
ボキシフェニル)メタンニ無水物、ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)メタンニ無水物、ビス(2,3−ジ
カルボキシフェニル)スルホンニ無水物、ビス(3,4
−ジカルボキシフェニル)スルホンニ無水物、1.1−
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタンニ無水物
、1.1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタ
ンニ無水物、ペリレン−2,3,8,9−テトラカルボ
ン酸二無水物、ペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸二無水物、ペリレン−4,5,to、11−テ
トラカルボン酸二無水物、ペリレン−5,6,11,1
2−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレン−1,
2,7,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナンスレ
ン−1,2,6,7−テトラカルボン酸二無水物、フェ
ナンスレン−1,2,9,10−テトラカルボン酸二無
水物、シクロペンタン−1゜2.3.4−テトラカルボ
ン酸二無水物、ピラジン−2,3゜5.6−テトラカル
ボン酸二無水物、ピロリジン−2,3゜4.5−テトラ
カルボン酸二無水物、チオフェン−2,3゜4.5−テ
トラカルボン酸二無水物などがあげられるが、これらに
限定されるものではない。
本発明を実施するにあたって、上記(A)及び(B)を
含む酸成分と反応させるジアミン成分のうち、式(II
 )で示されるアルキル置換芳香族ジアミンを5〜65
モル%、2.6−ジアミツー4−トリフルオロメチルピ
リジンを35〜95モル%含むことが望ましい。
それぞれ5モル%、35モル%未満では酸成分と反応さ
せた接充分にイミド化した場合ジグライム等の比較的低
極性で低沸点の有機溶剤に溶解することが難しくなるの
で好ましくない。
本発明において用いられるアルキル置換芳香族ジアミン
の例を具体的に挙げると、2.4−1−ルエンジアミン
、2,5−ジアミノトルエン、2.6−ジアミノトルエ
ン、3.3′−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニ
ル、4.6−シメチルーI−フェニレンジアミン、2,
5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジア
ミノメシチレン、4,4′−メチレンジ−ロートルイジ
ン、4゜4′〜メチレンジー2,6−キシリジン、4,
4′−メチレン2.6−ジニチルアニリン等があるが、
特にこれらに限定されるものではない。
本発明において用いられる式(II )で示されるアル
キル置換芳香族ジアミン、並びに(D)のジアミノピリ
ジン以外のジアミン化合物も全ジアミン成分中50モル
%を越えない範囲で用いることができる。1種類でも2
種類以上を併用しても差し支えない。例を挙げると、m
−フェニレン−ジアミン、p−フェニレン−ジアミン、
4,4′−ジアミノ−ジフェニルプロパン、3.3′−
ジアミノ−ジフェニルプロパン、4.4′−ジアミノ−
ジフェニルエタン、3.3′−ジアミノ−ジフェニルエ
タン、4,4′−ジアミノ−ジフェニルメタン、3.3
−ジアミノ−ジフェニルメタン、4.4′−ジアミノ−
ジフェニルスルフィド、3,3′−ジアミノ−ジフェニ
ルスルフィド、4,4′−ジアミノ−ジフェニルスルホ
ン、3.3′−ジアミノ−ジフェニルスルホン、4.4
′−ジアミノ−ジフェニルエーテル、3.3′−ジアミ
ノ−ジフェニルエーテル、ベンジジン、3.3′−ジア
ミノ−ビフェニル、3,3′−ジメチル−4,4′−ジ
アミノ−ビフェニル、3.3′−ジメトキシ−ベンジジ
ン、4.4″−ジアミノ−p−テルフェニル、3.3″
ジアミノ−ρ−テルフェニル、ビス(p−アミノ−シク
ロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノづ−ブチル
フェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミ
ノペンチル)ベンゼン、ρ−ビス(2−メチル−4−ア
ミノ−ペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチ
ル−5−アミノ〜ペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミ
ノ−ナフタレン、2,6−ジアミノメシチレン、2,4
−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−
ジアミノ−トルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン
、p−キシレン−2゜5−ジアミン、m−キシリレン−
ジアミン、p−キシリレン−ジアミン、2,6−ジアミ
ノピリジン、2,5−ジアミノ−ピリジン、2,5−ジ
アミノ−1,3,4−オキサジアゾール、■、4−ジア
ミノ−シクロヘキサン、ピペラジン、メチレン−ジアミ
ン、エチレン−ジアミン、プロピレン−ジアミン、2,
2−ジメチル−プロピレン−ジアミン、テトラメチレン
−ジアミン、ペンタメチレン−ジアミン、ヘキサメチレ
ン−ジアミン、2゜5−ジメチル−へキサメチレン−ジ
アミン、3−メトキシ−へキサメチレン−ジアミン、ヘ
プタメチレン−ジアミン、2,5−ジメチル−へブタメ
チレン−ジアミン、3−メチル−ヘプタメチレン−ジア
ミン、4.4−ジメチル−へブタメチレン−ジアミン、
オクタメチレン−ジアミン、ノナメチレン−ジアミン、
5−メチ/l、−ノナメチレン−ジアミン、2,5−ジ
メチル−ノナメチレン−ジアミン、デカメチレン−ジア
ミン、1.10−ジアミノ−1,10−ジメチル−デカ
ン、2,11−ジアミノ−ドデカン、1,12−ジアミ
ノ−オクタデカン、2,12ジアミノ−オクタデカン、
2,17−ジアミノシロキサンなどがあげられるが、こ
れらに限定されるものではない。
本発明の可溶性ポリイミドシロキサンのイミド化率は8
0%以上であることが望ましい。ポリイミド前駆体であ
るポリアミック酸、ポリアミック酸エステル及びその他
の誘導体においてはイミド環を形成する際に水、アルコ
ール等が副生されるが、これらの揮散成分が最終成形加
工品においてボイド、ピンホールの原因となったり、ア
ミド結合を開裂させ分子量低下の原因となるので好まし
くない。従って80%以上イミド化されているポリイミ
ドシロキサンであれば上述したような影響が少なく良好
な最終成形加工品が得られる。さらにポリイミド前駆体
はワニス□状態で経時変化、特に吸湿低分子量化による
粘度低下が起こり易く、これを防ぐために室温以下、特
に5°C以下で保管されるのが一般的であるが、80%
以上イミド化されたポリイミドシロキサンではこのよう
なことが殆ど起こらないので室温で保存できるというメ
リットを有している。
本発明において用いられるポリイミドシロキサンを溶解
する有機溶剤は特に限定されるものではないが、均一溶
解可能なものならば1種類或いは2種類以上を併用した
混合溶媒であっても差し支えない。この種の溶媒として
代表的なものは、N。
N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトア
ミド、N、N−ジエチルホルムアミド、N、N−ジエチ
ルアセトアミド、N、N−ジメチルメトキシアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフオスホアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジン、ジメチル
スルホン、テトラメチルスルホン、ジメチルテトラメチ
レンスルホン、γ−ブチロラクトン、ジグライム、テト
ラヒドロフラン、塩化メチレン、ジオキサン、シクロヘ
キサノン等があり、均一に溶解できる範囲で貧溶媒を揮
散調節剤、皮膜平滑剤などとして使用することもできる
上述した各必須成分を組合せることにより得た本発明の
ポリイミドシロキサンは、ジグライム等の比較的低極性
でかつ低沸点の有機溶剤に溶解してワニス化することが
可能で、しかも得られた樹脂のガラス転移温度が180
°C以上で長期の室温保存可能な耐熱性樹脂である。特
にガラス転移温度を低下させずに低極性溶媒に溶解させ
るためには、シロキサン成分をできるだけ必要最小限に
抑えることが重要であるが、このためにはできるだけシ
ロキサン成分を均一に樹脂中に導入する必要があった。
このために本発明者らは、ジアミノシロキサンを予め過
剰の酸二無水物と反応させ、末端を封鎖した式CI)で
示される化合物を酸成分の一部として用いると均一にシ
