JP2002194624A - 繊維集合体及びこれを含有する複合材料 - Google Patents

繊維集合体及びこれを含有する複合材料

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JP2002194624A JP2000389048A JP2000389048A JP2002194624A JP 2002194624 A JP2002194624 A JP 2002194624A JP 2000389048 A JP2000389048 A JP 2000389048A JP 2000389048 A JP2000389048 A JP 2000389048A JP 2002194624 A JP2002194624 A JP 2002194624A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維の縺れ及び絡み合いを減少さ
せ、繊維特性を引き出すことのできる繊維集合体及び複
合材料。 【解決手段】 平均直径が3〜50nmの細径気
相成長炭素繊維と、平均直径が50nmを超え、かつ5
00nm以下である大径気相成長炭素繊維とを含有する
ことを特徴とする繊維集合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は繊維集合体及びそ
れを含有する複合材料に関し、更に詳しくは、繊維の縺
れ及び絡み合いが少なくて繊維特性を引き出すことので
きる繊維集合体及びそれを含有する複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】気相成長炭素繊維は、機械的性質に加
え、導電性・摺動性・電波吸収性・化学安定性等に優れ
ているので、その開発当初から複合材料として用いる事
が提案され、数多く試みられてはいるが、大量に実施さ
れる迄に至っていない。
【0003】複合材料の製造に重要な事は、母材中のフ
ィラーの分散状態である。
【0004】例えばフィラーが粉末の場合に、粒子径が
小さくなると二次凝集を起こし、いくら一次粒子の直径
が小さくても、実際は二次凝集粒子の直径の大きさとし
ての効果しか得られないと言った例が見られる。フィラ
ーが繊維の場合には、繊維径が小さくなるとしなやかに
なり、絡み易くなる事から、更にやっかいである。
【0005】特に繊維直径が100nm以下、特に50
nm以下の気相成長炭素繊維は、繊維製造時から湾曲し
て絡み合った状態で得られるので、これを解きほぐして
母材中に均一分散させる事は、至難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、極
細気相成長炭素繊維の集合物でありながら縺れや絡みが
少なくて極細気相成長炭素繊維が伸びた形態で存在する
ことができる繊維集合体を提供することにある。
【0007】この発明の他の目的は、極細気相成長炭素
繊維の集合物でありながら、縺れや絡みが少なくて電気
伝導性、熱伝導性、機械的特性を発揮することのできる
繊維集合体を提供することにある。
【0008】この発明の目的は、縺れ及び絡みの少ない
繊維集合体を使用することにより、電気伝導性、熱伝導
性及び機械的特性の優れた複合材料を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
のこの発明は、平均直径が3〜50nmである極細気相
成長炭素繊維と、平均直径が50を超え、かつ500n
m以下である大径気相成長炭素繊維とを含有することを
特徴とする繊維集合体である。前記繊維集合体の好適な
態様において、前記大径気相成長炭素繊維は、その体積
百分率が、気相成長炭素繊維全体の0.1〜30%であ
る前記請求項1に記載の繊維集合体であり、前記繊維集
合体の好適な態様において、前記細径気相成長炭素繊維
は、その平均アスペクト比が小さくとも30であり、大
径気相成長炭素繊維は、その平均アスペクト比が2〜1
00であり、大径気相成長炭素繊維の平均アスペクト比
が細径気相成長炭素繊維の平均アスペクト比を超えない
繊維集合体であり、前記繊維集合体の好適な態様におい
て、前記細径気相成長炭素繊維及び大径気相成長炭素繊
維はいずれも、1500〜3500℃で熱処理されて成
る黒鉛化繊維であり、前記課題を解決するための他の発
明は、前記繊維集合体を含有して成ることを特徴とする
複合材料である。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明に係る繊維集合体は、平
均直径が3〜50nm、好ましくは5〜30nmである
細径気相成長炭素繊維と、平均直径が50を超え、かつ
500nm以下、好ましくは60〜300nmである大
径気相成長炭素繊維とを含有することを特徴とする。
【0011】細径気相成長炭素繊維の平均直径が前記範
囲内にあり、かつ大径気相成長炭素繊維の平均直径が前
記範囲内にあると、極細気相成長炭素繊維同士が縺れた
り、絡み合ったりすることが、大径気相成長炭素繊維の
