JPH0556820B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0556820B2
JPH0556820B2 JP61090622A JP9062286A JPH0556820B2 JP H0556820 B2 JPH0556820 B2 JP H0556820B2 JP 61090622 A JP61090622 A JP 61090622A JP 9062286 A JP9062286 A JP 9062286A JP H0556820 B2 JPH0556820 B2 JP H0556820B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
support
layer
electrophoresis
resin
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61090622A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62247242A (ja
Inventor
Naohiko Sugimoto
Daijiro Nishio
Eiichi Hasegawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP61090622A priority Critical patent/JPS62247242A/ja
Priority to US07/040,486 priority patent/US4897306A/en
Priority to DE8787303480T priority patent/DE3771571D1/de
Priority to EP19870303480 priority patent/EP0246751B1/en
Publication of JPS62247242A publication Critical patent/JPS62247242A/ja
Publication of JPH0556820B2 publication Critical patent/JPH0556820B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、電気泳動用媒体材料に関するもので
あり、さらに詳しくは、特にDNAの塩基配列決
定操作に用いるのに適した電気泳動用媒体材料に
関するものである。
[発明の背景] 化学分解法(Maxam−Gilbert法等)、ジデオ
キシ法等による核酸(DNA、RNA)の塩基配列
決定法においては、電気泳動用媒体層としてポリ
アクリルアミドゲル膜を用いたスラブ電気泳動操
作が必須の操作となつている。特に近年において
遺伝子関連の研究が進むにつれて、DNA塩基配
列決定の操作の迅速化が急務となつている。
ポリアクリルアミドゲル膜は、アクリルアミド
のような単量体を触媒の存在下にてN,N′−メ
チレンビスアクリルアミドのような二官能性の架
橋剤を用い架橋重合させることにより得られる。
なお、DNA塩基配列決定用のポリアクリルアミ
ドゲル膜の形成に際して通常は、尿素あるいはホ
ルムアミドのような少なくとも1個のカルバモイ
ル基をもつ化合物変性剤を含有させる。
上記の重合反応はラジカル架橋重合であり、酸
素の影響により反応が阻害されるため、ポリアク
リルアミドゲル膜は酸素を遮断した状態で調製す
る必要がある。この理由から、現在では一般に、
ポリアクリルアミドゲル膜は2枚のガラス板で形
成されたセル(一定の空間、たとえば約0.3〜1
mm厚の空間を有するもの)の中にゲル形成液を注
入し、酸素を遮断した状態で架橋重合させてゲル
膜を形成させている。しかし、この方法は二枚の
ガラス板の間でゲル膜を形成するために、取り扱
い性が悪く、かつゲル膜の量産化が困難であると
いつた大きな欠点を有している。
以上のようにして形成したポリアクリルアミド
ゲル膜を電気泳動媒体として用いる電気泳動操作
は、たとえば、次のようにして実施される。
サンプルスロツトが上端部に設けられたポリア
クリルアミドゲル膜をガラス板に挟んだままの状
態で垂直に配置し、まず前電気泳動操作を行なつ
たのち、サンプルスロツト中に試料(マキサム・
ギルバート分解した32Pラベル化DNAなど)を一
定量注入し、次いで電気泳動操作を行なう。そし
て一定時間(例、約6時間〜12時間)の電気泳動
を行なつた後、片面のガラス板を注意深く除去
