JPH062222A - 気相成長による炭素繊維の製造法 - Google Patents
気相成長による炭素繊維の製造法Info
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- JPH062222A JPH062222A JP18302592A JP18302592A JPH062222A JP H062222 A JPH062222 A JP H062222A JP 18302592 A JP18302592 A JP 18302592A JP 18302592 A JP18302592 A JP 18302592A JP H062222 A JPH062222 A JP H062222A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 原料として都市ガス(天然ガス)を用い、触
媒としてクエン酸第二鉄アンモニウムを用いる流動床法
におけるVGCF(気相成長炭素繊維)の新規な製造法
を提供すること。 【構成】 炭化水素ガスと触媒を反応管内の気相部で熱
分解し、気相成長により炭素繊維を得るに際し、前記触
媒としてクエン酸第二鉄アンモニウムを用いることを特
徴とする。
媒としてクエン酸第二鉄アンモニウムを用いる流動床法
におけるVGCF(気相成長炭素繊維)の新規な製造法
を提供すること。 【構成】 炭化水素ガスと触媒を反応管内の気相部で熱
分解し、気相成長により炭素繊維を得るに際し、前記触
媒としてクエン酸第二鉄アンモニウムを用いることを特
徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は気相成長による炭素繊
維の製造法に関するものである。
維の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、気相から直接に炭素繊維を得る方
法が知られていて、この炭素繊維は気相成長炭素繊維(V
apor Grown Carbon Fiber)あるいは略してVGCF(以
下、本明細書ではVGCFという)と言われている。こ
のVGCFは、炭化水素を熱分解して得られる炭素が触
媒の粒子を核として成長した短繊維である。原料となる
炭化水素は炭化水素であればいずれも利用可能である
が、低分子物質であるベンゼンなどが一般に使われてい
る。触媒は、鉄、ニッケル、コバルトなどの遷移金属が
使われるが、微粒子でなければ核として有効でないため
VGCF製造用としては遷移金属を含む化合物が触媒
(触媒物質)とされ、それを水素還元雰囲気下で熱分解
させて微粒子としている。
法が知られていて、この炭素繊維は気相成長炭素繊維(V
apor Grown Carbon Fiber)あるいは略してVGCF(以
下、本明細書ではVGCFという)と言われている。こ
のVGCFは、炭化水素を熱分解して得られる炭素が触
媒の粒子を核として成長した短繊維である。原料となる
炭化水素は炭化水素であればいずれも利用可能である
が、低分子物質であるベンゼンなどが一般に使われてい
る。触媒は、鉄、ニッケル、コバルトなどの遷移金属が
使われるが、微粒子でなければ核として有効でないため
VGCF製造用としては遷移金属を含む化合物が触媒
(触媒物質)とされ、それを水素還元雰囲気下で熱分解
させて微粒子としている。
【0003】VGCFの製造法は核の発生場所つまり成
長させる場所の違いから、基板法と流動床法(浮遊法と
もいう)がある。一般に反応装置としては基板法では横
置きの反応管が、流動床法では縦置きの反応管が使われ
る。基板法はまず、反応管内に、触媒を溶かした液を塗
った後に乾燥させた基板(一般的な材質はセラミック)
を、反応管内に塗面を上にしてセットする。ついで、水
素雰囲気下で加熱し、基板上に触媒の微粒子を発生させ
た後、VGCFの原料となる炭化水素を供給し、基板上
にVGCFを成長させるものである。この場合、触媒の
具体例としてはフェロセン((C5 H5 )2 Fe)が最
も一般的であるが、ニッケロセンや硝酸第二鉄なども使
用される。基板法はバッチ処理であり、また、反応管内
の限られた部分のみの使用のため、製造効率が低く工業