混入により、実用上差し支えない程度に少なくなり、し
かも繊維同士の接点が多くなって導電性が良好である。
【0012】前記細径気相成長炭素繊維は、そのアスペ
クト比が、通常30〜20,000であり、好ましくは
50以上である。
【0013】アスペクト比が前記範囲内にあると、繊維
の接点が多く、複合材料とした時の導電性を高める事と
なってこの発明の目的をよく達成することができる。ア
スペクト比が30未満の場合は、導電性の点でやや問題
がある。アスペクト比の上限については、その表現にや
や問題がある。つまり、20,000というアスペクト
比を実測する事は困難であって、アスペクト比1万、2
万、3万という数値は、実験的には無限大と言うべきだ
が、有限の繊維である事から2万程度とした値だからで
ある。以下に説明する。
【0014】直径10nmでアスペクト比2万の繊維を
実測する実験について:この繊維の長さは10nm×2
万=20万nm=200μmである。この繊維を確認す
るには、走査型電子顕微鏡倍率3万〜5万倍が必要であ
る。(10nm×3〜5万=0.3〜0.5mmの太さ
に繊維を見る事ができる。) これより低い倍率では、
繊維1本1本の判別が困難である。その時、長さは20
0μm×3万〜5万=6〜10mの長さに見える事にな
る。写真1視野の長さを10cmとすると、写真60〜
100枚に亘って1本の繊維が存在する事になる。1本
の繊維は単独で存在するのではなく、繊維塊中の1本で
あるので、常に表面の見やすい位置にある訳はない。従
って、1本の繊維の一端から他端まで観察する事は、実
質的には不可能である。
【0015】アスペクト比1万、2万と称するのは、1
視野に見る事のできる100本の繊維に末端が一,二箇
所しか見られないといった状況から推定されたものであ
る。
【0016】前記大径気相成長炭素繊維は、そのアスペ
クト比が、通常2〜100、好ましくは5〜50であ
る。
【0017】大径気相成長炭素繊維のアスペクト比が前
記範囲内にあると、細径気相成長炭素繊維の集合物をこ
の大径気相成長炭素繊維で良好に解繊することができ、
複合材料を製造する際に、母材中での細径気相成長炭素
繊維の分散性を良好にすることができる。
【0018】また、大径気相成長炭素繊維が前記アスペ
クト比内にあるとしても、この大径気相成長炭素繊維の
長さが細径気相成長炭素繊維よりも長くないことが好ま
しい。即ち、大径気相成長炭素繊維の平均アスペクト比
が細径気相成長炭素繊維の平均アスペクト比を越えない
のが良い。
【0019】前記大径気相成長炭素繊維は、その体積百
分率が、気相成長炭素繊維全体の0.1〜30%、好ま
しくは0.2〜20%であり、最も好ましくは0.3〜
15%である。
【0020】この大径気相成長炭素繊維の本数が前記範
囲内にあると、例えば、樹脂複合材料の機械的特性、導
電性、熱伝導性が著しく改善される。その理由は、樹脂
との混練時に、大径気相成長炭素繊維がつっかい棒とな
って、細径気相成長炭素繊維の縺れ絡みを少し引き延ば
す事ができ、また、大径気相成長炭素繊維が混練時の応
力を受けて細径気相成長炭素繊維への応力を緩和して切
れを防止する可能性が高まり、その結果、細径気相成長
炭素繊維同士の接触を確保して導電性、熱伝導性を発揮
しつつ、機械的特性を維持することができると推定され
る。換言すると、大径気相成長炭素繊維の体積百分率が
気相成長炭素繊維全体の0.1%未満であったり、或い
は30%を超えると、細径気相成長炭素繊維同士が絡み
あい縺れ合いで導電性等が低下したり、機械的性質が悪
化することがある。
【0021】大径気相成長炭素繊維は、繊維集合体中の
本数が少なくてもその体積が大きいので、この発明に係
る繊維集合体においては、大径気相成長炭素繊維の繊維
集合体中に占める体積百分率で制御する事が重要にな
る。しかし、実際の測定となると、各繊維1本1本の直
径(太さ)を測定して、これから体積百分率を計算する
必要がある。
【0022】体積百分率を簡単に得るには、大径気相成
長炭素繊維の平均直径d(L)と細径気相成長炭素繊維の
平均直径d(S)との比ρ=d(L)/d(S)が異なる場合の
大径気相成長炭素繊維の本数百分率と体積百分率の関係
図を準備しておき、それを利用するのが良い。
【0023】なお、この発明における細径気相成長炭素
繊維及び大径気相成長炭素繊維は、いずれも中空であ
り、黒鉛網面が年輪状又は渦巻き状に繊維軸に平行に配
向して成る炭素繊維である。
【0024】前記細径気相成長炭素繊維と前記大径気相
成長炭素繊維とを含有する繊維集合体は、気相成長炭素
繊維製造時に同一反応装置中で同時に生成させる事によ
り製造することができる。細径気相成長炭素繊維と大径
気相成長炭素繊維とを別々に製造してからこれらを混合
するような方法を採用しても、両者はなかなか混じり合
わず、本発明の様な効果は得られない。
【0025】この発明の繊維集合体を得る気相成長炭素
繊維製造装置は、例えば、特開平8−301699号公
報における図1、特開平11−107052公報におけ
る図1、特願平11−198731に係る明細書に添付
