JPH04356506A - キレート樹脂 - Google Patents

キレート樹脂

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JPH04356506A
JPH04356506A JP10422891A JP10422891A JPH04356506A JP H04356506 A JPH04356506 A JP H04356506A JP 10422891 A JP10422891 A JP 10422891A JP 10422891 A JP10422891 A JP 10422891A JP H04356506 A JPH04356506 A JP H04356506A
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chelate resin
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hydroxylamine
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Kimiaki Matsuda
松田 公昭
Arinobu Kataoka
片岡 有信
Kenji Ochi
越智 賢二
Masahiro Aoi
青井 正廣
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、新規なキレート樹脂に関するも
のである。
【0002】キレート樹脂は、金属イオン含有溶液から
選択的に金属イオンを除去できるので、工業用水の精製
、廃水処理、有価物回収などに極めて有用である。
【0003】従来、ニトリル基を有する樹脂にヒドロキ
シルアミンおよび/またはその誘導体を反応させてアミ
ドオキシム基を有する樹脂を製造すること、およびこの
ようにして得られた樹脂が、ウラン、金、鉄、水銀、銅
、鉛などの金属イオンに対して良好な吸着性を有するこ
とは公知である(米国特許第 3,088,799号明
細書、特開昭 51−53593 号公報、特開昭 5
3−126088号公報)。しかしながら、該キレート
樹脂は吸着容量が少なく、この欠点の改良が望まれてい
る。
【0004】最近、該キレート樹脂のこのような欠点改
良のために、アルキレン基の炭素数が2ないし4である
ポリアルキレンポリオールのポリアクリレートおよびポ
リメタクリレートよりなる群から選ばれた架橋剤と、ニ
トリル基を有するエチレン性不飽和化合物とを含む単量
体混合物を重合させ、次いでヒドロキシルアミンを反応
させることにより、アミドオキシム基を有するキレート
樹脂を製造する方法が提案されている(特開昭 56−
53106 号公報)。こうして得られる改良キレート
樹脂は、従来のアミドオキシム基を有する樹脂と比較し
て、金属イオン吸着速度の改良は見られるものの、金属
イオンに対する吸着容量の改良は未だ必ずしも充分満足
できるものではない。それ故に、大量の液を吸着処理す
る場合には単位時間あたりの処理量が少なくなり、多数
の処理装置が必要となることから、建設費や運転経費が
嵩むなどといった欠点がある。
【0005】かかる事情に鑑み本発明者らは、公知のア
ミドオキシム基型キレート樹脂に比較して優れた吸着容
量を有し、かつ高吸着速度を有するアミドオキシム基型
キレート樹脂を得るべく鋭意研究した結果、本発明に至
った。
【0006】すなわち本発明は、ニトリル基を有する樹
脂に、ヒドロキシルアミンおよび/またはその誘導体と
アミノ化合物とを反応させて得られる、一般式(A) 
   〔式中、Qは水素原子、アルキル基またはアミノ
アルキル基を表わし、ここでアルキルとは炭素数1また
は2のものをいう〕で示される官能基、および一般式(
B)     〔式中、Rはアミノ基、アルキルアミノ基、ポ
リエチレンポリアミノ基、ヒドラジノ基、イミノメチル
アミノ基、グアニジノ基、セミカルバジド基またはこれ
らの誘導体を表わす〕で示される官能基を有するキレー
ト樹脂を提供するものである。
【0007】樹脂基体中に、前記一般式(A)で示され
る官能基および前記一般式(B)で示される官能基を有
