JP2670040B2 - 流動気相成長法による中空炭素繊維 - Google Patents

流動気相成長法による中空炭素繊維

Info

Publication number
JP2670040B2
JP2670040B2 JP61180071A JP18007186A JP2670040B2 JP 2670040 B2 JP2670040 B2 JP 2670040B2 JP 61180071 A JP61180071 A JP 61180071A JP 18007186 A JP18007186 A JP 18007186A JP 2670040 B2 JP2670040 B2 JP 2670040B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
carbon
compound
carbon fiber
hollow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP61180071A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6342920A (ja
Inventor
公平 荒川
Original Assignee
日機装 株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日機装 株式会社 filed Critical 日機装 株式会社
Priority to JP61180071A priority Critical patent/JP2670040B2/ja
Publication of JPS6342920A publication Critical patent/JPS6342920A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2670040B2 publication Critical patent/JP2670040B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、中空炭素繊維、殊に一群の流動気相成長
炭素繊維の90%以上が60Å以下の中空内径を有する中空
炭素繊維に関する。 〔従来の技術〕 炭素繊維は、軽量且つ高強度という材料特性によっ
て、航空宇宙産業、スポーツ・レジャー産業等にその利
用が急ピッチに拡大されている。 炭素繊維は、一般にPAN(ポリアクリロニトリル)の
紡糸、耐炎化、炭素化処理またはピッチの溶融紡糸、不
融化、炭化焼成等によって製造されている。一方、気相
成長法による炭素繊維は、不連続繊維であるが、結晶性
良好な易黒鉛化性炭素繊維であり、2800℃以上の熱処理
によって、従来の炭素繊維では達成できない極めて機械
的特性に優れた素材になることで注目を集めている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 従来、気相法による炭素繊維は、アルミナ、黒鉛など
の基板表面に100Å〜300Åの金属超微粒子触媒を担持さ
せて、約1000℃の加熱帯域で水素含還元した後、気相成
長を行うのが一般であった。しかしながら、超微粒子は
凝集二次粒子を形成し、その分散も容易ではない。ま
た、超微粒子の二次粒子は、数百度の低温で焼結し、大
粒径になり易い。従って、現実に製造され、入手可能な
最も微細な平均粒径100Åの超微粒子を使っても、二次
粒子の形成とその焼結によって実際には、100Åとして
機能できる触媒超微粒子は、ほとんど存在しないことが
わかっている。 気相法により炭素繊維は、中心に中空を有している
が、その中空径は触媒超微粒子に強く依存しており、粒
子径が大きくなると中空径も大きくなる。粒径100Å以
上の触媒を使った場合、その中空径はわずかに60Å以下
のものが存在するが、二次粒子の形成による触媒の大粒
径化によって中空径のほとんどは100Å以上になる。 中空径は、触媒粒子の大きさと正の相関を有するもの
であり、従来のような遷移金属の超微粒子を基材に散布