された図1、特願平10−353628に係る明細書に
添付された図1・図3、特願平10−353629に係
る明細書に添付された図1・図2、特願平11−247
710に係る明細書に添付された図1・図2、特願平1
1−290505に係る明細書に添付された図1等に示
される装置である。
【0026】これ等の装置は、原料ガス(繊維を生成す
る為の原料蒸気をキャリアガスで希釈したもの)供給ノ
ズルとそれを囲繞するガス供給系を有する縦型の気相成
長炭素繊維製造装置である。更に、反応管内で生成した
気相成長炭素繊維が反応管外に連続的に排出される様に
考慮された装置である。生成した繊維が反応管壁に付着
すると、直径数〜数十μmにまで太った様な繊維ができ
るだけでなく、反応管の閉塞にまで至る。従って、反応
管内に供給するガスを整流したり、反応後のガスを案内
ガスと共にスムーズに排出する事で、反応管内のガス流
れを安定にして生成繊維の反応管壁付着を防止するとい
うのが、これらの発明装置の思想である。
【0027】本発明の繊維集合体は、これらの装置を使
用して気相成長炭素繊維製造条件を選択する事により、
得られる。
【0028】図1に、本発明の繊維集合体を得る装置の
別な例を示した。思想は前記と同じである。
【0029】図1に示される様に、この気相成長炭素繊
維製造装置1は、縦型炉心管2と、加熱装置3、原料液
タンク4、原料液供給ポンプ5、気化器6、第1ガス流
量計7、予熱器8、原料ガス供給ノズル9、第2ガス流
量計10、第2ガス供給器11、整流器12、第3ガス
流量計13、第3ガス供給部14、案内ガス流量計1
5、案内ガス供給室16、整流器17、排出管18、シ
ール水槽19、シール水管20、繊維捕集槽21、希釈
ガス導入管22、水噴霧器23、第1仕切板24、第2
仕切板25、定水位排水孔26および排気ファン連絡管
27を有する。
【0030】図1に示されるように、縦型炉心管2は、
軸線に直交する方向における内部断面形状が軸線方向に
沿って同じに形成されてなる、例えば円筒状或いは角筒
状の縦型の反応管を有する。
【0031】この縦型炉心管2は、キャリヤーガスと共
に供給された触媒金属源と炭素源ガスとを熱分解させる
ように設計される。
【0032】この縦型炉心管2は、所謂反応管であっ
て、後述するように炭素源ガス及び触媒金属源ガスが分
解するに必要な高温度に加熱され、又後述するようにキ
ャリヤーガスとして例えば水素ガスが流通するので、高
温水素脆性反応及び侵炭反応に耐えることのできる耐熱
性の材質、例えば炭化珪素、窒化ケイ素、アルミナ、ム
ライト等のセラミックで形成されるのが好ましい。
【0033】前記加熱装置3は、縦型炉心管2内を例え
ば1000℃以上にできれば良く、電気ヒーターやガス
燃焼による加熱が例示される。
【0034】気相成長炭素繊維を生成させる触媒金属源
を含む原料は、原料液タンク4から原料液供給ポンプ5
により供給され、気化器6でガス化した後、第1ガス流
量計7より供給された第1キャリアガスと共に予熱器8
を経て、原料ガス供給ノズル9から縦型炉心管2へ送ら
れる。原料液の中にベンゼン・トルエン・ヘキサンとい
った液状炭化水素を加えて炭素源とするか、第1ガス中
にメタン・エタン・エチレン・アセチレン・プロパンや
天然ガスといった気体状炭化水素を加えて、炭素源とし
ても良い。第1ガスとしては、キャリアガス(例えば水
素ガス)のみ或いは炭素源ガス(例えば天然ガス)のみ
の使用もあるが、キャリアガスと炭素源ガスを混合して
使用する事もできる。触媒金属源というのは、蒸発可能
で高温で熱分解して、金属(特に遷移金属)微粒子を形
成しうる物質である。例示すると、フェロセン・ニッケ
ロセン・コバルトセン・鉄カルボニル・アセトナート鉄
といった有機金属化合物や塩化鉄などの無機金属化合物
がある。気相成長炭素繊維は、直径数〜20nm程度の
遷移金属微粒子を核にして生成すると見なすのが一般的
である。その際、硫黄が存在すると繊維生成が助長され
る事から、チオフェンや硫化水素などの硫黄化合物が助
触媒として添加されるのが、一般的である。
【0035】前記触媒源・助触媒源は、従来使用されて
いるものを使用して良く、触媒金属源としては、特開昭
60−54998号公報の第3頁左上欄第9行〜同頁右
上欄最下行に記載の有機遷移金属化合物、特開平9−3
24325号公報の段落番号[0059]に記載された
有機遷移金属化合物、特開平9−78360号公報の段
落番号[0049]に記載された有機遷移金属化合物等
を挙げることができ、助触媒として、特開平9−783
60号公報の段落番号[0051]、並びに特開平9−
324325号公報の段落番号[0061]に記載され
た含硫黄複素環式化合物及び硫黄化合物を挙げることが
できる。
【0036】この原料ガス供給ノズルから供給される前
記混合ガス(触媒源、助触媒源を含み炭素源を含み、キ
ャリアガスを含みうる)を原料ガスと称する。
【0037】また、原料ガス供給ノズルを囲繞する第2
ガス供給器11には、第2ガス流量計10から水素など