ロキサン成分を導入できることを見出した。式(1)の
化合物を得る反応と、ボリアミツ))′酸を得る反応は
、連続して行うことが可能である。さらには式〔11〕
で示されるアルキル置換芳香族ジアミン及び(D)のジ
アミノピリジンをジアミン成分の一部に用いるとより効
果的に低極性溶媒に溶解可能なポリイミドシロキサンが
得られ、このことによりさらに必要なシロキサン成分の
量を減らすことができ、結果的にガラス転移温度の高い
溶剤可溶性のポリイミドシロキサンを得ることができた
ものである。
本発明が用いられる用途を具体的に挙げると、先ず各種
電子機材の表面を保護するコート用塗膜として、またそ
の上に多層配線を行う耐熱絶縁膜として用いられる。
例えば半導体、トランジスタ、リニアーIC、ハイブリ
ッドIC2発光ダイオード、LSI、超LSIなどの電
子回路用配線構造体である。また銀などの導電性フィラ
ーを添加して導電性ペーストとしても用いることができ
る。
その他高温用のコーティングワニスとして、電線被覆、
マグネットワイヤ、各種電気部品の浸漬コーティング、
金属部品の保護コーティングなどとして用いられると共
に、含浸ワニスとしてもガラスクロス、溶融石英クロス
、グラファイト繊維、炭素繊維やボロン繊維の含浸に使
用し、レーダードーム、プリント基板、放射性廃棄物収
納容器、タービン翼、高温性能と優れた電気特性を要す
る宇宙船、その他の構造部品に使われ、またマイクロ波
、放射線の防止用としてコンピュータなどの導波管、原
子機器、レントゲゾ機器の内装材としても使用される。
また成形材料としても、グラファイト粉末、グラファイ
ト繊維、二硫化モリブデンやポリ四弗化エチレンを添加
して自己潤滑性の摺動面の製作に用い、ピストンリング
、弁座、ベアリング、シール用などに用いられ、またガ
ラス繊維、グラファイト繊維、炭素繊維、ボロン繊維を
添加して、ジェットエンジン部品、高強度の構造用成形
部品などが作られる。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 温度計、撹拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備
えた四つ口のセパラブルフラスコに3.3’。
4.4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物3
2.22g (0,1モル)をN−メチル−2−ピロリ
ドン240gに溶解させ、 CH3CH3 16,84g (0,02モル)を1時間かけて滴下ロ
ートにて滴下し、徐々に反応させ、さらに1時間撹拌を
続ける。この間ずつと乾燥窒素ガスを流しておきさらに
水浴で冷却し系を20°Cに保っておく。次いでこの系
に2,6−ジアミツー4−トリフルオロメチルピリジン
10.63g (0,06モル) 、2.4−ジアミノ
トルエン2.44g (0,02モル)を添加し、さら
に系を20°Cに保ちながら5時間撹拌を続けて反応を
完結させる。続いてこの系にトルエン72gを添加し、
乾燥窒素ガス導入管を外して、代りにディーンスターチ
還流冷却管を取付け、水浴を外してオイルバスで加熱し
て系の温度を上昇させる。イミド化に伴って生じる水を
トルエンとの共沸により系外へ除去しながら加熱を続け
、140〜150°Cでイミド化を進めて水が生成しな
くなった5時間後に反応を終了させた。このポリイミド
ワニスを30¥1の純水に撹拌を加えながら1時間かけ
て滴下し、樹脂を沈澱させ濾過して固形分のみを回収し
た後、乾燥機中にて120°Cで3時間乾燥させた。
このようにして得たポリイミド樹脂のFT−IRスペク
トルを測定し、1650cm−1に現れるイミド化前の
ポリアミック酸のアミド結合に基づく吸収と、1780
cm−1に現れるイミド環に基づく吸収からイミド化率
を求めたところ、100%イミド化されていることを確
認した。そして樹脂分濃度20%となるようにジグライ
ム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)に溶解し
たところ、溶液粘度はB型回転粘度計で25°Cで測定
すると120ボイズであった。
このポリイミドワニスをアプリケーターを用いてガラス
板に塗布し80℃、150°C,200°Cでそれぞれ
30分間加熱処理を施して最終100μm厚さのフィル
ムをガラスから剥がして得た。このフィルムを顕微鏡で
観察したところ、ピンホール、ボイド等は認められなか