的にVGCFを製造する手段としては適当ではない。
長させる場所の違いから、基板法と流動床法(浮遊法と
もいう)がある。一般に反応装置としては基板法では横
置きの反応管が、流動床法では縦置きの反応管が使われ
る。基板法はまず、反応管内に、触媒を溶かした液を塗
った後に乾燥させた基板(一般的な材質はセラミック)
を、反応管内に塗面を上にしてセットする。ついで、水
素雰囲気下で加熱し、基板上に触媒の微粒子を発生させ
た後、VGCFの原料となる炭化水素を供給し、基板上
にVGCFを成長させるものである。この場合、触媒の
具体例としてはフェロセン((C5 H5 )2 Fe)が最
も一般的であるが、ニッケロセンや硝酸第二鉄なども使
用される。基板法はバッチ処理であり、また、反応管内
の限られた部分のみの使用のため、製造効率が低く工業
的にVGCFを製造する手段としては適当ではない。
【0004】一方、流動床法は基板法と同様に反応管内
でVGCFを成長させるが、基板を用いずVGCFを反
応管内の気相部で成長させる方法である。具体的には、
触媒と水素および炭化水素を同時に反応管内に供給し、
それら物質が反応管内気相部を移動する間に核の生成、
VGCFの成長を行わせ、反応管出口にてVGCFを捕
集する方法である。この方法は連続的にVGCFを発生
させ、また反応管空間部を有効に利用するため製造効率
が高く、工業的にVGCFを製造する際の手段として注
目されている。さらに、この方法は原料としてベンゼン
を用い触媒として昇華性の物質であるフェロセンを用い
ることによりVGCFの製造方法としてほぼ確立してい
る。
でVGCFを成長させるが、基板を用いずVGCFを反
応管内の気相部で成長させる方法である。具体的には、
触媒と水素および炭化水素を同時に反応管内に供給し、
それら物質が反応管内気相部を移動する間に核の生成、
VGCFの成長を行わせ、反応管出口にてVGCFを捕
集する方法である。この方法は連続的にVGCFを発生
させ、また反応管空間部を有効に利用するため製造効率
が高く、工業的にVGCFを製造する際の手段として注
目されている。さらに、この方法は原料としてベンゼン
を用い触媒として昇華性の物質であるフェロセンを用い
ることによりVGCFの製造方法としてほぼ確立してい
る。
【0005】しかし、ベンゼンが発ガンの恐れのある物
質であること、またフェロセンは有害性が十分に確かめ
られておらず、かつ高価であるといった製造の際の問題
がある。しかし、フェロセン以外の触媒が流動床法で使
われているという報告は見られない。この理由は、フェ
ロセンがベンゼンに溶解するため添加量の調整が容易な
こと、また、他の触媒では昇華性がないため反応管内に
均一に分散するのが容易でないことなどによるものと思
われる。
質であること、またフェロセンは有害性が十分に確かめ
られておらず、かつ高価であるといった製造の際の問題
がある。しかし、フェロセン以外の触媒が流動床法で使
われているという報告は見られない。この理由は、フェ
ロセンがベンゼンに溶解するため添加量の調整が容易な
こと、また、他の触媒では昇華性がないため反応管内に
均一に分散するのが容易でないことなどによるものと思
われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法ではフェロセンが高価であることにより、得られた
VGCFの製造コストを高いものとする問題があった。
そこで、本発明者はこの問題に鑑み、流動床法において
環境に影響なくかつ安価なVGCFの製造を目的に、新
たな触媒(触媒物質)を得るための研究を行ってきた。
その結果、原料として発ガン性の恐れがなく容易に入手
できる都市ガス(天然ガス)を用いること、触媒として
安価かつ無害でしかも遷移金属を含む化合物ではあるが
従来の報告では具体的にされていなかった粉体状のクエ
ン酸第二鉄アンモニウムを用いること、また、水素気流
に分散させた触媒を反応管内の前記予熱手段部分にて熱
分解させて微粒子核となす一方、該触媒の微粒子核を同
管内の加熱手段部位において、炭化水素ガスと接触させ
る方法を用いることにより上記問題を解決し、本発明を
達成した。
方法ではフェロセンが高価であることにより、得られた
