JP3208832B2 - ピルガー圧延による集合組織調整ジルコニウム合金管の製造法 - Google Patents
ピルガー圧延による集合組織調整ジルコニウム合金管の製造法Info
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Description
よび耐応力腐食割れ性を示す原子燃料用ジルコニウム
(以下、Zrと記す)合金被覆管の製造法に関するもの
である。
合金被覆管が用いられることはよく知られている。上記
Zr合金被覆管を製造するためのZr合金は、JIS規
格のH4751に規定されているジルカロイ2またはジ
ルカロイ4が用いられ、そのなかでも加圧水型原子炉の
燃料用Zr合金被覆管としては特にジルカロイ4が用い
られている。
られた肉厚のZr合金素管をピルガー圧延および再結晶
焼鈍をそれぞれ1回または複数回繰返し施したのち、最
終ピルガー圧延および歪取り焼鈍することにより製造さ
れ、上記ピルガー圧延は冷間圧延で行われ、上記再結晶
焼鈍は真空雰囲気中、温度530〜760℃で行われ、
最後の歪取り焼鈍は430〜490℃で行われる。
は、原子炉燃料ペレットが充填され、原子炉燃料集合体
に組立てられ、炉心に挿入されて使用される〔これらの
点については、社団法人、日本金属学会編「改訂5版
金属便覧」平成2年3月31日、丸善株式会社発行、8
12〜815参照〕。
運転から電力需要に応じた負荷追従運転に変わりつつあ
る。上記負荷追従運転を実施した場合、出力上昇に伴っ
てZr合金被覆管に充填されている燃料の二酸化ウラン
ペレットが円周方向に膨張し、Zr合金被覆管内部に歪
を生じさせるとともに、核分裂生成物中のヨウ素によっ
て腐食され、これらが相互に作用して応力腐食割れを生
じ、長期にわたって運転操業を続けると事故につながる
恐れがあるなどの問題点が生じてきた。
覆管との相互作用による応力腐食割れを起すことのない
Zr合金被覆管を開発すべくいろいろな研究がなされて
おり、応力腐食割れに対しては、稠密六方晶のC軸がZ
r合金被覆管の半径方向に揃っている方が抵抗性が増す
ことが知られている。
覆管の半径方向に交差している方がZr合金被覆管の機
械的強度は優れているために、上記Zr合金被覆管の肉
厚全体にわたって稠密六方晶のC軸が半径方向に揃った
Zr合金被覆管は、耐応力腐食割れ性は向上するけれど
も機械的強度は低下するという問題が生じてきた。
六方晶のC軸がZr合金管内面部分では半径方向に揃う
とともにZr合金管の肉厚中央部分および外面部分では
C軸がZr合金管の半径方向に交差している集合組織を
有するZr合金被覆管(このような管を集合組織調整Z
r合金被覆管という)が理想的には好ましく、かかるZ
r合金被覆管に近づけるべく種々な製造法が提案されて
いる(例えば、特開平1−39076号公報参照)。そ
れによると集合組織調整Zr合金被覆管は、まずZr合
金素管を中間ピルガー圧延したのち再結晶焼鈍する工程
ではQ値を2〜5に選んで内外径とも同等割合で軽減さ
せ、最終工程ではQ値を中間ピルガー圧延時よりも小さ
い値に選ぶとともに内径よりも外径を大きい割合で軽減
させる方法を採用している。
良く知られた加工因子であり、 Q=ln (t/to )/ln (D/Do ) または、 Q=[(to −t)/to ]/[(Do −D)/Do ] 但し、to :圧延前の管肉厚、t:圧延後の管肉厚、D
o :圧延前の管平均径、D:圧延後の管平均径、なる式
により求められ、上記Q値は大きくするほど結晶のC軸
を半径方向に集積させることができることも知られてい
る。
量的因子として、一般的に用いられているものにKearns
factor (f値)がある。管の半径方向に関するf値
は、fr値で示され、結晶のC軸が全て半径方向に集積
した場合は、fr=1.0であり、また結晶のC軸が全
て管の円周方向に集積した場合は、fr=0.0であ
る。すなわち、fr値が大きいほど結晶のC軸が半径方
向に集積していることを示す因子である。
よると、Q値の選定が各工程で異なることによりパスス
ケジュールの変更が不可欠であり、その圧延制御も極め
て難しいという課題があった。
Zr合金管内面部分の結晶のC軸を半径方向に集積さ
せ、Zr合金管肉厚中央部分および外面部分は内面部分
に比べ結晶のC軸を半径方向にあまり集積させないよう
にすることにより機械的強度を劣化させることなく耐応
力腐食割れ性の優れた集合組織調整Zr合金被覆管を製
造すべく研究を行った結果、図1に示されるように、ピ
ルガー圧延の加工領域(0.00〜1.00)を20分
割した場合の、 n番目の分割面における平均径をDn 、 n+1番目の分割面における平均径をDn+1 、 n番目の分割面における肉厚をtn 、 n+1番目の分割面における肉厚をtn+1 、 n+1における任意の径をx、 nとn+1の微小区間のQ値をdQ(n) 、とし、
(n) をdQi(n)、 x=Dn+1 を代入して得られた管中央のdQ(n) をdQ
m(n)、 x=Dn+1 +tn+1 を代入して得られた管外面のdQ
(n) をdQo(n)とすると、 加工開始点(ST=1.00)から加工終了点(ST=
0.00)までの加工領域(ST=0.00〜1.0
0)のうち、加工終了点付近の加工領域(ST=0.0
0〜0.30)においてdQi(n)>dQm(n)>dQo(n)
≧1となるように、さらに、
ように設計されたピルガー圧延用治具を用いて圧延する
と、C軸が上述の如く配向した集合組織調整Zr合金被
覆管を得ることができるという知見を得たのである。こ
の発明は、かかる知見にもとづいてなされたものであっ
て、ピルガー圧延機による加工領域を分割した場合の上
記数1で規定されるdQ値が、上記加工領域の加工終了