して後水素還元し、炭素繊維を気相生成する方法や、遷
移金属化合物を溶剤に溶かし、それを基材に塗布し、同
様の手順で炭素繊維を気相生成する方法においては、触
媒粒子径を100Å以下にすることは難しい。また、中空
径についても、触媒粒子が大きくなるために大部分は10
0Å以上であり、中には1000Å程度のものも存在し、機
械的特性に悪影響を与える。 出願人は、従来の基板に鉄やニッケルなどの超微粒子
触媒を形成させる手法に代えて、有機遷移金属化合物の
ガスを使用して電気炉空間で浮遊する超微粒子触媒を形
成せしめ、それにより浮遊状態で炭素繊維を成長させる
製造方法を完成し、特願昭58−162606号として出願した
(以下この方法で製造した炭素繊維を流動気相成長法に
よる炭素繊維という)。 更に、出願人はこの流動気相成長法による炭素繊維に
つき、その複合材料としての機械的特性、高分解能透過
型電子顕微鏡観察の結果から、流動気相成長法による炭
素繊維の製造において触媒粒径のコントロールによって
その大部分の中空径を60Å以下にすることが可能であ
り、またその中空径が小さいほど炭素繊維の成長速度が
速いばかりでなく、優れた複合材料用素材となり得るこ
とを突き止めた。 従って、本発明の目的は、従来の炭素繊維より機械的
特性に著しく優れ複合材料用素材として適した中空炭素
繊維を提供することにある。 また、別の目的は、微細触媒を生成し、それによって
炭素繊維の気相生成を行うことによって、炭素繊維の成
長速度を増し、生産性をあげることである。 〔問題点を解決するための手段〕 先の目的を達成するため、この発明に係る中空炭素繊
維は、一群の流動気相成長炭素繊維において、その90%
以上が30〜60Åの中空内径を有することを特徴とする。 この発明にかかる一群の流動気相成長炭素繊維の90%
以上が30〜60Åの中空内径を有する中空炭素繊維は、濃
度調整された有機遷移金属化合物のガスと、キャリヤガ
スと、必要に応じて炭素化合物のガスとの混合ガスを加
熱分解することにより連続的に製造される。 また、この中空炭素繊維は、流動気相成長法において
有機遷移金属化合物の濃度を全混合ガスに対して0.01%
〜40%に調整する。反応温度との関係においては、温度
が高いほど低濃度にすることが好ましい。 したがって本発明の好適な態様によれば、一群の流動
気相成長炭素繊維の90%以上が30〜60Åの中空内径を有
する中空炭素繊維を流動気相成長法により製造するに際
し、濃度調整された有機遷移金属化合物のガスと、キャ
リヤガスと、必要に応じて用いる炭素化合物のガスとの
混合ガスを高熱反応させることにより生成させることか
らなり、反応温度が高い程有機遷移金属化合物の濃度を
低濃度にすることを特徴とする流動気相成長法による中
空炭素繊維の製造方法が提供される。 更に、本発明の他の好適な態様によれば、一群の流動
気相成長炭素繊維の90%以上が30〜60Åの中空内径を有
する中空炭素繊維を流動気相成長法により製造するに際
し、濃度調整された有機遷移金属化合物のガスと、キャ
リヤガスと、必要に応じて用いる炭素化合物の混合ガス
とを高温反応帯域に導入し、有機遷移金属化合物の熱分
解によって生成した触媒として機能し得る還元及び分散
の必要のない発生期の遷移金属の流動状態の微粒子を触
媒とする気相成長によって生成させることからなり、反
応温度が高い程有機遷移金属化合物の濃度を低濃度にす
ることを特徴とする流動気相成長法による中空炭素繊維
の製造方法が提供される。 すなわち、より具体的にはベンゼン、メタン等の炭化
水素化合物のガスとフェロエン、鉄カルボニル等の有機
遷移金属化合物のガスとキャリヤガスとの混合ガスを60
0℃乃至1300℃の温度で加熱して中空炭素繊維を生成す
る。 本発明における炭素供給源としての炭素化合物とは、
有機鎖式化合物または有機還式化合物からなる有機化合
物全般が対象となるが、特に高い収率を得るには脂肪族
炭化水素、芳香族炭化水素である。しかし、炭化水素化
合物以外に窒素、酸素、硫黄、弗素、塩素、臭素、沃
素、燐、砒素等の内の一種類以上の元素を含むものも使