VGCFの製造コストを高いものとする問題があった。
そこで、本発明者はこの問題に鑑み、流動床法において
環境に影響なくかつ安価なVGCFの製造を目的に、新
たな触媒(触媒物質)を得るための研究を行ってきた。
その結果、原料として発ガン性の恐れがなく容易に入手
できる都市ガス(天然ガス)を用いること、触媒として
安価かつ無害でしかも遷移金属を含む化合物ではあるが
従来の報告では具体的にされていなかった粉体状のクエ
ン酸第二鉄アンモニウムを用いること、また、水素気流
に分散させた触媒を反応管内の前記予熱手段部分にて熱
分解させて微粒子核となす一方、該触媒の微粒子核を同
管内の加熱手段部位において、炭化水素ガスと接触させ
る方法を用いることにより上記問題を解決し、本発明を
達成した。
【0007】すなわち、本発明の課題は本発明者の研究
成果を利用するものであって、原料として都市ガス(天
然ガス)などの炭化水素を用い、触媒として一般的な化
合物であるクエン酸第二鉄アンモニウムを用い、さらに
原料および触媒の供給方法に工夫を加え、流動床法にお
けるVGCFの新規な製造法を提供することにある。
成果を利用するものであって、原料として都市ガス(天
然ガス)などの炭化水素を用い、触媒として一般的な化
合物であるクエン酸第二鉄アンモニウムを用い、さらに
原料および触媒の供給方法に工夫を加え、流動床法にお
けるVGCFの新規な製造法を提供することにある。
【0008】また、本発明の他の課題は、フェロセンに
比べ安価なクエン酸第二鉄アンモニウムを触媒としてV
GCFを安価に得る、実施し易い、VGCFの製造法を
提供することにある。
比べ安価なクエン酸第二鉄アンモニウムを触媒としてV
GCFを安価に得る、実施し易い、VGCFの製造法を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した課題を達成する
ために、請求項1の発明は炭化水素ガスと触媒を反応管
内の気相部で熱分解し、気相成長により炭素繊維を得る
に際し、前記触媒としてクエン酸第二鉄アンモニウムを
用いることを特徴とする。
ために、請求項1の発明は炭化水素ガスと触媒を反応管
内の気相部で熱分解し、気相成長により炭素繊維を得る
に際し、前記触媒としてクエン酸第二鉄アンモニウムを
用いることを特徴とする。
【0010】そして、請求項2の発明は、請求項1にお
いて、炭化水素ガスを触媒の存在下で熱分解する工程
が、予熱手段と加熱手段とを備えた縦型の反応管内で行
うものであり、水素気流に分散させた触媒を前記管内の
前記予熱手段部分にて熱分解させて微粒子核となす一
方、該触媒の微粒子核を同管内の前記加熱手段部位にお
いて、炭化水素と接触させることを特徴とする。
いて、炭化水素ガスを触媒の存在下で熱分解する工程
が、予熱手段と加熱手段とを備えた縦型の反応管内で行
うものであり、水素気流に分散させた触媒を前記管内の
前記予熱手段部分にて熱分解させて微粒子核となす一
方、該触媒の微粒子核を同管内の前記加熱手段部位にお
いて、炭化水素と接触させることを特徴とする。
【0011】前記クエン酸鉄アンモニウムはクエン酸第
二鉄アンモニウム[Fe{C6 H4O7 (FeO)(N
H4 )2 }2 (OH2 )2 ]3 ・C6 H5 O7 ・xH2
Oなどの試薬あるいは市販品が使用可能である。前記反
応管は磁性材料よりなる適宜な円筒体を用いることがで
きる。前記炭化水素はメタン、ベンゼンなどの低分子の
ものが適するが取り扱う際の環境への影響を考えた場合
はベンゼンよりメタンの方が好ましい。メタンは天然ガ
スの主成分であり、天然ガスは都市ガスとして容易に入
手できるので便利である。前記熱分解は1000〜12
00℃、望ましくは約1100℃とされる。触媒を水素
気流に分散させる手段は、たとえば、攪拌羽根を備えた
粉体分散機の攪拌室を水素雰囲気とした後、該攪拌室に
所定量ずつ連続的に触媒の粉末を送り、攪拌羽根の高速
回転させることによりなし得る。
二鉄アンモニウム[Fe{C6 H4O7 (FeO)(N
H4 )2 }2 (OH2 )2 ]3 ・C6 H5 O7 ・xH2
Oなどの試薬あるいは市販品が使用可能である。前記反