し、その露出面をポリ塩化ビニリデンフイルムな
どの合成樹脂製フイルムでゲル膜を覆い、この状
態にてオートラジオグラフイー処理を行なう。
このオートラジオグラフイー処理は、ポリアク
リルアミドゲル膜を覆つているフイルムの上にX
線フイルム、増感スクリーンを順次のせて、低温
(たとえば、−80℃)で一定時間(たとえば、約10
〜20時間)露光を行ない、そして露光終了後、X
線フイルムを現像し、DNAの分離泳動パターン
を画像化する処理である。このようにして得られ
たDNAの分離泳動パターンに基づいてDNAの塩
基配列を決定することができる。
オートラジオグラフイー処理は以上のように長
時間を必要とするため、その迅速化が望まれ、更
に読みとりの高分解能化も望まれている。
従来のアクリルアミドゲル膜を用いた電気泳動
媒体材料は上記のようにガラス板を用いるために
取り扱い性に問題があり、しばしばガラスを割つ
たりして実験を失敗することがある。更に、オー
トラジオグラフイーに際し、上記のように片面の
ガラスを除く必要があり、この時にゲル膜を破損
したりする事もあり、この操作は非常に熟練を必
要とする。したがつて、この様な欠点を改良した
取り扱い性の良好なポリアクリルアミドゲル膜の
開発が既にすすめられ、支持体としてポリエチレ
ンテレフタレートなどのプラスチツク材料からな
る支持体を用い、その上にアクリルアミド系化合
物と架橋剤とを含む水溶液を塗布して塗布層を形
成し、次いで窒素雰囲気下のような酸素を遮断し
た状態にして高圧水銀灯などを用いてその塗布層
表面に紫外線を照射し、架橋重合させポリアクリ
ルアミドゲル膜を生成させる方法が既に提案され
ている。
上記のプラスチツク材料製の支持体を用いた電
気泳動媒体材料は、その製造が容易で、取り扱い
性も良いとの利点を有する。そして、DNA分解
物などの電気泳動も、その電気泳動媒体材料を用
いて行なうことができるが、本発明者が詳細に検
討したところによると、支持体としてガラス板を
用いて製造した電気泳動媒体材料に比較すると、
その解像力が若干低下する傾向があることがわか
つた。
[発明の要旨] 本発明の目的は、新規なプラスチツク製フイル
ム(あるいはシート)を支持体として用いたポリ
アクリルアミドゲル膜系電気泳動媒体材料を提供
することにある。
本発明の目的は、特にプラスチツク製フイルム
(あるいはシート)を支持体として用いたポリア
クリルアミドゲル膜系電気泳動媒体材料であつ
て、支持体としてガラス板を用いて製造した電気
泳動媒体材料と同等の解像力を示す電気泳動媒体
材料を提供することにある。
本発明は、アクリルアミド系化合物と架橋剤と
が水の存在下で架橋重合してなるポリアクリルア
ミド系水性ゲルからなり、尿素またはホルムアミ
ドを含む電気泳動用媒体層およびプラスチツク材
料製支持体を含む電気泳動用媒体材料であつて、
該電気泳動用媒体層と支持体層との間に、該指示
体材料よりも酸化透過係数が低い樹脂材料からな
る層厚が1〜20μmの樹脂中間層が備えられてお
り、かつ該樹脂中間層と支持体とが形成する積層
体の酸素透過量が、10c.c./m2・atm・day以下で
あることを特徴とする電気泳動用媒体材料にあ
る。
[発明の効果] 本発明の電気泳動用媒体材料は、上記のように
プラスチツク製支持体からの電気泳動媒体層への
酸素の透過、核散を低下させることのできる樹脂
中間層が設けられているため、電気泳動用媒体層
(ポリアクリルアミドゲル膜)の形成のための架
橋重合反応が非常に円滑に進行し、高度に均質な
電気泳動用媒体層が形成される。従つて、そのよ
うな樹脂中間層を備えていないプラスチツク支持
体上に形成された電気泳動用媒体層に比較して、
本発明の電気泳動用媒体材料の電気泳動用媒体層
は、更に高い解像性を示す。
本発明において、電気泳動媒体材料の電気泳動
層と支持体側との間に酸素透過防止性の樹脂中間
層を付設することにより支持体と樹脂中間層との
積層体の酸素透過性を低下させた電気泳動媒体材
料の電気泳動特性(特に解像力)が向上する理由
は次のように推定される。
電気泳動媒体材料のポリアクリルアミドゲル膜
は前述のように、アクリルアミド系化合物と架橋
剤とを含む水溶液を支持体上に塗布して塗布層を
形成し、次いで窒素雰囲気下のような無酸素雰囲
気下で高圧水銀灯などを用いてその塗布層表面に
紫外線を照射し、架橋重合させる方法により製造
される。この場合、支持体とその表面上のアクリ
ルアミド系化合物と架橋剤とを含む水溶液の塗布
層とは窒素雰囲気に囲まれている。しかし、通常