用できる。特に炭素と水素と硫黄との組合せからなる場
合には収率面で好適である。具体的な個々の化合物の例
を挙げると、メタン、エタン等のアルカン化合物、エチ
レン、ブタジエン等のアルケン化合物、アセチレン等の
アルキン化合物、ベンゼン、トルエン、スチレン等のア
リール炭化水素化合物、インデン、ナフタリン、フェナ
ントレン等の縮合環を有する芳香族炭化水素、シクロプ
ロパン、シクロヘキサン等のシクロパラフイン化合物、
シクロペンテン、シクロヘキサン等のシクロオレフイン
化合物、ステロイド等の縮合環を有する脂環式炭化水素
化合物、メチルチオール、メチルエチルスルフイド、ジ
メチルチオケトン等の含硫脂肪族化合物、フェニルチオ
ール、ジフェニルスルフイド等の含硫芳香族化合物、ベ
ンゾチオフエン、チオフエン等の含硫複素環式化合物等
である。また、以上の化合物の2種以上を混合した混合
物を使用することも可能である。 キャリヤガスとしては、周期律表O族のアルゴン、ヘ
リウム等の希ガスおよび水素、窒素またはこれらの混合
ガスの中から選択されるガスを主体とし、水素ガスが最
も好ましい。主体とするという意味は、上記以外に他の
ガスを含むことが許されることを意味し、その割合はキ
ャリアガス成分中20%以内である。この種の少量成分ガ
スとしては、硫化水素、二硫化炭素、酸素、オゾンが好
ましい。水素ガス以外のガスをキャリアガスとして使用
する場合、一般に炭素化合物の熱分解が促進されすぎ、
かえって炭素繊維の生成を阻害する要因になるため、炭
素化合物の濃度を大幅に低下させる必要性がでてくる。 本発明における有機遷移金属化合物とは、遷移金属を
含む有機化合物全般を対象としている。具体的にはアル
キル基と金属が結合したアルキル金属、アリル基と金属
が結合したアリル錯体、炭素間2重結合や3重結合等と
金属とが結合した化合物に代表されるπ結合が関与する
錯体とキレート型化合物及びカルボニル化合物等に代表
される有機遷移金属化合物である。 また、ここで遷移金属としては、スカンジウム、チタ
ン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブ
デン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タンタル、
タングステン、レニウム、イリジウムまたは白金を指す
ものであるが、これらの内特に周期律表VIII族に属する
もの、その内で得に徹、ニッケル、コバルトが好適であ
って、鉄が最も好適である。 有機遷移金属化合物の一部具体的例を挙げると、アル
キル金属として(C4H94Ti,CH2=CHCH2Mn(CO)5, (C2H5)FeBr2;アリル錯体として(C6H53PtI;π結合
が関与する錯体として(C5H52Fe,(C6H62Mo,(C
9H72Fe,〔C5H5Fe(CO)2,〔C5H5Fe(CO)〕Cl,
〔C5H5Fe(CO)〕CN, キレート型化合物として カルボニル化合物としてFe(CO)、Fe2(CO)9,Ni(C
O)、Cr(CO)、W(CO)等である。また、有機
遷移金属化合物の混合物の使用も可能である。 本発明における製造方法を具体的に説明すると、有機
遷移金属化合物のガスとキャリヤガスと必要に応じて炭
素化合物のガスとの混合ガスを、好しくは600〜1300℃
より好ましくは800℃〜1250℃、更に好適には1000℃〜1
200℃に加熱する。炭素化合物、有機遷移金属化合物が
ガス状ならばそのまま、液体または固体の場合は加熱蒸
発または昇華させて得られるガスを使用し、炭素化合物
のガスおよび有機遷移金属化合物のガスの全混合ガスに
占める割合は、好ましくは各々炭素化合物のガス0〜40
%、有機遷移金属化合物のガス0.01%〜40%、さらに好
ましくは各々炭素化合物のガス5.0%〜20%、有機遷移
金属化合物のガス0.05%〜5.0%である。ここで炭素化
合物の濃度が0でも良いのは有機遷移金属化合物中に十
分な炭素を含有している場合は、必ずしも炭素化合物の
ガスを必要としないとい意味である。混合ガスの加熱方
法としては電気炉による方法が簡便であるが、その他、
