JP2006112022A - 気相法炭素繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 気相法炭素繊維の製造方法において、触媒もしくは触媒前駆体の有効利用率を飛躍的に向上させ、結果として炭素繊維を安価に製造できる簡便かつ効果的な方法を提供する方法を提供する。
【解決手段】 炭素源と触媒および/または触媒前駆体化合物とを加熱帯域1で接触させることによって気相で炭素繊維を製造する方法であって、炭素源が少なくともメタンを含み、供給原料中のメタンの濃度が15mol%以上100mol%未満であり、且つ加熱帯域1の高温部分の温度が1100℃〜1500℃であることを特徴とする、気相法炭素繊維の製造方法とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、カーボンナノチューブ等の気相成長炭素繊維を効率的に製造する方法に関する。
気相成長法により得られる炭素繊維(気相法炭素繊維)は、比較的容易に大きいアスペクト比を有することができるため、従来盛んに研究されており、製造方法に関する報告も数多い。近年、特に注目を集めているカーボンナノチューブ(すなわち、繊維径がナノメートルオーダーである炭素繊維)も、この気相成長法の応用で合成することが可能である。
図1は、気相成長法によって炭素繊維を連続的に製造する反応装置の一例を示す模式図である。一般的な製造方法の一例を挙げると、炭素繊維の原料となる炭素源として、CO、メタン、アセチレン、エチレン、ベンゼン、トルエン等を用いる。炭素源が常温で気体である場合には、ガス状でキャリアーガスと混合して供給する。また炭素源が液体である場合には、気化器4で気化させてからキャリアーガスと混合して供給するか、または液状で加熱帯域1に噴霧する。キャリアーガスとしては不活性ガスである窒素ガスや還元性の水素ガス等が用いられる。真空に減圧した系内に炭素源を供給する場合もある。触媒としてはアルミナ等の担体に金属を担持した担持型触媒やフェロセン等の有機金属化合物が使用される。担持型触媒を用いる場合は、担持型触媒を予め加熱帯域1に設置して加熱し、必要な前処理を行った後で、炭素源を供給して反応させる(図1に示す例)。あるいは、前処理した担持型触媒を系外から連続、またはパルス的に供給して反応を行う。また、炭素源に容易に溶解するフェロセン等の有機金属化合物を触媒前駆体として採用し、炭素源とともに加熱帯域に連続的、あるいはパルス的にフィードして、触媒前駆体化合物の熱分解で発生した金属粒子を触媒として炭素繊維を生成させることもできる。生成物は、ヒーター2で加熱されている加熱帯域1の内部やその末端の捕集器3に捕集され、所定時間の反応を終えた後、回収される。
気相法による炭素繊維の製造方法を、触媒または該触媒の前駆体化合物の供給方法によって大別すると、以下の3種類となる。
(1)触媒またはその前駆体化合物を担持したアルミナや黒鉛からなる基板やボートを加熱帯域に置いて、気相で供給する炭素源のガスと接触させるもの;
(2)触媒またはその前駆体化合物の粒子を液体状の炭素源等に分散させ、系外から加熱帯域に連続またはパルス的に供給して、炭素源と高温で接触させるもの;および
(3)液体状の炭素源中に溶解するメタロセンやカルボニル化合物を触媒前駆体化合物として使用し、この触媒前駆体化合物が溶解した炭素源を加熱帯域に供給することにより、触媒と炭化水素等である炭素源とを高温で接触させるもの。
上記(1)の方法では、触媒またはその前駆体を基板に塗布する工程、必要に応じて還元等の前処理を施す工程、その後で炭素繊維を製造する工程、製造された炭素繊維を降温後に取出す工程という、独立に実施することを要する工程があるため、連続製造が困難で生産性が悪い。一方、上記の(2)および(3)の方法では、連続製造が可能であり、生産性が高いことから、一般に工業的には(2)もしくは(3)に分類される方法が採用されている。しかし、生成物である炭素繊維の成長に必要とされる量に比して大過剰に触媒またはその前駆体化合物を使用しないと十分な量の炭素繊維が得られず、高価な触媒や触媒前駆体化合物を大量に浪費しており、さらには、過剰に加えた触媒由来の副生物を除去する工程を設置しているのが現状である。これは、活性の高い触媒が凝集して粗大化することによって、炭素繊維を成長させる能力を喪失することによるものと考えられる。この傾向は、触媒を担体等に担持することなく、例えばフェロセン等の触媒前駆体を加熱帯域にガス状または原料ガス中に浮遊した状態で供給して生成させた触媒を用いる場合に深刻である。
CO、メタン、アセチレン、エチレン等の無機や非芳香族系の化合物を炭素源として用いる場合、これらの化合物は炭素繊維の生成速度が遅いので、上記(1)の方法を用いている例が多い。この場合には、触媒と炭素源との接触時間が数分から数十分と長く、生産性が低い。
ベンゼン、トルエン等の芳香族系の化合物を炭素源として用いる場合、上記の(2)および(3)の方法で連続製造が可能であるが、前述のように触媒またはその前駆体化合物の有効利用率が低く、したがって大過剰の触媒またはその前駆体化合物が必要であり、コストが高い。
メタンを炭素繊維の原料として用いる場合には、上述したように上記(1)の方法を用いている例が多い。また、連続製造が可能な方法の場合においても、回収率や生産性が低い。
例えば、非特許文献1では上記(1)の方法を用いているので、連続製造は困難であり、また反応温度が低く、使用メタン量当たりの炭素繊維生成量および触媒当りの炭素繊維生成量は極端に少ない。
特許文献1では、炭素繊維の原料としてメタンを用いた場合が開示されているが、メタン濃度が低く、反応温度も低いために、収率が0.1%と極端に低い。
特許文献2では、気相法による炭素繊維製造において、キャリアーガスとしてH2、COおよびCO2の混合ガスを使用することが開示されている。この特許文献2でも、炭素繊維の原料としてメタンを用いた例が開示されているが、ここでは主な炭素源がベンゼンであり、触媒の使用量も多く、メタンを使用することによる有効性は示されていない。
J.Phys.Chem.B 1999,103,6484-6492 特公昭62−49363号公報 特開平1−92423号公報
本発明の目的は、気相法炭素繊維の製造方法において、触媒もしくは触媒前駆体の有効利用率を飛躍的に向上させ、結果として炭素繊維を安価に製造できる簡便かつ効果的な方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、平均繊維長の長い炭素繊維を得ることができる気相法炭素繊維の製造方法を提供することである。
