JPH04368873A - シリアル型熱転写プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はシリアル型熱転写プリン
タに関し，特にそのインクリボンの走行安定性の向上、
印字品質の改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のシリアル型熱転写プリンタでは、
特にインクリボン若しくはインクリボンを含むリボンカ
セットに対するサーマルヘッドの印字時の押圧方向の傾
斜角を微小に調整できる機構は持たず、傾斜角に寄与す
る数種類の部品の組合せにより傾斜角は決定されていた
。このため、傾斜角に寄与する数種類の部品の部品精度
、組立精度に依存して、傾斜角はある程度の幅をもって
存在した。傾斜角のばらつきはサーマルヘッド、印刷紙
間の圧力分布に影響し、部分的に印字が薄くなる問題や
、印字中にインクリボンがサーマルヘッドに沿って上下
にずれ、インクリボンの走行が不安定になる問題の大き
な原因となっていた。

【０００３】サーマルヘッド、印刷紙間の圧力分布の不
均一から生じる部分的に印字が薄くなる問題に対し、従
来のシリアル型熱転写プリンタでは、自動調芯可能な構
造のプラテンを用いるか、比較的大きな直径の円筒形状
のプラテンを用いて、傾斜角のばらつきに起因するサー
マルヘッド、印刷紙間の圧力分布の不均一を緩和して、
部分的に印字が薄くなる問題を防止していた。また、イ
ンクリボンの走行が不安定になる問題に対しては、印字
品質に深く関係するインク組成を操作し、印字品質を犠
牲にする形で、インク転写時のインクを引き剥す力を弱
めるか、ランニングコストを犠牲にして、インクリボン
の供給径を小さくしてインクリボンの走行を安定化させ
ていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の様に、自動調芯
可能な構造のプラテンを用いるか、比較的大きな直径の
円筒形状のプラテンを用いて、傾斜角のばらつきに起因
するサーマルヘッド、印刷紙間の圧力分布の不均一を緩
和して、部分的に印字が薄くなる問題を防止する方法で
は、傾斜角のばらつきが大きい場合、サーマルヘッド、
印刷紙間の圧力分布の不均一を緩和して、部分的に印字
が薄くなる問題を完全に排除することが不可能である。 また、いずれの方法に於いても、インクリボン若しくは
インクリボンを含むリボンカセットに対しては、サーマ
ルヘッドの印字時の押圧方向の傾斜角は全く調整できず
、傾斜角のばらつきに起因するサーマルヘッド近傍で発
生するインクリボン走行安定上好ましくないインクリボ
ンのずり上り、ずり下がりを防止するような調整はでき
ない。

【０００５】本発明はこのような欠点を解決するために
なされたものであり、前述したインクリボンの微小なず
り上り、ずり下がりを防止し、インクリボンの走行を安
定させることと、及びサーマルヘッド、印刷紙間の圧力
分布の不均一を緩和して、印字品質への悪影響を抑える
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のシリアル型熱転
写プリンタは、複数の発熱要素を配したサーマルヘッド
と該サーマルヘッドを搭載したキャリッジと該キャリッ
ジの桁方向の運動を案内するガイド軸とガイド軸の両端
を支持するフレームとインクリボンを収納するリボンカ
セットから構成され、前記キャリッジを桁方向に移動し
ながら前記インクリボンを介して印刷紙に印刷する如き
シリアル型熱転写プリンタに於て、前記ガイド軸の両端
部を該ガイド軸の中心に対し偏心した多角柱形状に形成
し、且つ前記フレームに設けた取り付け孔に対し、前記
ガイド軸の両端部に形成した多角柱の任意の側面が選択
的に挟持される様に形成し、該ガイド軸の取り付け位置
の調整を段階的に行うことで、前記インクリボンを収納
するリボンカセットに対する前記サーマルヘッドの印字
時の押圧方向の傾斜角を段階的に調整できることを特徴
とする。