する本発明のキレート樹脂は、公知のアミドオキシム基
のみを有するキレート樹脂に比較して、金属イオン吸着
能が著しく大きいという特徴を有している。
【0008】前記一般式(A)で示される官能基におい
て、Qは水素原子、アルキル基またはアミノアルキル基
を表わし、ここでいうアルキル基とは、具体的にはメチ
ル基およびエチル基であり、またアミノアルキル基とは
、具体的にはアミノメチル基およびアミノエチル基であ
る。一般式(A)のなかでは、特にQが水素原子である
官能基が好ましい。
【0009】また前記一般式(B)で示される官能基に
おいて、Rはアミノ基〔−NH2〕、アルキルアミノ基
〔−NHR1 、ここでR1 はアルキル基、好ましく
は炭素数1〜4のアルキル基である〕、ポリエチレンポ
リアミノ基〔−NH(CH2CH2NH)nH 、ここ
でnは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数である〕
、ヒドラジノ基〔−NHNH2〕、イミノメチルアミノ
基〔−NH−CH=NH 〕、グアニジノ基〔−NH−
C(=NH)−NH2〕、セミカルバジド基〔−NHN
HCONH2〕またはこれらの誘導体を表わす。
【0010】ここでいう誘導体とは、Rを構成する前記
各基における水素原子を、好ましくは一般式(B)中の
−C=NHに結合するアミノ基の水素原子以外を、他の
基で置換したものである。例えば、ヒドラジノ基の誘導
体としては、無置換のまたは置換されたN′−フェニル
ヒドラジノ基、1−ピペラジニルアミノ基、無置換のま
たは置換されたN′−アルキルヒドラジノ基、N′−ア
ルキリデンヒドラジノ基、N′−ベンジリデンヒドラジ
ノ基、ホルミルヒドラジノ基、アセチルヒドラジノ基の
ようなものが挙げられる。また、イミノメチルアミノ基
の誘導体としては、ヒドロキシイミノメチルアミノ基、
1−(ヒドロキシイミノ)エチルアミノ基、1−イミノ
エチルアミノ基のようなものが、さらにはグアニジノ基
の誘導体としては、2,3,3−トリメチルグアニジノ
基のようなものが、それぞれ例示される。
【0011】一般式(B)で示される官能基のなかでは
、Rがアミノ基、ヒドラジノ基、炭素数1〜4のアルキ
ルアミノ基または、炭素数2〜10でかつ窒素数2〜6
のポリエチレンポリアミノ基であるものが好ましく、と
りわけ、Rがヒドラジノ基または、炭素数2〜10でか
つ窒素数2〜6のポリエチレンポリアミノ基であるもの
が好ましい。
【0012】一般式(A)および(B)で示される官能
基の当量比(B)/(A)は、 0.1〜1であること
が好ましい。この当量比が 0.1より小さくなると、
金属イオンの吸着能の改善効果が少なく、一方当量比が
大になっても、金属イオンの吸着能の改善効果がそれに
比例して大きくならないので、一般には1以下とされる
【0013】本発明のキレート樹脂は、ニトリル基を有
する樹脂に、ヒドロキシルアミンおよび/またはその誘
導体、ならびにヒドロキシルアミンおよび/またはその
誘導体を除くアミノ化合物(以下、単にアミノ化合物と
称す)を反応させることにより製造することができる。 ここで使用されるニトリル基を有する樹脂としては、一
般には次のようなものが挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0014】■  アクリロニトリル、α−クロルアク
リロニトリル、シアン化ビニリデン、メタアクリロニト
リル、フマルジニトリル、クロトンニトリル、2−シア
ノエチルアクリレート、2−シアノエチルメタアクリレ
ート等シアン化ビニル系単量体の重合体;  あるいは
これらシアン化ビニル系単量体と共重合が可能な他のエ
チレン系不飽和単量体、例えばジビニルベンゼン、ジエ
チレングリコールジメタアクリレート、エチレングリコ
ールジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメ
タアクリレート、酢酸ビニルなどとの共重合体;
【00
15】■  クロルメチル基、スルホニルクロリド基、
カルボニルクロリド基、イソシアナート基、エポキシ基