レーザー加熱、高周波加熱、赤外線ヒーター加熱、プラ
ズマ加熱等も可能である。 本発明は、炭素供給源としての炭素化合物のガスと、
従来気相成長炭素繊維の生成に不可欠な触媒となってい
る金属からなる有機金属化合物のガスとを反応炉内で同
時に熱分解させる方法で実施できるが、この方法により
炭素繊維が得られたという事実から反応管内部では2段
階の反応が起っていると考える。まず、反応管の内部温
度が比較的低い部分で有機金属化合物のみが熱分解し、
20〜60Å程度の金属超微粒子が生成し(第1段階)、次
に炭素繊維が流動状態で気相生成する(第2段階)。 〔発明の作用〕 流動気相成長法においては、有機遷移金属化合物の熱
分解によって有機遷移金属化合物の濃度に依存した大き
さの触媒の気相生成が起り、気相中によく分散された発
生期の金属長微粒子触媒によって炭素繊維が浮遊状態で
気相生成される。すなわち、高い温度域で発生した金属
超微粒子は、凝集二次粒子を形成しにくいため、発生期
の小さい触媒径に依存した形で炭素繊維生成が行われ、
それ故中空内径の小さい炭素繊維が得られる。また、触
媒粒子径が小さいほど炭素繊維の成長速度が速いため生
産性の増加につながって炭素繊維が高収率で得られる。 〔発明の実施例〕 実施例1 次に、この発明に係る流動気相成長法による中空炭素
繊維につきその製造及び観察の実施例を添付図面を参照
しながら以下説明する。 第1図は実施例1に使用した装置の概略系統図であ
る。実施例1においては、有機金属化合物として(C
5H52Fe(フェロセン)を、炭素化合物としてC6H6(ベ
ンゼン)を、キャリヤガスとして3%の硫化水素を含む
H2ガスを用いた。反応管はアルミナ製で内径50mm、長さ
1500mmであり、加熱装置の加熱部の有効長は900mm、均
熱帯域は約300mmである。まず、気化器42及46には、そ
れぞれ(C5H52Fe及びC6H6を貯えた。ガス導入管49か
ら500ml/minの流量で反応管内にN2ガスを送りながら加
熱器52を昇温した。温度が一定に達してから、ガス導入
管49よりH2ガスを100ml/minの流量で反応間に送りガス
置換を行った。30分のガス弛緩後、キャリヤガス導入管
40及び44にH2ガスを導入しガス導入管49よりH2Sガスを
導入した。反応管に入る直前におけるガスの組成は、
H2:H2S:(C5H52Fe:C6H6=85.3:2.6:0.3:11.8で、総流
量は1168ml/min(常温,常圧換算)であった。均熱部の
温度は1100℃であり、生成した炭素繊維は繊維捕集装置
54として金属繊維フィルターを使用し、そこで捕集し
た。反応管内及びステンレス繊維フィルターで捕集され
た炭素繊維の高分解能透過型電子顕微鏡観察を行ったと
ころ、直径0.1μm、長さ約40μm、中空径約40Åの微
細炭素繊維が得られた。またこの時の収率は58%であっ
た。繊維20本につき中空径を計測したところ、全て60Å
以下であり値を統計的に処理すると、39ű5Å(95%
信頼限界)であった。 比較例1 第2図は比較例1に使用した装置の概略系統図であ
る。第2図に示した加熱器72および反応管68は実施例1
で使用したものと同様のものを用いた。また気化器60に
はC6H6を貯えた。反応管の中心には、内径45mm、長さ30
0mmのアルミナ製パイプを2つに割って半円状にした基
板70を置いた。この基板には予め次のような処理をし
た。平均粒径100Åの鉄の超微粒子約1gを1000mlのアル
コールに懸濁し、上澄液を採取しスプレーにて基板表面
に該上澄液を散布して乾燥した。 まず、ガス導入管66よりN2ガスを500ml/minの液量で
送りながら加熱器72を昇温した。一定温度に達してから
ガス導入管66にはN2ガスのかわりにH2ガス500ml/minを
流した。30分のガス置換後ガス導入管66は締めて、キャ
リヤガス導入管62よりH2ガスを100ml/minの流量で送っ
た。ガス導入管64におけるガス組成は、H2:C6H6=97,6:
2.4で、総流量は102.5ml/minであった。均熱部の温度