【０００７】

【実施例】図１は本発明によるシリアル型熱転写プリン
タの一実施例の略図である。

【０００８】１はサーマルヘッド、２はサーマルヘッド
の背面に固着されたサーマルヘッド１の支持とサーマル
ヘッド１の放熱を促進する目的で設けられたヘッド支持
板、３はサーマルヘッドの発熱要素が列状に配列された
発熱部、７はフレーム、９はフィルム状の樹脂の表面に
熱溶融性のインクを塗布したインクリボン、１０はリボ
ンカセット、１１はキャリッジ、１２、２０はキャリッ
ジ１１の桁方向の運動を案内する目的で設けられたガイ
ド軸、１３はプラテン、１４は印刷紙をそれぞれ示して
いる。

【０００９】ヘッド支持板２は、印刷時にはヘッド支持
板回転軸１７を中心に反時計回りに回転し、前面に倒れ
、ヘッド押圧バネ１８によって、サーマルヘッド１とプ
ラテン１３間に適当な押圧力が発生し、紙送り時等、印
刷時以外には、ヘッド支持板回転軸１７を中心に時計回
りに回転し、後方に倒れ、印刷紙１４を解放した状態で
保持される。プラテン１３はリボンカセット１０に対す
るサーマルヘッド１の印字時の押圧方向の傾斜角θにあ
る程度対応して印字面の圧力分布を一定にするように傾
斜する。

【００１０】リボンカセット１０は、未印字のインクリ
ボン９が巻かれている供給スプールと、印字済みのイン
クリボン９を巻取る巻取りスプール４、及びインクリボ
ン９を案内する目的で設けられた複数個のリボンガイド
ローラ６から構成され、キャリッジ１１に対し容易に脱
着可能である。

【００１１】キャリッジ１１はサーマルヘッド１を中心
に、印字済のインクリボン９を巻取るリボン巻取機構５
及び、上述したサーマルヘッド１の前後方向の運動を行
う機構を有し、ガイド軸１２の通る断面が円形で直径が
ガイド軸大の孔と、ガイド軸２０の通る断面が一辺がガ
イド軸２０の直径大の長方形状の孔が設けられている。 　　上述したように形成されたキャリッジ１１がガイド
軸１２、２０に支持、案内され、桁方向に駆動されるこ
とによってインクリボン９は供給スプールから引き出さ
れ、サーマルヘッド１に供給され、サーマルヘッド１上
の発熱体部２でインクを溶融され、印刷紙１４にインク
を転写した後、巻取りスプール４に巻取られる。

【００１２】ガイド軸１２の両端には、各辺とガイド軸
１２の中心間の距離が各々異なり、各辺に凸状の突起２
３を有する対辺が平行な六角形断面で、高さがフレーム
７の厚み大の柱状のガイド軸取付部１５が形成されてい
る。フレーム７のガイド軸１２の両端の固定部には、長
方形状のガイド軸取付孔１９が設けられ、ガイド軸取付
孔１９の一辺にガイド軸取付部１５の突起２３が嵌合可
能な凹状の窪みが形成されている。ガイド軸１２の両端
のガイド軸取付部１５の一面はフレーム７のガイド軸取
付孔１９に、対向する一面はガイド軸押え板２２に、ガ
イド軸取付部１５の凸状の突起２３がガイド軸取付孔１
９及びガイド軸押え板２２に形成された凹状の窪みに嵌
合する形で挟まれ、バネ１６で押さえることにより、フ
レーム７のガイド軸取付孔１９に固定される。

【００１３】ガイド軸取付部１５の６通りの取付位置に
よって、ガイド軸取付孔１９の一辺とガイド軸１２の中
心間の距離ｘが６段階に変化し、フレーム７、プラテン
１３に対して、相対的にキャリッジ１１の位置が変化す
る。この時、キャリッジ７のヘッド支持板回転軸１７の
位置も距離ｘの段階に応じて、プラテン支持板８に対し
て相対的に矢印ｊ方向に前後するため、ガイド軸取付部
１５の取付位置を選択することにより、リボンカセット
１０に対するサーマルヘッド１の印字時の押圧方向の傾
斜角θを６段階に調整できる。