応管は磁性材料よりなる適宜な円筒体を用いることがで
きる。前記炭化水素はメタン、ベンゼンなどの低分子の
ものが適するが取り扱う際の環境への影響を考えた場合
はベンゼンよりメタンの方が好ましい。メタンは天然ガ
スの主成分であり、天然ガスは都市ガスとして容易に入
手できるので便利である。前記熱分解は1000〜12
00℃、望ましくは約1100℃とされる。触媒を水素
気流に分散させる手段は、たとえば、攪拌羽根を備えた
粉体分散機の攪拌室を水素雰囲気とした後、該攪拌室に
所定量ずつ連続的に触媒の粉末を送り、攪拌羽根の高速
回転させることによりなし得る。
【0012】
【作用】VGCFを得る際、クエン酸第二鉄アンモニウ
ムは触媒作用をなす。請求項1においてVGCFは気相
成長により得られる。請求項2において、触媒は反応管
の予熱手段部分にて熱分解して微粒子となる。炭化水素
ガスは反応管内の加熱手段部分の高熱で分解して触媒の
微粒子と接触し、気相成長してVGCFとなる。
ムは触媒作用をなす。請求項1においてVGCFは気相
成長により得られる。請求項2において、触媒は反応管
の予熱手段部分にて熱分解して微粒子となる。炭化水素
ガスは反応管内の加熱手段部分の高熱で分解して触媒の
微粒子と接触し、気相成長してVGCFとなる。
【0013】
【実施例】次に、本発明の一実施例を、図面を参照して
説明する。図1はVGCFを得るための本例装置を示
す。本例装置は流動床法によりVGCF1を生成させる
ため、反応管2が縦向きに配置されている。すなわち、
磁性パイプよりなる反応管2は図示しない支持部材にて
縦向きに支持されていて、該反応管2の上部外周には予
熱手段3が配置され、反応管2の中央部外周には本加熱
するための加熱手段4が配置されている。
説明する。図1はVGCFを得るための本例装置を示
す。本例装置は流動床法によりVGCF1を生成させる
ため、反応管2が縦向きに配置されている。すなわち、
磁性パイプよりなる反応管2は図示しない支持部材にて
縦向きに支持されていて、該反応管2の上部外周には予
熱手段3が配置され、反応管2の中央部外周には本加熱
するための加熱手段4が配置されている。
【0014】反応管2の上端部近傍には粉体供給機5及
び粉体分散機8が配置支持され、粉体供給機5に入れら
れた触媒6の粉体は第1導管7を介して定量的に連続し
て粉体分散機8に供給可能にされている。第1導管7の
一部には窒素(ガス)の供給部9が設けられ、窒素ガス
が供給可能である。粉体分散機8はモータ8Aにより高
速回転される攪拌羽根8Bを内蔵する。また粉体分散機
8は同機内の触媒6を反応管2の上部に送るための第2
導管10及び接続部材11と接続されている。第2導管
10の一部には水素(ガス)の供給部12が設けられ、
水素ガスが供給可能である。粉体分散機8の攪拌羽根8
Bにより、触媒6は水素ガスの気相中に均等に分散され
る。
び粉体分散機8が配置支持され、粉体供給機5に入れら
れた触媒6の粉体は第1導管7を介して定量的に連続し
て粉体分散機8に供給可能にされている。第1導管7の
一部には窒素(ガス)の供給部9が設けられ、窒素ガス
が供給可能である。粉体分散機8はモータ8Aにより高
速回転される攪拌羽根8Bを内蔵する。また粉体分散機
8は同機内の触媒6を反応管2の上部に送るための第2
導管10及び接続部材11と接続されている。第2導管
10の一部には水素(ガス)の供給部12が設けられ、
水素ガスが供給可能である。粉体分散機8の攪拌羽根8
Bにより、触媒6は水素ガスの気相中に均等に分散され
る。
【0015】また、反応管2の上部には前記接続部材1
1を貫通して細径の内管13が挿通支持され、都市ガス
(天然ガス)14が内管13に供給可能にされている。
なお、内管13の反応管2内の先端は加熱手段4の上端
レベル付近まで延出されている。一方、前記反応管2の
下端部は捕集槽15に挿入され、捕集槽15には排気手
段16が設けられている。
1を貫通して細径の内管13が挿通支持され、都市ガス
(天然ガス)14が内管13に供給可能にされている。
なお、内管13の反応管2内の先端は加熱手段4の上端
レベル付近まで延出されている。一方、前記反応管2の
下端部は捕集槽15に挿入され、捕集槽15には排気手
