JPH0439769Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車が積雪、凍結等の道路を走行
する際に、タイヤの滑止め用としてタイヤに取付
ける非金属性のタイヤ滑止具に関する。

（従来技術と問題点） 従来のこの種非金属性のタイヤ滑止具を第３図
に示す。

即ち、スリーブ１ａを外装したＣ字状のばね鋼
材１ｂよりなる内側部材１に、合成ゴム等より〓
字形に成形された複数のクロスベルト２を交互に
逆向きに並列してフツク３を介して取付け、前記
ばね鋼材１ｂの一端にはＵ字状の係止突起４ａを
有する係止金具４が、他端には係止突起４ａの係
止孔５ａを有する係止金具５が夫々取付けられて
いる。

また、クロスベルト２のタイヤ外側に位置する
各端部にはフツク６を介して一本の締付ロープ７
が取付けられ、該締付ロープ７の一端に形成した
ループ９によりロープ締付金具８が取付けられ、
該ロープ締付金具８に設けた移動可能な締付具８
ａに他方の締付ロープ７が巻回されて引出されて
いる。

かかるタイヤ滑止具は、タイヤの外周面に周回
したクロスベルト２の内側部材１の係止金具４，
５を掛止めた後、締付ロープ７の端部を引張つて
ロープ締付金具８により締付け、そして締付ロー
プ７間に緊締バンド（図示せず）を掛止めること
によりタイヤに取付けるものである。

ところで、このタイヤ滑止具は、前記のよう
に、タイヤ外側において締付ロープ７をロープ締
付金具８によつて締付けるのであるが、一本の締
付ロープ７でタイヤの外周面に周回した全てのク
ロスベルト２を均一に締付けることは困難であ
り、緊締バンドの掛止めによつて不均一な締付け
を補償しているものである。

したがつて、締付ロープ７の締付作業の他に緊
締バンドの掛止作業を要し、タイヤへの取付け作
業が面倒で長時間を要するという欠点があつた。

（課題を解決するための手段） 本考案は、両端に係止金具を有する内側部材
と、タイヤの外側に位置する締付ロープとの間
に、複数のクロスベルトを並列して取付けたタイ
ヤ滑止具において、タイヤ外側に位置する前記締
付ロープを複数に分割すると共に、前記分割され
た夫々の締付ロープの一端にはロープ締付金具を
取付け、該ロープ締付金具には他の各締付ロープ
の締付端部である他端を直列に接続して構成した
ことを特徴とするものである。

（作用） 本考案の構成において、締付ロープを複数に分
割しているため、タイヤにタイヤ滑止具を装着
し、分割された夫々の締付ロープの締付端部を締
付けることにより、各締付ロープに連結されたク
ロスベルトは夫々確実に均一に締付けることがで
き、従来のように、単一の締付ロープを締付けた
後に緊締バンドの掛止め作業を不要にすることが
できる。

（実施例） 本考案の実施例を図面を参照して説明する。

なお、本考案は、第３図に示した従来のタイヤ
滑止具の締付ロープを改良した点にあり、他は同
一であるので、クロスベルトを取付けたタイヤの
外側正面図を示した第１図により説明する。

図示のように、締付ロープ１０は３本に分割さ
れ、各締付ロープ１０に４個あてのクロスベルト
２の各端部がフツク６を介して取付けられてい
る。

而して、各締付ロープ１０の一端には弾性体
（ゴム）１１を介してフツク１２が取付けられ、
他端には移動可能な締付具８ａを有するロープ締
付金具８が取付けられている。そして、ロープ締
付金具８にはその締付具８ａに他の締付ロープ１
０のフツク１２を取付けた側が巻回されてロープ
締付金具８より引出されている。

即ち、３本に分割された各締付ロープ１０は、
その一端に取付けたロープ締付金具８を介して直
列に接続されているものである。

よつて、クロスベルト２の締付けに当つては、
４個あてのクロスベルト２を取付けた３本の締付
ロープ１０を各ロープ締付金具８を介して順次相
互に締付け、各フツク１２を適宜の締付ロープ１
０に掛止める。

したがつて、各締付ロープによつて締付けるク
ロスベルト２が４個であるので、その締付けに要
する力は減少し、他の締付ロープ１０の締付との
相互調整も簡単で、緊締バンドの掛止めを要する
ことなく全てのクロスベルト２を均一に締付ける
ことができる。

なお、本実施例では、12個のクロスベルトの場
合を示し、締付ロープの締付けが容易なように３
分割して４個あてのクロスベルトに３分割した１
本の締付ロープを取付けたものを示したが、タイ
ヤの径が大きくなるとクロスベルトの個数も多く
なるので、締付ロープの締付けの容易性から３分
割以上に分割した締付ロープが適宜使用される。

第２図はクロスベルトを取付けたタイヤの内側
正面図を示すもので、１は内側部材、２はクロス
ベルト、３はフツク、４は係止突起４ａを有する
係止金具、５は係止孔５ａを有する係止金具であ
る。

（効果） 本考案は、締付ロープを３分割以上に分割し、
これら各締付ロープに連結するクロスベルトの個
数を減少したので、 (a) クロスベルトを締付ける締付ロープの締付作
業が容易であり、また各締付ロープの締付けと
の相互調整も簡単にでき、タイヤへのクロスベ
ルトの締付けを均一にすることができる。

(b) 従来の緊締バンドの掛止めを要せず、タイヤ
滑止具のタイヤへの取付けが容易にして、かつ
短時間に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るタイヤ滑止具を取付けた
タイヤの外側正面図、第２図は同じくタイヤの内
側正面図、第３図は従来のタイヤ滑止具の要部を
示す平面図である。 １……内側部材、２……クロスベルト、４，５
……係止金具、８……ロープ締付金具、１０……
締付ロープ、１２……フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に係止金具を有する内側部材と、タイヤの
   外側に位置する締付ロープとの間に、複数のクロ
   スベルトを並列して取付けたタイヤ滑止具におい
   て、タイヤ外側に位置する前記締付ロープを複数
   に分割すると共に、前記分割された夫々の締付ロ
   ープの一端にはロープ締付金具を取付け、該ロー
   プ締付金具には他の各締付ロープの締付端部であ
   る他端を直列に接続して構成したことを特徴とす
   るタイヤ滑止具。