、アルデヒド基等アミン反応性基を有するスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、フェノール樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの重合体(以
下アミン反応性基を有する樹脂と称す)に、アミノアセ
トニトリル、アミノマロンニトリル、ジアミノマレオニ
トリル、ジシアンジアミド、イミノジアセトニトリル、
1−アミノ−2−シアノエタン、4−アミノベンゾニト
リル、1−アミノ−3−シアノプロパンなどのアミノ基
またはイミノ基を有するニトリル化合物を反応させた樹
脂。
【0016】特に好ましくは、アクリロニトリル、メタ
アクリロニトリル、フマリルニトリル、シアン化ビニリ
デンから選ばれるシアン化ビニル系単量体の重合体、あ
るいはこれらシアン化ビニル系単量体と、ジビニルベン
ゼン、ジエチレングリコールジメタアクレレート、エチ
レングリコールジメタアクリレート、ポリエチレングリ
コールジメタアクレレート、酢酸ビニルなどとの共重合
体が用いられる。
【0017】シアン化ビニル系単量体として、アクリロ
ニトリル、メタアクリロニトリル、またはシアン化ビニ
リデンを用いた場合の重合体または共重合体は、一般に
次式(I)の構造単位を有する。
【0018】 〔式中、Xは水素原子、メチル基またはニトリル基を表
わす〕
【0019】また共重合成分、特に架橋成分であるジビ
ニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタアクレレー
ト、エチレングリコールジメタアクリレートまたはポリ
エチレングリコールジメタアクレレートを用いた場合は
、前記式(I)の構造単位に加えて、次式(II)の構
造単位を有する。
【0020】     〔式中、Yは水素原子またはメチル基を表わし
、Zは架橋基、例えばフェニレンまたは (nは1以上の数である)を表わす〕
【0021】このような架橋成分は一般に、全モノマー
成分の0〜20モル%用いられている。
【0022】以上のようなニトリル基を有する樹脂は、
水不溶性であれば特にその重合度に制限されないが、一
般には重合度約500以上のものが用いられる。またニ
トリル基を有する樹脂の形状は、粉状、繊維状、ハニカ
ム状、粒状、球状、液状のいずれも使用可能であり、使
用目的によって適宜形状の選定を行えばよいが、一般に
は球状または粉状の樹脂が取扱上の面より好ましく用い
られる。
【0023】本発明において、ニトリル基を有する樹脂
にアミドオキシム基を形成させるために反応させるヒド
ロキシルアミンおよび/またはその誘導体としては、ニ
トリル基と反応して、前記一般式(A)で示されるアミ
ドオキシム基を形成するものであれば、いかなるもので
も用いることができる。このようなヒドロキシルアミン
および/またはその誘導体としては、例えばヒドロキシ
ルアミン、N−メチルヒドロキシルアミン、N−エチル
ヒドロキシルアミン、N−アミノメチルヒドロキシルア
ミン、N−フェニルヒドロキシルアミン、p−(ヒドロ
キシルアミノ)フェノール、およびこれらヒドロキシル
アミン類の塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、酢酸塩な
どが挙げられる。
【0024】また、キレート樹脂中に前記一般式(B)
で示される官能基を付与するために用いられるアミノ化
合物としては、ニトリル基と反応し、かつ液中の酸イオ
ンと反応して塩を形成しうる塩基性を有し、さらに金属
イオンと錯形成をするものであれば、いかなるものでも
用いることができる。このようなアミノ化合物としては
、例えば次のようなものが挙げられる。
【0025】アンモニア、メチルアミン、エチルアミン
、プロピルアミン、ブチルアミンなどのアミン類;
【0
026】ヒドラジン、抱水ヒドラジン、フェニルヒドラ
ジン、p−ヒドラジノフェノール、p−ヒドラジノ安息
香酸、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1−アミノ
ピペラジン、N−メチルヒドラジン、11−オキサ−3
,4,7,8,14,15−ヘキサアザヘプタデカン−
1,17−ジオール、アセトアルデヒド=ヒドラゾン、
