JPH04358048A - ジルコニウム合金材料の処理方法 - Google Patents

ジルコニウム合金材料の処理方法

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JPH04358048A
JPH04358048A JP3254371A JP25437191A JPH04358048A JP H04358048 A JPH04358048 A JP H04358048A JP 3254371 A JP3254371 A JP 3254371A JP 25437191 A JP25437191 A JP 25437191A JP H04358048 A JPH04358048 A JP H04358048A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニウムを基材と
する合金材料を処理する方法に関し、特に、ジルコニウ
ム−ニオブ−スズ−鉄合金のクリープ又はクリープ速度
を制御する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】原子炉
、例えば、加圧水型原子炉及び沸騰水型原子炉の開発に
おいて、燃料設計上、炉心構成要素の全て、例えば、被
覆管、グリッド、案内管等に対する要求が著しく厳しい
ものとなっている。かかる構成要素の材質は従来通りの
ジルコニウム基合金、ジルカロイ−2及びジルカロイ−
4である。かかる構成要素に対する要求の増大は、所要
残留時間をより長く且つ構造部材をより薄肉にするとい
う形で表れることになろうが、これらは両方とも潜在的
な腐食及び/又は水素化の問題を引き起こす。このよう
な要求の増大より、従来型ジルカロイに特有の製作性及
び機械的性質だけでなく、改善された腐食及び水素化抵
抗をも備える合金の開発が促されている。このような等
級に属する材料の一例として、ジルコニウムとニオブと
スズと第3の元素を含有したジルコニウム合金、例えば
、ニオブを1重量%、スズを1重量%、鉄を少なくとも
0.15重量%含有したジルコニウム合金が挙げられる
。提案されたジルコニウムとニオブとスズと鉄の合金は
キャスタルデリ(Castaldelli)氏等により
開発された合金を含むが(これについては、Long−
term Test Results of Prom
ising New Zirconium Alloy
s, Zirconium in the Nicle
ar Industry”, 5th Confere
nce, ASTM STP 754, 1982, 
pp. 105−126 を参照されたい)、キャスタ
ルデリ氏等は、ジルコニウム基1Nb−1Sn−0.5
Fe合金について試験を行い、Feが0.15〜0.2
0添加されたジルコニウム基1Nb−1Sn合金及び0
.18〜0.22重量%のSn、0.09〜0.11重
量%のNb、0.09〜0.11重量%のFe、0.0
9〜0.11重量%のNiを含有し、これらは全てジル
コニウムと共に合金にされたオズヘナイト(Ozhen
nite)0.5として知られている合金に言及してい
る。
【0003】1987年3月10日に発行された米国特
許第4,649,023号(以下、「ZIRLO特許」
と称する。)は一般に、Nbが0.5〜2.0重量%、
Snが0.9〜1.5重量%、FeとCrとMoとVと
CuとNiとWから選択された第3の元素が0.09〜
0.11重量%(又は、おそらくは二種類以上の「第3
の元素」から成る混合物が0.09〜0.11重量%)
の組成範囲に関し、この場合、一般に、冷間加工段階の
間の焼なまし温度が932〜1202°Fであるような
組成及びプロセス特許である。この特許は、熱クリープ
を制御することには言及していない。
【0004】異なる用途についてはクリープ速度が異な
ることが望ましい。例えば、スペーサの材料及びウォー
ターロッドについては一般にクリープ速度が小さい方が
望ましく、これに対して、燃料の動作寿命全体に亙って
生じる燃料ペレットの膨張を補償するためには燃料棒の
クリープ速度は大きい方が望ましい。従前、かかる合金
のクリープを制御する直接的な方法は存在していなかっ
た。
【0005】本発明の目的は、種々の用途に合わせて、
ジルコニウム合金材料のクリープ速度を制御する方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】或る特定のジルコニウム
−ニオブ−スズ−鉄合金では、処理方法の改良により熱
クリープを制御できることが判明した。本発明の方法は
、ZIRLO特許の組成範囲よりも幾分範囲が広いがこ
れを含む組成範囲の処理についてなされたものである。
【0007】本発明は、ニオブを0.5〜2.0重量%
、スズを0.7〜1.5重量%、鉄とニッケルとクロム
のうち少なくとも一つを0.07〜0.28重量%、炭
素を最高220ppm含有し、残部が本質的にジルコニ
ウムの合金材料のクリープ速度を制御する方法である。 この方法は、かかる合金材料に、押出し後焼なまし、一
連の中間絞り及び中間再結晶焼なまし、最終絞り、そし
て最終焼なましを施すような形式のものであり、中間再
結晶焼なましのうちの一つは場合によっては近最終段階
β焼入れである。指定の図表の指定区域から選択された
平均中間再結晶焼なまし温度と最終パス真絞り率の組合
せを用いることにより、クリープ速度をほぼ所望の量に
制御する。図表は、押出し後焼なましの形式がα焼なま
しであるかβ焼なましであるか、最終焼なましが応力除
去焼なましであるか再結晶焼なましであるか、近最終段
階β焼入れを利用するかどうか、及び、所望のクリープ
速度範囲に基づいて選択される。
【0008】一般的に言って、図表は、応力除去焼なま
しか再結晶焼なましかの何れかについてのものであり、
部分的な再結晶の最終焼なましを用いる場合、調節クリ
ープを、調節クリープ及び適当な再結晶図表を用いるこ
とが平均中間再結晶焼なまし温度と最終パス真絞り率の
組合せを指示して再結晶の該程度のための所望クリープ
を与えるよう計算される。完全な再結晶が行われる場合
、図表を直接利用できる(即ち、調節クリープは実際の
クリープに等しい)。
【0009】本発明のジルコニウム合金材料クリープ速
度制御方法は、(a)かかる合金材料に、押出し後α焼
なまし及び最終応力除去焼なましを施すが、近最終段階
β焼入れを実施せず、図9の区域Aから選択された平均
中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用い
てクリープ速度を毎時約0.000001〜0.000
004に制御し、又は、図9の区域Bから選択された平
均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用
いてクリープ速度を毎時約0.000004〜0.00
0010に制御し、又は、図9の区域Cから選択された
平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを
用いてクリープ速度を毎時約0.000010〜0.0
00030に制御し、又は、図9の区域Dから選択され
た平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せ
を用いてクリープ速度を毎時約0.000030〜0.