は、1090℃として、20分間運転した。加熱器が冷却して
から基板を取出したところ、基板表面に直径0.2μm長
さ約5mmの炭素繊維が生成していた。基板より炭素繊維
を削りとり高分会能透過型電子顕微鏡で中空内径を20本
につき測定したところ、170ű42Å(95%信頼限界)
であった。 比較例2 Fe(NO331を1000mlのアルコールに溶解し、比較例
1に使用した。アルミナ製基板に塗り、比較例1と同様
の手順で炭素繊維を作った。生成した繊維は直径0.2μ
m長さ約6mmで20本の繊維について高分会能透過型電子
顕微鏡で中空内径を測定したところ、80ű23Å(95%
信頼限界)であった。 実施例2 混合ガスとして水素:アセチレン:(C5H52Ni=84.
5:15.0:0.5、総流量1100ml/分(25℃換算)、電気炉温
度1080℃の条件で実施し、炭素繊維(径×長さ)0.2μ
m×36μm流動気相成長炭素繊維が得られた。繊維20本
につき中空径を計測したところ、全て60Å以下であり値
を統計的に処理すると、41ű5Å(95%信頼限界)で
あった。 実施例3 混合ガスとして窒素:ベンゾチオフエン:〔C5H5Fe
(CO)=95.6:3.4:1.0、総流量1080ml/分(25℃
換算)、電気炉温度1065℃の条件で実施し、炭素繊維
(径×長さ)0.1μm×27.0μm流動気相成長炭素繊維
が得られた。繊維20本につき中空径を計測したところ、
全て60Å以下であり値を統計的に処理すると、47ű6
Å(95%信頼限界)であった。 実施例4 混合ガスとしてアルゴン:CH4:C6H15ScC4H10O=93.2:
6.1:0.7、総流量1100ml/分(25℃換算)、電気炉温度10
65℃の条件で実施し、炭素繊維(径×長さ)0.2μm×
2.0μm流動気相成長炭素繊維が得られた。繊維20本に
つき中空径を計測したところ、全て60Å以下であり値を
統計的に処理すると、51ű5Å(95%信頼限界)であ
った。 実施例5 混合ガスとして水素:チオフエン:C10H10Br2Zr=93.
4:6.1:0.5、総流量1200ml/分(25℃換算)、電気炉温度
1080℃の条件で実施し、炭素繊維(径×長さ)0.2μm
×1.3μm流動気相成長炭素繊維が得られた。繊維20本
につき中空径を計測したところ、全て60Å以下であり値
を統計的に処理すると、48ű7Å(95%信頼限界)で
あった。 実施例6 混合ガスとして水素:アセチレン:(C6H62Mo=89.
0:10.0:1.0、総流量1130ml/分(25℃換算)、電気炉温
度1070℃の条件で実施し、炭素繊維(径×長さ)0.3μ
m×3.0μm流動気相成長炭素繊維が得られた。繊維20
本につき中空径を計測したところ、19本が60Å以下であ
り値を統計的に処理すると、51ű4Å(95%信頼限
界)であった。 〔発明の効果〕 炭素繊維の中空内径を、その90%以上が30〜60Åにす
ることにより、炭素繊維の緻密度を高め、機械的特性が
上昇する。また中空内径が本発明の実施例のように小さ
くなることによって、比表面積の大きい微細な炭素繊維
の製造も可能となり、複合材料用素材としてのメリット
が増大する。 実施例1〜6で得られた炭素繊維を透過型電子顕微鏡
写真によって観察した結果、該炭素繊維は先端に30〜60
Åの球形超微粒子を有し、繊維の中央に繊維軸にそって
中空を有することがわかった。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る流動気相成長法による中空炭素繊
維の製造に使用する装置の一実施例を示す概略系統図、
第2図は従来の気相法による炭素繊維の製造に使用する
一般的装置の概略系統図である。 40,44……キャリヤガス導入管 42……有機金属化合物用気化器 46……炭素化合物用気化器 48……混合ガス供給管、49……ガス導入管 50……反応管、52……加熱器 54……繊維捕集装置、56……管 60……気化器、62……キャリヤガス導入管 64……ガス導出管、66……ガス導入管 68……反応管、70……基板 72……加熱器、74……ガス導出管