のプラスチツク製支持体は酸素透過性を有してお
り、従つて大気雰囲気下に保存していたプラスチ
ツク製支持体はその内部に少量の酸素を保持して
いることになる。このプラスチツク製支持体中の
酸素は紫外線の照射による加熱により、支持体か
ら遊離し、その一部が反応中のアクリルアミド系
化合物と架橋剤とを含む塗布層に溶け込み円滑な
架橋重合反応を阻害する。すなわち、塗布膜での
架橋反応の進行中に支持体側より酸素が侵入する
ことにより支持体側の架橋反応が阻害され、その
結果、生成するゲル膜(電気泳動用媒体層)の表
面側と支持体側とで架橋重合度に差が発生するこ
とになり、架橋重合度が不均一となるものと推定
される。この推定は、酸素透過性能の低いガラス
板を支持体として用いて同様な方法によりポリア
クリルアミドゲル膜を製造すると、後述の参考例
1に見られるように高い解像力を示す電気泳動媒
体材料が得られることからも裏付けられる。
すなわち、本発明の電気泳動媒体材料に設けた
低酸素透過性の樹脂中間層は、そのようなプラス
チツク支持体からの遊離酸素が、架橋反応に供せ
られるアクリルアミドを含む塗布層に侵入するの
を防ぐ役目(即ち、障壁としての機能)を果すも
のと考えられる。
[発明の詳細な記述] 本発明の電気泳動用媒体材料の支持体は、プラ
スチツク材料から形成されるシート状物(フイル
ム状物も含む)である。このプラスチツク製シー
トとしては、任意のプラスチツク材料から形成し
たものを用いることができる。好ましいプラスチ
ツク材料の例としては、ポリエチレンテレフタレ
ート、ビスフエノールAのポリカルボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、セル
ロースアセテート、およびセルロースアセテート
プロピオネートをあげることができる。
プラスチツク材料製支持体は公知の表面活性化
処理により表面を親水化したものであることが好
ましい。表面親水化処理のためには紫外線照射、
グロー放電処理、コロナ放電処理、火焔処理、電
子線照射、ケミカルエツチング、電解エツチング
等の公知の方法を適用することができる。
支持体は、一般に厚さが約50〜500μm、好ま
しくは約70〜300μmのものが用いられる。
これまでに提案されているプラスチツク製支持
体を用いた電気泳動用媒体においては、プラスチ
ツク製支持体上に、直接あるいは接着剤層を介し
てポリアクリルアミドゲル形成用塗布液が塗布さ
れ、次いで窒素雰囲気下にて架橋重合反応が行な
われている。
本発明の電気泳動用媒体においては、プラスチ
ツク製支持体上に、該支持体の材料よりも酸素透
過係数が低い樹脂材料からなる樹脂中間層が設け
られる。
上記の樹脂中間層は、層厚20μmに形成したフ
イルムの状態における酸素透過量が15c.c./m2
atm.day以下の樹脂材料によりなることが好まし
く、特に層厚20μmに形成したフイルムの状態に
おける酵素透過量が10c.c./m2・atm.day以下の樹
脂材料よりなることが好ましい。好ましい樹脂材
料の例としては、塩化ビニリデン・塩化ビニル共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニ
トリル、ポリ塩化ビニリデン、ビニルアルコー
ル・エチレン共重合体、塩化ビニリデン・アクリ
ロニトリル共重合体、アクリロニトリル・メチル
アクリレート・ブタジエン共重合体などを挙げる
ことができる。なお、上記の酸素透過量は、酸素
透過量の測定方法として一般的に利用されている
mocon法による測定値である。
上記樹脂中間層は、その層厚が1〜20μmの範
囲にあるように調製する。
樹脂中間層と上記支持体とからなる積層体の酸
素透過量は10c.c./m2・atm.day以下であり、さら
に7c.c./m2・atm.day以下であることが特に好ま
しい。
上記の樹脂中間層の上に直接、あるいは接着剤
層などの他の中間層を介して電気泳動用媒体層が
設けられる。
次に電気泳動用媒体層(以下において、ゲル媒
体層、ポリアクリルアミドゲル膜あるいは単にゲ
ル膜ともいう)について説明する。
ポリアクリルアミドゲル膜は、アクリルアミド
系化合物と架橋剤とを、水溶液または水分散液と
して水中に溶解または分散させてゲル形成液を調
製したのち、液中で両者を架橋重合させて架橋重
合した水性ゲル膜として形成することにより得る
ことができる。本明細書においては、特にことわ
らない限り、(水中に)溶解と(水中に)分散の