ベンズアルデヒド=ヒドラゾン、ヒドラジノエタノール
、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、イソチオセミ
カルバジド、チオカルボノヒドラジド、セミカルバジド
などのヒドラジンおよびその誘導体;
【0027】トリ
アザン、トリアゼン、テトラザン、テトラゼン、テトラ
ザジエン、ペンタザン、1−メチルトリアザン、1−メ
チル−3−プロピルトリアザン、3−メチルトリアゼン
、3−メチル−1−テトラゼン、エチルテトラザノアセ
テートなどのアザン類およびアゼン類;
【0028】ホルムアミジン、アセトアミジン、ヘキサ
ンアミジン、シクロヘキサンカルボキサミジン、p−ア
ミジノ安息香酸などのアミジン類;グアニジン、ビグア
ニド、1,3−ジメチルグアニジン、1,1,2−トリ
メチルグアニジンなどのグアニジンおよびその誘導体;
【0029】ホルムアミドオキシム、アセトアミドオキ
シム、N−メチルアセトアミドオキシムなどのアミドオ
キシム類;
【0030】ベンズアミド=ヒドラゾン、ベンゾヒドラ
ジド=イミドなどのアミドラゾン類またはカルボキサミ
ドラゾン類;2−テノヒドラジド=ヒドラゾン、N2,
N4−ジメチル−4−チアゾールカルボヒドラジド=ヒ
ドラゾンなどのヒドラジジン類;
【0031】ホルマザン、3−フェニルホルマザン、1
,3−ジフェニルホルマザン、1,3−ジメチルホルマ
ザンなどのホルマザンおよびその誘導体;
【0032】
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチ
レンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチレ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレン
ジアミンなどのポリエチレンポリアミンおよびその誘導
体。
【0033】ニトリル基を有する樹脂に、ヒドロキシル
アミンおよび/またはその誘導体とアミノ化合物とを反
応させる方法は一般に、ニトリル基を有する樹脂、ヒド
ロキシルアミンおよび/またはその誘導体、ならびにア
ミノ化合物の共存下に反応を行い、前記一般式(A)で
示される官能基および前記一般式(B)で示される官能
基を同時に形成せしめるのが好ましいが、必ずしもこれ
に限定されるものではない。例えば、まずニトリル基を
有する樹脂とヒドロキシルアミンおよび/またはその誘
導体とを反応せしめ、次いでアミノ化合物を加えてさら
に反応を行う方法、あるいはまずニトリル基を有する樹
脂とアミノ化合物とを反応せしめ、次いでヒドロキシル
アミンおよび/またはその誘導体を反応させる方法によ
っても行うことができる。
【0034】ニトリル基を有する樹脂と、ヒドロキシル
アミンおよび/またはその誘導体ならびにアミノ化合物
との反応は、無溶媒下にあるいは、水、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルスル
ホオキシド、トルエン、キシレン、四塩化炭素、1,2
−ジクロルエタンなどの溶媒の存在下に、常温〜150
℃、好ましくは50〜120℃で行われる。反応温度が
常温より低くなると反応速度が遅くなり、長時間の反応
を要するし、また反応温度が約150℃以上になると生
成官能基の分解現象が生じてくるので好ましくない。
【0035】反応は、上記の温度にて、約 0.1〜2
4時間、好ましくは 0.5〜6時間行えばよく、その
範囲内の最適温度は、反応温度、反応液濃度、使用する
溶媒、反応試剤の種類などによって決められる。しかし
、さらに長い反応時間を採用することもできる。この反
応は一般に常圧で行われるが、加圧下でも可能である。
【0036】ニトリル基を有する樹脂に対するヒドロキ
シルアミンおよび/またはその誘導体ならびにアミノ化
合物の反応割合は、樹脂中のニトリル基1当量に対して
、ヒドロキシルアミンおよび/またはその誘導体を1/
5モル量以上、およびアミノ化合物を1/20モル量以
上用いればよい。必要以上の反応試剤を用いることは反
応後の回収処理を伴い、処理操作が煩雑となるため、好
ましくは樹脂中のニトリル基1当量に対して、ヒドロキ
