JPH043825B2 - - Google Patents

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JPH043825B2
JPH043825B2 JP60139680A JP13968085A JPH043825B2 JP H043825 B2 JPH043825 B2 JP H043825B2 JP 60139680 A JP60139680 A JP 60139680A JP 13968085 A JP13968085 A JP 13968085A JP H043825 B2 JPH043825 B2 JP H043825B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の分野] 本発明は、電気泳動用媒体材料の製造法に関す
るものであり、さらに詳しくは、特にDNAの塩
基配列決定操作に用いるのに適した電気泳動用媒
体材料の製造法に関するものである。 [発明の背景] ポストラベル法に基づくDNAやRNAの塩基配
列決定法においては、ポリアクリルアミドゲル膜
を用いたスラブ電気泳動操作が必須の操作となつ
ている。特に近年において遺伝子関連の研究が進
むにつれて、DNA塩基配列決定の操作の迅速化
が急務となつている。 ポリアクリルアミドゲル膜は、アクリルアミド
のような単量体を触媒の存在下にてN,N′−メ
チレンビスアクリルアミドのような二官能性の架
橋剤を用い架橋重合させることにより得られる。
なお、このポリアクリルアミドゲル膜の形成に際
して通常は、尿素あるいはホルムアミドのような
変性剤を含有させる。 上記の重合反応はラジカル架橋重合であり、酸
素の影響により反応が阻害されるため、ポリアク
リルアミドゲル膜は酸素を遮断した状態で作成す
る必要がある。この理由から、現在では一般に、
ポリアクリルアミドゲル膜は2枚のガラス板で形
成されたセル(一定の空間、たとえば約0.3〜1
mmを有する)の中にゲル形成液を注入させ、酸素
を遮断した状態で架橋重合させてゲル膜を形成さ
せている。 この方法は二枚のガラス板の間でゲル膜を形成
するために、取り扱い性が悪く、かつゲル膜の量
産化が困難であるといつた大きな欠点を有してい
る。 以上のようにして形成したポリアクリルアミド
ゲル膜を用いる電気泳動操作は、たとえば、次の
ようにして実施される。 ポリアクリルアミドゲル膜はガラス板に挟んだ
ままの状態で垂直に立てられ、前電気泳動を行な
つたのち、ゲル膜上端部に設けられたサンプルス
ロツトに試料(たとえば、マキサム・ギルバート
分解した32Pラベル化DNA)を一定量注入し、次
いで電気泳動を行なう。そして一定時間(例、約
6時間〜12時間)の電気泳動を行なつた後、片面
のガラス板を注意深く除去し、その露出面をポリ
塩化ビニリデンフイルムなどの合成樹脂製フイル
ムでゲル膜を覆い、これを用いてオートラジオグ
ラフイー処理を行なう。 すなわち、ポリアクリルアミドゲル膜を被覆し
ているフイルムの上にX線フイルム、増感スクリ
ーンを順次のせて、低温(たとえば、−80℃)で
一定時間(たとえば、約10〜20時間)露光を行な
う。そして露光終了後、X線フイルムを現像し、
DNAの分離泳動パターンを読みとることからな
るオートラジオグラフイー処理により、DNAの
塩基配列を決定することができる。 オートラジオグラフイー処理は以上のように長
時間を必要とするため、その迅速化が望まれ、更
に読みとりの高分解能化も望まれている。 従来のアクリルアミドゲル膜を用いた電気泳動
媒体材料は上記のようにガラス板を用いるために
取り扱い性に問題があり、しばしばガラスを割つ
たりして実験を失敗することがある。更に、オー
トラジオグラフイーに際し、上記のように片面の
ガラスを除く必要があり、この時にゲル膜を破損
したりする事もあり、この操作は非常に熟練を必
要とする。したがつて、この様な欠点を改良した
取り扱い性の良好なポリアクリルアミドゲル膜の
開発が熱望されている。 [発明の要旨] 本発明の目的は、ガラス板の代りにプラスチツ
クフイルム(あるいはシート)を支持体として用
い、かつ支持体と電気泳動用媒体層(ポリアクリ