両者を含めて単に(水中に)溶解といい、水溶液
と水分散液の両者を含めて単に水溶液という。ま
た、溶媒または分散媒として、所望により加えら
れる有機溶媒と水の混合物をも包含する。
ポリアクリルアミドゲル膜の形成に用いること
ができるアクリルアミド系化合物の例としては、
アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N−(ヒドロ
キシメチル)アクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド等のアクリルアミド系化合物やメタクリ
ルアミド等のメタクリルアミド系化合物が挙げら
れ、これらの化合物は単独で、あるいは二種以上
を併用して用いることができる。これらのアクリ
ルアミド系化合物のうちではアクリルアミドが最
も好ましく、またアクリルアミドと他のアクリル
アミド系化合物、メタクリルアミド系化合物の一
種以上の併用も好ましい。
架橋剤としては「Electrophoresis」1981、
220−228等に記載の公知の化合物(一種または二
種以上の組合せ)を用いることができる。架橋剤
の具体例としては、N,N′−メチレンビスアク
リルアミド(BIS);N,N′−プロピレンビスア
クリルアミド(PBA);ジ(アクリルアミドジメ
チル)エーテル(DAE);1,2−ジアクリルア
ミドエチレングリコール(DEG);エチレンウレ
アビスアクリルアミド(EUB);エチレンジアク
リレート(EDA);N,N′−ジアリルタ−タルジ
アミド(N,N′−diallyltartardiamide:
DATD);およびN,N′−ビスアクリリルシスタ
ミン(N,N′−bisacrylylcystamine、BAC)等
の二官能性化合物が挙げられる。
架橋剤の量は、単量体と架橋剤の総重量に対し
て約2〜30wt%、好ましくは約3〜10wt%の範
囲である。
ゲル濃度としては、S.Hjerten:「Arch.
Biochem.Biophys.」1(Suppl.)、147(1962)に
記載の定義に従つて表示して、単量体、架橋剤お
よび水からなるゲル膜の容積に対して、単量体と
架橋剤の量が約3w/v%から約30w/v%の範
囲で好ましく用いられる。
ポリアクリルアミドゲル膜に含有させる変性剤
は、尿素あるいはホルムアルデヒドである。これ
らのうちで尿素が特に好ましく用いられる。変性
剤は、単量体と架橋剤とを含む水性ゲルの容積に
対して、約40〜60wt/v%の範囲の量で用いら
れる。尿素を用いる場合には、単量体と架橋剤と
を含む水性ゲル1に対し約6モル(約360g)
から飽和溶解量まで、好ましくは約7モル(約
420g)から飽和溶解量までの範囲の量で用いる
ことができる。
ポリアクリルアミドゲル膜には水溶性ポリマー
を含有させることができる。
水溶性ポリマーとしては、付加重合型または縮
重合型の水溶性ポリマーを用いることができる。
付加重合型ポリマーの具体例としては、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド等の非イオン性水溶性ポリマーが挙げ
られる。縮重合型ポリマーの具体例としてポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール等
の非イオン性水溶性ポリアルキレングリコールが
挙げられる。水溶性ポリマーの分子量は、約1万
から約100万の範囲のものが好ましい。これらの
水溶性ポリマーのうちでは、ポリエチレングリコ
ール、ポリアクリルアミドが特に好ましい。
水溶性ポリマーは、単量体と架橋剤の合計重量
に対して約2wt%から約100wt%の範囲、好まし
くは約5wt%から約50wt%の範囲の量で用いられ
る。水溶性ポリマーを添加することにより、ポリ
アクリルアミドゲル膜は可塑性を有するようにな
るため、裁断加工時に壊れることがなくなり、ま
たゲル膜は乾燥時にも可塑性を有するようにな
り、もろさが改良され、壊れにくくなるとの利点
がある。また、水溶性ポリマーの分子量および添
加量を選択することにより、ゲル膜の粘度をコン
トロールすることもできる。
ポリアクリルアミドゲル膜にはアガロースを含
有させることができる。アガロースは公知のアガ
ロースであれば特に制限はなく、低電気浸透性、
中電気浸透性、高電気浸透性アガロースのいずれ
をも用いることができる。用いることのできるア
ガロースの例としては特開昭55−5730号、特開昭
55−110946号、特表昭57−502098号等の公報に開