シルアミンおよび/またはその誘導体2/5〜10モル
量、アミノ化合物1/10〜3モル量の範囲で用いられ
る。ニトリル基を有する樹脂に対して、用いるヒドロキ
シルアミンおよび/またはその誘導体ならびにアミノ化
合物の反応割合が上記より少なくなると、キレート形成
官能基の導入量が少なくなり、得られる反応生成キレー
ト樹脂の金属吸着容量が低下するので、望ましくない。
【0037】上記反応に使用するヒドロキシルアミンお
よび/またはその誘導体が、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸、
酢酸などの塩の場合は、塩と等量以上の苛性ソーダ、苛
性カリ、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン、N,N−ジメチルアニリンなどの3級アミン、また
は前記アミノ化合物を反応系に共存させ、ニトリル基を
有する樹脂、ヒドロキシルアミンの誘導体およびアミノ
化合物を前記条件で反応させればよい。
【0038】以上のようにして製造した反応生成物は、
そのまま、あるいは洗滌、乾燥を行ったあと、キレート
樹脂として使用することができる。
【0039】本発明のキレート樹脂は、主な官能基とし
て、前記一般式(A)で示される基および前記一般式(
B)で示される基を含む点に特徴を有する。したがって
、原料のニトリル基を有する樹脂として、前記式(I)
で示される構造単位を有するシアン化ビニル系単量体の
重合体または共重合体を用いた場合、得られるキレート
樹脂は、次式(I−A) および(I−B) で示され
る構造単位を有する。
【0040】     〔式中、X1 は水素原子、メチル基、前記一
般式(A)で示される官能基または前記一般式(B)で
示される官能基を表わし、Qは前記一般式(A)におい
て定義したとおりの意味を有する〕
【0041】     〔式中、X1 は前記式(I−A) で定義し
たとおりの意味を有し、Rは前記一般式(B)において
定義したとおりの意味を有する〕
【0042】また原料のニトリル基を有する樹脂が共重
合成分、特に架橋成分であるジビニルベンゼン、ジエチ
レングリコールジメタアクレレート、エチレングリコー
ルジメタアクリレートまたはポリエチレングリコールジ
メタアクレレートを用いた共重合体である場合は、前記
式(I−A) および前記式(I−B) の構造単位に
加えて、前記式(II)の構造単位を有する。
【0043】このような本発明のキレート樹脂は、吸着
速度および吸着容量が大きく、したがって、ウラン、ガ
リウム、インジウム、銅、鉄、水銀、鉛などの金属イオ
ンを吸着除去するのに、極めて有効に利用できる。かか
るキレート樹脂が、従来公知のアミドオキシム型キレー
ト樹脂と比較して、大きな吸着速度および大きな吸着容
量を示す理由は定かでないが、以下のような理由による
ものと推定される。
【0044】すなわち、ニトリル基を有する樹脂と、ヒ
ドロキシルアミンおよび/またはその誘導体ならびにア
ミノ化合物との反応において、アミノ化合物と樹脂中の
ニトリル基の電気的相互作用により、ヒドロキシルアミ
ンおよび/またはその誘導体とニトリル基との反応性が
、アミノ化合物を共存しない系に比べて向上し、前記一
般式(A)で示される官能基の導入量が多くなり、かつ
ニトリル基とアミノ化合物との反応によって生成する前
記一般式(B)で示される官能基と、前記一般式(A)
で示される官能基との相互作用により、キレート吸着能
が官能基(A)単独の場合に比べて大きくなったためと
考えられる。
【0045】以上詳述した如く本発明のキレート樹脂は
、公知のアミドオキシム型キレート樹脂に比較して、高
吸着速度および高吸着容量という利点を有する。それゆ
えこのキレート樹脂を使用すれば、吸着速度および吸着
容量が大きいことから液空塔速度を大きくすることがで
き、そのため大量の液を処理する場合に極めて有効であ
り、また処理設備の建設費や運転経費が安くてよいなど
の利点がある。したがって本発明のキレート樹脂は、そ
の工業的価値がすこぶる大なるものである。
【0046】以下、本発明を実施例によってさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。