った。また引張り試験を実施したところ、強度はlO,
okg/mm2、伸び率は80%、弾性率は180kg
/nm2であった。熱重量分析を毎分5°C/minで
昇温して実施したところ、熱分解開始温度は400°C
であった。ガラス転移温度を測定したところ250°C
であった。また3力月室温保存後、ワニスの溶液粘度を
測定したところ122ボイズで、変化率は+1.67%
であり、殆ど粘度変化は認められなかった。
実施例2〜4及び比較例1〜4 原料組成、反応順序を除いて他は全て実施例1同様の方
法でポリイミドワニスを得て第1表の結果を得た。
実施例1並びに第1表の実施例2〜4の結果から明らか
なように、特定の芳香族テトラカルボン酸二無水物及び
/又はその誘導体と特定のジアミノシロキサンの両端を
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物で封鎖した酸
二無水物とを特定の芳香族アルキルジアミン及び特定の
ジアミノピリジンとを含むジアミン成分と反応させて充
分にイミド化した溶剤可溶性のポリイミドシロキサンは
、ジグライム等の比較的低極性でかつ低沸点の有機溶剤
に溶解してワニス化することが可能で、しかも得られた
樹脂のガラス転移温度が180°C以上でかつ長期の室
温保存可能な耐熱性樹脂である。
比較例1のように、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二
無水物を用いなかったり、比較例2のように末端封鎖せ
ずにジアミノシロキサンを用いたり、比較例3のように
ジアミノシロキサンを用いなかったりすると、ジグライ
ムへの溶解が困難となるので好ましくない。また比較例
4のようにイミド化が不充分の場合、長期の室温保存中
にゲル化してしまうので好ましくない。
[発明の効果] 本発期によれば、低極性溶媒に溶解し、室温で長期保存
できるポリイミドシロキサンワニスが得られ、しかも耐
熱性、機械特性等の良好な成形加工物を得ることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及び/
    又はその誘導体(A)を35〜95モル%と、下記式〔
    I 〕で示されるシロキサン化合物(B)を5〜65モ
    ル%含む酸成分と、 ▲数式、化学式、表等があります▼・・〔 I 〕 (式中、X:▲数式、化学式、表等があります▼ Y:▲数式、化学式、表等があります▼ R_1〜_2:二価の、炭素数1〜4の脂肪族基及び/
    又は芳香族基 R_3〜_6:一価の脂肪族基及び/又は芳香族基k:
    1〜100の整数) 下記式〔II〕で示されるアルキル基置換芳香族ジアミン
    (C)を5〜65モル%と、 ▲数式、化学式、表等があります▼・・〔II〕 (R_7〜_1_0:炭素数1〜4のアルキル基X、Y
    、Z:−O−、−SO_2−、▲数式、化学式、表等が
    あります▼m_1:1〜4の整数 m_2〜_4:0及び/又は1〜4の整数 n、p、q:0及び/又は1〜10の整数)2,6−ジ
    アミノ−4−トリフルオロメチルピリジン(D)を35
    〜95モル%含むアミン成分とよりなる、イミド化率が
    80〜100%であることを特徴とする可溶性ポリイミ
    ドシロキサン。
  2. (2)シロキサン化合物(B)のYが下記式〔III〕▲
    数式、化学式、表等があります▼・・〔III〕 (k:8〜11) で示されることを特徴とする特許請求の範囲(1)記載
    の可溶性ポリイミドシロキサン。
  3. (3)アルキル基置換芳香族ジアミン(C)が下記式〔
    IV〕 ▲数式、化学式、表等があります▼・・〔IV〕 で示されることを特徴とする特許請求の範囲(1)及び
    (2)記載の可溶性ポリイミドシロキサン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017186506A (ja) * 2015-10-16 2017-10-12 ユニチカ株式会社 多孔質ポリイミドフィルム形成用ポリイミド溶液、多孔質ポリイミドフィルムの製造方法および多孔質ポリイミドフィルム
CN114656635A (zh) * 2022-05-25 2022-06-24 南京理工大学 高剥离强度低介电常数聚酰亚胺印刷电路板的制备方法

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