示されているアガロース等がある。
アガロースは、単量体と架橋剤とを含むゲル組
成液の容積に対して約0.2w/v%から約2w/v
%、好ましくは約0.3w/v%から約1.2w/v%
の割合にて添加される。ゲル膜にアガロースを添
加することにより、ゲル形成用溶液温度を変化さ
せることにより、適当な溶液粘度にコントロール
することが可能となり、その流動性を止めること
ができ、またゲル膜を成形する時には成形しやす
くなるとの利点がある。
ポリアクリルアミドゲル膜にはPH緩衝剤を含有
させることができる。緩衝剤としては、PH8.0か
ら10.0、好ましくはPH8.0から9.0の範囲内のPH値
に緩衝できる緩衝剤であれば、いずれをも用いる
ことができる。用いうる緩衝剤としては、日本化
学会編『化学便覧 基礎編』(東京、丸善(株)1966
年発行)1312−1320頁; 『Data for Biochemical Research』(R.M.C.
Dawson et al編 第2版、Oxford at the
Clarendon Press、1969年発行)476−508ペー
ジ; 『Biochemistry』、5、467(1966); 『Analytical Biochemistry』、104、300−310
(1980)等の刊行物に記載の緩衝剤があげられる。
そして、その具体例としてはトリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン(Tris)[CAS Registry
No.77−86−1]、N,N−ビス(2−ヒドロキ
シエチル)グリシン(Bicine)、N−2−ヒドロ
キシエチルピペラジン−N′−2−ヒドロキシプ
ロパン−3−スルホン酸のNa塩またはK塩等、
N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−3
−プロパンスルホン酸のNa塩またはK塩等、N
−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−3−ア
ミノプロパンスルホン酸のNa塩またはK塩およ
び、これらのいずれかと必要により組合せられる
酸、アルカリまたは塩等をあげることができる。
特に好ましい緩衝剤の例としてはTris、ホウ酸
およびEDTA・2Na塩の組合せ(PH8.3)がある。
本発明においてポリアクリルアミドゲル膜はア
クリルアミドに代表される単量体、二官能性のア
リル(allyl)化合物またはアクリル化合物(架
橋剤)、水溶性ポリマー、およびアガロースを実
質的に均一に溶解させた水溶液中で単量体と架橋
剤とをラジカル架橋重合させて得られるものであ
り、単量体と架橋剤から形成された三次元架橋重
合体に水溶性ポリマーとアガロースが実質的に分
散されて、後二者のポリマー鎖が三次元架橋重合
体とからみあつている構造を有すると推定され
る。
上記のラジカル架橋重合反応は、分子状酸素の
不存在下で過酸化物の存在および/または紫外線
照射等の公知の方法により発生させることができ
る。この反応を加熱および紫外線照射により加速
することもできる。
ラジカル架橋重合用触媒としては、
「Electrophoresis」1981、2、213−219、同
1981、、220−228;青木、永井編「最新電気泳
動法」(1973年発行)等に記載の公知の低温ラジ
カル重合開始剤のうちから適宜選択して用いるこ
とができる。好ましいラジカル重合開始剤の具体
例としては、β−ジメチルアミノプロピオニトリ
ル(DMAPN)−ペルオクソ二硫酸アンモニウム
混合物、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレ
ンジアミン(TEMED)−ペルオクソ二硫酸アン
モニウム混合物、TEMED−リボフラビン混合
物、TEMED−リボフラビン−過酸化水素混合物
と紫外線照射の組合せ等が挙げられる。ラジカル
重合開始剤の含有量は、単量体と架橋剤の合計重
量に対して約0.3〜5重量%、そして好ましくは
約0.5〜3重量%の範囲である。
ゲル媒体層は、支持体上の前記の樹脂中間層の
上に直接あるいは接着剤層などの他の中間層を介
して上記のゲル形成液を公知の方法により塗布し
て設けたのち、ゲル形成液を架橋重合させること
により形成することができる。
ゲル形成液を支持体の表面で架橋重合させる場
合には、ゲル形成液塗布層の上をさらにカバーフ
イルム、シートまたは板などの被覆材料でおおう
ことができる。この目的に使用されるカバーフイ