段16が設けられている。
【0016】しかして、VGCF1の製造は以下の要領
にて実施した。まず、水素及び都市ガス14の供給を止
めた状態において、前記第1導管7、粉末分散機8及び
第2導管10を介して反応管2内に上部より窒素を流す
一方、予熱手段3及び加熱手段4にて反応管2を昇温
し、反応管2の中央部分を1100℃の均一温度に加熱
する。反応管2が1100℃に達した際は水素の供給を
開始し、窒素の供給を止める。しかる後、反応管2内を
1100℃の所定温度に保持するとともに、内管13に
て都市ガス14を反応管2内へ供給する。また、同時
に、触媒6を粉体分散機8の攪拌羽根8Bにて気相攪拌
して水素の還元気流に随伴させ、第2導管10を介して
反応管2の上端部に供給する。
にて実施した。まず、水素及び都市ガス14の供給を止
めた状態において、前記第1導管7、粉末分散機8及び
第2導管10を介して反応管2内に上部より窒素を流す
一方、予熱手段3及び加熱手段4にて反応管2を昇温
し、反応管2の中央部分を1100℃の均一温度に加熱
する。反応管2が1100℃に達した際は水素の供給を
開始し、窒素の供給を止める。しかる後、反応管2内を
1100℃の所定温度に保持するとともに、内管13に
て都市ガス14を反応管2内へ供給する。また、同時
に、触媒6を粉体分散機8の攪拌羽根8Bにて気相攪拌
して水素の還元気流に随伴させ、第2導管10を介して
反応管2の上端部に供給する。
【0017】反応管2の上端部に供給された触媒6のク
エン酸第二鉄アンモニウムは、予熱手段3付近の反応管
2内気相部において熱分解して鉄微粒子となる。この鉄
微粒子核は反応管2中央部の1100℃の均一温度帯を
下降する間に、都市ガス14と接触してVGCF1が生
成し成長する。成長したVGCF1は反応管2内を落下
して捕集槽15に捕集される。しかして、この状態を続
けることにより捕集槽15内の底部に連続的にVGCF
1を得た。
エン酸第二鉄アンモニウムは、予熱手段3付近の反応管
2内気相部において熱分解して鉄微粒子となる。この鉄
微粒子核は反応管2中央部の1100℃の均一温度帯を
下降する間に、都市ガス14と接触してVGCF1が生
成し成長する。成長したVGCF1は反応管2内を落下
して捕集槽15に捕集される。しかして、この状態を続
けることにより捕集槽15内の底部に連続的にVGCF
1を得た。
【0018】かくして、捕集槽15に得た本例のVGC
F1は、表1及び図2の顕微鏡写真に示すように、直径
約0.1〜0.5μm、アルペクト比100以上の繊維
であり、フェロセンを触媒としベンゼンを原料として従
来の流動床法にて得たVGCF(直径約0.1〜0.5
μm)と同等のものであった(図3の従来VGCFの顕
微鏡写真参照)。また、本例のVGCF1はX線マイク
ロアナライザーにて元素分析した結果、従来のVGCF
と同様に炭素よりなることが認められた。
F1は、表1及び図2の顕微鏡写真に示すように、直径
約0.1〜0.5μm、アルペクト比100以上の繊維
であり、フェロセンを触媒としベンゼンを原料として従
来の流動床法にて得たVGCF(直径約0.1〜0.5
μm)と同等のものであった(図3の従来VGCFの顕
微鏡写真参照)。また、本例のVGCF1はX線マイク
ロアナライザーにて元素分析した結果、従来のVGCF
と同様に炭素よりなることが認められた。
【0019】
【0020】本例のVGCFはアスペクト比が100以
上のため、従来のVGCFと同様にFRP等の補強材や
層間化合物のホストとして利用できる。
上のため、従来のVGCFと同様にFRP等の補強材や
層間化合物のホストとして利用できる。
【0021】前記した実施例はVGCFを得る一例であ
って、都市ガス等の炭化水素の供給量の変更等の製造条
件を変更することによって、VGCFの繊維径、繊維長
をコントロールすることができる。
って、都市ガス等の炭化水素の供給量の変更等の製造条
件を変更することによって、VGCFの繊維径、繊維長
をコントロールすることができる。
【0022】
【発明の効果】請求項1の発明は、触媒としてクエン酸
第二鉄アンモニウムを用いるので、フェロセンを用いる
従来のVGCFの製造法に較べ、安全でかつ安価にVG