000070に制御し、又は、図9の区域Eから選択さ
れた平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合
せを用いてクリープ速度を毎時約0.000070〜0
.000140に制御し、又は、図9の区域Fから選択
された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率との
組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000140
〜0.000200に制御し、或いは、(b)上記合金
材料に、押出し後α焼なまし及び最終応力除去焼なまし
を施し、また、近最終段階β焼入れを実施し、図10の
区域Aから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最
終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.
000001〜0.000004に制御し、又は、図1
0の区域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし温度
と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約
0.000004〜0.000010に制御し、又は、
図10の区域Cから選択された平均中間再結晶焼なまし
温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎
時約0.000010〜0.000030に制御し、又
は、図10の区域Dから選択された平均中間再結晶焼な
まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
を毎時約0.000030〜0.000070に制御し
、又は、図10の区域Eから選択された平均中間再結晶
焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ
速度を毎時約0.000070〜0.000140に制
御し、又は、図10の区域Fから選択された平均中間再
結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリ
ープ速度を毎時約0.000140〜0.000200
に制御し、或いは、(c)上記合金材料に、押出し後α
焼なまし及び少なくとも一部の再結晶の最終焼なましを
施すが、近最終段階β焼入れを実施せず、図11の区域
Aから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真
絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.00
0001〜0.000004に制御し、又は、図11の
区域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最
終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.
000004〜0.000010に制御し、或いは、(
d)上記合金材料に、押出し後α焼なまし及び少なくと
も一部の再結晶の最終焼なましを施し、また、近最終段
階β焼入れを実施し、図12の区域Aから選択された平
均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用
いてクリープ速度を毎時約0.000001〜0.00
0004に制御し、又は、図12の区域Bから選択され
た平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せ
を用いてクリープ速度を毎時約0.000004〜0.
000010に制御し、又は、図12の区域Cから選択
された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組
合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000010〜
0.000030に制御し、或いは、(e)上記合金材
料に、押出し後β焼なまし及び少なくとも一部の再結晶
の最終焼なましを施すが、近最終段階β焼入れを実施せ
ず、図13の区域Aから選択された平均中間再結晶焼な
まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
を毎時約0.00000004〜0.0000001に
制御し、又は、図13の区域Bから選択された平均中間
再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてク
リープ速度を毎時約0.0000001〜0.0000
004に制御し、又は、図13の区域Cから選択された
平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを
用いてクリープ速度を毎時約0.0000004〜0.
000001に制御し、又は、図13の区域Dから選択
された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組
合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000001〜
0.000004に制御し、又は、図13の区域Eから
選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率
の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.00000
4〜0.000010に制御し、又は、図13の区域F
から選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞
り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000
010〜0.000030に制御し、或いは、(f)上
記合金材料に、押出し後β焼なまし及び最終応力除去焼
なましを施すが、近最終段階β焼入れを実施せず、図1
4の区域Aから選択された平均中間再結晶焼なまし温度
と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約
0.000001〜0.000004に制御し、又は、
図14の区域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし
温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎
時約0.000004〜0.000010に制御し、又
は、図14の区域Cから選択された平均中間再結晶焼な
まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
を毎時約0.000010〜0.000030に制御し
、又は、図14の区域Dから選択された平均中間再結晶
焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ
速度を毎時約0.000030〜0.000070に制
御し、又は、図14の区域Eから選択された平均中間再
結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリ
ープ速度を毎時約0.000070〜0.000140
に制御し、或いは、(g)上記合金材料に、押出し後β
焼なまし及び最終応力除去焼なましを施し、また、近最
終段階β焼入れを実施し、図15の区域Aから選択され
た平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せ
を用いてクリープ速度を毎時約0.000004〜0.
000010に制御し、又は、図15の区域Bから選択
された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組
合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000010〜
0.000030に制御し、又は、図15の区域Cから
選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率
の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.00003
0〜0.000070に制御し、又は、図15の区域D
から選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞
り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000
070〜0.000140に制御し、或いは、(h)上
記合金材料に、押出し後β焼なまし及び少なくとも一部
の再結晶の最終焼なましを施し、また、近最終段階β焼
入れを実施し、図16の区域Aから選択された平均中間
再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてク
リープ速度を毎時約0.0000004〜0.0000
01に制御し、又は、図16の区域Bから選択された平
均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用
いてクリープ速度を毎時約0.000001〜0.00
0004に制御し、又は、図16の区域Cから選択され
た平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せ
を用いてクリープ速度を毎時約0.000004〜0.