ルム、シート、または板としては前記支持体と同
様な素材からなり、更に支持体同様、酸素透過能
を低下させているものを用いることができる。こ
の被覆材料の厚さは300μm以下であり、実用的
に好ましい厚さの範囲は約4〜200μmであり、
特に好ましい範囲は約4μm〜100μmである。
ポリアクリルアミドゲル膜には、必要に応じて
抗酸化剤などの他の添加剤は含有させることがで
きる。抗酸化剤としては、ゲル膜に配合しうるこ
とが知られている種々の化合物を用いることがで
きる。抗酸化剤の具体例としてはジチオスレイト
ール、2−メルカプトエタノールを挙げることが
できる。
その他の添加剤としては湿潤剤があり、ポリア
クリルアミドゲル膜にはグリセリン、エチレング
リコール等のポリオール化合物を含有させること
もできる。ポリオール化合物の含有量は、ゲル膜
の容積に対して約5〜約40w/v%の範囲から選
ばれる。ポリオール化合物のうちではグリセリン
が特に好ましい。湿潤剤を配合することによりゲ
ル膜の保存時の極端な水分の蒸発による乾燥を防
ぐことが可能となり。また極端な乾燥に起因する
もろさを防ぎ、ひびわれを防ぐ等のゲル膜の物性
が改善されるとの利点がある。
本発明の電気泳動用媒体材料は、前述の諸文献
等に記載の公知の方法に従つて、水平型および垂
直型平板電気泳動法、デイスク電気泳動泳動法等
のいずれにも用いることができる。
以下に本発明の実施例を記載するが、これらは
本発明の範囲を限定するものではない。
実施例 1 紫外線照射処理により表面を親水性にした厚さ
180μmの無色透明ポリエチレンテレフタレート
シート(支持体)上に、塩化ビニリデン・塩化ビ
ニル(9:1)共重合体のラテツクス(この塩化
ビニリデン・塩化ビニル(9:1)共重合体の層
厚20μmに形成したフイルムの状態における酸素
透過量は約5c.c./m2・atm・day)を塗布して、
層厚が約5μmの樹脂層を形成した。
上記の樹脂層が付設された支持体の酸素透過係
数は4c.c./m2・atm・dayであつた。
支持体上に設けられた樹脂層の上に、アクリル
アミド7.60g、BIS400mg、リボフラビン(0.25wt
%水溶液)1.5ml、尿素42g、トリス(ヒドロキ
シメチル)アミノメタン[CAS Registry No.77
−86−1]1.21g、ホウ酸0.654gおよび
EDTA.2Na塩75mgを含有する100mlの溶液に重合
開始剤としてペルオクソ二硫酸アンモニウム
(5wt%)1.3ml、TEMED33μを加えたものを
0.3mmの厚みに塗布成形し、これを窒素雰囲気下
において、塗布層の表面に100w高圧水銀灯を10
cmの距離から照射し、10分間静置しポリアクリル
アミドゲル膜を得た。
比較例 1 ポリエチレンテレフタレートシート(支持体)
上に、塩化ビニリデン・塩化ビニル(9:1)共
重合体の塗布層を設けなかつたこと以外は実施例
1と同様にして支持体上にポリアクリルアミドゲ
ル膜を形成した。
なお、上記支持体の酸素透過係数は17c.c./m2
atm・dayであつた。
参考例 1 支持体としてポリエチレンテレフタレートシー
トの代りにガラス板を用い、塩化ビニリデン・塩
化ビニル(9:1)共重合体の塗布層を設けなか
つたこと以外は実施例1と同様にして支持体上に
ポリアクリルアミドゲル膜を形成した。
[電気泳動試験] 実施例1、比較例1および参考例1で得られた
ポリアクリルアミドゲル膜にサンプル注入口を形
成し、次いでゲル膜に厚さ63μmのポリエチレン
テレフタレートシート(カバーシート)をかぶせ
た。
このポリアクリルアミドゲル膜を使用して、ジ
デオキシ法により調製された試料を電気泳動にか
け、DNA塩基配列決定の実験を行なつた。
すなわち、電気泳動終了後に、ゲル膜に対して
−80℃でオートラジオグラフイー処理を常法に従
つて行ない、得られた泳動パターンの可視画像に
基いてDNA塩基配列の決定操作を行なつた。
実施例1および参照例1のゲル膜により得られ
た泳動パターンは高い解像力(実施例1のゲル膜
における塩基解読数:198、参照例1のゲル膜に
おける塩基解読数:192)を示し、解読が容易で
あつた。一方、比較例1のゲル膜により得られた
泳動パターンの解像力は、実施例1および参照例
1のゲル膜により得られた泳動パターンの解像力
に比較して低く、塩基解読数も131と低かつた。
実施例 2 支持体上に設ける中間樹脂層をポリアクリロニ
トリル(このポリアクリロニトリルの層厚20μm