【0047】実施例1 架橋度10モル%、20〜50メッシュ粒径のアクリロ
ニトリル−ジビニルベンゼン共重合体であるニトリル基
を有する樹脂61重量部に、塩酸ヒドロキシルアミン1
39重量部、抱水ヒドラジン100重量部、および水3
00重量部を加え、90〜107℃で4時間反応させ、
次いで濾過、洗滌したところ、169重量部(未乾燥)
のキレート樹脂が得られた。このキレート樹脂中には、
次式 で示される官能基 (A−1) 6.0 mol/L−
樹脂、および次式 で示される官能基 (B−1) 1.8 mol/L−
樹脂が認められた。したがってこのキレート樹脂は、以
下に示す構造単位が以下のような割合で不規則に配列し
たものである。
【0048】
【0049】
【0050】 〔式中、Phはフェニレンを表わす〕
【0051】得られたキレート樹脂7mlを、Ga 1
97ppm を含むバイヤー法によるアルミナ製造工程
からのアルミン酸ナトリウム水溶液50mlに加え、2
0時間振盪を行ったあと、キレート樹脂と水層に分離し
た。水層側に残ったGa の濃度を分析したところ、1
4ppm であった。またこれとは別に、上記反応で得
られたキレート樹脂1mlを、110ppm のUを含
む富化海水50mlに加え、20時間振盪を行ったあと
、キレート樹脂と水層に分離した。水層側に残ったUの
濃度を分析したところ、17ppm であった。
【0052】実施例2〜15 実施例1で用いたアミノ化合物である抱水ヒドラジンお
よびその使用量を表1および表2に示したアミノ化合物
および量に変えた以外は、実施例1と同様にして反応を
行い、キレート樹脂を合成して、性能試験を行った。そ
の結果を表1および表2に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】実施例16 架橋度8モル%、20〜50メッシュ粒径のシアン化ビ
ニリデン−ジビニルベンゼン共重合体であるニトリル基
を有する樹脂82重量部に、硫酸ヒドロキシルアミン1
64重量部、30重量%苛性ソーダ水溶液267重量部
、およびジエチレントリアミン103重量部を加え、9
0〜103℃で2時間反応させ、次いで濾過、洗滌した
ところ、284重量部(未乾燥)のキレート樹脂が得ら
れた。このキレート樹脂中には、次式で示される官能基
 (A−2) 9.8 mol/L−樹脂、および次式 で示される官能基 (B−2) 3.0 mol/L−
樹脂が認められた。このキレート樹脂は以下に示す構造
単位を有する。
【0056】     〔式中、X2 およびX3 は同一または異な
る前記(A−2) または(B−2) のいずれかの官
能基を表わす〕
【0057】 〔式中、Phはフェニレンを表わす〕
【0058】得られた樹脂の性能試験を実施例1と同じ
方法で行ったところ、水層側のGa濃度は3ppm 、
またU濃度は5ppm であった。
【0059】実施例17〜20 ニトリル基を有する樹脂の種類と量を表3に示す樹脂に
変えた以外は、実施例16と同様にして反応を行い、キ
レート樹脂を合成して、性能試験を行った。その結果を
表3に示した。
【0060】
【表3】
【0061】実施例21 架橋度10モル%、20〜50メッシュ粒径のアクリロ
ニトリル−ジビニルベンゼン共重合体であるニトリル基
を有する樹脂67重量部に、N−メチルヒドロキシルア
ミン94重量部、抱水ヒドラジン50重量部、および水
400重量部を加え、70〜103℃で6時間反応させ
、次いで濾過、洗滌したところ、224重量部(未乾燥
)のキレート樹脂が得られた。このキレート樹脂中には
、次式 で示される官能基 (A−3) 5.3 mol/L−
樹脂、および次式 で示される官能基 (B−3) 2.3 mol/L−
樹脂が認められた。
【0062】得られた樹脂の性能試験を実施例1と同じ
方法で行ったところ、水層側のGa濃度は18ppm 
、またU濃度は23ppm であった。
【0063】実施例22〜25 実施例21で用いたN−メチルヒドロキシルアミンおよ
び抱水ヒドラジンに代えて、それぞれ表4の「ヒドロキ
シルアミン誘導体」および「アミノ化合物」の各欄に示