のキャリアガスや天然ガスなどの炭素源ガス、あるいは
その混合物が供給される。第2ガス供給器11内には整
流器12(セラミック製・耐熱金属製のハニカムなど)
が設置され、第2ガスを整流して原料ガスを囲繞しなが
ら炉心管2へ供給する様になっている。
【0038】第2ガスは、原料ガスと拡散混合しながら
カーボンナノファイバーを形成する役割をする。
【0039】更に、第3ガス供給部14には、第3ガス
流量計13から水素や窒素・アルゴンなどのキャリアガ
スが供給される。第3ガス供給部14は、第2ガス供給
器外壁と炉心管内壁の間隙であり、数mmから十数mm
程度の隙間である。セラミック製・耐熱金属製のハニカ
ムなどの整流器が設置されるのが最も好ましいが、特に
狭い場合は整流器を省略しても良い。第3ガスは炉心管
壁を流下し、原料ガスからの生成物が管壁に到達して付
着するのを防止する。第3ガスの目的から、第3ガスに
炭素源となるものは含まれない。水素を使用した場合
は、炉心管壁付近の触媒源濃度・炭素源濃度・生成物濃
度を下げて、反応物の炉心管壁付着を防ぐということに
なるので、煤などはできにくく良い製品が得られるが、
壁への付着防止という点で、効果が弱まることもある。
窒素・アルゴンを使用すると、壁付着は少し減少する
が、煤などの非繊維物による製品品質低下が起こる。
【0040】原料ガス・第2ガス・第3ガスは、反応管
内を流下し、ガス中に生成した気相成長炭素繊維を含ん
だ状態(以後、反応後ガスと称する)で、排出管18入
り口近傍に到達する。
【0041】排出管周囲には、案内ガス流量計15から
案内ガス供給室16、整流器17を通じて、窒素・アル
ゴンなどの案内ガスが、反応後ガスと対向して供給され
る。案内ガスで囲繞された反応後ガスは排出管から繊維
捕集箱21内へ導かれ、繊維が分別採集される。
【0042】排出管と繊維捕集箱21は、シール水槽1
9を持つシール水管20を介して連結される。繊維捕集
槽21は、排気ファン連絡管27と連結し、排出管18
出口を排気することで、案内ガス囲繞反応後ガスを引き
出す。シール水槽の高さ(ヘッド)とシール水管の径の
調整により、流下水によって案内ガス囲繞反応後ガスを
引き出す事も可能で、その場合には排気ファンは不要か
補助的使用となる。繊維捕集箱21は、希釈ガス導入管
22、水噴霧器23、第1仕切板24、第2仕切板2
5、定水位排水孔26および排気ファン連絡管27を有
し、反応後ガスから気相成長炭素繊維を分別して取り出
すと共に、反応後ガスを安全に処理する。
【0043】炭素源ガスは、熱分解により炭素を発生さ
せて炭素繊維質物例えば気相成長炭素繊維、特にカーボ
ンナノファイバー、カーボンナノチューブを生成させる
ことができる化合物であれば特に制限がない。使用可能
な炭素源としては、特公昭60−54998号公報の第
2頁左下欄第4行〜同頁右下欄第10行に記載された炭
素化合物、特開平9−324325号公報の段落番号
[0060]に記載された有機化合物、特開平9−78
360号公報の段落番号[0050]に記載された有機
化合物等を挙げることができる。
【0044】炭素繊維質物が生成する時に太さ成長する
と熱分解炭素が多く含有されることから、この発明にお
ける極細気相成長炭素繊維を製造するには、炭素源ガス
の濃度を小さくし、触媒金属源の濃度を大きくするのが
良い。したがって、縦型炉心管2内に投入される炭素源
ガス及び触媒金属源のガスの全混合ガスに占める割合
は、好ましくは、各々0〜40%及び0.01〜40
%、更に好ましくは各々0.5〜10%及び0.05〜
10%である。ここで、炭素源ガスの濃度が0でも良い
のは、触媒金属源である例えば有機金属化合物がその分
子中に十分な炭素を含有している場合には、必ずしも炭
素源ガスを必要としないという意味である。したがっ
て、この発明においては、炭素源と触媒金属源とが同一
化合物であることもある。
【0045】前記キャリヤーガスも、炭素繊維質物例え
ば気相成長炭素繊維、炭素繊維あるいはカーボンナノフ
ァイバー、カーボンナノチューブ等の製造に使用される
公知のガスを適宜に採用することができ、好適例として
水素を挙げることができる。
【0046】さらにまた、特開昭60−54998号公
報に記載されたところの、キャリヤーガス、有機金属化
合物及び炭素源ガスを使用して、この発明に係る気相成
長炭素繊維製造装置1で、繊維集合体を製造することが
できる。
【0047】前記原料ガス供給ノズル9は二重管構造で
あり、内側(中心部)を原料ガスが流れ、外側は冷却ガ
スが流れるジャケット構造(図示していない)である。
窒素や空気等の冷却用ガスは、炉心管内部ではなく外部
に排出される。原料ガスは、冷却により、触媒金属源化
合物が分解せず、かつ、炉心管内で気相成長炭素繊維生
成反応を起こすのに適当な温度に予熱されて、炉心管に
供給される。原料ガス供給ノズル9の外側に第2ガス供
給器11が配置される。第2ガス供給器内には整流器1
2が設置され、縦型炉心管2内に第2ガス例えば水素や
メタンを層流にして、原料ガスを囲繞して噴出させる。