に形成したフイルムの状態における酸素透過量は
約2c.c./m2・atm・day)から、厚さを10μmの
層として形成した以外は実施例1と同様にして中
間樹脂層を有する支持体を形成した。
上記の樹脂層が付設された支持体の酸素透過係
数は2c.c./m2・atm・dayであつた。
次いで、上記支持体上に中間樹脂層の上に実施
例1と同様にしてポリアクリルアミドゲル膜を形
成した。
[電気泳動試験] 実施例2、比較例1および参考例1で得られた
ポリアクリルアミドゲル膜にサンプル注入口を形
成し、次いでゲル膜に厚さ50μmのポリエチレン
テレフタレートシート(カバーシート)をかぶせ
た。
上記のポリアクリルアミドゲル膜を使用して、
32P−DNAをマキサム・ギルバート分解した試料
を電気泳動にかけ、DNA塩基配列決定の実験を
行なつた。
すなわち、電気泳動終了後に、ゲル膜に対して
−80℃でオートラジオグラフイー処理を常法に従
つて行ない、得られた泳動パターンの可視画像に
基いてDNA塩基配列の決定操作を行なつた。
実施例2および参照例1のゲル膜により得られ
た泳動パターンは高い解像力(実施例1のゲル膜
における塩基解読数:65、参照例1のゲル膜にお
ける塩基解読数:61)を示し、解読が容易であつ
た。一方、比較例1のゲル膜により得られた泳動
パターンの解像力は、実施例1および参照例1の
ゲル膜により得られた泳動パターンの解像力に比
較して低く、塩基解読数も41と低かつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリルアミド系化合物と架橋剤とが水の存
    在下で架橋重合してなるポリアクリルアミド系水
    性ゲルからなり、尿素またはホルムアミドを含む
    電気泳動用媒体層およびプラスチツク材料製支持
    体を含む電気泳動用媒体材料であつて、該電気泳
    動用媒体層と支持体層との間に、該支持体材料よ
    りも酸素透過係数が低い樹脂材料からなる層厚が
    1〜20μmの樹脂中間層が備えられており、かつ
    該樹脂中間層と支持体とが形成する積層体の酸素
    透過量が、10c.c./m2・atm・day以下であること
    を特徴とする電気泳動用媒体材料。 2 樹脂中間層が、層厚20μmに形成したフイル
    ムの状態における酸素透過量が15c.c./m2・atm・
    day以下の樹脂材料よりなる特許請求の範囲第1
    項記載の電気泳動用媒体材料。 3 樹脂中間層が、塩化ビニリデン・塩化ビニル
    共重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリロ
    ニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ビニルアルコー
    ル・エチレン共重合体、塩化ビニリデン・アクリ
    ロニトリル共重合体、およびアクリロニトリル・
    メチルアクリレート・ブタジエン共重合体からな
    る酸素低透過性樹脂材料を含む特許請求の範囲第
    1項記載の電気泳動用媒体材料。 4 樹脂中間層と支持体とが形成する積層体の酸
    素透過量が7c.c./m2・atm・day以下である特許
    請求の範囲第1項記載の電気泳動用媒体材料。 5 プラスチツク材料製支持体がポリエチレンテ
    レフタレートからなる特許請求の範囲第1項記載
    の電気泳動用媒体材料。 6 電気泳動用媒体層がさらに水溶性ポリマーお
    よびアガロースを含む特許請求の範囲第1項記載
    の電気泳動用媒体材料。
JP61090622A 1986-04-19 1986-04-19 電気泳動用媒体材料 Granted JPS62247242A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61090622A JPS62247242A (ja) 1986-04-19 1986-04-19 電気泳動用媒体材料
US07/040,486 US4897306A (en) 1986-04-19 1987-04-20 Medium for electrophoresis
DE8787303480T DE3771571D1 (de) 1986-04-19 1987-04-21 Elektrophoresemedium.
EP19870303480 EP0246751B1 (en) 1986-04-19 1987-04-21 Medium for electrophoresis