ルアミドゲル膜)との間の接着性が向上した電気
泳動媒体材料の製造法を提供することにある。 本発明は、プラスチツク支持体の上に、メチル
メタクリレートの単独重合体もしくはメチルメタ
クリレートと少量の共重合可能なモノマーとの共
重合であつて、アミド基を有するモノマーにより
グラフト化され、その分子内に重合可能なメチル
メタクリレート基を残している重合体(本明細書
では、これらの重合体を、「メチルメタクリレー
トマクロモノマーのアミド基含有グラフト化誘導
体」という)からなる接着層を設けたのち、該接
着層の上にてアクリルアミド系化合物と架橋剤と
を変性剤として少なくとも1個のカルバモイル基
をもつ化合物と水との存在下で架橋重合してポリ
アクリルアミド系水性ゲル電気泳動用媒体層を形
成することを特徴とする電気泳動用媒体材料の製
造法にある。 本発明により得られる電気泳動用媒体材料は支
持体層と電気泳動用媒体層(ポリアクリルアミド
ゲル膜)とをメチルメタクリレートマクロモノマ
ーのアミド基含有グラフト化誘導体からなる接着
層により接合してなる三層構造を含むものであ
り、前述の電気泳動後の電気泳動用媒体層の乾燥
工程における各種の操作によつてもその三層構造
が分離しにくいため、電気泳動用媒体層の破損が
発生することは殆どなく、従つて濾紙などの補助
支持具を使用する必要がないとの利点がある。 さらに、本発明により電気泳動用媒体材料が、
水平に置いた支持体の上にをメチルメタクリレー
トマクロモノマーのアミド基含有グラフト化誘導
体を含む層を形成し、次いで電気泳動用媒体層を
その上に形成する方法によつて製造することが可
能であるため、電気泳動用媒体材料の量産化にも
大きく寄与するものである。 [発明の詳細な記述] 本発明の電気泳動用媒体材料の支持体は、プラ
スチツクシート(あるいはフイルム)を用いるこ
とが好ましい、このプラスチツク製シートとして
は、任意のプラスチツクから形成したものを用い
ることができる。好ましいプラスチツクシートの
例としては、親水性ポリマーまたは公知の表面処
理により表面を親水化したポリマー(例、ポリエ
チレンテレフタレート、ビスフエノールAのポリ
カルボネート、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン・塩化ビニルコポリマー、ポリメチルメタアク
リレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セル
ロースアセテート類、セルロースアセテートプロ
ピオネート等)のフイルム、板またはシート等の
成形物をあげることができる。特にポリエチレン
テレフタフタレートから形成されたシートを用い
ることが好ましい。 これらのポリマー成形物の表面を親水化するた
めの処理のためには、紫外線照射、グロー放電処
理、コロナ放電処理、火焔処理、電子線照射、ケ
ミカルエツチング、電解エツチング等の公知の方
法を適用することができる。 支持体は一般に厚さが、約50μm〜約500μm、
好ましくは約70μm〜約300μmのものが用いられ
る。 本発明において、上記支持体の上に接着層が形
成される。 接着層は、メチルメタクリレートの単独重合体
もしくはメチルメタクリレートと少量(20重量%
以内)の共重合可能なモノマーとの共重合であつ
て、アミド基を有するモノマーによりグラフト化
され、その分子内に重合可能なメチルメタクリレ
ート基を残している重合体(本明細書では、これ
らの重合体を、「メチルメタクリレートマクロモ
ノマーのアミド基含有グラフト化誘導体」とい
う)からなる層である。メチルメタクリレートマ
クロモノマーのアミド基含有グラフト化誘導体
は、メチルメタクリレートマクロモノマーをアミ
ド基含有のエチレン性不飽和二重結合を一個含む
モノマー、好ましくはアミド基含有のアクリル酸
またはメタクリル酸類化合物モノマーの一種また
は2種以上で処理してメチルメタクリレートマク
ロモノマーのメチルメタクリレート基末端に前記
モノマーによるグラフト共重合を開始させて得ら
れる化合物である。アミド基含有アクリル酸類化
合物モノマーとして例えばアクリルアミド、N−
メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチ
ロールアクリルアミド等、アミド基含有メタクリ
ル酸類化合物モノマーとして例えばメタクリルア
ミド、N−メチルメタクリルアミド等が挙げられ
る。 本発明に用いられる代表的なメチルメタクリレ
ートマクロモノマーのアミド基含有グラフト化誘
導体の合成例を以下にのべる。なお、各合成例に
おいて〓部〓および〓%〓はそれぞれ〓重量部〓
および〓重量%〓を意味する。 [合成例 1] 末端メタクリレート型メチルメタクリレートマ
クロモノマーの合成 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計およ
びN2ガス吹込口を備えたガラスフラスコにアセ
トン17.5部とトルエン82.5部との混合溶媒を仕込
み、N2を導入しながら還流下にメチルメタクリ
レート(以後MMAと略記)100部、連鎖移動剤
としてチオグリコール酸(以後TGAと略記)3.2
部および重合開始剤としてアゾビスイソブチロニ
トリル3部の混合溶液を3時間かかつて連続的に
滴下して重合を行つた。さらにその後2時間加熱
して重合を終了し、下記構造式[]のポリマー
の溶液を得た。反応液の一部にn−ヘキサンを加
えて沈澱物を生成させ、この沈澱物を減圧下で乾
燥して酸価を測定したところ0.340mg当量/gで
あつた。 (n−重合度を表わす。数値は不明) 上記反応液からアセトンの一部を留去した後、
これにトリエチルアミン(触媒)0.5%、ヒドロ
キノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)
200ppmおよび酸に対して1.3倍モルのグリシジル
メタクリレートを加え、反応温度110℃にて4時
間反応させた。酸価の減少から求めた反応率は96
%であつた。 上記反応液を10体積倍量のn−ヘキサン中に投
入して沈澱を生成させ、この沈澱をを80℃で減圧
乾燥して下記構造式[]のマクロモノマー誘導
体95部を得た。このマクロモノマーのゲルパーミ
エーシヨンクロマトグラフ(GPC)によるポリ
スチレン換算分子量は2840(数平均)および6470
(重量平均)であつた。また、水酸基価は0.350mg
当量/gであつた。 (nは重合度を表わす。数値はおよそ20〜60) [合成例 2〜4] グラフトコポリマー(メチルメタクリレートマ
クロモノマーのアミド基含有グラフト化誘導
体)の合成 合成例1と同様の装置に合成例1で得られたマ
クロモノマー誘導体(以下、MMAMと略記す
る)30部、ジアセトンアクリルアミド(以下、
DAAと略記する)50部、ジアセトンアクリルア
ミド(以下、DAAと略記する)20部、メチルエ
チルケトン200部およりアゾビスイソブチロニト
リル3.0部を仕込み、N2ガス導入還流下(約80
℃)で80時間反応させた。 この反応液を10倍量のn−ヘキサンに投入し、
沈澱させ80℃で減圧乾燥してグラフトコポリマー
(P−1)94部を得た。IRスペクトルの測定によ
り、アミド基が含まれていることが確認された。
得られたグラフトコポリマーはGPCにより単一
ピークを示し、数平均分子量約19000であつた。 同様な操作によりグラフトコポリマーの成分モ
ノマーの組成比を変えて二種のグラフトコポリマ
ー(P−2およびP−3)を得た。合成されたそ
れぞれのグラフトコポリマーを第1表に示す。
【表】
【表】 これらのメチルメタクリレートマクロモノマー
のアミド基含有グラフト化誘導体は単独で使用し
ても、併用してもよい。また、層形成成分の50重
量%以内である限り他の高分子物質や添加剤を含
むことができる。このような高分子物質および添
加剤の例としては、ジアセチルセル、ニトロセ
ル、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミ
ド、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニリデ
ン等のポリマー、グリセリン等のポリオール化合
物を挙げることができる。 メチルメタクリレートマクロモノマーのアミド
基含有グラフト化誘導体から形成される接着層
は、公知の塗布方法などを利用して支持体の表面
に設けることができる。すなわち、該マクロモノ
マー誘導体が水溶性または親水性である場合に
は、それの水溶液または、水を主成分とする水・
有機溶媒混合溶媒溶液を公知の方法により支持体
の上に塗布、乾燥して接着層を形成する方法を利
用することができる。該マクロモノマー誘導体が
疎水性で水不溶性である場合には、それの有機溶
媒溶液または、有機溶媒を主成分とする有機溶
媒・水混合溶媒溶液を、公知の方法により支持体
の上に塗布、乾燥して接着層を形成する方法を利
用することができる。 用いることができる有機溶媒の例としては、ア
セトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;メ
タノール、エトノールなどのアルコール類;N,
N−ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシ
ド;ジメチルエーテル、ジオキサンなどのエーテ
ル類などを挙げることができる。 メチルメタクリレートマクロモノマーのアミド
基含有グラフト化誘導体から形成された接着層は
メチルメタクリレートマクロモノマーのアミド基
含有グラフト化誘導体単独あるいは該誘導体を80
重量%以上含む組成物から形成させることが望ま
しく、特に実質的にメチルメタクリレートマクロ
モノマーのアミド基含有グラフト化誘導体のみか
ら形成された層であることが望ましい。 乾燥後の接着層の厚さは、約0.1μmから約
3μm、好ましくは約0.2μmから2μmの範囲とす
る。 次に電気泳動用媒体層(以下において、ゲル媒
体層、ポリアクリルアミドゲル膜あるいは単にゲ
ル膜ともいう)について説明する。 ポリアクリルアミドゲル膜は、アクリルアミド
系化合物と架橋剤とを、水溶液または水分散液と
して水中に溶解または分散させてゲル形成液を調
製したのち、液中で両者を架橋重合させて架橋重
合した水性ゲル膜として形成することにより得る
ことができる。本明細書においては、特にことわ
らない限り、(水中に)溶解と(水中に)分散の
両者を含めて単に(水中に)溶解といい、水溶液
と水分散液の両者を含めて単に水溶液という。ま
た、溶媒または分散媒として、所望により加えら
れる有機溶媒と水の混合物をも包含する。 ポリアクリルアミドゲル膜の形成に用いること
ができるアクリルアミド系化合物としては、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N
−ジメチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメ
チル)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等のアクリルアミド系化合物やメタクリルアミ
ドの様なメタクリルアミド系化合物が挙げられ、
これらの化合物は単独で、あるいは二種以上を併
用して用いることができる。これらのアクリルア
ミド系化合物のうちではアクリルアミドが最も好
ましく、またアクリルアミドと他のアクリルアミ
ド系化合物、メタクリルアミド系化合物の一種以
上の併用も好ましい。 架橋剤としては「エレクトロフオレシス
(Electrophoresis)」1981,2,213−228等に記
載の公知の化合物(一種または二種以上の組合
せ)を用いることができる。架橋剤の具体例とし
ては、N,N′−メチレンビスアクリルアミド
(BIS);N,N′−プロピレンビスアクリルアミド
(PBA);ジ(アクリルアミドジメチル)エーテ
ル(DAE);1,2−ジアクリルアミドエチレン
グリコール(DEG);エチレンウレアビスアクリ
ルアミド(EUB);エチレンジアクリレート
(EDA);N,N′−ジアリルタータルジアミド
(N,N′−diallyltartardiamide:DATD);およ
びN,N′−ビスアクリリルシスタミン(N,
N′−bisacrylylcystamine,BAC)等の二官能性
化合物が挙げられる。 架橋剤の量は、単量体と架橋剤の総重量に対し
て約0.1wt%から約30wt%、好ましくは約0.5wt
%から約10wt%の範囲で用いることができる。 ゲル濃度としては、エス・ヒジヤーテン(S.