本件発明者は上記の課題を解決するため鋭意検討した結果、1100℃以上の高温の雰囲気下に炭素源としてメタンを用い、さらに高濃度で導入することにより、反応時間が短くなり、また触媒もしくは触媒前駆体の有効利用率が高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の方法によれば、従来は繊維生成が不可能であったような極微量の触媒を用いた場合でも、炭素繊維を高収率で得ることができる。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(25)に関する。
(1)供給原料中の炭素源と触媒および/または触媒前駆体化合物とを加熱帯域で接触させることによって気相で炭素繊維を製造する気相法炭素繊維の製造方法であって、上記炭素源が少なくともメタンを含み、上記供給原料中のメタンの濃度が15mol%以上100mol%未満であり、且つ上記加熱帯域の高温部分の温度が1100℃〜1500℃であることを特徴とする、気相法炭素繊維の製造方法。
(2)上記加熱帯域の原料導入部の温度が700℃以下である、上記(1)項に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(3)上記供給原料が上記加熱帯域の高温部分に達する前に、600℃〜1000℃以下の温度の上記加熱帯域の低温部分に0.05秒間以上にわたって滞留する、上記(1)又は(2)項に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(4)上記加熱帯域において、1100℃以上の温度での滞留時間が0.001秒以上である、上記(1)〜(3)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(5)メタン以外の上記炭素源に含まれる炭素原子の総量が、メタンに含まれる炭素原子の総量の60%以下である、上記(1)〜(4)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(6)メタン以外の上記炭素源に含まれる炭素原子の総量が、メタンに含まれる炭素原子の総量の10%以下である、上記(5)項に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(7)触媒となる元素の原子数と、炭素源中の炭素原子の数との比率が、
(触媒となる元素の原子数)/(炭素原子の数)
=0.000005〜0.0015
である、上記(1)〜(6)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(8)上記触媒前駆体化合物を常温および常圧で液体である化合物に溶解して、上記加熱帯域内に導入する、上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(9)上記触媒前駆体化合物を常温および常圧で液体である化合物に溶解し、その溶液を全て気化してから、上記加熱帯域内に導入する、上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(10)上記触媒前駆体化合物を常温および常圧で液体である化合物に溶解し、その溶液を全て気化後、メタン含有ガスに混合してから、上記加熱帯域内に導入する、上記(1)〜(7)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(11)常温および常圧で液体である上記化合物が炭素源である、上記(8)〜(10)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(12)常温および常圧で液体である上記化合物に対する上記触媒前駆体化合物の25℃での溶解度が、常温および常圧で液体である上記化合物100gに対して10g以上である、上記(8)〜(10)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(13)常温および常圧で液体である上記化合物が、ベンゼン、トルエンおよびテトラヒドロフランからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、上記(8)〜(10)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(14)上記触媒および/または触媒前駆体化合物が、18族型元素周期律表でいう3、5、6、8、9、10族から選ばれる少なくとも1種の金属および/またはこれらの金属を含む化合物である、上記(1)〜(13)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(15)反応後のガスの全てまたは一部を循環し、再使用する、上記(1)〜(14)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(16)平均繊維径が10nm以上である炭素繊維を製造する、上記(1)〜(15)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(17)上記(1)〜(16)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法により製造された気相法炭素繊維。
(18)平均繊維長が10μm以上である、上記(17)項に記載の気相法炭素繊維。
(19)平均繊維長が13μm以上である、上記(18)項に記載の気相法炭素繊維。
(20)常温および常圧で液体である上記化合物に対する触媒前駆体化合物の25℃での溶解度が、常温および常圧で液体である上記化合物100gに対して1g以上であり、かつ常温および常圧で液体である上記化合物の常圧での沸点が、115℃以上である、上記(8)〜(10)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(21)常温および常圧で液体である上記化合物が、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、スチレン、乳酸メチル、ピルビン酸メチル、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、シクロペンタノン、ヒドロキシアセトン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルおよびプロピレングリコールモノエチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、上記(20)項に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(22)常温および常圧で液体である上記化合物に対する触媒前駆体化合物の25℃での溶解度が、常温および常圧で液体である上記化合物100gに対して1g以上であり、かつ常温および常圧で液体である上記化合物の常圧での沸点が、150℃以上である、上記(8)〜(10)項のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(23)上記常温および常圧で液体である上記化合物が、クメン、アニソール、4−メトキシトルエン、乳酸エチル、2−エトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、マロン酸ジメチル、プロピレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、3−メチルシクロヘキサノン、3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルおよびジメチルホルムアミドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、上記(22)項に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
(24)上記供給原料がイオウ化合物を含む、上記(1)〜(23)項のいずれか気相法炭素繊維の製造方法。
(25)上記イオウ化合物が、ジメチルスルフィド及びジメチルジスルフィドからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、上記(24)項に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
本発明によれば、1100℃以上の高温の雰囲気下に高濃度のメタンを導入することにより、極めて少ない触媒量で生産性高く炭素繊維を得ることができる。
本発明の効果がもたらされるメカニズムについては未だ充分にわかってはいないが、本件発明者の検討結果や、先行特許、文献等から以下のようなことが考えられる。
メタンを炭素繊維の原料として用いた非特許文献1では、1000℃以下、特に900℃程度の低い温度で炭素繊維を製造しているが、生産性が低い。また触媒は担体に担持するなどしてあらかじめ反応炉内に仕込んであり、反応炉内の温度に加熱された触媒と、同様に加熱されたメタンとを反応させて、炭素繊維を製造している。
この状態で反応炉の温度を1100℃以上に加熱すると、担体に担持された触媒が凝集するおそれがある。また、炭素繊維の原料としてメタンのみを用いた場合においても、一部のメタンが熱分解して、エチレンやプロピレンなどの脂肪族炭化水素や、芳香環を持った芳香族化合物が生成する。
芳香族化合物を用いて1100℃以上の高温で炭素繊維を製造することを開示した特許文献は数多くある。しかしながら、脂肪族炭化水素を用い、1100℃以上の高温で炭素繊維を製造できること、特に大量に製造できることを具体的に示したものは特許文献、非特許文献いずれにおいても無い。このことから、エチレンやプロピレンなどの脂肪族炭化水素は、1100℃以上の高温で触媒に接触するとうまく炭素繊維を生成しないことが推測される。
すなわち、本発明においても触媒をあらかじめ反応炉内に仕込んでおき、製造するのではなく、加熱した反応炉内に外部から少なくともメタンを含む炭素源と、触媒または/および触媒前駆体化合物とを共に導入することが必要である。これによって、低温で調製した原料混合物の昇温過程において、1000℃以下の温度でメタンと触媒とが接触して炭素繊維を生成し、1000℃以上の温度でメタンおよびメタン以外の炭素源により炭素繊維が成長するものと推測される。さらに、高い生産性で炭素繊維を得るためには、1100℃以上の温度で成長を促進する必要がある。
メタンからの炭素繊維の生成が低温から開始すること、すなわち触媒粒子が凝集、粗大化して触媒能を喪失する前に繊維の生成が開始することによって、触媒もしくは触媒前駆体の有効利用率が飛躍的に向上し、また高温になったときに繊維の径方向への成長が継続されるものと考えられる。このことにより、メタン濃度を高くしても、非繊維状物の生成を抑制し、高い生産性を達成できるものと考えられる。
さらに、メタンからの炭素繊維の生成が低温から開始することによって、炭素繊維原料としての炭素源に芳香族化合物を用いた場合に比べて、繊維長の長い炭素繊維が得られるものと考えられる。
以下では、本発明の構成要素について更に具体的に説明する。
(炭素源)
本発明の炭素繊維の製造方法では、炭素源が少なくともメタンを含み、好ましくは主たる炭素源がメタンである。「炭素源」は、炭素原子を有する化合物を意味する。したがって、触媒前駆体化合物が炭素原子を有する場合には、触媒前駆体化合物も「炭素源」に含まれる。ただし、一酸化炭素および二酸化炭素は、脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素とは異なる挙動を示すので、本発明に関しては「炭素源」には含めない。また「主たる炭素源」は、供給原料に含まれるそれぞれの炭素源が有する炭素の総量を比較した場合に、最も多くの炭素を有する炭素源を意味する。当然に、メタンのみを炭素源として用いてもよい。
本発明の方法による炭素繊維の製造には、主たる炭素源としてメタン以外の炭素源は用いることはできない。例えば、主たる炭素源にエタンやプロパン、ブタンなどの脂肪族炭化水素を用いると、細い炭素繊維と非繊維状の生成物の混合物となり、炭素繊維の収率は低く、非繊維状物が大量に混入してくる。ベンゼンやトルエンなどの芳香族炭化水素を用いると、大量の触媒を用いないと炭素繊維を得ることはできない。
供給原料中のメタン濃度は、15mol%以上100mol%未満が好ましく、30mol%〜95mol%がより好ましく、45mol%〜90mol%がさらに好ましい。原料中のメタン濃度が低すぎると、炭素繊維の生産性が低くなる。メタン濃度が高いと、非繊維状の生成物が生じることがある。ここで言う供給原料とは、炭素源と触媒および/または触媒前駆体化合物にさらに後述するキャリアーガス等を含めた組成物のことであり、加熱帯域に供給する全ての成分を含む。
同時に使用するメタン以外の炭素源は、使用量が多いとメタンの特性を阻害するので、多すぎるのは好ましくない。メタン以外の炭素源は、それらの含有する炭素原子の総量が、メタンの含有する炭素原子の総量の好ましくは60%以下、より好ましくは40%以下、更により好ましくは20%以下、また更により好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下になる量で用いる。メタン以外の炭素源の使用量が過剰であると、非繊維状の固形物の生成量が急激に増加する。
(触媒)
本発明における触媒は、炭素繊維の成長を促進する物質である限り、特に制限されない。この触媒としては、例えば、IUPACが1990年に勧告した18族型元素周期表でいう3〜12族からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属、特にそれらの微粒子が挙げられる。更には3、5、6、8、9、10族からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金および希土類元素が特に好ましい。
(触媒前駆体化合物)
「触媒前駆体化合物」は、加熱することにより熱分解し、場合によっては更に還元されて、上記触媒を与える化合物を意味する。触媒前駆体化合物としては、有機金属化合物、金属塩等が挙げられる。例えば、触媒前駆体化合物であるフェロセンは加熱することにより熱分解し、触媒である鉄微粒子を生成する。よって、触媒前駆体化合物としては上記のような金属を与える化合物が好適に使用可能である。より具体的には例えば、触媒前駆体化合物として、3〜12族からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属化合物、更には3、5、6、8、9、10族からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物が好ましく、鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、白金および希土類元素を含む化合物が最も好ましい。
また、これら主成分に1〜17族からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む金属化合物を触媒の修飾成分(いわゆる助触媒)として加えて、主成分である金属の触媒性能を修飾することも可能である。
(担体)
上記した触媒および/または触媒前駆体化合物を、必要に応じて担体に担持して用いることも可能である。これらの担体としては、加熱帯域で安定な化合物が好ましく、これらの化合物の一例として、アルミナ、シリカ、ゼオライト、マグネシア、チタニア、ジルコニア、グラファイト、活性炭、炭素繊維などが挙げられる。ただし、これらは反応炉内にあらかじめ仕込んでおくのではなく、加熱された炉内に炭素源などと共に導入する必要がある。
(触媒等の使用量)
触媒あるいは触媒前駆体化合物の使用量は、触媒となる元素(例えばFe)の原子の数と炭素源中の炭素原子の数との比率として0.000005〜0.0015が好ましく、0.00001〜0.001がより好ましく、0.00002〜0.0005が更に好ましく、0.00004〜0.0004が最適である。0.000005より少ないと、触媒が不足して繊維数が減少したり、繊維径が増大することがある。またこの比が0.0015より大きいと、経済的でないばかりか、触媒として機能しない粗大化した触媒粒子が繊維に混在することがある。原料中の炭素源の炭素原子の総数は、触媒前駆体化合物が炭素を含有していれば、その炭素原子も含まれ、すなわち供給原料中の一酸化炭素および二酸化炭素の含有する炭素を除く全ての炭素原子の総量である。
(原料の供給方法)
原料の供給方法は、特に制限されない。メタンおよび/またはメタン以外の炭素源、触媒および/または触媒前駆体化合物は、気化させてガス状で供給してもよく、それらの一部または全てを液状で供給してもよい。炭素繊維生成を効率よく行うためには、炭素繊維の生成が開始する前にこれら原料を気化させてガス状物として十分混合した後、供給することが特に好ましい。700℃以下で十分混合されていることが好ましく、600℃以下がより好ましく、400℃以下が最も好ましい。
触媒および/または触媒前駆体化合物には、常温および常圧で固体や液体であるものが多い。さらに触媒利用効率が高いので、その使用量も微量でよく、液体のものでもそのままでは加熱帯域への供給が困難な場合がある。このような場合には、常温および常圧で液体である化合物に触媒および/または触媒前駆体化合物等を溶解または分散させて供給しても良い。この常温および常圧で液体である化合物として、常温および常圧で液体である炭素源を用いることもできる。常温および常圧で液体である化合物に触媒および/または触媒前駆体化合物を溶解させる場合、その溶解度が高い方が良い。
この常温および常圧で液体である化合物としては、この化合物100gに対する触媒前駆体化合物の25℃における溶解度が、好ましくは1g以上、より好ましくは5g以上、更に好ましくは10g以上であるものを用いることができる。例えば、触媒前駆体化合物としてよく用いられるフェロセンを用いる場合には、この常温および常圧で液体である化合物として、この化合物100gあたりのフェロセンの溶解度が25℃で5g以上である化合物を用いるのが好ましく、具体的には、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランなどを用いることができる。
また、この常温および常圧で液体である化合物としては、この化合物100gに対する触媒前駆体化合物の25℃における溶解度が1g以上であり、かつ常圧での沸点が115℃以上であるものが好ましい。このような化合物としては、具体的には、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、スチレン等の芳香族化合物、乳酸メチル、ピルビン酸メチル等のエステル類、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、シクロペンタノン、ヒドロキシアセトン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン等のケトン化合物、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル化合物を挙げることができる。
さらに、この常温および常圧で液体である化合物としては、この化合物100gに対する触媒前駆体化合物の25℃における溶解度が1g以上であり、かつ常圧での沸点が150℃以上である化合物がより好ましい。このような化合物としては、具体的には、クメン、アニソール、4−メトキシトルエン等の芳香族化合物、乳酸エチル、2−エトキシエチルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、マロン酸ジメチル、プロピレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、4−メトキシ−4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、3−メチルシクロヘキサノン等のケトン化合物、3−メトキシ−1−ブタノール、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル化合物およびジメチルホルムアミド等のアミド化合物を挙げることができる。
触媒および/または触媒前駆体化合物等を溶解または分散させた常温および常圧で液体である化合物の供給方法は、特に制限は無い。例えば、ノズル等を用いて液状で噴霧して供給してもよいが、より低温でメタン等のガス成分と十分混合させるには、全ての成分が十分気化できる温度で気化してから導入するのが好ましい。さらに、導入前に十分混合した状態で導入するのがより好ましい。
(キャリアーガス)
本発明の気相法炭素繊維の製造においてはこれら組成物に加えて、キャリアーガスを使用することが推奨さる。キャリアーガスとしては水素、窒素、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはこれらの混合ガスを用いることができる。しかし、空気等の酸素分子(すなわち、分子状態の酸素:O2 )を含有するガスは適さない。本発明で用いる触媒前駆体化合物は酸化状態にある場合があり、こうした場合にはキャリアーガスとして水素を含有するガスを用いることが好ましい。したがって、好ましいキャリアーガスは、水素を1vol%以上、更には30vol%以上、最も好ましくは85vol%以上含んだガスであり、例えば100vol%水素や水素を窒素で希釈したガスである。ここに示した水素ガス濃度は、メタンおよび/またはメタン以外の炭素源やガス化した触媒および/または触媒前駆体化合物などは含まず、キャリアーガスのみを考慮したときの濃度である。
(イオウ化合物)
本発明の気相法炭素繊維の製造においては、炭素繊維径制御に効果があるとされているイオウ化合物を併用してもよい。本発明において用いることができるイオウ化合物としては、イオウ、チオフェン、硫化水素、硫化炭素、さらにメチルメルカプタン、ターシャリーブチルメルカプタン等のメルカプタン類、ジメチルスルフィド等のスルフィド類、およびジメチルジスルフィド等のジスルフィド類等の化合物が挙げられる。またこの硫黄化合物は好ましくは、チオフェン、二硫化炭素、ジメチルスルフィドおよびジメチルジスルフィドを挙げることができ、さらに好ましくは、ジメチルスルフィドまたはジメチルジスルフィドを挙げることができる。
イオウ、チオフェン、硫化水素、硫化炭素、さらにメチルメルカプタン、ターシャリーブチルメルカプタン等のメルカプタン類、ジメチルスルフィド等のスルフィド類、ジメチルジスルフィド等のジスルフィド類等の化合物は、ガス状で供給すること又は溶媒に溶解させて供給することができる。供給するイオウの総モル数は触媒となる元素のモル数の100倍以下、好ましくは10倍以下、更に好ましくは2倍以下であることが望ましい。供給するイオウの量が多すぎると経済的でないばかりか、炭素繊維の成長を妨げる原因となるため好ましくない。
(炭素繊維の合成)
気相法炭素繊維の合成は、これまで説明した原料および必要に応じてキャリアーガスを加熱帯域に供給して、加熱下で接触させることにより達成される。反応器(加熱帯域)としては、所定の滞留時間、加熱温度が得られるものであれば特に限定されないが、縦型あるいは横型の管状炉が、原料供給、滞留時間制御の面で好ましい。
炭素源、特に主たる炭素源として安定な化合物であるメタンを用いているので、加熱帯域の温度が低すぎると炭素繊維ばかりでなく、固体の生成物が全く生成しないか、生成する量が極端に少なくなる。また、加熱帯域の温度が高すぎると、炭素繊維が成長しなかったり、あるいは太い繊維しか得られなかったりする。そこで、加熱帯域の高温部分の温度は1100℃以上1500℃以下であることが望ましく、更に望ましくは1150℃以上1350℃以下である。
反応後のガス中の炭素源は、好ましくはメタンが主成分である。反応ガス中に酸素含有化合物が含まれる場合には一部の炭素は、一酸化炭素や二酸化炭素となるが、これらは上記したように炭素源には含めない。そこで、この反応後のガスは上記メタンとメタン以外の炭素源の組成を満たすものとなるので、その全てまたは一部をそのまま、またはメタンおよび/またはメタン以外の炭素源を追加して、再び過熱帯域へ供給することにより、循環、再使用できる。反応後のガスを循環、再使用する場合、循環、再使用するガスと追加する成分とをあわせたものが反応原料となるので、その原料が本発明の原料組成を満たす必要がある。
反応装置の一例を示すと、図2のようになる。ここでは、加熱帯域として機能する石英製反応管1は、ヒーター2を備え、上部にキャリアーガス、メタン等の原料成分、ならびに触媒および/または触媒前駆体化合物を含有する原料液成分を混合して供給する供給ラインを有する。この供給ラインには、気化器4が配置されている。また、反応管1の下部には、生成した炭素繊維を捕集する受け器3がある。このような装置を用い、ヒーター2を1100℃以上の所定温度にし、導入ライン4から原料を導入して反応させる。
本発明の特徴は、供給した炭素源を効率的に炭素繊維として回収することにある。そのメカニズムの基本は主に、1000℃以下の低温におけるメタンと触媒との接触で生成した炭素繊維を、1000℃以上の高温において、メタンや、メタンの分解生成物であるエチレン、プロピレン等の脂肪族炭化水素、および/またはベンゼン等の芳香族炭化水素等を炭素源として、径方向に効果的に太らせる点にある。
上記状態を実現するために、反応管、すなわち加熱帯域への原料導入部の温度は、加熱帯域の高温部分よりも低温に保持する必要がある。この原料導入部の温度としては、700℃以下が好ましく、600℃以下がより好ましく、400℃以下がさらに好ましい。原料を低温域に導入することにより、1000℃以下での滞留時間をある程度保持することが必要である。特に600℃〜1000℃での滞留時間が重要であり、その温度範囲に0.05秒以上、特に0.5秒以上、より特に1.0秒〜30秒間にわたって滞留するようにすることが望ましい。ただしこの滞留時間は、所望とされる繊維長さ、原料濃度、供給原料温度、触媒濃度等に依存して任意に決定することができる。
このような場合には実際のガス温度を測定することは困難である。したがって、ここで示す温度は例えば1000℃以上の温度も測定可能な白金−白金・13%ロジウム合金熱電対を加熱帯域に挿入し、示される値である。この測定値は正しくは輻射の影響を受け、ガス温度とは必ずしも一致しないが、本発明の望ましい条件を規定するには十分な指標と成りえる。
600℃〜1000℃の温度範囲での滞留時間は、反応装置入り口側において上記のようにして測定された温度が600℃から1000℃に上昇するまでの領域を、原料ガスが通過する時間である。ここでは、この領域において原料ガスが押出流れ(プラグフロー)であり、上記のようにして測定された温度に原料ガスが昇温されていると仮定して、滞留時間を算出する。また、加熱帯域上流端の温度または加熱帯域に比べて例えば5分の1よりも細い内径を持つ配管で加熱帯域に挿入されたノズル等の噴出部の温度が600℃を超えている場合には、滞留時間は加熱帯域上流端またはノズル等の噴出部から1000℃に上昇するまでの領域での滞留時間である。ここでは、この領域において原料ガスが押出流れであり、上記のようにして測定された温度に原料ガスが昇温されていると仮定して、滞留時間を算出する。
また1100℃以上の温度における滞留時間は、600℃〜1000℃の温度範囲での滞留時間と同様にして求めることができ、例えば0.001秒以上、特に0.01秒以上、より特に0.1〜30秒である。ただしこの1100℃以上の温度における滞留時間は、所望とされる繊維太さ、原料濃度、高温部分の温度等に依存して任意に決定することができる。
上述のように、本発明のメカニズムの基本は主に、1000℃以下の低温で生成した繊維を1000℃以上の高温で径方向に太らせる点にある。ここでは特に効果的に繊維を太らせるために、1100℃以上の高温を用いる。したがって、シングルウォールやデュアルウォールといった非常に外径の小さな炭素繊維の製造によりも、比較的太い繊維の製法に非常に適している。すなわち、繊維の平均外径が10nm以上、さらには50nm以上、80nm以上、最も好ましくは100nm以上の炭素繊維の製造方法として最適である。ここで言う炭素繊維の外径は例えば、SEMの写真から100本程度の繊維の外径を測定することによって求めることができる。
さらに本発明の特徴は、生産性の高い製造法でありながら、同様に高い生産性で製造可能なベンゼン等を炭素源に用いた場合に比べ、繊維長の長い炭素繊維を製造できることである。すなわち、繊維長の平均が10μm以上、さらには13μm以上、最も好ましくは15μm以上の炭素繊維の製造方法として最適である。ここで言う炭素繊維の長さは例えば外径同様にSEMの写真から100本程度の繊維の外径を測定することによって求めることができる。
本発明によれば、触媒もしくは触媒前駆体の利用効率を著しく向上することができる。すなわち、少ない触媒量でも効率よく炭素繊維を得ることができる。通常の方法で製造された炭素繊維には一般に、50000質量ppm程度の触媒(鉄など)が残留している。したがって製造された炭素繊維は物性の向上のため、焼成(1500℃前後)や不活性ガス下での黒鉛化処理(2000〜3000℃)がなされる。この処理によって、触媒である鉄などの一部が気化、蒸散するため、黒鉛化処理後の炭素繊維では触媒残量は減少する。一方、本発明の製造方法によれば、炭素繊維中に含まれる触媒の含有量を、焼成、黒鉛化等の処理をしない状態でも極端に少なくできる。例えば焼成、黒鉛化等の処理がなされない状態で、触媒の含有量が5000ppm以下、好ましい条件下では500ppm以下の炭素繊維を得ることができ、用途によっては黒鉛化処理が不要となる。
また、本発明の方法においてメタンに対する触媒および/または触媒前駆体化合物の比率を変えることによって、得られる繊維の平均外径が変化する傾向が認められる。つまり、触媒および/または触媒前駆体化合物の比率を増やすと繊維径は小さくなり、逆に比率を減らすと繊維径が大きくなる。このことは反応装置や条件を細かく変更することなく、単に原料の炭素源と触媒の組成を変えるだけで、得られる炭素繊維の平均外径を制御できることを示している。例えば繊維外径が80〜150nmの範囲の炭素繊維を、非常に簡単に製造することが可能となる。
以下、実施例をあげて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例・比較例で使用した試薬等は、次の通りである。
〔試薬類〕
1.炭素源
メタン:高千穂商事(株)
ベンゼン:和光純薬工業(株)
トルエン:和光純薬工業(株)
テトラヒドロフラン:和光純薬工業(株)
2.触媒前駆体化合物
フェロセン:日本ゼオン(株)
3.その他成分
チオフェン:和光純薬工業(株)
ジメチルスルフィド:和光純薬工業(株)
ジメチルジスルフィド:和光純薬工業(株)
二硫化炭素:和光純薬工業(株)
〔炭素繊維の合成〕
<実施例1>
図2に示した石英製反応管の加熱帯域1(内径31mm、外径36mm、加熱帯域の長さ約400mm)を備えた縦型炉にて、N2気流中で加熱帯域1を1200℃に昇温し、その後、N2の供給を絶ち、代わって、加熱帯域1内に1NL/minでキャリアーガスとしてH2を流した。温度が安定した後に、ベンゼン、フェロセンおよびチオフェンを溶解混合し、その液を小型ポンプを用いて、それぞれの成分が表1に示した導入量になるようにして、200℃に加熱された気化器4に導入・気化し、H2に同伴させた。この状態では、固体の生成物は生成しなかった。その後、H2の流量を0.5NL/minに下げ、メタンを0.5NL/minの流量で水素に混合した。このようにして、全ての化合物をガス状で反応管内に供給した。ここで単位「NL」は、標準状態(0℃、1気圧)での体積(リットル)を示している。
滞留時間を求めるために1NL/minのHe気流中で1200℃に昇温し、温度が安定したところで、白金−白金・13%ロジウム合金熱電対を用いて石英管の内部温度を測定した。その結果、石英管上端から24cmのところが600℃であり29cmのところが1000℃であった。その間の滞留時間を求めたところ、0.59秒であった。また、石英管上端から33cmのところで1100℃を超え、60cmのところで1100℃を下回った。その間の滞留時間を求めたところ、2.25秒であった。
反応の結果、反応管底部から捕集器3の間に、灰色を帯びた蜘蛛の巣状の堆積物が生成した。降温後、この堆積物を回収し、回収量を当初使用した炭素源に含まれる炭素量で除して炭素回収率を求めたところ、42%であった。実験の条件および結果を表1に示す。
尚、表1のメタンの濃度(mol%)は、以下の式より求めた:
メタンの濃度(mol%)=[メタンの導入量(mmol/min)]÷[供給原料の導入量(mmol/min)]×100
供給原料の導入量(mmol/min)=メタンの導入量(mmol/min)+キャリアーガスの導入量(mmol/min)+メタン以外の炭素源の導入量(mmol/min)+フェロセンの導入量(mmol/min)+イオウ化合物の導入量(mmol/min)
また実験の条件に関して、供給原料中のメタンに含まれる炭素原子の総量に対する供給原料中のメタン以外の炭素源に含まれる炭素原子の総量の比率(%)を以下の式から求め、表2に示した:
供給原料中のメタンに含まれる炭素原子の総量に対する供給原料中のメタン以外の炭素源に含まれる炭素原子の総量の比率(%)=
[キャリアーガス中の炭素原子数(mmol/min)+メタン以外の炭素源中の炭素原子数(mmol/min)+フェロセン中の炭素原子数(mmol/min)+イオウ化合物中の炭素数(mmol/min)]÷[メタン中の炭素原子数(mmol/min)]×100
また、走査型電子顕微鏡で蜘蛛の巣状の生成物を観察した。その中で、100本程度の生成物の平均外径と平均の長さを調べたところ、それぞれ200nm、20μmの繊維状物であった。
<実施例2>
反応温度を1250℃にしたこと、およびベンゼン、フェロセンおよびチオフェンを溶解混合した液の組成を変えたこと以外は実施例1の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は53%であり、生成物は、平均外径および平均の長さがそれぞれ170nmおよび15μmの繊維状物であった。
<実施例3>
2の流量を0.64NL/minにしたこと、およびメタン流量を0.36NL/minにしたこと以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は34%であり、生成物は、平均外径170nmの繊維状物であった。
<実施例4>
2の流量を0.82NL/minにしたこと、およびメタン流量を0.18NL/minにしたこと以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は15%であり、生成物は、平均外径150nmの繊維状物であった。
<実施例5>
2の流量を0.25NL/minにしたこと、およびメタン流量を0.75NL/minにしたこと以外は実施例1の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は45%であり、生成物は、平均外径の250nmの繊維状物であった。
<実施例6>
ベンゼン、フェロセンおよびチオフェンの溶解混合液の流量以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は55%であり、生成物は、平均外径200nmの繊維状物であった。
<実施例7>
ベンゼンの代わりにトルエンを用い、その導入量を0.10mmol/minとしたこと以外は実施例6の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は56%であり、生成物は、平均外径200nmの繊維状物であった。
<実施例8>
ベンゼンの代わりにテトラヒドロフランを用い、その導入量を0.13mmol/minとしたこと以外は実施例6の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は51%であり、生成物は、平均外径200nmの繊維状物であった。
<実施例9>
チオフェンの代わりにジメチルスルフィドを用いたこと以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は55%であり、生成物は、平均外径および平均の長さがそれぞれ250nmおよび32μmの繊維状物であった。
<実施例10>
チオフェンの代わりにジメチルジスルフィドを用いたこと以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は51%であり、生成物は、平均外径および平均の長さがそれぞれ200nmおよび18μmの繊維状物であった。
<実施例11>
チオフェンの代わりに二硫化炭素を用いたこと以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は54%であり、生成物は、平均外径250nmの繊維状物であった。
<比較例1>
図2に示した石英製反応管1(内径31mm、外径36mm、加熱帯域の長さ約400mm)を備えた縦型炉にて、N2気流中で加熱帯域を1200℃に昇温し、その後、N2の供給を絶ち、代わって、反応管内に1NL/minでキャリアーガスとしてH2を流した。温度が安定した後に、ベンゼン、フェロセンおよびチオフェンを溶解混合し、その液を小型ポンプを用いて、それぞれの成分が表1に示した導入量になるようにして、200℃に加熱された気化器4に導入・気化し、H2に同伴させた。このようにして、全ての化合物をガス状で反応管内に供給した。
反応の結果、反応管底部から捕集器の間に、黒い粉状の堆積物が生成した。降温後、この堆積物を回収し、回収量を当初使用した炭素源に含まれる炭素量で除して炭素回収率を求めたところ、30%であった。実験の条件および結果を表1および表2に示す。
また、走査型電子顕微鏡で粉状の生成物を観察したところ、固形物のほとんどが球状粒子であり、実施例1〜5と同程度の触媒量では繊維状物はほとんど得られなかった。
<比較例2>
ベンゼン、フェロセンおよびチオフェンの溶解混合組成を変えたこと以外は、比較例1の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。炭素回収率は39%であり、生成物は、平均外径および平均の長さがそれぞれ100nmおよび7μmの繊維状物であった。触媒量を増やすことにより、繊維状物が得られたが、繊維の長さは短いものであった。