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61090622A JPS62247242A (ja) 1986-04-19 1986-04-19 電気泳動用媒体材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62247242A JPS62247242A (ja) 1987-10-28
JPH0556820B2 true JPH0556820B2 (ja) 1993-08-20

Family

ID=14003585

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61090622A Granted JPS62247242A (ja) 1986-04-19 1986-04-19 電気泳動用媒体材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62247242A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07196113A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Murata Mach Ltd コンベア

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5055517A (en) * 1988-04-29 1991-10-08 At Biochem Electrophoretic media

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07196113A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Murata Mach Ltd コンベア

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62247242A (ja) 1987-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4657656A (en) Polyacrylamide medium for electrophoresis having improved elasticity
US4963243A (en) Medium for electrophoresis
EP0246751B1 (en) Medium for electrophoresis
US4891119A (en) Medium for electrophoresis having improved physical properties
US4737259A (en) Element for electrophoresis
US4699705A (en) Element for electrophoresis using aqueous polyacrylamide gel
EP0246873B1 (en) Element for electrophoresis
US4722777A (en) Improvement of electrophoretic element using polyacrylamide gel
EP0162657B1 (en) Element for electrophoresis
JPH0556820B2 (ja)
JPH041867B2 (ja)
EP0165069B1 (en) Medium for electrophoresis
JPS6120849A (ja) 電気泳動用媒体
JPH0556821B2 (ja)
JPH0477868B2 (ja)
JPS631964A (ja) 電気泳動用媒体材料
JPH0471178B2 (ja)
JPS62247241A (ja) 電気泳動用媒体材料
JPH0560549B2 (ja)
JPS60244850A (ja) 電気泳動用媒体材料およびその製造方
JPS60194349A (ja) 電気泳動用媒体材料
JPS62247244A (ja) 電気泳動用媒体材料
JPS631963A (ja) 電気泳動用媒体材料
JPS6370156A (ja) 電気泳動用媒体
JPH043825B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees