JPH0437166B2 - - Google Patents

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JPH0437166B2
JPH0437166B2 JP11703487A JP11703487A JPH0437166B2 JP H0437166 B2 JPH0437166 B2 JP H0437166B2 JP 11703487 A JP11703487 A JP 11703487A JP 11703487 A JP11703487 A JP 11703487A JP H0437166 B2 JPH0437166 B2 JP H0437166B2
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JP
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gas
transition metal
vapor
carbon fibers
grown carbon
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Kohei Arakawa
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Nikkiso Co Ltd
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Nikkiso Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、金属触媒を用いて気相中で炭素繊維
を製造する方法に関する。 〔従来の技術〕 炭素繊維は、軽量かつ高強度という材料特性に
よつて、航空宇宙産業、スポーツ・レジヤー産業
等にその利用が急ピツチに拡大されている。 炭素繊維は、一般にPAN(ポリアクリルニトリ
ル)の紡糸、耐炎化、炭素化処理またはピツチの
溶融紡糸、不融化、炭化焼成等によつて製造され
ている。一方、気相成長法による炭素繊維は、不
連続繊維であるが、結晶性良好な易黒鉛化炭素繊
維であり、2800℃以上の熱処理によつて、従来の
炭素繊維では達成できない極めて機械的特性に優
れた素材になることで注目を集めている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 気相成長炭素繊維の生成には、原料として一酸
化炭素や炭化水素が使われ、遷移金属の微粒子が
重要な触媒として機能することが分かつている。
一酸化炭素を原料として炭素繊維を生成する実験
は非常に多く試みられている。この種の炭素繊維
は微細な遷移金属を触媒として350℃〜750℃程度
の低い温度領域で生成されるもので、直径
0.01μm〜0.5μmの微細繊維である。この種の炭素
繊維の生成速度の最適温度は550℃前後であり、
400℃以下の低温では無定型炭素と気相成長炭素
繊維の混合物の生成が見られる。また、より高い
温度では板状グラフアイトの生成が支配的とな
り、気相成長炭素繊維だけを優先的に生成させる
ことが難しい。また500℃前後の低い温度領域で
は成長速度が10-9〜10-7m/s程度と極めて遅い
こともあり、質的かつ量的問題において、今日に
至つても工業化される見通しがない。 一方、前者と比較し、大幅に進歩した方法とし
て遷移金属の微粒子を担持した基材上で約1100℃
の温度雰囲気で炭化水素の熱分解によつて、直径
1μm以上、長さ数cm以上の炭素繊維を生成する方
法が知られている。基材上に遷移金属の微粒子を
担持する方法としては、100Å〜300Å程度の遷移
金属の酸化物をアルコール等の揮発性が高く表面
張力の低い液体に懸濁させて、該懸濁液を基材上
にスプレーして乾燥する方法や、硫酸鉄のような
遷移金属化合物を溶解した水に基材を浸し、軽く
水洗いして後約1100℃で2時間、窒素中で焼成
し、担持基材を作る方法が一般である。次に該基
板を反応炉に入れ、水素ガスで還元して後ベンゼ
ン等の炭化水素ガスの1100℃前後の熱分解反応に
より基材上に気相成長炭素繊維を生成する。この
方法は、COを原料とした低温反応と比較し、繊
維の成長速度は極めて速いものの、工業化という
観点ではまだまだ多くの問題を有する。 まず、基板表面の微妙な温度ムラや、周囲の
繊維の密生度によつて長さの不均一が起り易いこ
と、また炭素供給源としてのガスが反応によつ
て消費されることにより反応管の入口に近い所と
出口に近い所で繊維径が相当異なること、基板
表面でのみ生成が行われるため、反応管の中心部
分は反応に関与せず収率が悪いこと、超微粒子
を担持した基材の作成、基材の反応炉内へのセツ
ト、昇温、超微粒子の還元、炭素繊維の気相成
長、長時間を要する降温、基材の取出し、繊維の
基材からのかき取り等のプロセスを必要とし連続
製造が不可能であり、1日1回のバツチ生産とな
つてしまう。また、1バツチで生成する量も基材
100cm2当り0.1g程度のため、生産性が極めて低