Hjerten):「アーク・バイオケム・バイオフイズ
(Arch.Biochem.Biophys.)」1(補遺),147
(1962)に記載の定義に従つて表示して、単量体、
架橋剤および水からなるゲル膜の容積に対して、
単量体と架橋剤の量が約3w/v%から約30w/
v%の範囲で好ましく用いられる。 ポリアクリルアミドゲル膜に含有させる変性剤
としては、少なくとも1個のカルバモイル基を持
つ化合物を挙げることができ、その具体例として
は、尿素、ホルムアミド等が挙げられる。これら
のうちで尿素が特に好ましく用いられる。変性剤
の量は単量体と架橋剤とを含む水性ゲルの容積に
対し、約40wt/v%から約60wt/v%の範囲で
用いられる。尿素を用いる場合には、単量体と架
橋剤とを含む水性ゲル1に対し約6モル(約
360g)から飽和溶解量まで、好ましくは約7モ
ル(約420g)から飽和溶解量までの範囲で用い
ることができる。 ポリアクリルアミドゲル膜には水溶性ポリマー
を含有させることができる。 水溶性ポリマーとしては、付加重合型または縮
重合型の水溶性ポリマーを用いることができる。
付加重合型ポリマーの具体例としては、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド等の非イオン性水溶性ポリマーが挙げ
られる。縮重合型ポリマーの具体例としてポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等
の非イオン性水溶性ポリアルキレングリコールが
挙げられる。水溶性ポリマーの分子量は、約1万
から約100万の範囲のものが好ましい。これらの
水溶性ポリマーのうちでは、ポリエチレングリコ
ール、ポリアクリルアミドが特に好ましい。 水溶性ポリマーは、単量体と架橋剤の合計重量
に対して約2wt%から約100wt%の範囲、好まし
くは約5wt%から約50wt%の範囲で用いられる。
水溶性ポリマーを添加することにより、ポリアク
リルアミドゲル膜は可塑性を有するようになるた
め、裁断加工時に壊れることがなくなり、またゲ
ル膜は乾燥時にも可塑性を有するようになり、も
ろさが改良され壊れにくくなるとの利点がある。
また、水溶性ポリマーの分子量および添加量を選
択することにより、ゲル膜の粘度をコントロール
することもできる。 ポリアクリルアミドゲル膜にはアガロースを含
有させることができる。アガロースは公知のアガ
ロースであれば特に制限はなく、低電気浸透性、
中電気浸透性、高電気浸透性アガロースのいずれ
をも用いることができる。用いることのできるア
ガロースの例としては特開昭55−5730号、特開昭
55−110946号、特開昭57−502098号等の公報に開
示されているアガロース等がある。 アガロースの添加量は、単量体と架橋剤とを含
むゲル組成液の容積に対して約0.2w/v%から
約2w/v%、好ましくは約0.3w/v%から約
1.2w/v%の割合で用いられる。ゲル膜にアガ
ロースを添加することにより、ゲル形成用溶液温
度を変化させることにより、適当な溶液粘度にコ
ントロールすることが可能となり、その流動性を
止めることができ、またゲル膜を成形する時には
成形しやすくなるとの利点がある。 ポリアクリルアミドゲル膜にはPH緩衝剤を含有
させることができる。緩衝剤としては、PH8.0か
ら10.0、好ましくはPH8.0から9.0の範囲内のPH値
に緩衝できる緩衝剤であれば、いずれをも用いる
ことができる。用いうる緩衝剤としては、 日本化学会編〓化学便覧 基礎編〓(東京、丸
善(株)1966年発行)1312−1320頁; 〓データ・フオア・バイオケミカル・リサーチ
(Data for Biochemical Research)〓(R.M.C.
Dawson et al 編 第2版,Oxford at the
Clarendon Press,1969年発行)476−508ペー
ジ; 〓バイオケミストリー(Biochemistry)〓、5,
467(1966);および 〓アナリテイカル・バイオケミストリー
(Analytical Biochemistry)〓104,300−310
(1980)等の刊行物に記載の緩衝剤があげられる。
そして、その具体例としてはトリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン(トリス;Tris)[CAS
Registry No77−86−1]、N,N−ビス(2−
ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、N−2
−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−2−ヒド