第2ガス供給器は第2ガスの整流をすると共に、炉心管
管壁からの熱で第2ガスを予熱する。原料ガス供給ノズ
ルは、第2ガス供給器が炉心管管壁からの熱を吸収し遮
るので、冷却が容易になる。第3ガス供給部は第2ガス
供給器外壁と炉心管2内壁の隙間である。第3ガスたと
えば水素は縦型炉心管2の内壁に沿って層流状態で流下
するように形成される。第3ガス供給部にも第2ガス供
給装置用整流器(セラミックあるいは金属製のハニカム
など)を設置しても良い。縦型炉心管2内における原料
供給ノズル9の冷却ジャケット部直下には、デッドスペ
ースが形成される。
【0048】加熱装置3は、縦型炉心管2内で触媒金属
源化合物の分解/触媒粒子生成反応及び炭素源ガスとの
極細気相成長炭素繊維生成成長反応を行わせるに足る温
度に縦型炉心管2内を加熱することができるように、形
成される。
【0049】前記加熱装置3による縦型炉心管2内の加
熱温度としては、原料ガス供給ノズル9出口から排出管
18入口までの温度が900〜1300℃、特に100
0〜1250℃、更に好ましくは1050〜1200℃
である。更に言うと、縦型炉芯管内において、原料ガス
供給ノズルと同じ高さの部位から上部開口部と同じ高さ
の部位までの縦型炉芯管内部を上記温度範囲内における
一定温度に保持するように、加熱装置を調節するのが、
好ましい。このような温度に調整された縦型炉心管2内
で細径気相成長炭素繊維を製造すると、炉心管内壁に繊
維が付着することなく、高生産速度で細径気相成長炭素
繊維が得られる。
【0050】縦型炉心管2及び加熱装置3としては、特
開平9−78630号公報、特開平9−229918号
公報及び特開平9−324325号公報に記載された反
応炉における炉芯管及び加熱ヒータを好適に使用される
ことができる。
【0051】前記案内ガス供給室16は、縦型炉心管2
の下部に設けられる。この案内ガス供給室16には、案
内ガス例えば窒素ガス等の不活性ガスが案内ガス流量計
15を経て供給される。
【0052】前記排出管18は、前記縦型炉心管2内に
おける均熱部に臨み、上方に向けて開口する上部開口
部、案内供給室16内を貫いてその底部を貫通し、シー
ル水槽19シール水管20を経て、繊維捕集槽21内に
まで延在する管本体と、管本体18の下端部において、
繊維捕集槽21内部の貯留水28に向かって開口する下
部開口部とを有して成る。この排出管18は、前記原料
ガス供給ノズル3の中心線と一致する中心線を有するよ
うに、縦型炉心管2内に配置される。
【0053】気相成長炭素繊維は繊維が伸びる速度は極
めて高く、繊維が太る速度は極めて遅い。文献値を引用
すると、触媒粒子上から繊維の伸びる速度は1mm/m
in=17μm/sec程度であるが、繊維が太る速度
は5μm/hr=1.4nm/sec以下であるといわ
れている(遠藤・小山,繊維学会誌、32,177(1
976))。
【0054】本発明の方法では、原料ガス(第2ガス、
あるいは第3ガスを加えた場合も含む)が反応領域に滞
在する平均時間は数秒以下である。つまり、細径気相成
長炭素繊維は生成するが、大径気相成長炭素繊維はでき
難いのであり、気相成長炭素繊維生成時に本発明品を得
るのは困難な筈である。
【0055】細径気相成長炭素繊維と大径気相成長炭素
繊維とを含有する繊維集合体が、どの様にして得られる
かについての推定を以下に述べる。
【0056】先ず、原料ガス供給ノズル9から縦型炉心
管2内に原料ガスを供給すると、原料ガス中の金属触媒
源が直ちに分解して触媒粒子を形成し、炭素源ガスと作
用して、気相成長炭素繊維が生成する。生成した気相成
長炭素繊維は長さ方向に成長しつつキャリヤガスと共に
排出管18の上部開口部に向かって下降していく(長さ
反応している時間は、繊維の長さからせいぜい1秒以内
と考えられる)。
【0057】このとき、縦型炉心管2内において原料供
給ノズルの冷却用ジャケットの直下はデッドスペース
(図示していない)になっている。そして、このデッド
スペースを挟んで縦型炉心管2壁にそって、第2ガス供
給装置11から第2ガスが噴出流下し、一方、原料供給
ノズル9から原料ガスが噴出しているので、前記デッド
スペース内で気流の乱れが発生している。原料ガス供給
ノズル9の直下で形成された気相成長炭素繊維の一部が
気流の乱れによって前記デッドスペースに吸い込まれ、
このデッドスペース中で一定時間滞留する。デッドスペ
ース中に滞留する一部の気相成長炭素繊維が太さ成長を
して大径気相成長炭素繊維が形成される。この大径気相
成長炭素繊維は、適当な太さあるいは塊になった時、デ
ッドスペースから流下し、細径気相成長炭素繊維と共
に、排出管に導かれる。
【0058】このデッドスペース中に直径数mmの繊維
塊が数秒〜数十秒間漂う様子は、本発明者らの観察で確
認されている。
【0059】一方、案内ガス供給室16に供給された案
内ガスは、排出管18の外壁に沿って、縦型炉心管2の
内部を上昇していく。この上昇過程で案内ガスは、加熱
装置3により加熱される。
【0060】上昇した案内ガスは、排出管18の上部開