【００１４】ガイド軸２０は両端をフレーム７に固着さ
れ、キャリッジ７を適切な高さで保持し、キャリッジ１
１のガイド軸２０の通る孔２１は前述した隙間量ｘの調
整を行う際、キャリッジ１１が滑らかに前後出来るよう
に長方形状に形成されている。

【００１５】一般に、サーマルヘッド１がリボンカセッ
ト１０に対し前方に傾斜した状態で印字を行うとインク
リボン９はサーマルヘッド１に沿って矢印ｈ方向にずり
上がる傾向を示す。また、サーマルヘッド１がリボンカ
セット１０に対し後方に傾斜した状態で印字を行うとイ
ンクリボン９はサーマルヘッド１に沿って矢印ｉ方向に
ずり下がる傾向を示す。

【００１６】図２はフレーム７のガイド軸取付孔１９に
固定されたガイド軸取付部１５を示す本発明の一実施例
の略図である。

【００１７】ガイド軸取付部１５の各辺とガイド軸１２
の中心Ｏ間の距離Ｌａ、Ｌｂ、Ｌｃ、Ｌｄ、Ｌｅ、Ｌｆ
は、Ｌａ＜Ｌｂ＜Ｌｃ＜Ｌｄ＜＜Ｌｅ＜Ｌｆの関係を持
つように形成されている。フレーム７のガイド軸取付孔
１９に対するガイド軸取付部１５の取付位置によって、
前述したように、距離ｘの段階に応じて、リボンカセッ
ト１０に対するサーマルヘッド１の印字時の押圧方向の
傾斜角θをＬａ、Ｌｂ、Ｌｃ、Ｌｄ、Ｌｅ、Ｌｆに応じ
て６段階に調整できる。

【００１８】図３は、サーマルヘッド１がリボンカセッ
ト１０に対する傾斜角θとインクリボン９の走行状態を
示す本発明の一実施例の略図である。

【００１９】９ａは、サーマルヘッド１がリボンカセッ
ト１０に対し特に後方傾斜しすぎた状態で印字を行った
場合のインクリボン９上の印字の軌跡を示し、印字中に
インクリボン９がずり下がり、発熱部２からはずれ、印
字桁半ばにして、印字がなされなくなる致命的な欠陥、
いわゆる字欠けを引き起こしている。

【００２０】９ｃは、サーマルヘッド１がリボンカセッ
ト１０に対し特に前方傾斜しすぎた状態で印字を行った
場合のインクリボン９上の印字の軌跡を示す。特にサー
マルヘッド１の発熱部２の縦方向長さの倍以上の幅を有
するインクリボン９と、リボンカセット１０を反転して
装着出来、往路、復路でそれぞれインクリボン９の上側
半分、下側半分のインクを使用して印字を行うように構
成された往復印字可能なシリアル型熱転写プリンタにお
いて、往路側でインクリボン９の上半分のインクを用い
て印字した際に、インクリボン９ａの様に、復路側で使
用するの下半分の処女インク面を侵した場合、復路側で
印字した際に、往路側印字軌跡と重なり、部分的に印字
が欠落する、薄くなる等、印字品質を損なう恐れがある
。

【００２１】９ｂはリボンカセット１０に対するサーマ
ルヘッド１の印字時の押圧方向の傾斜角θを適宜調整し
た状態で印字を行った場合のインクリボン９上の印字の
軌跡を示す。

【００２２】インクリボン９ａ，９ｃの様にインクリボ
ン９の走行が不安定な場合、従来の様に、リボンカセッ
ト１０に対するサーマルヘッド１の印字時の押圧方向の
傾斜角θの調整機構を持たないシリアル型熱転写プリン
タの場合、インクリボン９の走行を安易に安定させるこ
とは困難である。

【００２３】一般に、巻取りトルクの変化、環境温度の
変化に伴う印刷紙１４、インクリボン９、サーマルヘッ
ド１間の摩擦力の変化等の影響で、サーマルヘッド１近
傍のインクリボン９には様々な力が加わり、インクリボ
ン９の走行挙動は不安定になり易いが、リボンカセット
１０に対するサーマルヘッド１の傾斜角θを適宜調整す
ることにより、インクリボン９の走行を安定させること
が可能である。