000010に制御し、又は、図16の区域Dから選択
された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組
合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000010〜
0.000030に制御することから成る。
【0010】最終焼なましが少なくとも一部が再結晶さ
れる形式のものである場合、クリープ速度区域を製造条
件の選択前に調節する。82%冷間加工材料の場合、調
節クリープは数1で割った所望のクリープに等しい。数
1においてRは、再結晶率の分数表示(fractio
n)であり、〔R/(1−R)〕の平方根が計算される
【0011】
【数1】 また、本発明の方法は、上記合金材料に、押出し後α焼
なまし及び最終応力除去焼なましを施すが、或る範囲の
中間再結晶焼なまし温度及び最終パス真絞り率を用いて
(特定の範囲は、近最終段階β焼入れを用いるかどうか
で決まる)クリープ速度を制御する段階を含む。
【0012】特許請求の範囲に記載されている本発明の
内容は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読む
と、一層明らかになろう。
【0013】
【実施例】本発明の方法は、先ず最初に、所望の熱クリ
ープ挙動並びに押出し後焼なましの条件(α又はβ焼な
まし)(最終段階に近い段階でβ焼入れの利用の有無を
問わない)及び最終焼なましの条件(応力除去、部分再
結晶又は再結晶)を選択し、次に、適当な図表を用いて
絞り率(area reduction)及び中間焼な
まし温度を決定する。かかる図表は一般に、図1〜図8
の中間焼なまし温度及び絞り率に関するデータを用いて
作成されている。図1〜図8のデータは、温度が725
°F(385℃)で有効応力が15.6ksi(1km
/cm2)のクリープ試験条件に基づいて得られている
【0014】押出し後焼なましの条件は、当該技術分野
で知られているように、もし約1600°F(870℃
)以下であればα(例えば、1100°F〔595℃〕
)で、1600°F以上であればβ(例えば、1750
°F〔955℃〕である。また、「最終段階に近い段階
(最終段階と最終段階前の3つの段階との間に位置する
段階、例えば2段階前、かくして、最終中間絞りの直前
の段階、以下、「近最終段階」という。)」においてβ
焼入れを行うかどうかは変わる場合があるが、このよう
なβ焼入れを行うことは当該技術分野では知られている
。また、最終焼なまし条件(応力除去焼なましの場合は
例えば約2時間の間、870°F〔465℃〕の条件、
部分再結晶焼なましの場合は例えば、約2時間の間、9
30°F〔500℃〕の条件、再結晶焼なましの場合は
約2.5時間の間、1100°F〔595℃〕の条件で
ある)も当該技術分野では公知である。
【0015】試験を行った材料は組成上、一般に、Nb
が0.5〜2.0重量%、Snが0.9〜1.5重量%
、Feが0.09〜0.11重量%、Crが20〜80
0ppm、Niが20〜500ppm、炭素が50〜2
20ppm、残部が本質的にジルコニウムから成るが、
試験結果は、その他のZIRLOタイプの材料にも適用
可能であるように思われる。材料の熱によるクリープを
制御するには、本明細書で開示する方法により改良を加
えた処理によって行うのが良い。
【0016】最終焼なましの条件が部分再結晶である場
合、製造条件の選択前にクリープ速度領域を調節する(
なお、もし焼なまし条件が完全再結晶であれば、調節後
のクリープは所望のクリープに等しいので、クリープ速
度領域を図示のように用いることができる)。もし最終
再結晶が少なくとも部分的なものであるべきならば、8
2%冷間加工材料の場合、調節後のクリープは、所望の
クリープを数2で割った値に等しい。
【0017】
【数2】 数2において、Rは再結晶率を分数で表示した値である
。かくして、再結晶率が100%のとき、分母は値1に
近づき、調節クリープは所望クリープに等しくなる。 50%の再結晶率を利用する場合には、分母は6.35
であり、所望クリープを6.35で割れば、調節クリー
プが得られ、調節クリープを適当な図表と併用すれば、
50%再結晶率で所望クリープを生じさせることになる
平均中間焼なまし条件及び最終真絞り条件が見出される
。部分再結晶の程度は当該技術分野で公知のように金属
組織学的な知識を用いて決定できる。
【0018】ピルガー製管法(以下、単に「ピルガー法
」という)におけるパスの絞り率は、「工学的な断面減
少率(RA)」と「最終真絞り(%)」(本明細書では
、最終真絞り率」のように「率」をつけて表す場合があ
る)の両単位で与えられることに注目されたい。RAは
、原断面積から絞り後の断面積をひいて原断面積で割っ
た値であり、百分率で表される「最終真絞り」は、原断
面積の自然対数を絞り後の断面積で割って100を掛け
た値である。
【0019】全ての中間焼なまし処理につき同一の中間
焼なまし温度を用いるのが好ましい。もし変動状態にあ
る温度を用いると、温度が高ければクリープ及び腐食に
悪影響が生じる。「平均中間焼なまし温度」は変動温度
の二乗平均値として計算される。
【0020】また、本明細書では、「クリープ速度」と
いう用語を、クリープが定常的に又は直線状に進行する
状態(「第2期クリープ」と称することがある)につい
て用い、初期のクリープ(「第1期クリープ」と称する
ことがある)については用いない。
【0021】ZIRLOタイプの材料の熱クリープは、
処理パラメータの影響を非常に強く受ける。図1の曲線
20〜26は処理温度の影響が強いことを示している。 曲線22,20は、押出し後焼なまし温度を1750°
F(955℃)(β焼なまし)から1100°F(59
5℃)(α焼なまし)に減少させると、第2期熱クリー
プ速度が1.8倍になることを示している。曲線20,
26は、中間焼なまし温度を1100°F(595℃)
から1250°F(675℃)にすると、熱クリープが
著しく減少したことを示している。図1に示されている
材料を全て、外径0.374インチ、肉厚が0.023
インチの管の状態に製作した。中間焼なまし温度に対す
る第2期クリープ速度の依存性は、図2の曲線30(応
力除去焼なまし)及び曲線32(再結晶焼なまし)並び
に図3の曲線34(近最終段階β焼入れ及び応力除去焼
なまし)、曲線36(応力除去焼なまし)及び曲線38
(再結晶)によって与えられている。図3の曲線34と
図2の曲線30,32及び図3の曲線36,38とを比
較すると、近最終段階β焼入れを82%工学的絞りと共
に用いると、たとえ比較的高い中間焼なまし温度を用い
ても、クリープ速度が大きな材料が得られることが分か
る。
【0022】図4の曲線40〜48はピルガー法による
最終絞りの影響が強いことを示している。押出し後β焼
なましによる処理を行った材料の場合、曲線42,48
は、工学的最終絞りにおける82%から60%への(1
70から109への真絞り率)減少により、第2期クリ
ープ速度は四十七分の十になる。最終絞り率に対する第
2期クリープ速度の依存性は、図5の曲線52(応力除
去焼なまし)及び曲線54(再結晶)並びに図6の曲線
56(応力除去焼なまし)及び曲線58(再結晶)によ
り与えられる。図5の処理は、α押出し後焼なまし及び
α中間焼なましを含む。図5の曲線54と図5の曲線5
2及び図6の曲線56,58とを比較すると、α押出し
後焼なまし処理及びα中間焼なまし処理を行い、次に、