口部に至ると、この上部開口部内に吸い込まれる。案内
ガスが上部開口部から吸い込まれるのは、シール水管2
0から噴出する水流あるいは排気ファン連絡管27から
の排気により、排出管18内の気流が縦型炉心管2内の
気流よりも高速に成るからである。
【0061】縦型炉心管2の内部を中心軸線に沿って下
降してきた、気相成長炭素繊維を含有するガス(反応後
ガス)は、排出管18上部開口部の上方に至ると、キャ
リヤガスと共に案内ガスにくるまれた状態となって上部
開口部内に吸い込まれる。
【0062】このとき、排出管18上部開口部は漏斗状
になっており、上方で、下降するキャリヤガスと下降す
る気相成長炭素繊維含有ガス及び案内ガスが合流するの
で、気流の乱れ乃至部分循環などが発生する。この気流
の乱れ乃至部分循環によって一部の気相成長炭素繊維の
滞空浮遊時間が長くなる。その結果、一部の滞空浮遊す
る気相成長炭素繊維が太さ成長を起こす(漏斗状とその
上部での激しい気流攪拌が確認されている。)。
【0063】結局、排出管18内を通過していく気相成
長炭素繊維は、太さ成長が殆ど起こらなかった結果とし
ての極細気相成長繊維と太さ成長が起こった結果として
の大径気相成長炭素繊維とが混合して成る繊維混合物と
なる。
【0064】この混合物は排出管18下部開口部から水
流と共に繊維捕集槽21中の貯留水28中に落下する。
気相成長炭素繊維の真比重は1以上であるが、繊維塊は
嵩高く0.1以下なので、貯留水28中に沈積せず、貯
留水28上に浮遊する。貯留水28上に浮遊せず、繊維
捕集槽内の空間に舞い上がる繊維は、水噴霧器23から
噴霧されるシャワー水により貯留水28上に強制的に落
下させられる。
【0065】繊維捕集槽21中の貯留水28上に浮遊す
る繊維混合物を収集することによりこの発明に係る繊維
集合体が得られる。
【0066】この繊維集合体は、そのまま用いられる事
もあるが、通常は付着しているタール分を溶剤洗浄・加
熱洗浄などで除去した後、2000℃以上の不活性雰囲
気中で熱処理黒鉛化して使用される。また、粉砕処理な
どにより繊維長を調整して、樹脂との混合を容易にする
事もある。
【0067】このようにして得られた繊維集合体は、複
合材料の充填材として好適に使用されることができる。
即ち、この発明に係る複合材料は、母材とこの発明に係
る繊維集合体とを含有して成る。
【0068】母材としては、ゴム、合成樹脂、金属、セ
ラミックス等を挙げることができる。合成樹脂、ゴム及
び金属と前記繊維集合体とを混合する場合、母材を加熱
するなどして流動性を高めるのが、好ましい。流動性を
有するプラスチックについては低粘度のプラスチックよ
りも高粘度のプラスチックが繊維集合体と混合するのに
都合が良い。好適な合成樹脂としては、ナイロン及びポ
リエーテルエーテルケトンを挙げることができる。母材
としてのゴムは、粘度が決めて高くて粘弾性を有するの
で、繊維集合体との混合を良好に行うことができる。粘
弾性を有すると混合が容易であることは、ゴム弾性を有
する合成樹脂と繊維集合体との混合が良好に行うことが
できることからも、裏付けることができる。
【0069】母材が金属である場合、金属と繊維集合体
との混合は溶湯鍛造法が採用される。金属と繊維集合体
との混合を容易にするには、金属に繊維集合体に対する
親和性を持たせ、或いは溶湯温度を低下させる等の工夫
が必要である。このような工夫を容易に行えるという点
では、母材としての金属は合金が好ましい。
【0070】母材がセラミックスである場合、セラミッ
クススラリーと繊維集合体とを混合する。セラミックス
を母材とする複合材料を製造する場合に、高温に焼結し
て複合材料を製造するときには、セラミックスとして酸
化物よりも炭化物、窒化物が好ましい。
【0071】炭素を母材とする複合材料は、ピッチ、フ
ェノール樹脂等と繊維集合体とを混合して硬化させた後
に、これを非酸化性雰囲気下で加熱して炭化処理をす
る。炭化処理時のボイド発生に対しては、従来の炭素/
炭素複合材料製造同様に、ピッチ、フェノール樹脂の再
含浸といった方法が採用される。また、繊維集合体を予
備成形しておき、この予備成形体中の繊維上に炭素を化
学蒸着させる、所謂CVD(Chemical Vap
or Deposition)またはCVI(Chem
ical Vapor Infiltration)と
いった方法も採用できる。
【0072】母材中への繊維集合体の分散混合は、母材
の種類に応じてヘンシェルミキサー、二本ロール、三本
ロール、二軸押し出し機等を利用して行うことができ
る。
【0073】かくして得られる各種の複合材料は、導電
材料及び放電材料等として使用される。この複合材料に
おいては極細気相成長炭素繊維が丸まった状態で母材中
に分散していず、大径気相成長炭素繊維がその剛直性を
もって極細気相成長炭素繊維を解繊して極細気相成長炭
素繊維の母材中での分散性を良好にしている。しかも、
良好に分散し、丸まっていない極細気相成長炭素繊維は
相互に接触した状態になっているので、複合材料は、気
相成長炭素繊維がもともと有している種々の特性、例え
