JPH04370208A - 繭の製糸方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一般によく行われてい
るように、繭を加熱等により乾燥して長期保存可能な乾
燥繭にする乾燥工程と、水に浸漬して加熱する等の方法
により前記乾燥繭の繭層の繭糸同士を膠着させている成
分を溶出させ、繭糸を繰り出すことができるようにする
煮繭工程と、煮繭した繭から糸口を求め、複数の繭糸を
合わせて１本の生糸にする繰糸工程とを順次行う繭の製
糸方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、前記乾燥工程と煮繭工程と繰糸工
程を有する繭の製糸方法にあっては、不良繭を取り除く
前記選繭工程を乾燥工程の後で煮繭工程の前に設けてい
るだけであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】良質な生糸をつくるに
は不良繭を取り除かなければならい。前記乾燥繭の中に
は、一般に約３％の不良繭が混在するといわれている。 不良繭の代表的なものとして、吐糸営繭後またはその途
中で蚕が死んだ死篭繭、病死した蚕や負傷したさなぎ、
蚕尿等で繭層が汚れた汚染繭、貯繭中に繭層にカビの発
生したカビ繭、繭層の極端に薄い薄皮繭、発蛾したため
に、あるいは害虫に食害されたために、繭層に穴があい
ている穴明き繭、２匹の蚕が協同してつくった玉繭等が
ある。これらの不良繭の中には、その形状、表面の汚れ
や傷等、外観からそれと判別できるものもあるが、例え
ば内面だけが汚れているような場合、その判別が容易で
ないため、選別漏れが生ずる。又、片側の表面だけの汚
れや、片側だけに穴がある繭も、選別時にたまたま、汚
れや穴のある側の表面が下に向いていて見過ごされるこ
とが多かった。本発明の目的は、このような乾燥繭の外
観検査による従来の選繭では判別できなかった不良繭乃
至見落とされていた不良繭をも特定し易い状態で選繭を
行い、繰糸工程に供される不良繭の割合、即ち繭の不良
率を小さくできる繭の製糸方法を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
、本発明による繭の製糸方法の特徴構成は、前記煮繭工
程の後で前記繰糸工程の前に不良繭を取り除く選繭工程
を設けることにある。

【０００５】

【作用】前記乾燥工程を経た乾燥繭の選繭を行う従来の
構成にあっては、内面だけが汚れているため外見では不
良繭と判別できなかったものも、本発明の構成による場
合は、前記煮繭工程において、内面の汚れが繭の表面に
浮き出たり、透けて見やすくなるので、又、片面だけの
部分的な汚れも表面に広がるので、不良繭を見落とす危
険率が小さくなる。又、個々の繭は内部まで水が浸透し
ているため見かけ比重が水と略等しくなると共に水によ
く馴染むので、水に浸漬した状態で選繭すると、個々の
繭が自由に動きやすく、例えば片面だけに穴があいてい
る不良繭を見落とすことも少なくなる。

【０００６】

【発明の効果】つまり、外観検査によるだけで簡単に選
繭ができ、繰糸工程に供される繭の不良率を小さくでき
、品質が安定する繭の製糸方法を提供することができた
。

【０００７】

【実施例】図１に、本発明による繭の製糸方法の主要工
程を示す。生産地から搬入された繭は、乾繭工程１、貯
繭工程２、選繭工程４’、煮繭工程３、選繭工程４を経
て繰糸工程５に供される。選繭工程４’においては明確
に判断できる不良繭のみを選別除去する。乾繭工程１で
は生繭をエンドレスベルトコンベア上で移動させながら
１２０〜１３０゜Ｃの熱風で処理して乾燥繭を得る。乾
燥繭は一旦貯繭され、必要に応じて取り出され、以下の
工程に供せられる。選繭工程４’においては、明確に判
断できる不良繭のみを選別除去する。煮繭工程３におい
ては、エンドレスチエンに区画して取り付けた多数の網
状の煮繭容器に繭を分配して入れ、これらを連続的に水
に浸漬して加熱する等の方法により前記乾燥繭の繭層の
繭糸同士を膠着させている成分を溶出させ、繭糸を繰り
出すことができるようにする。選繭工程４では、煮繭工
程３からの繭を図２及び図３に示すように樋状の受入シ
ュート６で流水と共に選繭槽１０に受け入れ、ここで不
良繭を選別して取り除いた後、選繭後の繭を、水と共に
下部に設けた樋状の取出シュート７からエスカレーター
バスケット１１に流し込み、配繭装置によって繰糸工程
５に供する。選繭槽１０の繭の受け入れ側と取り出し側
には油圧駆動でシーケンス制御される開閉シャッター８
、９を設け、適切な時間間隔で自動的に繭の受け入れと
取り出しが行われる。すなわち、受け入れ側のシャッタ
ー８は、煮上った繭が前記煮繭容器から排出される直前
に開き、受入シュート６から流水と共に繭が全部選繭槽
１０に受け入れられた直後に閉まるタイミングで開閉さ
れるようにしてある。受入シュート６への流水は常に供
給されているが、シャッター８が閉じている間は選繭槽
１０に水が流れ込むのを防ぎ、選繭をしやすくしてある
。両シャッター８，９はいずれも選繭中は閉じられてお
り、受入側のシャッター８が開く少し前に、シャッター
９が開き選繭済みの繭が水と共に取出シューター７に全
部排出されるようにしてある。前記選繭槽１０の底面は
、受け入れ側から取り出し側に向かって下がり勾配に傾
斜させ、繭の受け入れと取り出しを容易にすると共に、
取り出し側に近い方では一群の繭を水に浸漬し、各繭が
自由に動きやすい状態で選繭を行うことができるように
充分な深さが確保されている。繰糸工程５では選繭工程
４を経て配繭された繭から糸口を求め、複数の繭糸を合
わせて１本の生糸にする。以上の構成によって、乾燥繭
を選繭する従来の方法では不良繭の除去率が８０％程度
であったものが、約９５％まで向上した。特に除去され
た繭における良繭混入率が従来の方法では１５％に及ぶ
こともあったが、これが１％以下にまで下がり、しかも
内部汚染繭、薄皮繭の除去が殆ど完全に行われ、汚れ繭
による汚れ生糸の製品への混入を未然に防ぐことができ
るようになった。

【０００８】前記両選繭工程４’，４を行うことで選別
機能がより良くなるが、特に、選繭工程４’を省いて選
繭工程４だけを行う構成にしても、従来の選繭工程４’
だけによる場合より選別性能は優れている。

【０００９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例による繭の製糸方法を示す工程図

【図
２】選繭工程とその付近の概略平面図

【図３】選繭工程
の概要を示す斜視図

【符号の説明】

１　　　　乾燥工程 ３　　　　煮繭工程 ４　　　　選繭工程 ５　　　　繰糸工程

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　乾燥工程（１）と煮繭工程（３）と繰
   糸工程（５）とを順次行う繭の製糸方法であって、前記
   煮繭工程（３）の後で前記繰糸工程（５）の前に不良繭
   を取り除く選繭工程（４）を設けた繭の製糸方法。