最終の再結晶を実施する処理を行うと、約80%〜約1
80%以上の広い真絞り率範囲に亙り最終絞り率とは無
関係のクリープ速度をもつ材料が得られることになる。 この処理法の最終絞り段階における、有利には意図し、
或いは意図していなかった異なる冷間加工絞りにより、
一定のクリープ速度をもつ材料が得られる。
【0023】チューブシェル絞り法の近最終段階中にβ
焼入れを行うと、腐食抵抗が僅かに増大する。表1は、
最終サイズへの仕上げに先立って二種類のサイズでβ焼
入れが施された管についての結果を示している。β焼入
れを行うと、転移後腐食速度が僅かに減少するという結
果が得られた。他方、β焼入れを実施すると、熱クリー
プが適度に増大する。図7の曲線62〜68は、β焼入
れを最終サイズに先立って2つの絞り段階で行ったとき
のβ焼入れの影響を示している。熱クリープの増大の度
合いは中間焼なまし温度で決まる。曲線64,66が示
すように、1100°F(595℃)の中間焼なまし温
度の場合、β焼入れを行うと、第2期クリープ速度が1
.3倍になる。曲線62,68が示すように、中間焼な
まし温度を高くして1170°Fにした場合において、
β焼入れを実施すると、第2期クリープ速度が2.0倍
になった。
【0024】
【表1】 図8の曲線72〜80は、最終応力除去焼なまし(曲線
74,76)、最終再結晶焼なまし(曲線82)及び最
終部分再結晶焼なまし(曲線78,80)を含む最終熱
処理に対するクリープ速度の依存性を示している。曲線
78〜82の経過から分かるように、再結晶の量が多け
れば多いほどそれだけ一層クリープは少なくなる。
【0025】図9〜図16は、中間焼なまし温度と最終
真絞り率の組合せについての熱クリープ範囲の区域を示
し、これら種々の図表は、押出し後焼なましの条件(α
又はβ、なお、近最終段階β焼なましの利用の有無如何
を問わない)及び最終焼なましの条件(応力除去、部分
再結晶又は再結晶)に関している。これらの図表を利用
すると、所望量のクリープを作業変数の調節により得る
ことができる。図14は、米国特許第4,649,02
3号の製造法を表すC区域中のダイヤモンド状部分を有
していることが注目される。
【0026】本発明の処理シーケンス又は手順が図17
に概略的に示されている。簡単に述べると、処理手順は
インゴット荒延べ段階110で始まって、β熱処理段階
112を実施し、次いで、押出し段階114、そしてα
焼なまし又はβ焼なまし段階116を実施して押出品を
得る。次に、押出品の冷間加工段階(118)、焼なま
し段階120を実施して、外径が2.5インチ、肉厚が
0.43インチの管成形(絞り)を施した押出品(TR
EX)を得る。3、4又は5回絞りでTREXに絞りを
施し、最終サイズの管にするのが良い。かくして、TR
EXに対し、3つの択一的な中間冷間加工シーケンス1
22,124,126のうち一つを実施し、次に、最終
冷間絞り段階130、そして最終熱処理段階132(こ
れは、応力除去焼なまし又は少なくとも部分的な再結晶
であるのが良い)を実施するのが良い。第1の中間処理
シーケンス122では、TREXは絞り140を施され
、次いで、「近最終段階」のβ焼入れ焼なまし142を
施され、次に、第2の絞り144そして焼なまし146
が施される。第2の中間処理シーケンス124では、T
REXは、絞り150及び焼なまし152を施され、次
に、第2の絞り154及び「近最終段階」β焼入れ焼な
まし156を施される。次に、焼入れ処理後のチューブ
シェルは第3の絞り158を、次に焼なまし160を施
され、その後、最終絞り130を受ける。第3の中間処
理シーケンス126では、TREXは、第1の中間絞り
170、焼なまし172、第2の中間絞り178、「近
最終段階」β焼入れ焼なまし180、第4の中間絞り1
82、焼なまし184を順番に受け、その後、最終絞り
130を受ける。表1には、首尾良い使用結果が得られ
た数種類のチューブシェル絞りシーケンスが示されてい
る。押出品は好ましくは、焼なまし段階116において
、α相区域内で1100°F(595℃)で押出し後焼
なましを施されるが、他の方法では、β焼なまし処理を
施される。中間焼なまし温度及びピルガー法最終絞り率
を、所望のクリープ特性を備えた材料が得られるよう選
択できることが今や判明した。
【0027】ピルガー法最終絞り率及び中間焼なまし温
度により、熱クリープを制御するのが良い。本発明の方
法では、先ず最初に、所望の熱クリープ挙動及び押出し
後焼なまし処理(α又はβ)(近最終段階でβ焼なまし
を利用するかどうかにかかわらない)並びに最終焼なま
し条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)を選択する
。次に、図9〜図16のうち適当な図表を用いて、所望
のクリープを達成するための絞り率及び中間焼なまし温
度を決定するのが良い。製造処理方法の図示のため、第
2期熱クリープ速度が1.66〜1.70×10−5/
hの状態で管を製造する処理法を用いることにする。
【0028】第2期クリープ速度が小さい(原子炉内で
現在用いられている実機としての燃料集合体に挿入でき
るよう製作された)ZIRLO材料の例として、第2期
クリープ速度が毎時1.66〜1.70×10−5のも
のが挙げられる。表2には、第2期クリープ速度が毎時
1.66〜1.70×10−5のZIRLO材料を生産
する3つの互いに異なる方法が挙げられている。方法A
は、この実機燃料集合体の材料を生産するのに用いられ
た。方法Bでは、1250°F(675℃)の中間焼な
まし温度及び155%の真絞り率が用いられている。方
法Cでは、1300°F(705℃)の中間焼なまし温
度及び170%の真絞り率が用いられている。表2に示
されている値は、チューブシェル絞り中に近最終段階β
焼入れを受けなかったZIRLO材料についてのもので
ある。チューブシェル絞り法の近最終段階の間、チュー
ブシェルに対してβ焼入れを施せば、腐食抵抗を僅かで
はあるが改善できる。しかしながら、第2期熱クリープ
速度は近最終段階β焼入れの実施により適度に増大する
。表2に示されている値に対する絞り率の減少及び/又
は中間焼なまし温度の増加を使用すれば、熱クリープ速
度が毎時1.66〜1.70×10−5の近最終段階β
焼入れ後のZIRLO材料を生産できる。
【0029】
【表2】 かくして、図9〜図16に戻ると、これは、押出し後焼
なまし、一連の中間絞り及び中間再結晶焼なまし(中間
再結晶焼なましのうち一つは場合によっては近最終段階
β焼入れである)、そして最終焼なましを受けるような
ジルコニウム合金材料の処理方法である。本発明は、ニ
オブを0.5〜2.0重量%、スズを0.7〜1.5重
量%、鉄とニッケルとクロムのうち少なくとも一つを0
.07〜0.28重量%、炭素を最高220ppm含有
し、残部が本質的にジルコニウムである合金材料のクリ
ープ速度を制御する段階を含む。このクリープ速度制御
段階は例えば次のようにして実施できる。すなわち、か
かる合金材料に、押出し後α焼なまし及び最終応力除去
焼なましを施すが、近最終段階β焼入れを実施せず、図
9の区域Aから選択された平均中間再結晶焼なまし温度
と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約
0.000001〜0.000004に制御し、又は、
図9の区域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし温