CFを得ることができ、かつ請求項1の発明によれば従
来と同様のアスペクト比のVGCFが得られて都合がよ
い。請求項2の発明は、水素気流に分散させた触媒を反
応管内の予熱手段部分にて熱分解させて微粒子核となす
一方、該触媒の微粒子核を反応管内の加熱手段部位にお
いて炭化水素ガスとを接触させるため、請求項1の発明
と同様の前記した効果を各々達成することができる。ま
た、請求項1及び2の発明は特別複雑な工程を必要とし
ないため、実施し易いものである。
第二鉄アンモニウムを用いるので、フェロセンを用いる
従来のVGCFの製造法に較べ、安全でかつ安価にVG
CFを得ることができ、かつ請求項1の発明によれば従
来と同様のアスペクト比のVGCFが得られて都合がよ
い。請求項2の発明は、水素気流に分散させた触媒を反
応管内の予熱手段部分にて熱分解させて微粒子核となす
一方、該触媒の微粒子核を反応管内の加熱手段部位にお
いて炭化水素ガスとを接触させるため、請求項1の発明
と同様の前記した効果を各々達成することができる。ま
た、請求項1及び2の発明は特別複雑な工程を必要とし
ないため、実施し易いものである。
【図1】本発明実施例のVGCFを得るための装置図。
【図2】本実施例にて得たVGCFの電子顕微鏡写真。
【図3】従来流動床法にて得たVGCFの電子顕微鏡写
真。
真。
1 VGCF 2 反応管 3 予熱手段 4 加熱手段 6 触媒 13 内管 14 都市ガス 15 捕集槽
Claims (2)
- 【請求項1】 炭化水素ガスと触媒を反応管内の気相部
で熱分解し、気相成長により炭素繊維を得るに際し、前
記触媒としてクエン酸第二鉄アンモニウムを用いること
を特徴とした炭素繊維の製造法。 - 【請求項2】 請求項1において、炭化水素ガスを触媒
の存在下で熱分解する工程が、予熱手段と加熱手段とを
備えた縦型の反応管内で行うものであり、水素気流に分
散させた触媒を前記管内の前記予熱手段部分にて熱分解
させて微粒子核となす一方、該触媒の微粒子核を同管内
の前記加熱手段部位において、炭化水素と接触させるこ
とを特徴とした炭素繊維の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18302592A JPH062222A (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | 気相成長による炭素繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18302592A JPH062222A (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | 気相成長による炭素繊維の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH062222A true JPH062222A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=16128428
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18302592A Pending JPH062222A (ja) | 1992-06-16 | 1992-06-16 | 気相成長による炭素繊維の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062222A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0465335A1 (fr) * | 1990-07-06 | 1992-01-08 | Clextral | Fourreau pour machine d'extrusion de matières |
KR100412340B1 (ko) * | 1999-08-23 | 2003-12-31 | 주식회사 코로스 | 선형 카본 구조의 준 1차원 섬유 반도체와 그 제조방법 |
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