ば電気的特性例えば導電性、熱的特性例えば熱伝導性、
並びに機械的特性たとえば強度、伸度及び弾性率等が阻
害されることなく、これらの特性を良好に発揮すること
ができる。
【0074】したがって、この発明に係る複合材料は、
導電材料及び放電材料等に好適に利用される。
【0075】
【実施例】以下、実施例により説明する。 (実施例1)装置は、図1と同じ形状の装置を用いた。
縦型炉心管(反応管)2は、内径120mm外径130
mm、長さ2000mmの炭化珪素製円筒である。加熱
装置3は上から1〜6ゾーンに分割された電気ヒーター
で、1ゾーンが800℃、2ゾーンが900℃、3〜6
ゾーンが1180℃の設定温度にした。気化器6と予熱
器8はどちらも320℃に制御され、原料ガス供給ノズ
ルは350℃に制御された。反応管およびこれに接続す
る供給系はすべて7・10・13のガス流量計を通じて
窒素置換後水素置換され、所定流量が流されている。案
内ガス供給室は案内ガス流量計15より所定窒素が流さ
れ、繊維捕集槽21には希釈ガス導入管22より窒素が
流され、排気ファン連絡管27は稼働させた排気ファン
と連結した。また、シール水槽19には水が供給され、
シール水管20より安定して流下する様に調整され、水
噴霧器23より水が噴霧された。この状態を数分維持
し、排出管18出口及び繊維捕集箱21の酸素濃度が1
%以下になったのを確認した後、以下の可燃性ガス導入
作業を開始した。
【0076】原料ガス供給ノズルには4L/minのメ
タン、第2ガス供給器11にはメタン5L/min・水
素10L/minの混合ガス、第3ガス供給器14には
水素15L/minを供給し、案内ガス供給室には、窒
素が40L/minで供給された。排気ファンおよびシ
ール水槽ヘッドは、第3ガス供給部14及び案内ガス供
給室16に設置された微差圧計が約2〜5mm水柱分外
気より低い値を示す様に制御した。
【0077】ここへ、炭素源を含む触媒源として、フェ
ロセン15重量%、チオフェン6重量%、ベンゼン79
重量%の液を原料液タンク4から原料供給ポンプによ
り、0.7cc/minの割合で供給して気化し、前記
メタン4L/minと混合した状態で、原料ガス供給ノ
ズルより反応管に流して、反応を行った。1時間後に原
料液供給を停止して可燃ガスの窒素置換後、装置を大気
解放して繊維捕集21内の繊維を採集し、乾燥・タール
除去後、重量を測定した。重量は約80gで炭素収率は
約25%であった。
【0078】この繊維をランダムにSEM観察し、細径
繊維平均直径25nm、太径繊維平均直径80nm、後
者の全体に占める量は約5体積%であった。SEM写真
例を写真1〜写真6に示した。
【0079】(比較例1)装置は、実施例1に準じた。
縦型炉心管(反応管)2は、内径90mm外径100m
m、長さ2000mmの炭化珪素製円筒である。加熱装
置3は上から1〜6ゾーンに分割された電気ヒーター
で、1ゾーンが600℃、2ゾーンが800℃、3〜6
ゾーンが1120℃の設定温度にした。気化器6と予熱
器8はどちらも320℃に制御され、原料ガス供給ノズ
ルは400℃に制御された。反応管およびこれに接続す
る供給系はすべて7・10・13のガス流量計を通じて
窒素置換後水素置換され、所定流量が流されている。案
内ガス供給室は案内ガス流量計15より所定窒素が流さ
れ、繊維捕集槽21には希釈ガス導入管22より窒素が
流され、排気ファン連絡管27は稼働させた排気ファン
と連結した。また、シール水槽19には水が供給され、
シール水管20より安定して流下する様に調整され、水
噴霧器23より水が噴霧された。この状態を数分維持
し、排出管18出口及び繊維捕集箱21の酸素濃度が1
%以下になったのを確認した後、以下の可燃性ガス導入
作業を開始した。
【0080】原料ガス供給ノズルには水素2.44L/
min、第2ガス供給器11には水素8L/min、第
3ガス供給器14には水素8L/minを供給し、案内
ガス供給室には、窒素が16L/minで供給された。
排気ファンおよびシール水槽ヘッドは、第3ガス供給部
14及び案内ガス供給室16に設置された微差圧計が約
5mm水柱分外気より低い値を示す様に制御した。
【0081】ここへ、原料液タンク4から原料供給ポン
プにより、原料液を供給気化して、2.60L/min
の原料ガス(組成:フェロセン0.12モル%、チオフ
ェン0.10モル%、トルエン5.80モル%、水素9
3.98モル%)として原料ガス供給ノズルから反応管
に流して、反応を行った。6時間後に原料液供給を停止
して可燃ガスの窒素置換後、装置を大気解放して繊維捕
集21内の繊維を採集し、乾燥・タール除去後、重量を
測定した。重量は約24gで炭素収率は約12%であっ
た。
【0082】この繊維をランダムにSEM観察し、細径
繊維平均直径20nm、直径50nm以上の太径繊維を
見いだすのは困難で、実質的に細径繊維のみと判断し
た。 (実施例2)実施例1及び比較例1を繰り返し、各々約
100gの試料を得た。これをタール除去後2500℃
で黒鉛化したもの及び市販の公称直径約0.1μmの黒