度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時
約0.000004〜0.000010に制御し、又は
、図9の区域Cから選択された平均中間再結晶焼なまし
温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎
時約0.000010〜0.000030に制御し、又
は、図9の区域Dから選択された平均中間再結晶焼なま
し温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を
毎時約0.000030〜0.000070に制御し、
又は、図9の区域Eから選択された平均中間再結晶焼な
まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
を毎時約0.000070〜0.000140に制御し
、又は、図9の区域Fから選択された平均中間再結晶焼
なまし温度と最終真絞り率との組合せを用いてクリープ
速度を毎時約0.000140〜0.000200に制
御し、或いは、上記合金材料に、押出し後α焼なまし及
び最終応力除去焼なましを施し、また、近最終段階β焼
入れを実施し、図10の区域Aから選択された平均中間
再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてク
リープ速度を毎時約0.000001〜0.00000
4に制御し、又は、図10の区域Bから選択された平均
中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用い
てクリープ速度を毎時約0.000004〜0.000
010に制御し、又は、図10の区域Cから選択された
平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを
用いてクリープ速度を毎時約0.000010〜0.0
00030に制御し、又は、図10の区域Dから選択さ
れた平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合
せを用いてクリープ速度を毎時約0.000030〜0
.000070に制御し、又は、図10の区域Eから選
択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の
組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000070
〜0.000140に制御し、又は、図10の区域Fか
ら選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り
率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.0001
40〜0.000200に制御し、或いは、上記合金材
料に、押出し後α焼なまし及び少なくとも一部の再結晶
の最終焼なましを施すが、近最終段階β焼入れを実施せ
ず、図11の区域Aから選択された平均中間再結晶焼な
まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
を毎時約0.000001〜0.000004に制御し
、又は、図11の区域Bから選択された平均中間再結晶
焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ
速度を毎時約0.000004〜0.000010に制
御し、或いは、上記合金材料に、押出し後α焼なまし及
び少なくとも一部の再結晶の最終焼なましを施し、また
、近最終段階β焼入れを実施し、図12の区域Aから選
択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の
組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000001
〜0.000004に制御し、又は、図12の区域Bか
ら選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り
率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.0000
04〜0.000010に制御し、又は、図12の区域
Cから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真
絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.00
0010〜0.000030に制御する。前述のような
押出し後β焼なましを用いる他の組合せの使用も可能で
あるが、今述べたような押出し後α焼なまし条件が好ま
しい。
【0030】同様にして、上記合金材料に、押出し後α
焼なまし及び最終応力除去焼なましを施すが、近最終段
階β焼入れを用いないことにより、約1100°Fの平
均中間再結晶焼なまし温度及び約170%の最終真絞り
率を用いてクリープ速度を毎時約0.000045〜約
0.000065に制御できる。これについては例えば
第9図を参照されたい。
【0031】別法として、上記合金材料に、押出し後α
焼なまし及び最終応力除去焼なましを施し、近最終段階
β焼入れを用いず、約1100℃の平均中間再結晶焼な
まし温度及び約158%の最終真絞り率を用いてクリー
プ速度を毎時約0.000030〜約0.000040
に制御しても良い。これについては例えば第9図を参照
されたい。
【0032】第11図及び第12図に示す方法を用いる
と、非常に広い使用範囲に亙りクリープ速度が一定の材
料が得られるという利点がある。第11図の方法は一般
に、押出品の焼なましを行い(好ましくは、押出品のα
焼なましを行い)、押出品を複数の絞り段階で加工し、
その間、中間加工段階後の絞りを掛けられた押出品を焼
なまし、最後に、絞り押出品を加工し、次いで、最終加
工材料を再結晶させる。第12図の方法では、近最終段
階中間加工段階後のβ焼入れの段階が加えられる。第1
1図及び第12図の方法に従って処理された原子炉用集
合体の管、ストリップその他の構成要素はクリープ速度
が一定であるという利点が得られる。かくして、冷間加
工条件がそのまま続くかぎり、クリープ速度に影響を及
ぼさないでより大きな絞り率を用いる一層少ない段階で
(より安価に)上記材料を処理できる。また、第11図
及び第12図の方法に従って処理される構成要素の組立
体を、構成要素のうち幾つかが実質的に同一のクリープ
速度を有するよう設計できる。かくして、例えば、管、
管板及びスペーサはクリープ速度が同じになるよう設計
するのが良い。
【0033】上述の実施例は本発明者が現時点で計画し
た本発明の最良の実施例であるが、当業者であれば、本
発明の多くの設計変更及び改造が想到できよう。したが
って、上述の実施例は例示として考えられるべきであり
、特許請求の範囲に記載されているような本発明に係る
多くの設計変更例及び改造例は当業者には明らかであろ
う。かくして、特許請求の範囲の請求項は、本発明の精
神及び範囲に属すると考えられるかかる設計変更例及び
改造例を包含する。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の中間再結晶焼なまし温度(最終応力除去
焼なましを施した材料における中間再結晶温度)での押
出し後α焼なましとβ焼なましの両方についての曲線で