ロキシプロパン−3−スルホン酸のNa塩または
K塩等、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−
N′−3−プロパンスルホン酸のNa塩またはK塩
等、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−
3−アミノプロパンスルホン酸のNa塩またはK
塩および、これらのいずれかと必要により組合せ
られる酸、アルカリまたは塩等をあげることがで
きる。特に好ましい緩衝剤の例としてはトリス
(Tris)、ホウ酸およびEDTA・2Na塩の組合せ
(PH8.3)がある。 本発明においてポリアクリルアミドゲル膜はア
クリルアミドに代表される単量体、二官能性のア
リル(allyl)化合物またはアクリル化合物(架
橋剤)、水溶性ポリマー、およびアガロースを実
質的に均一に溶解させた水溶液中で単量体と架橋
剤とをラジカル架橋重合させて得られるものであ
り、単量体と架橋剤から形成された三次元架橋重
合体に水溶性ポリマーとアガロースが実質的に分
散されて、後二者のポリマー鎖が三次元架橋重合
体とからみあつている構造を有すると推定され、
この構造が特徴をなすゲル媒体である。 上記のラジカル架橋重合反応は、分子状酸素の
不存在下で過酸化物の存在および/または紫外線
照射等の公知の方法により発生させることができ
る。この反応を加熱および紫外線照射により加速
することもできる。 ラジカル架橋重合用触媒としては、「エレクト
ロ・フオレシス(Electrophoresis)」1981,2,
213−219,同 1981,2,220−228;青木、永井
編「最新電気泳動法」(1973年発行)等に記載の
公知の低温ラジカル重合開始剤のうちから適宜選
択して用いることができる。好ましいラジカル重
合開始剤の具体例としては、β−ジメチルアミノ
プロピオニトリルDMAPN)−ペルオクソ二硫酸
アンモニウム混合物、N,N,N′,N′−テトラ
メチルエチレンジアミン(TEMED)−ペルオク
ソ二硫酸アンモニウム混合物、TEMED−リボフ
ラビン混合物、TEMED−リボフラビン−過酸化
水素混合物と紫外線照射の組合せ等が挙げられ
る。ラジカル重合開始剤の含有量は、単量体と架
橋剤の合計重量に対して約0.3重量%から約5重
量%、そして好ましくは約0.5重量%から約3重
量%の範囲である。 ゲル媒体層は、平滑表面を有する支持体の上に
設けられた前述のメタクリレートマクロモノマー
誘導体を含む層の上にゲル形成液を公知の方法に
より塗布して設けた後、ゲル形成液を架橋重合さ
せることにより、層状に成形することができる。 ゲル形成液を支持体の表面で架橋重合させる場
合には、ゲル形成液の上をさらにカバーフイル
ム、シートまたは板などの被覆材料でおおうこと
ができる。この目的に使用されるカバーフイル
ム、シート、または板としては前記支持体と同様
な素材からなるものを用いることができる。この
被覆材料の厚さは300μm以下であり、実用的に好
ましい範囲としては約8μm〜約200μm、特に好ま
しい範囲としては約10μm〜約100μmである。 ポリアクリルアミドゲル膜には、必要に応じて
抗酸化剤などの他の添加剤を含有させることがで
きる。抗酸化剤としては、ゲル膜に配合しうるこ
とが知られている種々の化合物を用いることがで
きる。抗酸化剤の具体例としてはジチオスレイト
ール、2−メルカプトエタノールを挙げることが
できる。 その他の添加剤としては湿潤剤があり、ポリア
クリルアミドゲル膜にはグリセリン、エチレング
リコール等のポリオール化合物を含有させること
もできる。ポリオール化合物の含有量は、ゲル膜
の容積に対して約5w/v%から約40w/v%の
範囲から選ばれる。ポリオール化合物のうちでは
グリセリンが特に好ましい。湿潤剤を配合するこ
とによりゲル膜の保存時の極端な水分の蒸発によ
る乾燥を防ぐことが可能となり、また極端な乾燥
に起因するもろさを防ぎ、ひびわれを防ぐ等のゲ
ル膜の物性が改善されるとの利点がある。 本発明の電気泳動用ゲル媒体材料は、前述の諸
文献等に記載の公知の方法に従つて、水平型およ
び垂直型平板電気泳動法、デイスク電気泳動泳動
法等のいずれにも用いることができる。 次に本発明の実施例を示す。 [実施例 1] 紫外線照射処理により表面を親水性にしたポリ
エチレンテレフタレート(PET)シート(支持
体)上に約0.5μmの厚み(固形分)になるよう
に、前記の合成例で得たメタクリレートマクロモ
ノマーのアミド基含有グラフト化誘導体をアセト
ンに溶解して得た塗布液(第2表)を塗布し、約
110℃で乾燥してマクロモノマーのアミド基含有
グラフト化誘導体層(接着層)を形成した。 なお、第1表におけるP−1〜P−3は、合成
例2〜4において作成されたものである。
【表】 まず、PETシート(支持体)と接着層との間
の接着性をクロスカツト法により評価した。その
結果、試料1〜4の全てにおいて接着層が支持体
に一様に強固に接着しており、特に試料2〜4
(本発明に従う試料)では接着層が特い強く支持
体に接着していた。 支持体上に設けられた各接着層の上に、アクリ
ルアミド11.87g、BIS630mg、尿素42g、トリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン[CAS
Registry No 77−86−1]1.08g、ホウ酸0.55
g、およびEDTA・2Na塩93mgを含有する100ml
の溶液に重合開始剤としてペルオクソ二硫酸アン
モニウム5重量%)1.3ml、TEMED33μを加え
たものを0.5mmの厚みで成形し、ポリアクリルア
ミドゲル膜を形成させた。 なお、別に接着層を設けなかつた以外は同様に
してPETシート上にポリアクリルアミドゲル膜
を形成させて比較試料を調製した。 得られたゲル膜を指でおさえ、ゲル膜と支持体
間の接着性を評価した。その結果、試料1(比較
試料)試料2〜4(本発明に従う試料)を接着層
としたものはゲル膜が支持体に一様に強固に接着
していた(接着性が優れていた)が、比較試料は
接着性が劣つていた。 [実施例 2] 実施例1の第2表と同じ接着層が形成された
PETシートを作成し、この接着層の上にアクリ
ルアミド11.87g、BIS630mg、アガロース1600
(和光純薬(株)製)0.3g、ポリアクリルアミド2.5
g、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
1.08g、ホウ酸0.55gおよびEDTA・2Na塩93mg
からなる100mlの溶液に重合開始剤としてペルオ
クソ二硫酸アンモニウム(5重量%)1.3ml、
TEMED33μを加えたものを0.5mmの厚みで成形
し、ポリアクリルアミドゲル膜を形成させて四種
類の試料(試料5〜8)を得た。 また、PETシートの上に直接上記のポリアク
リルアミドゲル膜を形成させることにより比較試
料も調製した。 このゲル膜を使用して、32P−DNAをマキサ
ム・ギルバート分解した試料について電気泳動に
かけ、DNA塩基配列決定の実験を行なつた。電
気泳動後にゲル膜を、脱尿素とDNA固定のため
に、1%酢酸水溶液中に1時間浸漬した。このゲ
ル膜を乾燥し、次いでオートラジオグラフイー処
理を常法にしたがつて行なつた。 10%酢酸水溶液中にゲル膜を浸漬した時の支持
体とゲル膜の接着状態を観察した。 比較試料のゲル膜は支持体から完全に剥離し
た。 一方、試料5〜8の接着層の上に形成されたゲ
ル膜は、いずれも支持体上に完全に接着してい
た。さらにゲル膜を1時間振盪させた後ゲル膜と
支持体との接着状態を観察したところ、試料1で
はゲル膜の端部の一部が支持体から剥れていた
が、試料6〜8(本発明の試料)ではゲル膜は支
持体に一様に接着したままであつた。また別にゲ
ル膜を乾燥させた後、それと支持体との間の接着
状態を観察したところ、これらの試料のゲル膜は
いずれも支持体によく接着していた。またオート
ラジオグラフイー処理した後も、ゲル膜な支持体
に一様に接着していて、接着性に問題はなく良好
な結果を示した。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記の各層が順次積層されてなる三層構造を
    含む電気泳動用媒体材料: プラスチツク支持体の上に、メチルメタクリレ
    ートの単独重合体もしくはメチルメタクリレート
    と少量の共重合可能なモノマーとの共重合体であ
    つて、アミド基を有するモノマーによりグラフト
    化され、その分子内に重合可能なメチルメタクリ
    レート基を残している重合体からなる接着層を設
    けたのち、該接着層の上にてアクリルアミド系化
    合物と架橋剤とを変性剤として少なくとも1個の
    カルバモイル基をもつ化合物と水との存在下で架
    橋重合してポリアクリルアミド系水性ゲル電気泳
    動用媒体層を形成することを特徴とする電気泳動
    用媒体材料の製造法。
JP60139680A 1985-06-25 1985-06-25 電気泳動用媒体材料の製造法 Granted JPS61296256A (ja)

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