JPH043911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として農作業車に備えられた小回
り旋回用サイドブレーキをペダル操作する構造に
関する。

〔従来の技術〕

上記操作構造としては、左右車輪に作用するサ
イドブレーキと左右に近接して並設された一対の
ブレーキペダルとを連係機構によつて夫々連係
し、各連係機構中にストローク吸収用バネの支持
部材を位置調節可能に構成したものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記構造においては、前記支持部材の位置調節
によつてペダルストロークの調整やサイドブレー
キの利き具合の調整を行うのであるが、各支持部
材が近接して左右に並設されていたために、車体
内側の支持部材を調整する外側の支持部材に工具
が触れて操作の邪魔になることがあり、作業にも
手間どるものであつた。

本考案の目的は、左右一対のサイドブレーキが
近接して配置されている場合でも、バネ力調節用
の各支持部材を他方の支持部材に邪魔されること
なく容易に調節できる走行操作構造を提供するに
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案による特徴構成は、前記各バネの支持部
材を位置調節方向の異ならせた位置に設置してあ
る点にあり、その作用及び効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

各バネの支持部材がその調節方向に離れた位置
に取付けられているので、一方の支持部材を調節
する際に他方の支持部材に工具等が当つて邪魔に
なることがない。

〔考案の効果〕

従つて、両左右の各支持部材を独立して、しか
も容易に調節することができ、左右のブレーキペ
ダルが近接して並設されている場合であつても、
左右サイドブレーキの利き具合やストローク調整
を容易に行えるようになつた。

〔実施例〕

第３図に本考案に係る走行操作構造を備えた農
作業車の一例である乗用田植機の側面が示され
る。

この田植機は、前後車輪１，２を備えた４輪駆
動型の乗用走行車体３の後部に苗植付装置４を昇
降自在に連結すると共に、車体前部のエンジンボ
ンネツト５の両横外側部に上下複数段の予備苗の
せ枠６ａ，６ｂを装備して構成されたものであ
る。

各予備苗のせ枠６ａ，６ｂは、前後一対の支柱
７，７に亘つて複数段の予備苗のせ台８を架設固
着して横向き片持ち状に支持したものであり、各
支柱７，７の下端が前フレーム９の左右両側に立
設したアーチ型の支持部１０の前後に夫々着脱自
在にボルト連結されている。そして、植付け作業
時には第４図中の実線で示すように、各予備苗の
せ枠６ａ，６ｂの予備苗のせ台８が横外方に突出
するように各支持枠１０，１０に連結して、ボン
ネツト５と予備苗のせ枠６ａ，６ｂとの間を、畦
からの乗降用通路や苗すくい板格納スペースと
し、又、農道を移動走行する時、運搬車両に積載
しての移動時、納屋への格納時、等においては、
左右の予備苗のせ台８，８を、そのままの姿勢で
左右入れ替えて支持枠１０，１０に付け替えるこ
とで、第３図中の仮想線で示すように、左右の予
備苗のせ台８，８を車体内方に格納して車体幅を
小さくするのである。

左右の前車輪１は左右一対の車体フレーム１１
ａ，１１ｂの前部に連結されたミツシヨンケース
１２に夫々駆動軸支されるととに、左右の後車輪
２は車体フレーム１１ａ，１１ｂの後部に連結さ
れた駆動ケース１３に駆動軸支され、かつ、各後
車輪２は駆動ケース１３に内装された左右のサイ
ドブレーキ（図示せず）によつて独立的に制動可
能となつている。

本考案は、上記サイドブレーキの操作構造を次
のように構成したものである。

第１図にサイドブレーキ操作構造の平面が、
又、第２図にその平面が夫々示されている。

車体右側の車体フレーム１１ａの前部には左右
一組のブレーキペダル１４ａ，１４ｂが独立操作
可能に軸支され、各ブレーキペダル１４ａ，１４
ｂのボス部から立設した操作アーム１５ａ，１５
ｂと、前記駆動ケース１３の上面左右に装備した
サイドブレーキアーム１６ａ，１６ｂとがロツド
１７ａ，１７ｂを介して連係されている。

各ロツド１７ａ，１７ｂの前端は前記操作アー
ム１５ａ，１５ｂの遊端に貫通され、その貫通端
に踏込みストローク吸収用のコイルバネ１８ａ，
１８ｂが外嵌されるとともに、バネ前端の支持部
材としてのダブルロツクナツト１９ａ，１９ｂが
装着され、もつて、ブレーキペダル１４ａ，１４
ｂの踏込みに応じてコイルバネ１８ａ，１８ｂを
圧縮変形することでサイドブレーキアーム１６
ａ，１６ｂに作用する操作荷重を加減するように
なつている。

そして、車体内方に位置する左側ブレーキ用の
前記ロツド１７ａの貫通端には前記コイルバネ１
８ａの後端を支持するカラー２０が外嵌されて、
車体内側のロツクナツト１９ａを車体外側のロツ
クナツト１９ｂよりも前方に位置するように構成
されている。

従つて、車体内側のブレーキペダル１４ａのス
トローク調整やタイミング調整のためのロツクナ
ツト１９ａの操作を、外側のロツド貫通端やロツ
クナツト１９ｂに邪魔されることなく行うことが
可能となつている。

〔別実施例〕 左右のロツクナツト１９ａ，１９ｂをロツド
長手方向に離す手段としては、例えば第５図に
示すように、左右のペダル連係機構を夫々２本
のロツド２１ａ，２１ｂ，２２ａ，２２ｂで構
成して、各組のロツド連結部に前記コイルバネ
１８ａ，１８ｂ及びロツクナツト１９ａ，１９
ｂを組付けるとともに、このロツド連結部を前
後に離して実施することも可能である。

前記サイドブレーキとしては、左右のサイド
クラツチと組合わされたものや、デフ機構から
延出された左右の差動軸に作用するものが該当
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る走行操作構造の実施例を示
し、第１図はサイドブレーキ操作部の要部平面図
は、第２図はサイドブレーキ操作部の要部側面
図、第３図は乗用型田植機の全体側面図、第４図
は車体前部の平面図、第５図は別実施例の斜視図
である。 ２……車輪、１４ａ，１４ｂ……ブレーキペダ
ル、１８ａ，１８ｂ……バネ、１９ａ，１９ｂ…
…支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右車輪２，２に作用するサイドブレーキと左
   右に近接して並設された一対のブレーキペダル１
   ４ａ，１４ｂとを連係機構によつて夫々連係し、
   各連係機構中にストローク吸収用バネ１８ａ，１
   ８ｂの支持部材１９ａ，１９ｂを位置調節可能に
   構成してある走行操作構造であつて、前記各バネ
   １８ａ，１８ｂの支持部材１９ａ，１９ｂを位置
   調節方向に異ならせた位置に設置してある走行操
   作構造。