、クリープに対する処理温度の強い影響を示す図(縦軸
に中間壁フープ歪み率(単位は%)を、横軸に時間(単
位は1000時間)をとっている)である。
【図2】最終応力除去焼なましを施した材料(押出し後
α焼なましに関する)及び最終再結晶焼なましを施した
材料における中間焼なまし温度に対するクリープ速度の
依存性の度合いを示す図である。
【図3】最終応力除去焼なましを施した場合(押出し後
β焼なましに関する)、近最終段階β焼入れを利用した
場合及び最終再結晶焼なましを施した場合の材料におけ
る中間焼なまし温度に対するクリープ速度の依存性の度
合いを示す図である。
【図4】押出し後α焼なましと押出し後β焼なましを実
施した場合の最終絞り(ピルガー法最終段階)の影響の
強さを示す図である。
【図5】最終応力除去焼なましと最終再結晶焼なましの
両方を施した場合の材料における押出し後α焼なましに
ついての曲線で、最終絞り率に対するクリープ速度の依
存性の度合いを示す図である。
【図6】最終応力除去焼なましと最終再結晶焼なましの
両方と関連のある押出し後β焼なましについての曲線で
、最終絞り率に対するクリープ速度の依存性の度合いを
示す図である。
【図7】β焼入れを最終サイズへの仕上げに先立って2
つの絞り段階で実施したときのβ焼入れの影響の度合い
を示す図であり、材料が押出し後β焼なましを受け、次
いで最終応力除去焼なましを受けたことを表している。
【図8】最終応力除去焼なまし、最終再結晶焼なまし及
び最終部分再結晶焼なましを実施した場合についての曲
線で最終熱処理に対するクリープ速度の依存性を示す図
である。
【図9】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない場
合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼な
ましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)に関連
した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組合せにつ
いての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図10】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない
場合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼
なましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)に関
連した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組合せに
ついての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図11】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない
場合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼
なましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)の条
件に関連した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組
合せについての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図12】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない
場合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼
なましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)に関
連した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組合せに
ついての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図13】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない
場合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼
なましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)に関
連した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組合せに
ついての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図14】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない
場合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼
なましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)に関
連した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組合せに
ついての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図15】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない
場合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼
なましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)に関
連した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組合せに
ついての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図16】近最終段階β焼入れの利用の有無を問わない
場合の押出し後焼なまし(α又はβ)の条件及び最終焼
なましの条件(応力除去、部分再結晶又は再結晶)に関
連した、中間焼なまし温度と最終の真絞り率の組合せに
ついての熱クリープ範囲の領域を示す図である。
【図17】処理シーケンスの略図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ジルコニウム合金材料に、押出し後焼
    なまし、一連の中間絞り及び中間再結晶焼なまし、最終
    絞り、そして最終焼なましを施すような手順形式のジル
    コニウム合金材料の処理方法であって、前記中間再結晶
    焼なましのうちの一つは場合によっては近最終段階β焼
    入れであり、前記処理方法は、ニオブを0.5〜2.0
    重量%、スズを0.7〜1.5重量%、鉄とニッケルと
    クロムのうち少なくとも一つを0.07〜0.28重量
    %、炭素を最高220ppm含有し、残部が本質的にジ
    ルコニウムである合金材料のクリープ速度を制御する段
    階を含み、かかるクリープ速度制御段階は、(a)かか