点付近(ST=0.00〜0.30)で、 dQi(n)>dQm(n)>dQo(n)≧1 となるように、かつ上記微小区間の上記数2で規定され
た断面減少率dRが、 0<dR(n) ≦30% となるように設計されたピルガー圧延機により圧延する
集合組織調整Zr合金管の製造法に特徴を有するもので
ある。
れぞれ上記の如く限定した理由について説明する。
Qo(n)をdQi(n)>dQm(n)>dQo(n)となるようにピ
ルガー圧延すると管内面ほどQ値が大きくなり、従って
管内面に向うほど結晶のC軸は半径方向に集積すること
は明らかであるが、この発明に従ってST=0.00〜
0.30の加工終了点付近において上記数1を満足する
ように圧延すると所望の集合組織調整Zr合金管が得ら
れる。
な集合組織が得られず、またdQi(n)≧5であることが
一層好ましい。
(n) )も、加工開始点(ST=1.0)から加工終了点
(ST=0.0)に向って増加する必要があるが、上記
dR(n) が30(%)を越えるとやはりマンドレル3と
管とが焼き付けを起すので、その上限を30(%)と定
め、0<dR(n) ≦30とした。
的に説明する。
0%,Cr:0.10%、残部:Zrおよび不可避不純
物からなる組成を有し、外径:17.8mm、肉厚:1.
8mmの寸法を有するZr合金素管を、20分割された加
工領域(ST)において、上記数1および数2より求め
たdQi ,dQm ,dQo およびdRが表1に示される
値となるようにピルガー圧延用治具を設計し、その治具
を用いて、外径:9.5mm、内径:0.6mmの寸法を有
するZr合金管を製造し、このZr合金管の外面、中央
および内面のfr値を求め、その値を表1に示した。
金管のfr値は内面に向うほど1に近づいているところ
から、所望の集合組織調整Zr合金管が得られているこ
とがわかる。
ケジュールを変更することなく所望の集合組織調整Zr
合金管を製造することができるので原子力産業上すぐれ
た効果をもたらすものである。
r合金管の製造法を説明するための断面概略図である。
示す断面説明図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 ピルガー圧延の加工領域(0.00〜
1.00)を分割した場合の、 n番目の分割面における平均径をDn 、 n+1番目の分割面における平均径をDn+1 、 n番目の分割面における肉厚をtn 、 n+1番目の分割面における肉厚をtn+1 、 微小区間nとn+1におけるQ値をdQ(n) 、n+1における任意の径 をx、 として得られた式: において、上記xを、 x=Dn+1 −tn+1 として得られた管内面のdQ(n) を
dQi(n)、 x=Dn+1 として得られた管中央のdQ(n) をd
Qm(n)、 x=Dn+1 +tn+1 として得られた管外面のdQ(n) を
dQo(n) とすると、 加工終了点付近の加工領域:ST=0.00〜0.30
において、 dQi(n)>dQm(n)>dQo(n)≧1 となるように、さらに、 断面減少率: が、 30≧dR(n) >0 となるように設計されたピルガー圧延用治具を用いてジ
ルコニウム合金素管を圧延することを特徴とする、ピル
ガー圧延による集合組織調整ジルコニウム合金管の製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10597992A JP3208832B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | ピルガー圧延による集合組織調整ジルコニウム合金管の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10597992A JP3208832B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | ピルガー圧延による集合組織調整ジルコニウム合金管の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05277513A JPH05277513A (ja) | 1993-10-26 |
JP3208832B2 true JP3208832B2 (ja) | 2001-09-17 |
Family
ID=14421875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10597992A Expired - Lifetime JP3208832B2 (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | ピルガー圧延による集合組織調整ジルコニウム合金管の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3208832B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6284182B1 (en) | 1999-03-12 | 2001-09-04 | Konal Engineering And Equipment Inc. | Molding process employing heated fluid |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP10597992A patent/JP3208832B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05277513A (ja) | 1993-10-26 |
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