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.濃度調整された有機遷移金属化合物のガスと、キャ
    リヤガスと、必要に応じて用いる炭素化合物のガスとの
    混合ガスを高熱反応させることにより生成させるに際
    し、反応温度が高い程有機遷移金属化合物の濃度を低濃
    度にし、混合ガスの高熱反応が、有機遷移金属化合物の
    熱分解によって生成した触媒として機能し得る還元およ
    び分散の必要のない発生期の遷移金属の流動状態の微粒
    子を触媒として行われることにより90%以上が30〜60Å
    の中空内径を有する中空炭素繊維。
JP61180071A 1986-08-01 1986-08-01 流動気相成長法による中空炭素繊維 Expired - Lifetime JP2670040B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61180071A JP2670040B2 (ja) 1986-08-01 1986-08-01 流動気相成長法による中空炭素繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61180071A JP2670040B2 (ja) 1986-08-01 1986-08-01 流動気相成長法による中空炭素繊維

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6126695A Division JPH0813254A (ja) 1995-03-20 1995-03-20 流動気相成長法による中空炭素繊維

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6342920A JPS6342920A (ja) 1988-02-24
JP2670040B2 true JP2670040B2 (ja) 1997-10-29

Family

ID=16076951

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61180071A Expired - Lifetime JP2670040B2 (ja) 1986-08-01 1986-08-01 流動気相成長法による中空炭素繊維

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2670040B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0813254A (ja) * 1995-03-20 1996-01-16 Nikkiso Co Ltd 流動気相成長法による中空炭素繊維
WO2012015044A1 (ja) * 2010-07-30 2012-02-02 保土谷化学工業株式会社 気相成長炭素繊維集合体

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61132630A (ja) * 1984-11-30 1986-06-20 Asahi Chem Ind Co Ltd 炭素質繊維

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6342920A (ja) 1988-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6249363B2 (ja)
Pham-Huu et al. About the octopus-like growth mechanism of carbon nanofibers over graphite supported nickel catalyst
JP4413046B2 (ja) 気相法炭素繊維の製造方法
JP5030907B2 (ja) 微細炭素繊維及びそれを含む組成物
JP5645090B2 (ja) 単層カーボンナノチューブを含む炭素繊維集合体の製造方法及び該方法で製造された単層カーボンナノチューブを含む炭素繊維集合体。
JPH0413449B2 (ja)
EP1966420A1 (en) Vapor-grown carbon fiber and production process thereof
EP1786958B1 (en) Production method of vapor-grown carbon fiber and apparatus therefor
JP2007191840A (ja) 気相法炭素繊維およびその製造方法
JP4020410B2 (ja) 炭素物質製造用触媒
JP4693105B2 (ja) 気相法炭素繊維の製造方法および製造装置
JP2670040B2 (ja) 流動気相成長法による中空炭素繊維
JP2002146634A (ja) 微細炭素繊維及びその製造方法
JP4535634B2 (ja) ナノスケール針状物質の製造方法
JPS6054999A (ja) 気相成長炭素繊維の製造法
JP2004044064A (ja) 気相法炭素繊維の製造方法
JP4357163B2 (ja) 微細炭素繊維及びそれを含む組成物
JPS5924119B2 (ja) 黒鉛ウイスカ−の製造法
JPH0813254A (ja) 流動気相成長法による中空炭素繊維
JP2003089930A (ja) 微細炭素繊維混合物及びそれを含む組成物
JPH089808B2 (ja) 気相法による微細炭素繊維の製造方法
JP2004238791A (ja) 微細炭素繊維
JP2001207342A (ja) 気相法炭素繊維の製造方法
JPS6021806A (ja) 塩化ニツケル黒鉛層間化合物
Grigorian et al. Continuous growth of single-wall carbon nanotubes using chemical vapor deposition

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term