鉛化気相成長炭素繊維(平均直径約0.1μm)を評価
試験用試料として準備した。
【0083】施例1試料を三菱化成(株)製ナイロン6
6樹脂ペレット「NOVAMID3010SR」と試料
9重量部/樹脂91重量部の割合で混合((株)東洋精
機製作所製LABOPLASTOMILLによる混練押
し出し)し、繊維混合ワイヤを得、はさみで切断してペ
レットとした。
【0084】新興セルビック(株)製卓上射出成型機
「ハンディトライ」にて、このペレットから厚さ4mm
幅10mm長さ80mmのテストピースを得た。
【0085】比較例1試料・市販0.1μm品について
も同様にしてテストピースを得た。上記3種類の繊維は
すべて比重2.2であり、樹脂の比重は1.15である
ので、これらのテストピースはすべて5体積%の気相成
長炭素繊維を含んだものである(重量百分率から体積百
分率への換算)。
【0086】上記テストピースのJIS−K7203に
準ずる3点曲げ試験、および4端子法による比抵抗測定
結果を表1に示して比較した。
【0087】
【表1】
【0088】
【発明の効果】この発明によると、極細気相成長炭素繊
維の縺れ及び絡みが少なくて極細気相成長炭素繊維に大
径気相成長炭素繊維が分散してなり、極細気相成長炭素
繊維が適度に接触してなる繊維集合体を提供することが
できる。
【0089】この発明によると、前記繊維集合体を母材
中に分散してなり、電気的特性、機械的特性及び熱的特
性の向上した複合材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明に係る繊維集合体を製造するこ
とのできる気相成長炭素繊維製造装置を示す説明図であ
る。
【図2】図2は、図面代用写真としての、実施例1にお
いて得られた繊維のSEM写真である。
【図3】図3は、図面代用写真としての、実施例1にお
いて得られた繊維のSEM写真である。
【図4】図4は、図面代用写真としての、実施例1にお
いて得られた繊維のSEM写真である。
【図5】図5は、図面代用写真としての、実施例1にお
いて得られた繊維のSEM写真である。
【図6】図6は、図面代用写真としての、実施例1にお
いて得られた繊維のSEM写真である。
【図7】図7は、図面代用写真としての、実施例1にお
いて得られた繊維のSEM写真である。
【符号の説明】
1…気相成長炭素繊維製造装置、2…縦型炉心管、3…
加熱装置、4…原料液タンク、5…原料液供給ポンプ、
6…気化器、7…第1ガス流量計、8…予熱器、9…原
料ガス供給ノズル、10…第2ガス流量計、11…第2
ガス供給器、12…整流器、13…第3ガス流量計、1
4…第3ガス供給部、15…案内ガス流量計、16…案
内ガス供給室、17…整流器、18…排出管、19…シ
ール水槽、20…シール水管、21…繊維捕集槽、22
…希釈ガス導入管、23…水噴霧器、24…第1仕切
板、25…第2仕切板、26…定水位排水孔、27…排
気ファン連絡管、28…貯留水、29…繊維(製品)。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F072 AA09 AB10 AB13 AB14 AB15 AB21 AC01 AD02 AD03 AD11 AD44 AL11 4L037 CS03 CS04 FA02 FA03 FA05 FA20 PA09 PA12 PA13 PA28 PG04 UA04 UA06 UA12 UA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均直径が3〜50nmの細径気相成長炭
    素繊維と、平均直径が50nmを超え、かつ500nm
    以下である大径気相成長炭素繊維とを含有することを特
    徴とする繊維集合体。
  2. 【請求項2】前記大径気相成長炭素繊維は、その体積百
    分率が、気相成長炭素繊維全体の0.1〜30%である
    前記請求項1に記載の繊維集合体。
  3. 【請求項3】前記細径気相成長炭素繊維は、その平均ア
    スペクト比が小さくとも30であり、大径気相成長炭素
    繊維は、その平均アスペクト比が2〜100であり、大
    径気相成長炭素繊維の平均アスペクト比が細径気相成長
    炭素繊維の平均アスペクト比を超えない前記請求項1に
    記載の繊維集合体。
  4. 【請求項4】前記細径気相成長炭素繊維及び大径気相成
    長炭素繊維はいずれも、1500〜3500℃で熱処理
    されて成る黒鉛化繊維である前記請求項1に記載の繊維
    集合体。
  5. 【請求項5】前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    繊維集合体を含有して成ることを特徴とする複合材料。
  6. 【請求項6】繊維生成から同装置を出る迄の間に混合状
    態になることを特徴とする請求項1の繊維集合体。
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