す化合物をそれぞれの量用いた以外は、実施例21と同
様にして反応を行い、キレート樹脂を合成して、性能試
験を行った。その結果を表4に示した。
【0064】
【表4】
【0065】比較例1 実施例1で用いた抱水ヒドラジンを80重量部の苛性ソ
ーダに変えた以外は、実施例1と同様にして反応を行い
、キレート樹脂を合成したところ、147重量部(未乾
燥)のキレート樹脂が得られた。このキレート樹脂中に
は、次式 で示される官能基が 2.2 mol/L−樹脂認めら
れた。得られたキレート樹脂の性能試験を実施例1と同
じ方法で行ったところ、水層側に残ったGa 濃度は8
9ppm 、またU濃度は34ppm であった。
【0066】比較例2 ニトリル基を有する樹脂として、架橋度20モル%、2
0〜50メッシュ粒径のアクリロニトリル−ジエチレン
グリコールジメタクリレート重合体86重量部を使用し
、ジエチレントリアミン103重量部を除いた以外は、
実施例16と同様にして反応を行い、キレート樹脂を合
成したところ、211重量部(未乾燥)のキレート樹脂
が得られた。このキレート樹脂中には、次式で示される
官能基が 1.9 mol/L−樹脂含有されていた。 得られたキレート樹脂の性能試験を実施例1と同じ方法
で行ったところ、水層側に残ったGa の濃度は93p
pm 、またUの濃度は32ppm であった。
【0067】比較例3 アミドオキシム基を有する市販のキレート樹脂デュオラ
イト CS−346 (ダイヤモンドシャムロック社製
)を用いて、吸着性能試験を実施例1と同じ方法で行っ
たところ、水層側に残ったGa の濃度は114ppm
 、またUの濃度は37ppm であった。
【0068】以上の実施例および比較例からも明らかな
ように、本発明に従って、ニトリル基を有する樹脂とヒ
ドロキシルアミンおよび/またはその誘導体との反応を
、アミノ化合物の存在下に行って得たキレート樹脂は、
公知のアミドオキシム基型キレート樹脂と比較して、金
属イオンに対する吸着速度および吸着容量が大きく、工
業的にも非常に有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニトリル基を有する樹脂に、ヒドロキシル
    アミンおよび/またはその誘導体とアミノ化合物とを反
    応させて得られる、一般式(A)     〔式中、Qは水素原子、アルキル基またはアミ
    ノアルキル基を表わし、ここでアルキルとは炭素数1ま
    たは2のものをいう〕で示される官能基、および一般式
    (B)     〔式中、Rはアミノ基、アルキルアミノ基、ポ
    リエチレンポリアミノ基、ヒドラジノ基、イミノメチル
    アミノ基、グアニジノ基、セミカルバジド基またはこれ
    らの誘導体を表わす〕で示される官能基を有するキレー
    ト樹脂。
  2. 【請求項2】一般式(B)におけるRがアミノ基、ヒド
    ラジノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、または炭
    素数2〜10でかつ窒素数2〜6のポリエチレンポリア
    ミノ基である特許請求の範囲第1項記載のキレート樹脂
  3. 【請求項3】一般式(A)におけるQが水素原子であり
    、そして一般式(B)におけるRがヒドラジノ基、また
    は炭素数2〜10でかつ窒素数2〜6のポリエチレンポ
    リアミノ基である特許請求の範囲第1項記載のキレート
    樹脂。
  4. 【請求項4】一般式(A)および(B)で示される官能
    基の当量比(B)/(A)が 0.1〜1である特許請
    求の範囲第1、第2または第3項記載のキレート樹脂。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013122913A (ja) * 2011-11-11 2013-06-20 Mitsubishi Rayon Co Ltd 二次電池電極用バインダ、これを用いた二次電池電極用スラリー組成物、二次電池用電極、及び二次電池

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