く、コスト面において、すでに商品化されている
PAN系炭素繊維、ピツチ系炭素繊維に対抗する
ことは不可能である。 それ故、この発明の一般的な目的は、上述の問
題点を除去し、生産性を高めることのできる気相
成長炭素繊維の連続製造方法を提供するにある。 〔問題点を解決するための手段〕 この目的を達成するため、この発明に係る気相
成長炭素繊維の製造方法は、有機遷移金属化合物
のガスとキヤリヤガスとの混合ガスを加熱するこ
とを特徴とする。 本発明における炭素供給源としては有機遷移金
属化合物の有機部分が反応器内で熱分解して利用
される。 キヤリヤガスとしては、周期律表O族のアルゴ
ン、ヘリウム等の希ガスおよび水素、窒素または
これらの混合ガスの中から選択されるガスを主体
とし、水素ガスが最も好ましい。主体とするとい
う意味は、上記以外に他のガスを含むことが許さ
れることを意味し、その割合はキヤリヤガス成分
中20%以内である。この種の少量成分ガスとして
は、硫化水素、二硫化炭素が好ましい。 本発明における有機遷移金属化合物は、遷移金
属を含む有機化合物であり、具体的にはアルキル
基と金属が結合したアルキル金属、アリル基と金
属が結合したアリル錯体、炭素間2重結合や3重
結合等と金属とが結合した化合物に代表されるπ
結合が関与する錯体とキレート型化合物等に代表
される。 また、ここで遷移金属としては、スカンジウ
ム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、
鉄、コバルト、ニツケル、イツトリウム、ジルコ
ニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、タンタル、タングステン、レ
ニウム、イリジウムまたは白金を指すものである
が、これらの内特に周期律表族に属するもの、
その内で特に鉄、ニツケル、コバルトが好適であ
つて、鉄が最も好適である。 有機遷移金属化合物の一部具体的例を挙げる
と、アルキル金属として (C4H94Ti, CT2=CHCH2Mn(CO)5
〔発明の作用〕
本発明によれば、有機金属化合物を使用し、そ
れを蒸発して気相中で金属触媒を作成するという
新しい手法によつて、従来の触媒の基板への分散
と還元という2つの操作の省略を可能としたもの
で、すなわち気相中で炭素源かつ触媒源としての
有機遷移金属化合物のガスを熱分解することによ
り、触媒と炭素繊維を連続的に生産させることが
可能となつた。 〔発明の効果〕 本発明によれば、従来のように反応が基板表面
だけでなく全域にわたつているため高収率が得ら
れ、気相中で生成している炭素繊維は、浮遊運動
をしているため各繊維は平均的に同一の条件で生
成していると考えてよく、生成炭素繊維はアスペ
クト比の均一なものが得られる。 〔発明の実施例〕 次に、この発明に係る気相成長炭素繊維の製造
方法の好適な実施例につき添付図面を参照しなが
ら以下詳細に説明する。 まず、本発明における気相成長炭素繊維を製造
するために使用した装置につき、その概略を示せ
ば、第1図に示す通りである。 第1図において、参照符号10,12,14は
ガスボンベを示し、それぞれボンベ10には高純
度水素ガス、ボンベ12には窒素ガス、ボンベ1
4には硫化水素ガスが充填される。ボンベ10,
12は、それぞれ流量計16,18およびバルブ
20,22を介してステンレスパイプ24に接続
されている。このパイプ24は、バルブ26を介
してステンレスパイプ30が導出され、このパイ
プ30はフエロセンを充填したガス発生器32に
連通している。さらにこのガス発生器32からス
テンレスパイプ34が導出され、このパイプ34
はバルブ36を介して反応管38に連通してい
る。しかるに、この反応管38に連通する前記パ
イプ34の一部に、前記ボンベ14が流量計40
およびバルブ42を介して接続されている。な
お、前述したパイプ24からバルブ26よりガス
発生器32およびバルブ36を介して反応管38
に接続されるパイプ34に至る系に対し、ステン
レスパイプ44をそれぞれバルブ46,48を介
して接続する。 反応管38は、内径22mm、長さ1000mmの石英管
で構成し、その長さ約600mmに亘つてこれを電気
炉50内に設置する。この電気炉50の温度は、
熱電対52と3回路PID温度制御器54とからな
る制御系で制御し、この温度は温度記録計56で
記録するよう構成する。そして、前記反応管38
の終端部にはステンレス繊維フイルタ58を介し
て排気パイプ60を連通する。 このように構成した装置は、運転に際し、最初
ボンベ12から供給される窒素ガスをバイパスパ
イプ44を介して反応管38に供給し、反応管3
8内部を窒素ガスで置換して爆発の危険を防止す
る。次いで、ボンベ10より水素ガスをガス発生
器32に供給して水素−フエロセンとの混合ガス
となし、これをさらに硫化水素と混合して反応管
38に導入し、電気炉50の作用下に炭素繊維の
気相成長が行われ、得られた炭素繊維はステンレ
ス繊維フイルタ58に捕集される。 実施例 1 第1図に示す装置において、ボンベ10に高純