<比較例3>
2の流量を0.91NL/minにしたこと、およびメタン流量を0.09NL/minにしたこと以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。反応の結果、固形の堆積物は得られなかった。すなわち、炭素回収率は0%であった。これは、メタン濃度が低すぎるためである。
<比較例4>
反応温度を1000℃にしたこと以外は実施例2の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。反応の結果、固形の堆積物は得られなかった。すなわち、炭素回収率は0%であった。これは、反応温度が低すぎるためである。
<比較例5>
2を流さず、メタン流量を1NL/minにした以外は比較例4の方法にしたがって反応を行った。実験の条件および結果を表1および表2に示す。反応の結果、反応炉出口のガス中に茶色の煙状のものが生成し、反応管内壁に黒いべたついたものが付着したが、回収可能な固形の堆積物は得られなかった。すなわち、炭素回収率は0%であった。反応温度が低すぎると、メタン濃度を高くしても炭素繊維は得られない。
Figure 2006112022
Figure 2006112022
気相法炭素繊維を製造するための横型反応装置の一般例を示す模式図である。 気相法炭素繊維を製造するための縦型反応装置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 石英製反応管
2 ヒーター
3 捕集器
4 気化器

Claims (19)

  1. 供給原料中の炭素源と触媒および/または触媒前駆体化合物とを加熱帯域で接触させることによって気相で炭素繊維を製造する気相法炭素繊維の製造方法であって、前記炭素源が少なくともメタンを含み、前記供給原料中のメタンの濃度が15mol%以上100mol%未満であり、且つ前記加熱帯域の高温部分の温度が1100℃〜1500℃であることを特徴とする、気相法炭素繊維の製造方法。
  2. 前記加熱帯域の原料導入部の温度が700℃以下である、請求項1に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  3. 前記供給原料が前記加熱帯域の高温部分に達する前に、600℃〜1000℃の温度の前記加熱帯域の低温部分に0.05秒間以上にわたって滞留する、請求項1又は2に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  4. 前記加熱帯域において、1100℃以上の温度での滞留時間が0.001秒以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  5. メタン以外の前記炭素源に含まれる炭素原子の総量が、メタンに含まれる炭素原子の総量の60%以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  6. メタン以外の前記炭素源に含まれる炭素原子の総量が、メタンに含まれる炭素原子の総量の10%以下である、請求項5に記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  7. 触媒となる元素の原子数と、炭素源中の炭素原子の数との比率が、
    (触媒となる元素の原子数)/(炭素原子の数)
    =0.000005〜0.0015
    である、請求項1〜6のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  8. 前記触媒前駆体化合物を常温および常圧で液体である化合物に溶解して、前記加熱帯域内に導入する、請求項1〜7のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  9. 前記触媒前駆体化合物を常温および常圧で液体である化合物に溶解し、その溶液を全て気化してから、前記加熱帯域内に導入する、請求項1〜7のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  10. 前記触媒前駆体化合物を常温および常圧で液体である化合物に溶解し、その溶液を全て気化後、メタン含有ガスに混合してから、前記加熱帯域内に導入する、請求項1〜7のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  11. 常温および常圧で液体である前記化合物が炭素源である、請求項8〜10のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  12. 常温および常圧で液体である前記化合物に対する前記触媒前駆体化合物の25℃での溶解度が、常温および常圧で液体である前記化合物100gに対して10g以上である、請求項8〜10のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  13. 常温および常圧で液体である前記化合物が、ベンゼン、トルエンおよびテトラヒドロフランからなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物である、請求項8〜10のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  14. 前記触媒および/または触媒前駆体化合物が、18族型元素周期律表でいう3、5、6、8、9、10族から選ばれる少なくとも1種の金属および/またはこれらの金属を含む化合物である、請求項1〜13のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  15. 反応後のガスの全てまたは一部を循環し、再使用する、請求項1〜14のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  16. 平均繊維径が10nm以上である炭素繊維を製造する、請求項1〜15のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の気相法炭素繊維の製造方法により製造された気相法炭素繊維。
  18. 平均繊維長が10μm以上である、請求項17に記載の気相法炭素繊維。
  19. 平均繊維長が13μm以上である、請求項18に記載の気相法炭素繊維。
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