【００２４】また、リボンカセット１０に対するサーマ
ルヘッド１の傾斜角θを適宜調整することにより、サー
マルヘッド１、印刷紙１４間の圧力分布を補正し、部分
的に印字が薄くなる問題を排除できる。

【００２５】本実施例では、六角形断面で、高さがフレ
ーム７の厚み大の柱状のガイド軸取付部１５の取付位置
によって、リボンカセット１０に対するサーマルヘッド
１の印字時の押圧方向の傾斜角θを選択的に６段階に調
整できる機構について説明したが、任意の角数の多角径
断面の柱状形状のガイド軸取付部を形成し、リボンカセ
ット１０に対するサーマルヘッド１の印字時の押圧方向
の傾斜角θをガイド軸取付部１５の取付位置を選択する
ことにより任意の段階に調整できる機構にしてもよい。

【００２６】また、リボンカセット１０に対するサーマ
ルヘッド１の印字時の押圧方向の傾斜角θを調整できる
機構をフレーム７とガイド軸１１の結合部に設けたが、
ヘッド支持板回転軸１７、キャリッジ１１、プラテン支
持板８の何れかに、サーマルヘッド１の印字時の押圧方
向の相対的位置関係を便宜に段階的に調整する機構を設
け、リボンカセット１０に対するサーマルヘッド１の印
字時の押圧方向の傾斜角θを調整してもよい。

【００２７】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、シリ
アル型熱転写プリンタの一部にリボンカセットに対する
サーマルヘッドの傾斜角を段階的に適宜調整する機構を
設け、リボンカセットに対するサーマルヘッドの傾斜角
を適宜調整することにより、容易にインクリボンの走行
を安定させることが可能で、また、サーマルヘッド、印
刷紙間の圧力分布を補正し、部分的に印字が薄くなる問
題を排除できる。特にシリアル型熱転写プリンタの印字
速度の高速化に関して、インクリボンの走行安定化はサ
ーマルヘッドの熱制御と同様に重大な課題であり、本発
明はシリアル型熱転写プリンタの印字速度の高速化を行
う際にインクリボンの走行安定化に優れた効果を奏する
。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す略図。

【図２】本発明の一実施例を示す略図。

【図３】本発明の一実施例を示す略図。

【符号の説明】

１　　サーマルヘッド ２　　ヘッド支持板 ３　　発熱部 ５　　リボン巻取り機構部 ７　　フレーム ９　　インクリボン １０　　リボンカセット １１　　キャリッジ １２、２０　　ガイド軸 １３　　プラテン １４　　印刷紙 １５　　ガイド軸取付部 １６　　ばね １８　　ヘッド押圧ばね １９　　ガイド軸取付孔 ２１　　孔 ２２　　ガイド軸押え板 ２３　　突起

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数の発熱要素を配したサーマルヘッ
   ドと該サーマルヘッドを搭載したキャリッジと該キャリ
   ッジの桁方向の運動を案内するガイド軸とガイド軸の両
   端を支持するフレームとインクリボンを収納するリボン
   カセットから構成され、前記キャリッジを桁方向に移動
   しながら前記インクリボンを介して印刷紙に印刷する如
   きシリアル型熱転写プリンタに於て、前記ガイド軸の両
   端部を該ガイド軸の中心に対し偏心した形状に多角柱形
   状に形成し、且つ前記フレームに設けた取り付け孔に対
   し、前記ガイド軸の両端部に形成した多角柱の任意の側
   面が選択的に挟持される様に形成し、該ガイド軸の取り
   付け位置の調整を段階的に行うことで、前記インクリボ
   ンを収納するリボンカセットに対する前記サーマルヘッ
   ドの印字時の押圧方向の傾斜角を段階的に調整できるこ
   とを特徴とするシリアル型熱転写プリンタ。