度水素ガス、ボンベ14に硫化水素ガス、有機金
属化合物のガス発生器32にフエロセンを入れ
て、まず有機金属化合物のガス発生器32を加熱
してフエロセンのガスを生成させ、バルブ20,
42を調節て流量計16,40により所定流量の
水素、硫化水素を流す。水素ガスはステンレスパ
イプ24よりバルブ26およびステンレスパイプ
30を経て有機金属化合物のガス発生器32に入
り、ここにて水素−フエロセンの混合ガスを生成
し、ステンレスパイプ34よりバルブ36を経て
硫化水素と混合されて反応管38に入る。フエロ
センがパイプ内に凝縮しないようにステンレスパ
イプ30は200℃に加熱した。混合ガスの組成は
水素:硫化水素:フエロセン=91.8:3.0:5.2、
総流量は109ml/mm(25℃換算とした)。電気炉5
0は1065℃の温度に設定した。反応管38の内部
の温度分布を調べたところ、均熱帯はパイプの中
央付近300mmであつた。混合ガスは連続的に供給
され、反応管38内で連続的に熱分解し、触媒と
気相成長炭素繊維が連続的に生成する。生成した
気相成長炭素繊維はステンレス繊維フイルタ58
で捕集し重量増加分より収率を計算した。また、
炭素繊維の径、長さについては顕微鏡で観察し
た。 その結果、炭素繊維(径×長さ)0.1μ×9μの気
相成長炭素繊維が収率20%で得られた。 実施例1における収率は、ステンレス繊維フイ
ルタに捕集された炭素繊維をもとに計算されてい
るため、捕集効率等を換算すると実際の収率はも
つと高くなると考えられる。 比較例 1 比較の目的で、特公昭53−7538号の実施例1を
追試した。 活性アルミナ(半井化学製乾燥用活性アルミナ
8〜14mesh)10gとFeSO4・7H2O14gを含む水
溶液100c.c.に浸し、軽く水洗した後1100℃で2時
間、窒素中で焼成して担持した基材を作つた、こ
こから約1gをアルミナ磁気のポートに入れ内径
約24mmの石英管の中央部に置いた。キヤリヤガス
を水素とし80c.c./mmでこれにベンゼン蒸気(蒸気
圧約39mmHg)を含ませて系内を充分パージし、
900℃まで基材を昇温した。ここでベンゼンの蒸
気圧を75mmHgとし温度を3時間かけて1100℃ま
で上昇させた。系内には多量の繊維が生成してお
り、供給したベンゼンに対して繊維の収率は約
5wt%であつた。繊維の直径は5〜20μ、長さは
5〜50mmであつた。 この方法は、実質生成時間が1〜3時間のバツ
チ法であり、1日1回の運転が限度である。また
実施例と比較例との対比から判るように、本発明
は連続運転であり、かつ収率に限つても上記従来
法より著しく高い。 実施例 2 混合ガスとして水素:(C5H52Fe=92.8:7.2、
総流量100ml/分(25℃換算)、電気炉温度1050℃
の条件で実施し、収率11%、炭素繊維(径×長
さ)0.03μ×5μの気相成長炭素繊維が得られた。
このとき得られた気相成長炭素繊維は、電子顕微
鏡で観察したところ曲がりくねつたものであつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図は気相成長炭素繊維の製造に使用した実
験装置の系統図である。 10,12,14…ガスボンベ、16,18,
40…流量計、20,22,26,36,42,
46,48…バルブ、24,30,34,44…
ステンレスパイプ、32…ガス発生器、38…反
応管、50…電気炉、52…熱電対、54…3回
路PID温度制御器、56…温度記録計、58…ス
テンレス繊維フイルタ、60…排気パイプ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機遷移金属化合物のガスとキヤリヤガスと
    の混合ガスを800〜1300℃に加熱することを特徴
    とする気相成長炭素繊維の製造方法。 2 キヤリヤガス最高20%の硫黄化合物のガスを
    含む水素ガス又は不活性ガスである特許請求の範
    囲第1項記載の気相成長炭素繊維の製造方法。 3 有機遷移金属化合物のガス濃度が0.01%〜40
    %である特許請求の範囲第1項記載の気相成長炭
    素繊維の製造方法。 4 有機遷移金属化合物のガスとキヤリヤガスと
    の混合ガスの供給が連続的である特許請求の範囲
    第1項記載の気相成長炭素繊維の製造方法。 5 濃度コントロールした有機遷移金属化合物の
    ガスとキヤリヤガスとの混合ガスを温度コントロ
    ールした反応帯域に導入し、該有機遷移金属化合
    物の分解によつて生成した遷移金属の還元及び分
    散の必要のない浮遊状態の微粒子を触媒として炭
    素繊維の気相生成を浮遊状態で行わせる特許請求
    の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の気相
    成長炭素繊維の製造方法。
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