    る合金材料に、押出し後α焼なまし及び最終応力除去焼
    なましを施すが、近最終段階β焼入れを実施せず、図9
    の区域Aから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と
    最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0
    .000001〜0.000004に制御し、又は、図
    9の区域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし温度
    と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約
    0.000004〜0.000010に制御し、又は、
    図9の区域Cから選択された平均中間再結晶焼なまし温
    度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時
    約0.000010〜0.000030に制御し、又は
    、図9の区域Dから選択された平均中間再結晶焼なまし
    温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎
    時約0.000030〜0.000070に制御し、又
    は、図9の区域Eから選択された平均中間再結晶焼なま
    し温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を
    毎時約0.000070〜0.000140に制御し、
    又は、図9の区域Fから選択された平均中間再結晶焼な
    まし温度と最終真絞り率との組合せを用いてクリープ速
    度を毎時約0.000140〜0.000200に制御
    し、或いは、(b)上記合金材料に、押出し後α焼なま
    し及び最終応力除去焼なましを施し、また、近最終段階
    β焼入れを実施し、図10の区域Aから選択された平均
    中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用い
    てクリープ速度を毎時約0.000001〜0.000
    004に制御し、又は、図10の区域Bから選択された
    平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを
    用いてクリープ速度を毎時約0.000004〜0.0
    00010に制御し、又は、図10の区域Cから選択さ
    れた平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合
    せを用いてクリープ速度を毎時約0.000010〜0
    .000030に制御し、又は、図10の区域Dから選
    択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の
    組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000030
    〜0.000070に制御し、又は、図10の区域Eか
    ら選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り
    率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.0000
    70〜0.000140に制御し、又は、図10の区域
    Fから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真
    絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.00
    0140〜0.000200に制御し、或いは、(c)
    上記合金材料に、押出し後α焼なまし及び少なくとも一
    部の再結晶の最終焼なましを施すが、近最終段階β焼入
    れを実施せず、図11の区域Aから選択された平均中間
    再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてク
    リープ速度を毎時約0.000001〜0.00000
    4に制御し、又は、図11の区域Bから選択された平均
    中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用い
    てクリープ速度を毎時約0.000004〜0.000
    010に制御し、或いは、(d)上記合金材料に、押出
    し後α焼なまし及び少なくとも一部の再結晶の最終焼な
    ましを施し、また、近最終段階β焼入れを実施し、図1
    2の区域Aから選択された平均中間再結晶焼なまし温度
    と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約
    0.000001〜0.000004に制御し、又は、
    図12の区域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし
    温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎
    時約0.000004〜0.000010に制御し、又
    は、図12の区域Cから選択された平均中間再結晶焼な
    まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
    を毎時約0.000010〜0.000030に制御し
    、或いは、(e)上記合金材料に、押出し後β焼なまし
    及び少なくとも一部の再結晶の最終焼なましを施すが、
    近最終段階β焼入れを実施せず、図13の区域Aから選
    択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の
    組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000000
    04〜0.0000001に制御し、又は、図13の区
    域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終
    真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.0
    000001〜0.0000004に制御し、又は、図
    13の区域Cから選択された平均中間再結晶焼なまし温
    度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時
    約0.0000004〜0.000001に制御し、又
    は、図13の区域Dから選択された平均中間再結晶焼な
    まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
    を毎時約0.000001〜0.000004に制御し
    、又は、図13の区域Eから選択された平均中間再結晶
    焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ
    速度を毎時約0.000004〜0.000010に制
    御し、又は、図13の区域Fから選択された平均中間再
    結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリ
    ープ速度を毎時約0.000010〜0.000030
    に制御し、或いは、(f)上記合金材料に、押出し後β
    焼なまし及び最終応力除去焼なましを施すが、近最終段
    階β焼入れを実施せず、図14の区域Aから選択された
    平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを
    用いてクリープ速度を毎時約0.000001〜0.0
    00004に制御し、又は、図14の区域Bから選択さ
    れた平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合
    せを用いてクリープ速度を毎時約0.000004〜0
    .000010に制御し、又は、図14の区域Cから選
    択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り率の
    組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.000010
    〜0.000030に制御し、又は、図14の区域Dか
    ら選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真絞り
    率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.0000
    30〜0.000070に制御し、又は、図14の区域
    Eから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終真
    絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.00
    0070〜0.000140に制御し、或いは、(g)
    上記合金材料に、押出し後β焼なまし及び最終応力除去
    焼なましを施し、また、近最終段階β焼入れを実施し、
    図15の区域Aから選択された平均中間再結晶焼なまし
    温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎
    時約0.000004〜0.000010に制御し、又
    は、図15の区域Bから選択された平均中間再結晶焼な
    まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
    を毎時約0.000010〜0.000030に制御し
    、又は、図15の区域Cから選択された平均中間再結晶
    焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ
    速度を毎時約0.000030〜0.000070に制
    御し、又は、図15の区域Dから選択された平均中間再
    結晶焼なまし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリ
    ープ速度を毎時約0.000070〜0.000140
    に制御し、或いは、(h)上記合金材料に、押出し後β
    焼なまし及び少なくとも一部の再結晶の最終焼なましを
    施し、また、近最終段階β焼入れを実施し、図16の区
    域Aから選択された平均中間再結晶焼なまし温度と最終
    真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約0.0
    000004〜0.000001に制御し、又は、図1
    6の区域Bから選択された平均中間再結晶焼なまし温度
    と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎時約
    0.000001〜0.000004に制御し、又は、
    図16の区域Cから選択された平均中間再結晶焼なまし
    温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度を毎
    時約0.000004〜0.000010に制御し、又
    は、図16の区域Dから選択された平均中間再結晶焼な
    まし温度と最終真絞り率の組合せを用いてクリープ速度
    を毎時約0.000010〜0.000030に制御す
    ることから成ることを特徴とするジルコニウム合金材料
    の処理方法。
  2. 【請求項2】  上記合金材料に、押出し後α焼なまし
    及び最終応力除去焼なましを施すが、近最終段階β焼入
    れを実施せず、クリープ速度を、約595℃(1100
    °F)の平均中間再結晶焼なまし温度と約170%の最
    終真絞り率の組合せを用いて、毎時約0.000045
    〜0.000065に制御することを特徴とする請求項
    1のジルコニウム合金材料の処理方法。
  3. 【請求項3】  上記合金材料に、押出し後α焼なまし
    及び最終応力除去焼なましを施し、また、近最終段階β
    焼入れを実施し、クリープ速度を、約1100°Fの平
    均中間再結晶焼なまし温度と約158%の最終真絞り率
    の組合せを用いて、毎時約0.000030〜0.00
    0040に制御することを特徴とする請求項1のジルコ
    ニウム合金材料の処理方法。
  4. 【請求項4】  385℃(725°F)の温度におい
    てクリープ速度が一定のジルコニウム合金工作物を生産
    する方法において、組成上、ニオブを0.5〜2.0重
    量%、スズを0.7〜1.5重量%、鉄とニッケルとク
    ロムのうち少なくとも一つを0.07〜0.28重量%
    、炭素を最高220ppm含有し、残部が本質的にジル
    コニウムである工作物を押出し加工し、押出し工作物を
    焼なましし、焼なましを施した押出し工作物を複数の中
    間加工段階においてその横断面積を減少させることによ
    り中間加工し、中間加工した工作物を中間加工段階後に
    焼なましし、工作物をその横断面積を減少させることに
    より最終加工し、最終加工を施した工作物を再結晶させ
    ることを特徴とする生産方法。
  5. 【請求項5】  押出し工作物に押出し後α焼なましを
    施すことを特徴とする請求項4の生産方法。
  6. 【請求項6】  近最終段階中間加工段階後に、中間加
    工した工作物をβ焼入れする段階を更に含むことを特徴
    とする請求項4の生産方法。
  7. 【請求項7】  最終加工段階において、工作物の横断
    面積を10〜190%の真絞り率で減少させる段階を更
    に含むことを特徴とする請求項4の生産方法。
  8. 【請求項8】  最終加工段階において、工作物の横断
    面積を80〜180%の真絞り率で減少させる段階を更
    に含むことを特徴とする請求項7の生産方法。
  9. 【請求項9】  最終加工段階において、工作物の横断
    面積を90〜170%の真絞り率で減少させる段階を更
    に含むことを特徴とする請求項7の生産方法。
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